逆風の給食業界での革命。債務超過5,300万円・累計赤字1億円から劇的利益率改善を達成した話

原材料費の高騰や人件費の上昇など、経営環境の変化により「黒字を維持できない」「金融機関の評価が下がった」と悩む企業は少なくありません。

近年、給食業界では食材価格、人件費、光熱費の急激な上昇により経営環境が著しく悪化しています。たとえば、2022年度の業績で給食事業者374社のうち6割超が赤字・減益に陥っており、3年連続赤字の企業も1割以上存在しています。*1

また、2023年1〜10月には負債1,000万円以上の法的整理による給食事業者の倒産が17件に上り、2年連続の増加・過去5年で最多ペースとなっています。*2

入札競争による低価格契約が常態化している学校給食では、コスト上昇を価格転嫁できず撤退に追い込まれる中小企業も増加しています。*3

本記事では、累積損失1億円・債務超過5,300万円という危機的状況から、数字を基盤とした経営改善によって再生を果たしたA社の事例を紹介します。

1,000社以上を分析してきた元信用調査員・金井弘一朗氏が、「金融機関が評価する経営改善」のポイントを解説します。

*1 参考: 倒産集計 2023年 10月報|株式会社 帝国データバンク

*2 参考:「安い給食」はもう限界か 相次ぐ給食業者の倒産 背景にある問題点|ITmedia ビジネスオンライン

*3 参考:「安い給食」物価高で限界 給食企業の倒産、2年連続増加 食のインフラどう守る 「安くて当然」から脱却必須|PR TIMES


監修:金井弘一朗(元大手信用調査会社調査員)

新卒で大手信用調査会社へ入社し、調査部で延べ1,000社以上の企業を担当。業種別分析・財務評価・信用格付け・面談・レポーティングを通じ、企業の経営課題を可視化。その後関西学院大学客員研究員として、企業分析・リサーチの研究を行った後、株式会社ケイ・ブリッジを設立。経済産業省アクセラレーションプログラム「EXIT」に選定されたほか、経済産業省からの認定も受けるなど数多くの賞を受賞。

現在は中小企業を中心に、経営分析・戦略立案・マーケティング支援の伴走も行っている。

また、「パソコン博士の知恵袋」や「建築現場の知恵袋」など複数の専門メディアで記事監修を務めるなど、幅広い監修実績を持つ。


はじめに:数字で立て直した再生の実例

愛知県でお弁当・給食製造を手掛けるA社は、過去10年間で黒字はわずか4回。

累積損失は1億円を超え、債務超過5,300万円という厳しい状況にありました。

企業概要

  • 業種: 食品製造業(弁当・給食)

  • 所在地: 愛知県

  • 従業員数: 23名

金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:

銀行からの新たな融資が受けられず、資金繰りも限界に近い。

信用調査員の立場から見れば「要注意先」に分類される状態でした。

しかしA社は、F&M Clubのキャッシュフローを中心とした施策によって経営改善していき、劇的な復活を遂げることになります。


地域密着の中小企業であり、安定した供給と人員確保ができていたにも関わらず、原材料費の高騰が続き、赤字体質が慢性化していました。

金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:

信用調査の観点では赤字が続いていること。債務超過による資産状況を鑑みて、収益改善が行われない限りは取引注意という判断になります。

そこに対してのネックは「価格転嫁の難しさに伴う収益改善が見込めないのではないか」と「財務改善をする際のコストをしっかり管理できているかどうか」の2点が大きいと言えます。

逆風の給食業界での革命。債務超過5,300万円・累計赤字1億円から劇的利益率改善を達成した話

転機:F&M Clubの支援で見えた改善の糸口

A社の再建を支えたのは、F&M Clubによる利益率改善と資金繰り安定化の両輪支援です。

【F&M Clubのコンサルタントによる主なサポート】

1. 営業利益を黒字化するための具体的なアドバイス

    単なるコスト削減ではなく、「単価・原価・効率化」の3軸で利益構造を再設計。

2. 資金繰り対策の強化

    資金繰り不安に備え、最悪シナリオを想定した返済計画・スケジュールを策定。

3. 数値管理の仕組み化

    4か月ごとの定期面談で業績指標を確認し、改善サイクルを定着。


金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
信用調査会社では膨大なデータがあり、業界平均の売上規模、利益率、自己資本率等を元にその会社の財務分析を行います。

F&M Clubの財務分析レポートを活用して利益率の分析をすることで、価格交渉がしやすかったり、メニューの見直しや生産効率を上げられる調理方法を考えるなど具体的な改善をすることが可能になると考えます。

資金繰りについては金融機関へのリスケ交渉について、収益改善することで受け入れてもらえる可能性が広がります。その上でネガティブな数値も想定しながら数値管理を短期でより管理会計(売上や利益にどのコストが関係しているのか)視点をより強化し、数値管理を仕組み化し、改善のPDCAサイクルを早く回すことが重要です。

成果:黒字化を実現し、営業利益をプラス1,800万円に!

A社は幼稚園給食の新規受託により売上を拡大し、同時に弁当単価の適正化・原価の見直し・業務効率化を進めました。

結果として、営業利益はプラス1,800万円へと回復。

資金繰りに余裕が生まれ、金融機関との関係改善にもつながりました。


金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:

苦境に立たされる給食・弁当事業者が利益を改善することは容易ではありません。弁当事業は大手がスケールメリットを活かし、コストリーダシップ戦略で価格競争でなかなか勝てず、給食などでは予算が決まっているため価格転嫁しづらい中で、今回は財務分析により、利益構造の健全化が行われました。これに伴い新規の受注も受ける体制ができたこと。新規の受注は価格転嫁しやすいことで、利益が大幅に改善されていきました。

数多くの企業によるビッグデータを元にした分析は再現性が非常に高く、黒字化を目指すモデルとして他社にも広く応用可能であると考えられます。

教訓:財務悪化しても参考になる3つのポイント

この事例から導かれる教訓は次の3点です。

  1. 利益率改善は「単価」と「原価」の両輪で取り組むこと
  2. 資金繰りは最悪シナリオを想定し、複数案を持つこと
  3. 継続的な数値管理体制を整えること

金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:

厳しい財務状況の中で、格付けで高い評価を得られることはないですが、足元の改善が見えている状況であれば、「赤字決算が続いて、債務超過で他に担保となる資産も見当たらないが、直近の財務状況は改善しており、動向に注視していきたい」とレポーティングすることがあります。

まとめ:数字を見える化することで企業は変わる

金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
債務超過5,300万円で累損が1億円と極めて厳しい状況にも関わらず、営業利益を1,800万円まで改善できた理由としては、「数字に基づく経営判断」を日常化できた点にあります。

売上に対して、原価が高いのか人件費が高いのか。

ベストな回答がなくてもベターな回答はあるはずで、それを分析して改善していく流れを続けることで、黒字化を継続しやすくなります。

今回のケースの場合、累損が1億あるため利益を出すことでキャッシュフローが改善しやすい状況でした。

このような状況の企業は増加傾向にあり、近年倒産が相次いでいますが言い換えれば同業他社の倒産はチャンスでもあります。財務改善をしっかり行い強固な経営体制・バックオフィスを作った上でシェアを取りに行くことでピンチをチャンスに変えることができるとも言えます。

こうした「数字を基盤にした経営体制」を整えるためのパートナーとして、中小企業

累計48,000社以上がF&M Clubを活用しています。

F&M Clubは、財務・労務・補助金など、経営に必要な領域をワンストップで支援し、再現性のある改善を実現します。

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