人手不足が続く中小企業にとって、「男性社員が育休を取る」という出来事は年々“例外”ではなくなっています。
一方で、制度としては認めたいが「就業規則が追いついていない」「代替要員をどうするか決まっていない」「助成金に該当するか判断できない」といった実務上の課題から、現場が混乱するケースも少なくありません。
厚生労働省の公表資料でも、男性の育児休業取得率は徐々に上がっているものの、中小企業ほど制度運用面での“つまずき”が多く、結果として本来使えたはずの助成金を取りこぼしている事例が見られます。
「知らなかった」「準備してなかった」「書類が足りなかった」この3つが典型的なロスのパターンです。
本記事では、サービス業のA社が、初めての男性育休取得に際して、F&MClubの継続面談を起点に、両立支援等助成金の申請までスムーズに完了させた実例を紹介します。
延べ1,000社以上を見てきた元信用調査会社の金井弘一朗氏が、「助成金を“たまたまもらえた”で終わらせないための管理のポイント」を解説します。
監修:金井弘一朗(元大手信用調査会社調査員)
新卒で大手信用調査会社へ入社し、調査部で延べ1,000社以上の企業を担当。業種別分析・財務評価・信用格付け・面談・レポーティングを通じ、企業の経営課題を可視化。その後関西学院大学客員研究員として、企業分析・リサーチの研究を行った後、株式会社ケイ・ブリッジを設立。経済産業省アクセラレーションプログラム「EXIT」に選定されたほか、経済産業省からの認定も受けるなど数多くの賞を受賞。
現在は中小企業を中心に、経営分析・戦略立案・マーケティング支援の伴走も行っている。
また、「パソコン博士の知恵袋」や「建築現場の知恵袋」など複数の専門メディアで記事監修を務めるなど、幅広い監修実績を持つ。
A社は、F&MClubと契約して4年目になる埼玉県の中小企業です。
企業概要
業種:サービス業
所在地:埼玉県
従業員数:20名
F&MClub利用歴:4年目
もともと「助成金を申請し忘れないように」という目的で、F&MClubとの定期面談を続けていました。
そんな中で発生したのが、社内で初めての男性社員による育児休業の取得です。
育休は取らせたい
就業規則の該当部分を整えなければならない
どの助成金が今回のケースに該当するのか判断できない
そもそも書類のひな形がなく、社内通達文も作れていない
という“やる気はあるが、進め方がわからない”状態に陥っていました。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
中小企業の労務分野でよくあるのは「就業規則を整備するタイミングで初めて助成金の存在を知る」という逆転現象です。
つまり、事前に制度を把握していたら取れたはずの助成金を、実務の遅れによって取り逃してしまう。これは財務的には小さな額でも、“労務リスクをコントロールできていない会社”という印象につながります。
金融機関や調査会社は、法令・助成金への対応姿勢を見て、その会社の管理レベルを推し量ります。
通常業務は回っている一方で、育児・介護・新たな働き方といった“最近の労務テーマ”については、社内だけで最新情報をキャッチするのが難しいフェーズにありました。
今回のポイントは、A社がF&MClubに「男性が育休を取るんですが、何か助成はありますか?」と自発的に聞いたわけではない、という点です。
日頃から行っていた定期面談の中で人事・労務の動きをヒアリングしていたため、専門アドバイザーが変化をキャッチし、該当する助成金として「両立支援等助成金」を案内しました。
【F&M Clubの専門アドバイザーによる主なサポート】
男性社員の育休取得を見据えた社内体制の見直し
就業規則・育休取得フロー・代替要員の考え方などを整理し、「育休を認める会社です」という形をまずつくる。
該当助成金(両立支援等助成金)を特定して案内
今回のケースが制度上対象になるかどうかを確認し、要件やスケジュールを社長・担当者に共有。
規定の見直し・社内通達文の作成を伴走
実際に社内で使う文言や通達文も、専門アドバイザーに相談しながら作成。
書類準備から事務局提出までをスムーズに進行
必要書類の棚卸しと、提出フローをF&MClub側で整理。申請自体は社労士に依頼する形で、社内の工数を最小限に。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
このケースで評価したいのは、「相談があったから答えた」のではなく、「変化が起きそうなところを把握していたから打ち手を出せた」点です。
金融機関が好むのは、“偶然申請できた会社”ではなく“制度対応が仕組み化されている会社”です。
定期面談というリズムがあれば、助成金・補助金の取りこぼしを防ぎやすくなり、結果としてキャッシュフローの安定度も増します。
A社では、F&MClubのサポートにより、下記一連のプロセスを、初回の育休取得にもかかわらずほぼ止まることなく進めることができました。
男性育休に対応した就業規則・通達文を整備
両立支援等助成金に該当することを確認
必要書類を揃え、事務局へスムーズに提出

ここで重要なのは、「助成金を受給できた」ことと同じくらい、“次に同じことが起きても同じように対応できる状態になった”という点です。
これは単なる1回きりの成功事例ではなく、労務面での“運用の型”を社内に持てたということでもあります。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
人事・労務分野の助成金は、金額自体は数十万円規模であることも多く、財務諸表だけ見るとインパクトが小さく見えます。
しかし、調査・金融機関の評価では、法律を遵守しているか、正社員数の推移を見ており、業績が上がっているにも関わらず離職している環境では人員不足に伴う倒産も懸念されます。そのため法改正への対応や就業規則をはじめとした労務環境の整備できている会社はそのようなことも少なく、そういったリスクが低いと判断できると言えます。
とくに男性育休は今後も広がるテーマなので、今回のように最初の1件目でミスなく通せたことは、組織運営上かなりプラスです。
この事例から得られる教訓はシンプルです。
助成金は「知っているものだけを取る」ではなく「起きそうな出来事から逆算して拾う」ほうが漏れにくい
定期面談で会社の変化をウォッチしてもらうと、社内から相談しなくても助成金情報が入ってくる
書類・規定・通達をひな形化しておくと、2人目・3人目の育休取得のときにコストが激減する
つまり、助成金は“お金の話”であると同時に、“組織を新しい働き方に対応させるためのトリガー”としても使えるということです。
金井弘一朗(元大手信用調査会社)のコメント:
A社がスムーズに男性育休と助成金申請を進められたのは、結果的にはF&MClubと4年間続けてきた定期的な面談があったことが大きかったと言えるでしょう。
制度が変わるたびに一から調べるのではなく、「会社でこういうことが起きそうです」と伝えると、該当する助成が返ってくる状態になっていたのが大きな強みです。
F&M Clubでは、財務・労務・補助金といった“担当が分断されがちな領域”をワンストップで支援しています。
定期的な面談を通じて会社の変化を把握し、助成金や制度改正などの情報をタイムリーに届ける仕組みが整っているため、小さな変化でもすぐに最適な打ち手を出すことができます。
累計48,000社以上の中小企業がF&M Clubを活用し、「情報を取りこぼさない体制」を外部パートナーとして構築しています。
男性育休や新しい労務制度への対応に不安がある方は、まずはF&M Clubへご相談ください。
専門の専門アドバイザーが、制度設計から助成金申請まで一貫してサポートします。