
2023年4月発表!最新版これだけは押さえたい助成金12選!
2023年4月から始まった助成金が2つ、そのほかに押さえておきたい助成金が10つあります。新型コロナウイルス感染症や働き方改革などによって企業環境が変化している中、利用できる助成金があれば利用しようと考えている経営者も多い状況です。
本記事では、押さえておきたい助成金12選を解説します。
目次 |
1. 助成金とは?
1.1. 補助金との違い 2.2023年4月から始まった助成金一覧 2.1.キャリアアップ助成金 (正社員化コース) 2.2. トライアル雇用助成金 (一般トライアルコース) 3.経営者が押さえておきたい助成金一覧 3.1. 中途採用等支援助成金 3.2. トライアル雇用助成金 (一般トライアルコース以外) 3.3. 地域雇用開発助成金 3.4.人材確保等支援助成金 3.5. キャリアアップ助成金 (正社員化コース以外) 3.6. 両立支援等助成金 3.7.人材開発支援助成金 3.8働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
3.9業務改善助成金
3.10産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)
4.F&M Clubの助成金サービス 5.まとめ |
助成金とは?
助成金とは、国や地方公共団体がおこなっており、要件を満たすことで受給できる可能性があるお金です。財源が決まっており、要件もあるため誰でも受給できるわけではありません。しかし要件を満たしていれば、原則支給されるため、期間中申請することをおすすめします。
国の助成金の場合、主に厚生労働省が管轄するが多く、「雇用促進」「職場改善」などを支援するために支給するものがあります。
補助金との違い
助成金と間違いやすいものとして補助金があります。補助金は、助成金と同様に国や地方公共団体がおこなっており、申請に際して審査が必要であることや一定の資格が必要となる場合があり、誰でも受給できるお金ではありません。
例えば補助金を申請し申請者企業が50社ある場合、採択予定件数が20社であれば、30社が審査に落ちてしまいます。審査についても、提出書類で支給を受けるに値する妥当性や必要性が書面で記載されていなければ、採択に至らないことも多いです。補助金申請する場合、提出書類の精度が重要となります。
国の補助金の場合、主に経済産業省や地方自治体が管轄するものが多く、「事業拡大」「設備投資」などを支援するために支給するものがあります。
2023年4月から始まった助成金一覧
2023年4月から始まった助成金が2つあるため、それぞれ解説します。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
キャリアアップ助成金は厚生労働省が管轄する助成金であり、非正規労働者を正社員化した場合に助成されます。主な概要は次のとおりです。
概要 |
非正規労働者を正社員に転換または直接雇用する場合に助成される |
要件 |
・就業規則や労働協約などに非正規労働者を転換する制度が明記されている ・正社員への転換または直接雇用の前後6か月分の賃金が、3%以上増えている |
助成金額 |
・有期雇用労働者を非正規労働者から正社員もしくは直接雇用した場合 中小企業が57万円 大企業が42万7,500円 ・無期雇用労働者を非正規労働者から正社員もしくは直接雇用した場合 中小企業が28万5,000円 大企業が21万3,750円 なお加算措置がある |
申請期間 |
正社員化した後、6か月分の給与を支給した日の翌日から2か月以内
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【出典】厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和5年度版)」より筆者作成
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
トライアル雇用助成金は厚生労働省が管轄する助成金であり、職業経験や技能、知識などの不足によって就職が困難な求職者などを原則3か月間の試行的に雇用する事業主に助成されます。主な概要は次のとおりです。
概要 |
ハローワークなどを通じてトライアル雇用求人を申し込み、トライアル雇用対象者(中高年齢者、若年者、ひとり親家庭の親など)を3か月間雇用した後、双方の合意で正社員として雇用した際に、事業者に対して支給される |
要件 |
1週間の労働時間が30時間を下回らないこと |
助成金額 |
対象者1人につき、月額最大4万円(最長3か月) なお労働者がひとり親家庭の親などの場合、月額最大5万円 |
申請期間 |
トライアル雇用終了日の翌日から起算して2か月以内 |
【出典】厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)のご案内」より筆者作成
経営者が押さえておきたい助成金一覧
上記の2つのほかに押さえておきたい助成金が10つあるため、それぞれ解説します。
中途採用等支援助成金
中途採用等支援助成金は、転職や再就職拡大支援する事業主に助成されます。中途採用等支援助成金は「中途採用拡大コース」「UIJターンコース」の2つがあります。なおUIJターンコースは東京圏から移住者を雇い入れることです。
2つのコースのうち「中途採用拡大コース」の主な概要は次のとおりです。
概要 |
中途採用者の雇用管理制度を整備し、拡大を図る事業主に対して助成される |
要件 |
・中途採用率の拡大 中途採用率を20ポイント以上上昇させる ・45歳以上の中途採用率の拡大 中途採用率を20ポイント以上上昇させ、その内45歳以上の労働者で10ポイント以上上昇し、その労働者全員の賃金を前職よりも5%以上上昇させた |
助成金額 |
・中途採用率の拡大 50万円 ・45歳以上の中途採用率の拡大 100万円 |
【出典】厚生労働省「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」より筆者作成
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース以外)
トライアル雇用助成金は、一般トライアルコースの他、次のコースがあります。
- 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
- 若年・女性建設労働者トライアルコース
障害者トライアルコースは、ハローワークなどの紹介によって就職が困難な障害者を一定期間雇用することで、適性などを見極めて、障害者の就職の実現と雇用機会を作った事業主に助成します。
障害者短時間トライアルコースは、障害者を一定の期間だけ試行的に雇用し、週の所定労働時間を10時間以上20時間未満として、適性や体調などに応じて20時間以上を目指すものとしています。
若年・女性建設労働者トライアルコースは、女性の建設労働者の雇用の改善や技能の向上などを図るための取り組みをおこなった事業主を助成する制度です。
地域雇用開発助成金
地域雇用開発助成金は、雇用情勢が厳しい地域で事業所を置いて従業員を雇用する場合や、沖縄県内に事業所を置いて35歳未満の若年者を雇用する場合、事業主に助成されます。「地域雇用開発コース」「沖縄若年者雇用促進コース」の2つがあります。
2つのうち地域雇用開発コースの概要は次のとおりです。
概要 |
雇用機会が不足している地域などの事業主が、事業所を置き、地域に居住している求職者を雇用する場合、設置整備費用や対象労働者の増加数に応じて助成される |
要件 |
事業用の施設や設備を計画期間内に設置や整備する 地域に居住する求職者を計画期間内に常時雇用する雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者としてハローワークなどの紹介により3人(創業の場合は2人)以上雇用する 事業所の労働者数の増加 |
助成金額 |
設置整備費用 ・300万円以上 3~4人が50万人、5~9人が80万円、10~19人が150万円、20人以上が300万円 ・1,000万円以上 3~4人が60万人、5~9人が100万円、10~19人が200万円、20人以上が400万円 ・3,000万円以上 3~4人が90万人、5~9人が150万円、10~19人が300万円、20人以上が600万円 ・5,000万円以上 3~4人が120万人、5~9人が200万円、10~19人が400万円、20人以上が800万円 なお創業の場合は2人 中小企業事業主の場合、1回目の支給額が上記の1.5倍が支給、また創業の場合2倍が支給 |
出典:厚生労働省「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」より筆者作成
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金は魅力ある職場を作るために、労働環境の改善を目指している事業主などに助成されます。次の9つのコースがあります。
- 雇用管理制度助成コース
- 介護福祉機器助成コース
- 中小企業団体助成コース
- 人事評価改善等助成コース
- 建設キャリアアップシステム等普及促進コース
- 若年者および女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
- 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
- 外国人労働者就労環境整備助成コース
- テレワークコース
9つのコースのうち中小企業団体助成コースの概要は次のとおりです。
概要 |
事業主団体が、構成中小企業の人材確保や従業員の定着支援事業をおこなった場合に助成される |
要件 |
定着支援事業として、既定の措置を講じること |
助成金額 |
1年間の中小企業労働環境向上事業の実施に要した費用の3分の2 ただし支給限度額があり、下記のとおりである 大規模認定組合等(構成中小企業者数500以上)1.000万円 中規模認定組合等(同100以上500未満)800万円 小規模認定組合等(同100未満)600万円 |
申請期間 |
事業実施期間の末日の翌日から起算して2か月以内 |
【出典】厚生労働省「人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)」より筆者作成
自社の条件に合ったコースを選択することをおすすめします。
キャリアアップ助成金(正社員化コース以外)
キャリアアップ助成金は正社員化コース以外に「賃金規定等改定コース」「賃金規定等共通化コース」「賞与・退職金制度導入コース」「短時間労働者労働時間延長コース」があります。
賃金規定等改定コース
概要 |
非正規労働者の基本給の賃金規定などを3%以上増額改定して適用した場合に助成される |
助成金額 |
・3%以上5%未満の増額 中小企業が5万円 大企業が3万3,000円 ・5%以上の増額 中小企業が6万5,000円 大企業が4万3,000円 なお加算措置がある |
【出典厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和5年度版)」より筆者作成
賃金規定等共通化コース
概要 |
非正規労働者と正社員との共通の賃金規定などを新たに定めて、適用した場合に助成される |
助成金額 |
中小企業が60万円 大企業が45万円 |
【出典】厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和5年度版)」より筆者作成
賞与・退職金制度導入コース
概要 |
非正規労働者に対して賞与や退職金制度を新たに設けて、支給または積立した場合に助成される |
助成金額 |
・賞与または退職金制度を導入 中小企業が40万円 大企業が30万円 ・賞与及び退職金制度を同時に導入 中小企業が56万8,000円 大企業が42万6,000円 |
【出典】厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和5年度版)」より筆者作成
短時間労働者労働時間延長コース
概要 |
非正規労働者の週の所定労働時間を延長することで、新たに社会保険の被保険者となった場合に助成される |
助成金額 |
・3時間以上延長 中小企業が23万7,000円 大企業が17万8,000円 ・2時間以上3時間未満延長(6%以上増額) 中小企業が11万7,000円 大企業が8万8,000円 ・1時間以上2時間未満延長(10%以上増額) 中小企業が5万8,000円 大企業が4万3,000円 |
【出典】厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和5年度版)」より筆者作成