高年齢労働者・外国人労働者を酷使する企業の悲惨な末路(4つの責任)
人口減少による人手不足は外国人労働者や高年齢労働者の活用が不可欠とされている中、就労を希望する高年齢者は増えていくことが予想されます。
それに伴い、複数事業所勤務での雇用保険適用や高年齢者雇用対策が打ち出されており、高年齢者の雇用に動き出されている中小企業も少なくありません。
また、採用難に陥りやすい中小企業や飲食業界では、外国人労働者は貴重な労働力であり、日本経済を支える上で重要な存在です。
しかし、安易に高年齢労働者や外国人労働者を雇用し、酷使する働き方をおこなわせると思わぬ損失が生じる可能性があります。
本記事では、高年齢労働者や外国人労働者を雇用した際に想定されるリスクを中心にご紹介します。
高年齢雇用のリスクを整理しましょう
高年齢雇用の多くは、若手社員よりも給与が高い一方で、若手社員に比べて活躍する機会が少ないため、企業にとって、費用対効果が悪くなってしまいます。
しかし、定年後再雇用の給与水準を著しく減額する(一般的には6割以上の減額)行為は法令違反に抵触する可能性があります。
特に同一労働同一賃金の原則とした再雇用(定年前後で職務に変更がない等)には注意が必要です。
【高年齢者雇用で気をつけたいリスクについて】
- 同一労働同一賃金による不合理な給与水準の減額
- 給与格差による若手社員との分断
- 費用対効果の悪化
- 労災の増加による企業イメージの毀損
外国人労働者に関するトラブル
慢性的な人手不足の解消には、高年齢者だけでなく、外国人労働者の活用も重要な選択です。
外交人労働者は採用難に陥りやすい中小企業にとっても貴重な人材であり、体力も柔軟性もある若い世代やインバンドに対応できるなどさまざまなメリットがあります。
外国人労働者の雇用は前年比 2,893 人増加しており、外国人を雇用する事業所数は 285,080カ所で、前年比 17,837カ所増加しています。
【参考】「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)│厚生労働省
一方で、外国人雇用における企業の法令違反も存在します。
特に企業が責任を問われる内容には「在留資格がない不法滞在者の雇用」や「ハローワークへの雇用届出義務違反」、「週28時間を超える勤務の強要」が挙げられます。
違反した場合、企業だけでなく労務管理者や現場責任者まで刑事責任を問われ、3年以下の懲役、300万円以下の罰金またはその両方が課されます。
また、職場からの逃亡や集団犯罪への関与、日本の法律への無理解から起きた法令違反を起こす可能性があります。
こうしたトラブルを回避するためにも、企業は外国人を受け入れる体制を構築しておく必要があります。
高年齢者雇用では労災増加に注意!その割合は?
現在、厚生年金65歳まで納付が議論されており、高年齢者の就労希望が増える中、大きなリスクのひとつとして、労災増加が懸念されています。
令和2年の高年齢齢労働者(60歳以上)の労働災害発生状況が占める割合は…