金利引き上げ・金融緩和継続はどちらもイバラの道!経営者ができることは?
日本と欧米の金利差による円安が深刻です。
日本銀行(以下、日銀)の黒田東彦(くろだはるひこ)総裁は、「現在の急激な円安の加速は日本の金融政策ではない(2022年5月30日発言)」としており、いずれ収束するとの見解を示し、2022年11月も金融緩和を継続しています。
一方で、過度な円安による輸入コストの増加は日本国内で活動している中小企業に大きな影響を与えていることも事実です。
それでは、経営者はこのまま金融緩和の継続を望むことが得策といえるのでしょうか。
本記事では、金利引き上げや金融緩和継続におけるメリット・デメリットを紹介しつつ、経営者としてできることを紹介します。
金利引き上げ・金融緩和継続はどちらもイバラの道である理由
現在、日本が急速な円安が進んでいる原因のひとつに欧米との金利格差があります。しかし、コロナ禍による影響が完全に収まっていない日本において、金利を上げることは非常にリスクが高いといえます。
金利を下げる金融政策は企業の借入がしやすくなり、借入金を設備投資に回し、経済を活性化させるメリットがあります。その反面、経済が活性化していない状況で一度下げた金利を上げると返済の利払いが増えて、借り換えが滞る、資金繰りを圧迫して業績が悪化する恐れがあります。
また、金融緩和により借入をおこなう企業の中には財政基盤が弱い企業も多く、2020年、2021年の低格付け債(信用格付けがダブルB格以下の企業が発行する債券)の発行額が連続で最高を更新していることからも金利の引き上げは日本経済にマイナスの影響が大きいことが推測できます。
では、金融緩和の継続が日本経済にとって良いかどうかも疑問があります。