営業利益の相場は?建築会社編
建築会社の営業利益率は黒字会社と赤字会社で明らかな差があります。競争が激しい建築工事業界ですが、黒字の会社には利益を出すポイントがあります。
本記事では、建築工事業の営業利益の相場と、営業利益率を比較してわかった、建築会社が黒字となるポイントをわかりやすく解説します。
●無料でダウンロードできるお役立ち資料はこちら↓↓↓
目次[非表示]
- 1.営業利益は大切
- 2.営業利益が大切な理由
- 2.1.経審対策にも必要です
- 3.営業利益の平均値 ~建築会社編~
- 3.1.営業利益の平均値
- 3.2.営業利益が悪い時の改善策
- 4.経営改善はエフアンドエムにご相談ください
- 5.まとめ
営業利益は大切
営業利益とは、売上総利益から販売費および一般管理費を引いた後の利益です。
支払利息や雇用調整助成金などの雑収入を除いた利益であり、本業の利益を表しています。
経常利益や当期利益に比べると注目度が低い印象がありますが、現場施工の収益性と会社としての経営の効率性を比較する重要な指標です。
営業利益が大切な理由
営業利益は、売上総利益 ― 販売費および一般管理費で計算されます。
売上総利益は工事の利益の合計です。
販売費および一般管理費は本社事務や役員報酬、営業経費などの合計です。
つまり営業利益は、建築会社としての本業全体の収益性を示す大切な指標です。経営者の注目度が高い経常利益は支払利息や雑収入などを含んでいるため、本業としての利益とは異なるため、本業での利益率の改善は、営業利益に注目します。
建築会社は建設業の中でも利益率が低い傾向にあります。建築会社の収益改善は本業の利益である営業利益の改善に注目します。
【参考】建設業の経営分析(2022年)|建設業情報管理センター
営業利益の特徴と経常利益との違いは次のとおりです。
営業利益 = 売上総利益 ― 販売費および一般管理費
(本業全体での利益) (施工現場の利益) (会社としての経費)
経常利益 = 営業利益 ― 支払利息 + 雑収入
(会社全体での収益性) (本業全体での利益) (金融経費やその他の収入)
経審対策にも必要です
「経審」とは、経営事項審査の略語です。
公共工事を直接受注するためには、入札に参加する前に経営事項審査を受ける必要があります。
経審は、「経営状況分析」(Y点)と「経営規模等評価[AF1] 」(X点、W点、Z点)の合計点によって決まります。
営業利益は、経営規模等評価のうちX2点の算出に使われています。
X2点は自己資本(X21)と平均利益額(X22)で計算されます。平均利益額は利払前税引前償却前利益、つまり営業利益+減価償却費です。
営業利益が増加すると、経審の点数も上昇します。
営業利益の平均値 ~建築会社編~
同業者の利益は常に気になるうえ、自社の経営を見直すきっかけともなります。
建築会社における同業平均の利益については、さまざまな公的資料があります。
自社の利益率を改善するためには、売上総利益率、営業利益率、経常利益率の3つの指標をそれぞれ比較します。それぞれの利益率を比較することで、自社の経営のどの点を改善すべきか明確となります。
営業利益の平均値
建築会社の営業利益率の平均値は0.5%です。
完成工事高が大きいほど営業利益率が高くなります。
【売上高営業利益率】
出典 |
東日本 |
西日本 |
経審 |
小規模 |
|
平均 |
0.54% |
0.54% |
-0.61% |
-0.7% |
|
売上高の規模別 | |||||
1億円未満 |
-2.55% |
-1.91% |
- |
- |
|
1億円から5億円 |
3.14% |
3.13% |
- |
- |
|
5億円から10億円 |
5.00% |
4.95% |
- |
- |
|
10億円から30億円 |
5.28% |
5.52% |
- |
- |
|
30億円以上 |
5.44% |
5.58% |
- |
- |
【参考】出典:東日本は建設業の財務統計指標(2021年度決算分析)|東日本建設業保証
【参考】出典:西日本は建設業の経営指標(2021年度西日本版)|西日本建設業保証
【参考】出典:経審は建設業の経営分析(2022年)|建設業情報管理センター
なお東日本建設業保証、西日本建設業保証ともに、公共工事についての保証をおこなっている会社です。このため、同業平均の算出にあたって提出された決算書は、公共工事を請け負っている建築会社の平均値となります。
営業利益が悪い時の改善策
黒字の建築会社の利益率を同業平均と比べると、販売費及び一般管理費で差がついているといえます。
【建築工事業(木造建築工事業を除く】
平均値 |
黒字かつ自己資本がプラスである企業の平均値 |
|
売上高 |
100.0% |
100.0% |
売上原価率 |
70.2% |
68.7% |
売上総利益率 |
29.8% |
31.3% |
販売費および一般管理費率 |
30.5% |
27.5% |
営業利益率 |
-0.7% |
3.8% |
【引用】中小企業の経営調査結果(2020年度)|日本政策金融公庫
黒字の建築会社の営業利益率は同業平均よりも4.5%高くなっています。売上高に対して販売費および一般管理費の負担が軽いことが大きな要因です。
自社の利益率を改善するためには、自社の決算書の内容と同業平均とを比較し、経営改善の糸口を検討してはいかがでしょうか。
経営改善はエフアンドエムにご相談ください
バックオフィス業務の見直しは株式会社エフアンドエムにご相談ください。
株式会社エフアンドエムが提供するF&M Clubは、中小企業のバックオフィス業務全般の改善をサポートしており、累計35,000社を支援してきた実績のノウハウが詰まっています。
月額33,000円(税込)で、全38種類のコンテンツが使い放題です。
中小建築会社の経営者様、こういった悩みはエフアンドエムにご相談ください。
F&M Clubが提供する会社の改善をサポートするサービスで、儲かる建築会社への改善を後押しします。
-
資金繰り改善サポート
信用保証協会と同様のシステムを使い、貴社の問題点の抽出と改善策の立案をサポートします。建築会社の複雑な資金の出入りを管理するため、資金繰り表を自分でも作成できます。
-
リスクヘッジサービス
最新の法改正にあった就業規則となっているかのアドバイスや、社内規程のドラフト提供や確認を受けることができます。 -
お客様サービスセンター
社会保険制度の改正情報のご提供から、人材採用や教育などの細かなご相談にも対応しています。
●サービス資料のダウンロードはこちら↓↓↓
まとめ
建築会社の収益性を大きく左右する原因は、販売費および一般管理費の違いです。
営業活動を支え、会社を維持する経費の見直しは、営業に支障がでないバックオフィス業務の効率化から検討します。
社会保険制度の改正も続いており、新しいルールにあわせていくコストも無視できません。
総務、人事・労務管理などのバックオフィス業務の効率化は、エフアンドエムにご相談ください。
●オンラインでの無料財務相談はこちら↓↓↓
●無料で活用できる助成金・補助金診断はこちら↓↓↓