
両立支援等助成金(子育てパパ支援助成金)とは?制度の概要や助成金活用時の注意点を解説【2022年5月】
近年では、女性活躍の推進や働き方改革により共働き家庭が一般的な時代になりました。
仕事と家庭の両立を支えるために、国によるさまざまな制度が設けられています。
両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立を目指す従業員企業を支援する助成金制度です。
本記事では、両立支援等助成金について解説します。
目次[非表示]
- 1.両立支援等助成金の概要
- 2.両立支援等助成金の活用が重要な理由
- 3.両立支援等助成金の活用で失敗しない3つのポイント
- 3.1.受給対象となるコースを事前にキャッチする
- 3.2.事前に申請する
- 3.3.就業規則の届け出をする
- 4.まとめ
両立支援等助成金の概要
両立支援等助成金は、職業生活と家庭生活の両立を目指す職場環境作りに向けた支援制度です。
男性の育児休業・育児休暇の促進や介護、育児と仕事との両立を目指す制度を導入し、従業員がより働きやすい職場環境への取り組みを企業へ推進しています。
仕事と家庭のバランスが取れることは、従業員にとって重要なポイントで制度職場環境を整えておくことは大切です。
両立支援等助成金は支給要件を満たす受給できます。
両立支援等助成金の3コース
①出生時両立支援コース
出生時両立支援コースは、女性だけでなく男性の育児休業・育児休暇も推奨し、男性の育児休業取得の促進を目的とした制度です。
②介護離職防止支援コース
介護離職防止支援コースは、親などの要介護者と生計をともにする従業員に向けた、仕事と介護の両立を目的とした制度です。
③育児休業等支援コース
育児休業等支援コースは、従業員の育児休業を促進、また育児休業を取得した従業員が安心して職場復帰できる環境作りを目的とした制度です。
注目は出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
両立支援等助成金の中でも出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)は注目すべき支援制度です。
出生時両立支援コースでは、男性従業員が、育児休業を促進しやすい雇用環境の整備や、業務体制を整え、育児休暇を取得させた事業主に対して助成金が支給されます。
支給要件
主な支給要件は以下の通りです。
①第1種(男性労働者の出生児育児休業取得)
第1種(男性労働者の出生児育児休業取得)では、男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得した場合に対する助成について、定められています。
- 育児・介護休業法に定める雇用環境整備の措置を複数おこなっていること
- 育児休業取得者の業務を代替する労働者の、業務見直しに係る規定等を策定し、当該期待に基づき、業務体制を整備していること
- 男性労働者の子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得すること
(※)所定労働日が4日以上含まれていることが必要
<代替要員加算>
代替要員加算とは、男性労働者の育児休業期間中の代替要員を新たに確保した場合に支給される制度です。
②第2種(男性労働者の育児休業取得率上昇)
第2種(男性労働者の育児休業取得率上昇)では、第1種の支給を受けた事業主において、男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合に対する助成について、定められています。
- 第1種の助成金を受給していること
- 育児・介護休業法に定める雇用環境整備の措置を複数おこなっていること
- 育児休業取得者の業務を代替する労働者の、業務見直しに係る規定等を策定し、当該規定に基づき、業務体制を整えていること
- 第1種の申請をしてから3事業年度以内に、男性労働者の育児休業取得率が30%以上上昇していること
- 育児休業を取得した男性労働者が、第1種申請の対象となる労働者のほかに2名以上いること
支給額
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)では、条件を満たした場合、最大で75万円(※第2種、生産要件を満たした場合)が支給されます。
支給額 |
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①第1種 |
20万円 |
①代替要員加算 |
20万円(代替要員を3人以上確保した場合には45万円) |
②第2種 |
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※()内の額は、生産性要件を満たした場合の支給額
生産性要件や中小企業の範囲に関する詳細は、厚生労働省のホームページを参照してください。
※第1種の対象となった同一の育児休業取得者の同一の育児休業について、育児休業等支援コースとの併給はできません。
【参考】両立支援等助成金が令和4年度から変わります|厚生労働省
両立支援等助成金の活用が重要な理由
両立支援等助成金(子育てパパ支援助成金)は、仕事も育児も両方大切にしたい従業員にとって大きなメリットがあります。
優秀な人材が、育児を理由に止むを得ず退職してしまう場合も十分考えられ、男性の育児に対する考え方も年々変わってきています。
大切な従業員に、長く働いてもらうためにも、安心して育児休業制度を取得できる職場環境作りを意識しましょう。
両立支援等助成金の活用で失敗しない3つのポイント
両立支援等助成金を活用し、従業員が長く働きやすい職場環境作りに努めましょう。
ここからは、両立支援等助成金の活用で失敗しないための3つのポイントを紹介します。
受給対象となるコースを事前にキャッチする
両立支援等助成金について情報や知識だけいても活用なければ意味がありません。
実際に助成金を活用しようと、想像以上に準備に時間がかかります。
助成金を無駄にせず、最大限に活用するためには、対象となるコースについて早めに情報収集をし、必要な準備をおこなうことです。
事前に申請する
両立支援等助成金は事前申請が必要です。職場環境の整備をおこなった後に助成金の申請はできません。
日付証明が必要な書類を事前に調べ、計画性をもった申請を徹底しましょう。
就業規則の届け出をする
両立支援等助成金をはじめ、多くの助成金の申請では、労働協約就業規則労使協定など労働条件が把握できるものを提出します。
常時雇用する人数が10人以上の企業規模であれば、作成・届出が必要であるため、両立支援等助成金を申請する前に届け出が必要です。
F&M Clubでは、補助金・助成金に関する情報提供のほか、就業規則診断サービスも提供しています。
まとめ
両立支援等助成金の活用は優秀な従業員に対して、安心して育児休暇を取ってもらうことができます。また、優新たに従業員を採用するよりも優秀な従業員を定着させ、労働生産性を高く維持することができます。
育児休暇においては、就業規則の見直しが必要な場合があります。
助成金受給に向けて、ミスのないようにF&M Clubの就業規則診断サービスを活用して助成金受給に向けた万全の準備をおこないましょう。
※就業規則の見直しは、時代に即した労働環境を提供し、従業員のトラブルから会社を守る重要な業務です。