飲食業はどうしても「日々の業務」「人の入れ替わり」「季節メニュー」に意識が取られ、助成金は「キャリアアップ助成金だけなんとか押さえておけばいい」という運用になりがちです。
しかし実際には、厨房の入れ替え・バックヤードの動線改善・人が集まらない時間帯の省力化などの“働き方を良くするための投資”には、使える助成金がいくつもあります。
今回紹介するのは、福岡で146名規模の飲食事業を展開するA社が、店舗改装のタイミングで働き方改革推進支援助成金を活用し、結果として142万円分の負担を軽くした事例です。
延べ1,000社以上を調査してきた元信用調査会社・金井弘一朗氏が、「なぜ“言ってくれたから取れた”助成金が信用面でも効くのか」を解説します。
監修:金井弘一朗(元大手信用調査会社調査員)
新卒で大手信用調査会社へ入社し、調査部で延べ1,000社以上の企業を担当。業種別分析・財務評価・信用格付け・面談・レポーティングを通じ、企業の経営課題を可視化。その後関西学院大学客員研究員として、企業分析・リサーチの研究を行った後、株式会社ケイ・ブリッジを設立。経済産業省アクセラレーションプログラム「EXIT」に選定されたほか、経済産業省からの認定も受けるなど数多くの賞を受賞。
現在は中小企業を中心に、経営分析・戦略立案・マーケティング支援の伴走も行っている。
また、「パソコン博士の知恵袋」や「建築現場の知恵袋」など複数の専門メディアで記事監修を務めるなど、幅広い監修実績を持つ。
A社はもともとキャリアアップ助成金のみを活用していました。飲食で多い“パート・アルバイト→正社員化”の流れに充てていたためです。
企業概要
業種:飲食業
所在地:福岡県
従業員数:146名
F&MClub利用歴:3年目
ところがこのやり方には一つ落とし穴があります。「人」にしか助成金を充てていないので、「モノ」や「環境」を変えるときの補助が一切取れないということです。
しかし、ちょうどその頃、A社では老朽化した店舗の厨房設備を入れ替え、導線を見直す改装を予定していました。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
飲食チェーンは一般的には利益率がやや薄く、投資に対してキャッシュを生み出しにくい業態です。設備によっては耐用年数に減価償却が数年にわたるため、金融機関からの借入が必要になってきます。“投資をした月と決算月が近いと納税もあって一気にキャッシュアウトしてしまう”と資金繰りがブレやすく、金融機関の調達のタイミングを間違えると希望している融資がおりないということもあります。そんな中、助成金が決定していると融資がしやすく、設備更新のタイミングで借入を行い、助成金も後程入金されることで資金繰りも良くなり、対外的な見え方も良くなります。
今回の最大のポイントは、企業側から「この助成金を申請したい」と言ったのではなく、F&MClub側が面談の中で“投資予定”を拾ったことです。
【F&M Clubの専門アドバイザーによる主なサポート】
改装計画のヒアリング
定期面談のなかで「厨房を替えたい」「導線を直したい」という予定を確認。
それが“単なるリニューアル”ではなく、“働き方や労働時間の改善につながる改装”であることを確認。
働き方改革推進支援助成金の提案と該当要件の整理
設備・機器・工事が対象になることを説明。
併せて労務要件(就業規則・労働時間の見直しなど)についても整っているかを確認し、足りない部分は整備を促す。
申請手続きのサポート(社労士との連携)
助成金の申請支援・代行を行う社会保険労務士と連携し、ガスフライヤー・電子レンジ・工事代金を対象に申請。
結果として142万円の助成金受給につなげた。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
助成金は“動きがあったとき”にしか申請できません。設備を入れた、時間外を減らした、人を正社員化したなどのイベントを会計事務所や社労士、今回のようにF&MClubのようなサービスによりタイムリーに情報をキャッチできるかどうかで、助成金を受け取れるかの分岐点になります。
この会社は定期的にこういった情報を持っているF&MClubと面談をしていたので、「改装するなら今が申請のタイミングです」と言えました。これは運用レベルでの差ですが、信用調査の現場でも“制度を取りこぼさない管理がある会社”は評価しやすいです。
今回の取り組みの結果、A社は次のような成果を得ました。
働き方改革推進支援助成金を活用し、142万円の受給を実現
本来なら自己資金で全額負担するはずだった改装費を一部相殺できた
投資に助成金を組み込めることがわかり、今後の店舗更新や省力化投資でも「まずF&Mに聞く」という社内ルールが定着した

ここで重要なのは、「もらえた金額が142万円だった」ことそのものより、「投資発想に助成金をのせられる会社になった」ことです。
飲食は今後も、厨房機器の更新・席数の見直し・バックヤードの改善など、ちょっとした投資が何度も出てきます。そのたびに同じやり方ができるので、効果は一回で終わりません。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
投資は最小限で効果を発揮すると金融機関に説明できる会社は強いです。
「この工事は〇〇助成金を申請中で、入金は◯月予定です」と言えると、投資が最小限になり、資金繰り表をみた時にもどのタイミングで回収できるかもわかりやすくなります。今回のように設備や工事に助成金を導入することで、結果として“投資をしても資金が細らない会社”に見えます。これは格付け評価でもプラスに働きやすいポイントです。
この事例からの学びは3つです。
キャリアアップ助成金だけだと、投資のタイミングを逃す
定期面談・サービスセンターへの相談を習慣化しておくと、“今の計画に合う助成金”を向こうから提案してもらえる
投資計画が出た瞬間に労務・助成金チームを動かせる体制を作ると、毎回の改装でコストを削れる
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
飲食のように店舗が複数ある会社は、1店舗あたりで見ると「今回は100万ちょっと浮いた」で終わりますが、5店舗・10店舗で回すと話が大きくなります。制度があるうちに仕組み化しておくことが重要です。
今回のA社は、「助成金を知っていたけど使っていなかった」ゾーンから、「投資をするときは助成金をセットで考える」ゾーンに移行できました。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
これは財務的には、投資1回あたりの実質負担を下げていく仕組みを持てたということです。
信用調査の立場から見ると、こうした会社は「利益が出ているから投資する」のではなく、「投資しても回収の絵があるから投資できる」会社に見えます。再現性があるので、取引先としても見通しを立てやすいといえます。
F&M Clubでは、“投資計画に助成金を織り込む”という発想を、財務・労務・補助金の各メニューでワンストップに支援しています。
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「店舗改装や設備更新の予定がある」「投資を計画しているが資金負担が不安」という企業は、まずはF&M Clubにご相談ください。
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