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Z世代に選ばれる企業になる!採用・定着を成功させる“共感ブランディング”実践法

Z世代の若手人材は「すぐ辞める」「何を考えているかわからない」といった声をよく耳にします。しかし、その背景には価値観や成長実感への強いこだわりがあり、企業側が“共感設計”と“仕組み化”を行えば、採用・定着は十分に可能です。本記事では、Z世代採用・定着支援の専門家である株式会社PRiMA代表・馬淵氏の視点をもとに、共感ブランディングや社内制度改革の具体策を解説。セミナーで紹介された企業事例も交えながら、Z世代に選ばれ・残り続けてもらえる組織のあり方を紐解きます。

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【プロフィール】

馬淵恵梨香

株式会社PRiMA代表取締役

1997年生まれ、大阪府出身。

大阪市立大学在学中に国内最大の女子大生マーケティングユニット「TeamKJ」の

代表を務め、行政や企業に対して商品開発や広報、マーケティング支援を実施。

大学卒業後はLINE株式会社に広告営業として新卒入社。

LINEのプロダクトを通じて最先端のデジタルマーケティングに携わったのち

独立し、株式会社PRiMAを創業。

女子大生団体での経験やデジタルマーケティングの知識を生かし、Z世代統合マーケ

ティングを行う。

また、Z世代の専門家としてメディアでの執筆や講演なども行っている。

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目次[非表示]

  1. 1.Z世代採用・定着の難しさとその背景
    1. 1.1.なぜZ世代はすぐ辞めると思われるのか
    2. 1.2.Z世代の特徴と価値観
    3. 1.3.Z世代の“ホンネ”|実は安定志向・キャリア志向
  2. 2.採用で差がつく!共感ブランディングの実践
    1. 2.1.共感される企業には3つの要素がある
    2. 2.2.情報発信にストーリーをのせる
    3. 2.3.ブランディングの一貫性が重要
  3. 3.成功事例に学ぶ|Z世代に刺さる採用施策(SNS・社内文化)
    1. 3.1.Z世代に届くメディア戦略とは?
      1. 3.1.1.主な有効メディア
    2. 3.2.SNSで採用が変わる?具体事例の紹介
      1. 3.2.1.【事例①】運送企業
      2. 3.2.2.【事例②】建施工企業
      3. 3.2.3.【事例③】建設企業
      4. 3.2.4.【事例④】インターン採用(自社事例)
  4. 4.Z世代の定着率を高めるポイント
    1. 4.1.定着を左右する「3つの欲求」
    2. 4.2.制度設計の工夫例
  5. 5.F&MClubが支援する「若手が辞めない仕組みづくり」
    1. 5.1.①制度の整備支援(就業規則・評価制度)
    2. 5.2.②採用活動の強化支援(求人票・適性検査)
    3. 5.3.③育成・定着のための教育支援(eラーニング・研修動画)

Z世代採用・定着の難しさとその背景

Z世代は「すぐ辞める」「何を考えているかわからない」と言われがちですが、そこには企業側の認識ギャップが隠れています。まずは、Z世代が置かれている時代背景や価値観を正しく理解し、なぜ従来の採用手法が通用しにくくなっているのかを紐解きます。

なぜZ世代はすぐ辞めると思われるのか

「退職代行を使う」「LINEで即辞める」といったニュースの影響もあり、Z世代は“すぐ辞める世代”という印象が強くなっています。しかし実際には、厚生労働省のデータによれば、入社3年以内の離職率は昭和時代から30%前後と大きく変わっていません。
つまり「辞めやすさ」が急激に上がったわけではなく、辞める理由や辞め方、そして情報の伝わり方が大きく変わったのです。

出典:厚生労働省「学歴別就職後3年以内離職率の推移」

特にSNSや口コミサイト、YouTubeなどで情報が拡散されやすくなった現在、Z世代は「他人の辞め方」や「ブラック企業体験談」をリアルに知る機会が多くなっています。
その結果、合わないと感じたら早めに行動する傾向が強まっており、企業側がその価値観を理解しないまま採用してしまうと、ミスマッチにつながりやすくなります。

Z世代の特徴と価値観

Z世代(1997年〜2012年頃生まれ)は、生まれたときからインターネットやスマホが存在する「デジタルネイティブ世代」です。

彼らの価値観を形づくっている要素として、以下のようなものがあります。

  SNS文化による“共感”重視

  多様性や心理的安全性への高い関心

  ハラスメントやブラック企業への敏感さ

  自己実現や成長機会への強いこだわり

  企業やブランドの“理念・ビジョン”への共鳴度

つまりZ世代は、単に「給与が高い」「有休が多い」といった条件では動きません。
「この企業の考え方に共感できるか」「自分が成長できる環境か」「安心して働けるか」など、自分の内面と価値観にフィットするかどうかを非常に重視する傾向があります。

このようなZ世代の特徴を無視したまま従来の採用・定着手法を続けていても、成果は得られません。逆に言えば、Z世代を正しく理解し、それに対応した“共感設計”と“仕組み化”ができれば、彼らは企業の成長を牽引する強力な戦力になってくれるのです。

Z世代の“ホンネ”|実は安定志向・キャリア志向

実際にZ世代に話を聞くと、意外にも“安定志向”“キャリア志向”の人が多いです。

  長く働ける職場を探している

  上司や企業に対してリスペクトを持っている

  自分の時間も大切にしたいが、成果を出して評価された

  「働きたくない」より「成長したい」「収入を上げたい」

特に女性の中には「しっかり稼ぎたい」「将来に備えたい」と考える人も多く、自由や気楽さよりも、きちんとした成長環境や評価制度を求めています。

採用で差がつく!共感ブランディングの実践

条件や待遇だけでは「この企業で働きたい!」と思わないZ世代に対しては、企業の“想い”や“存在意義”をどう伝えるかが重要になります。

ここでは、Z世代に共感される企業が実践しているブランディング手法と、そのポイントを具体的に解説します。

共感される企業には3つの要素がある

Z世代の採用で最も重要なのが「共感ブランディング」です。
これは企業の理念や働く人の価値観に“共感”してもらい、「この企業で働きたい」と自然に思わせる設計を行うことを指します。Z世代は、条件よりも“意味”を重視する世代です。
Z世代が共感する企業には、以下の3つの共通点があります。

  1. ビジョン・パーパス(存在意義)の明示
    「なぜこの事業をしているのか」「何を社会に届けたいのか」が明確

  2. 成長環境の可視化
    「自分がこの企業でどう成長できるか」を具体的に伝えている

  3. 社員のリアルなストーリー発信
    代表メッセージだけでなく、現場社員のリアルな声や価値観を見せている

これらは採用ページやパンフレット、企業説明会だけでなく、SNSや動画でも表現できます。企業としての“かっこよさ”を伝えるよりも、「ここで働く自分がイメージできるか」が重要です。

情報発信にストーリーをのせる

Z世代の共感を得るには、「情報」よりも「ストーリー」が刺さります。
たとえば、採用ページでよくある「若手社員の一日紹介」でも、単なるスケジュールの羅列では意味がありません。

  なぜこの企業に入社したのか

  入社前と後で感じたギャップ

  つらかった時期をどう乗り越えたか

  今、どんな成長を感じているか

こうした“人の物語”が、同世代の共感を呼び起こします。

また、代表者が登場する場合も、「社員にどんな未来を見せたいか」「この企業を通じて何を成し遂げたいか」といった想いを語ることで、Z世代の“意味欲求”に響きやすくなります。

ブランディングの一貫性が重要

「ワークライフバランス重視です」「ダイバーシティ推進中です」といった魅力的な言葉が求人広告に書いてあっても、企業のホームページが古くさく、内容に一貫性がなければ逆効果です。


Z世代は情報に敏感です。言葉・デザイン・写真・体験すべてにおいて「一貫性」があるかを見ています。

  採用サイト

  SNS(Instagram・TikTok・X)

  ハローワークの求人票

  面接時の印象

これら全ての「タッチポイント」で一貫性あるブランドメッセージを届けることが、Z世代に響く採用活動の基本です。

成功事例に学ぶ|Z世代に刺さる採用施策(SNS・社内文化)

Z世代の心を動かす採用施策には、いくつかの共通する工夫があります。ここでは、SNS活用や社内文化の整備を通じて、採用成果を上げた企業事例を紹介しながら、採用活動の実効性を高めるための具体的な手法をお伝えします。

Z世代に届くメディア戦略とは?

Z世代に向けて自社の魅力を伝えるには、媒体選びも非常に重要です。単に求人情報を出すだけでなく、ビジュアルとストーリーで伝えられる媒体の活用が求められます。

主な有効メディア

  自社ホームページ(採用ページ)
 企業の「顔」となる部分。スマホでも見やすいUI/UX、写真や動画の掲載が効果的です。

  採用特化SNSアカウント
 採用専用のInstagramやTikTokアカウントを運用する企業も増えています。

  動画プラットフォーム(YouTubeなど)
 社員インタビュー・社内の雰囲気紹介動画を掲載。

  社員の個人SNSアカウントを活用
 “中の人”視点での投稿が、リアリティを持って共感を得やすいです。

SNS運用のポイントは、“盛る”のではなく“共感を呼ぶ”ことです。
過度におしゃれに仕上げるのではなく、あえて「撮影に慣れていない」「素直で等身大」な姿を見せることで、「この企業、リアルで好感持てる」と感じてもらえるのです。

採用の場においては、“共感されるかどうか”が次のアクション(応募や説明会参加)を大きく左右します。媒体や手段よりも、「何をどう伝えるか」にこそ本質があります。

SNSで採用が変わる?具体事例の紹介

【事例①】運送企業

TikTok運用開始から2月で、若手ドライバーの応募・採用に成功しています。

【事例②】建施工企業

運用開始初月でお問い合わせが30件、現在2名と面談中。

【事例③】建設企業

運用2月でTikTokのフォロワー5000人、運用開始初月には2名を採用。
求人サイトからでは出会えなかった層との接点を獲得しています。

【事例④】インターン採用(自社事例)

Wantedlyで企業の想いを発信したことで、マーチ・早慶クラスの学生15名から応募が殺到。

これらの事例からも分かる通り、Z世代が普段から使っているSNSで“共感できるコンテンツ”を発信することが、応募のきっかけにつながります。

Z世代の定着率を高めるポイント

せっかく採用しても、すぐに辞めてしまっては意味がありません。ここでは、Z世代が「この企業で働き続けたい」と思える環境づくりを、心理面と制度面の両方から解説します。

定着を左右する「3つの欲求」

Z世代の離職防止には、“制度”や“環境”といったハード面だけでなく、彼らの内面にある「欲求」に応える必要があります。特に定着に大きく影響するのが、以下の3つの欲求です。

  1. 自己実現(=成長できる実感)
    仕事を通じて「自分が前に進んでいる」と感じられるか

  2. 公平性(=納得できる評価)
    頑張りが正当に評価され、報酬や昇進に反映されているか

  3. 心理的安全性(=人間関係の安心感)
    発言しやすく、悩みを相談できる環境があるか

この3つの欲求を満たすことができれば、Z世代は「辞める」ではなく「ここで頑張ろう」と考えるようになります。逆にこれらが欠けていると、どれだけ待遇が良くても離職リスクは高まります。

制度設計の工夫例

Z世代の価値観にフィットする制度は、単なる“福利厚生”ではなく、欲求を満たす“仕組み”として設計されている点が特徴です。

  推し活制度(ライブ・舞台・オタ活支援)
価値観の尊重とプライベートの充実が“企業に理解されている”という実感を生む

  スキルベース評価制度
年齢や勤続年数ではなく、「できること」「成長量」で評価される

  週1の1on1ミーティング制度
マネージャーと若手社員の継続的な対話により、孤立・不安を未然に防止

  女性・育休取得者のロールモデル紹介
ライフイベントを迎えても“働き続けられる企業”であることを可視化

このように、“若手を対象にした制度”ではなく、“若手が主役になる制度”に変えることで、当事者意識とエンゲージメントが大きく向上しています。

どの事例にも共通しているのは、「制度や方針を上から押しつけるのではなく、Z世代の視点を取り入れて共創している」ことです。
“してあげる育成”ではなく、“ともにつくる関係性”こそが、Z世代との長期的な関係構築の鍵となります。

また、特別なコストや予算がなくても、これらの仕組みは導入可能です。
大切なのは、若手が「自分のことを理解してくれる企業だ」と感じられるかどうか。
制度やルールの“中身”よりも、“設計思想”が伝わるかが鍵となります。

F&MClubが支援する「若手が辞めない仕組みづくり

若手の採用・定着には、「理念・環境・制度・育成」が連動した仕組みづくりが不可欠です。
しかし、これらをすべて自社だけで整備するのは、多くの中小企業にとって大きな負担でもあります。
F&MClubでは、そうした企業の支援のために、実務に落とし込めるバックオフィス支援を提供しています。

①制度の整備支援(就業規則・評価制度)

若手が辞める原因のひとつに、「社内ルールが曖昧」「評価が不透明」という不信感があります。
F&MClubでは、以下のような支援を通じて、組織の“土台”を整えるサポートをしています。

  就業規則の整備・見直し
エフアンドエム社会保険労務士法人が提供する就業規則などの作成から変更管理まですべておまかせの『まかせて規程管理』サービス利用料金2,000円(税抜)が含まれています。

  はじめて人事考課
人事考課や賃金テーブル・賞与テーブルをご用意。使い方の動画を見たり、専門家と相談したりしながら自社に適した人事考課を作成できます。

②採用活動の強化支援(求人票・適性検査)

「採用しても定着しない」の背景には、採用時のミスマッチが潜んでいます。
F&MClubでは、採用段階からの“共感づくり”を支援しています。

  求人票の添削支援
ハローワーク等で使用する
求人票について、求職者の目に留まりやすくなるよう、実務経験のあるスタッフが表現や構成の見直し・改善アドバイスを行います。

  適性診断ツールの提供
通常数千円かかる診断を何名でも無料で実施可能。適性に合った配属や育成を実現します。

③育成・定着のための教育支援(eラーニング・研修動画)

F&MClubでは、「教育したくてもリソースがない」「講師を呼ぶ余裕がない」といった企業でも、すぐに活用できる動画コンテンツを提供しています。

ビジネスマナーや人材育成に関する15分程度の動画コンテンツを50本以上提供。スキマ時間に視聴できるため、現場に負担をかけず教育が可能です。

月額3万円(税抜)で、ここまでの支援がすべて網羅されているのがF&MClubの強みです。エフアンドエム社会保険労務士法人が提供する就業規則などの作成から変更管理まですべておまかせの『まかせて規程管理』サービス利用料金2,000円(税抜)が含まれています

F&MClubは、制度だけ、採用だけ、教育だけではなく、「若手が辞めない組織」をつくるための総合支援としてご活用いただけます。

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