
営業利益とは?営業利益率からわかる企業の財務状況について解説
損益計算書は企業の経営状況を判断する重要な資料です。
損益計算書では、企業の利益や損益をあらわす重要な指標がいくつかあり、営業利益(率)はそのうちのひとつです。
営業利益(率)からわかる企業の経営状況などについて解説します。
目次[非表示]
- 1.営業利益とは
- 1.1.営業利益の計算方法
- 2.営業利益率とは
- 2.1.営業利益率の計算方法
- 3.営業利益率からわかること
- 4.営業利益率の目安
- 5.営業利益率の改善策
- 6.企業の発展には定期的な財務改善が重要
- 7.F&M clubの財務改善サービス
- 8.まとめ
営業利益とは
営業利益とは、企業の主たる営業活動の利益を指し、損益計算書上に表示される利益のひとつです。企業の経営成績(収益力)、財務状況を判断する際に用いられます。
営業利益の計算方法
営業利益は、「売上総利益」から、原価以外に売上にかかわるコスト「販売費および一般管理費(販売費)」を差し引いて算出します。
▼営業利益の計算方法
売上総利益=売上高−売上原価 営業利益=売上総利益−販売費・一般管理費(販売費) |
営業利益率とは
営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合の数値です。
営業利益率の計算方法
営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100 |
営業利益率からわかること
営業利益は、本業(主たる営業活動)の成績を表し、営業利益率を求めることで、本業による利益が、好調に出せているかどうか、利益を生み出す力を判断できます。
営業利益率が高ければ、本業で順調に稼げていると判断され、反対に営業利益率が低くマイナスの場合は本業赤字であり、本業による事業継続が困難な状況であると判断されます。
営業利益率の目安
営業利益率の目安は、業種によってさまざまですが、一般的な水準値は約10%で、11%以上であれば、優良水準と判断され、事業が好調であることを表しています。
営業利益率は、数値が高ければ収益を生み出す力が強く、企業経営が好調であると判断されますが、営業利益率が20%以上の高水準の場合は、数値が高くても注意が必要とされる場合もあります。
営業利益率が20%以上の場合、「人件費を大幅に削減している(低賃金)」や、「価格が適正ではない」などの問題を抱えている場合もあるため、リスクの大きい一時的な成長であることもあります。
営業利益率は、11%〜20%を保つことを目標とし、健全で安定した企業経営を心がけましょう。
営業利益率の改善策
営業利益率が低い時、特にマイナスの場合は早めの対策を講じる必要があります。
営業利益率を上げるための改善策について解説します。
営業効率を上げる
営業効率を意識し、コストをおさえることで、営業利益率の改善に繋げることができます。
必要のない残業が発生していないかどうか、業務量が多い場合はシステム化するなど、必要に応じて、日頃から業務改善を意識することが大切です。
単価を上げる
販売単価を上げることで、総売上高が伸び、営業利益率の改善に繋がります。
しかし、急な単価の値上げや、大幅の値上げは、顧客を失うリスクも生じるため、単価を上げる際は、慎重に判断する必要があります。
人件費を下げる
販売管理費の多くを占めている費用は人件費です。
そのため、人件費を下げれば営業利益率の改善に繋がりますが、妥当ではない賃金の設定や、人件費の削減は、従業員とのトラブルに繋がりやすく、労基法に反する場合もあるため、注意が必要です。
必要に応じて賃金の見直しは必要となりますが、直接的に人件費を削減するよりも、業務効率化を優先し、機械化の導入を検討したり、適切な人員の配置を見直しましょう。
企業の発展には定期的な財務改善が重要
企業のさらなる発展や、安定した経営活動を保持していくためには、定期的な財務状況の確認および改善が大切です。
企業の財務状況を判断するためには、損益計算書などの資料を正しく読み取る力も必要です。
営業利益率がマイナスの場合(赤字経営)の場合など、危機的状況の場合は特に、早めの改善策を講じる必要がありますが、そのような状況となる前に、先を見据えた財務計画、管理を心がけましょう。
F&M clubの財務改善サービス
F&M club では、お金の流れを捉え、資金計画をアドバイスする「財務状況分析」や、収益計画と連動した資金繰り表を作成する「簡易資金繰り表作成支援」、自社の格付を知り、財務戦略の策定に役立てる「財務格付け診断」など、財務改善に役立つサービスを多数提供しています。
貴社の財務改善にぜひ、お役立てください。
まとめ
企業の経営状況を判断する際、損益計算書は重要な資料のひとつです。
「営業利益率」では、本業による収益力を判断できます。
営業利益率が低い場合は、必要に応じた財務改善、業務改善を図りましょう。
財務改善は早めの対策が重要です。日頃から定期的に財務状況を確認、管理していきましょう。
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