【建設業経営者必見】入札で有利となる⁉会社が成長する加点項目とは

株式会社エフアンドエム
公共工事の入札は、経営事項審査(経審)や発注者別評価点が高い会社が落札する仕組みです。経審などにおいて高い点数を得るためには、加点項目を意識した経営が効果的です。
加点項目には ISO認証の取得 、人材採用・育成における取り組みなどが含まれ、これらに取り組む会社の点数が高くなります。
公共工事の入札における評価は、経営事項審査(経審)の総合評定値(いわゆる客観点)と、発注者別評価点(いわゆる主観点)をあわせた総合点数が重視されます。
評価項目をみると、工事品質、技術、人材育成、ワーク・ライフバランスの向上などに取り組む会社が評価されることがわかります。
建設業の入札における主な加点項目8つ
経審や発注者別評価における主な加点項目は以下のとおりです。
ISO9001
ISO9001(品質マネジメントシステム)認証を取得している場合、経審において加点されます。
ISO14001
ISO14001(環境マネジメントシステム)認証を取得している場合、経審において加点されます。
エコアクション21
エコアクション21を登録している場合、経審において加点されます。エコアクション21はISO14001よりも簡素であり、建設会社 2,814 社が登録しています。(2025年9月末現在)
くるみん・えるぼし・ユースエール
「くるみん」「えるぼし」「ユースエール」の認定を受けている企業は、その種類に応じて、経審において2点から5点が加点されます。
健康経営優良法人
健康経営優良法人の認定は、多くの地方公共団体が発注者別評価において加点対象としています。
賃上げ
賃上げは総合評価落札方式において加点されます。賃上げを達成できなかった場合は減点されることに注意が必要です。
【引用】 総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置|国土交通省
建設キャリアップシステム(CCUS)
CCUSの利用は、利用する工事の範囲に応じて、経審で加点されます。すべての工事において活用している場合は15点、すべての公共工事の場合は10点が加点されます。
「技能を大切にする企業の自主宣言」(予定)
「技能を大切にする企業の自主宣言」をおこなった場合、経審において5点が加点される予定です。詳しくは後述します。
経営事項審査(経審)の計算方法と点数を上げるテクニックとは
経営事項審査(経審)は、経営状態や技術力、会社における取り組みなどを点数化し、総合評定値(P点)として算出します。経審の5つの項目点を把握し、その内容に取り組むことで、総合評定値も上がります。
経審の総合評定値(P点)の計算方法
中小規模の建設会社は、Y点と W点 に取り組むことが効果的です。Y点はウェイトが高い、W点は審査項目が幅広いためです。
経審の総合評定値を上げる主なテクニックは以下のとおりです。
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借入金の削減
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受取利息は(雑収入ではなく)その他営業外収益に計上
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監理技術者講習の受講歴を誤りなく登録
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資本性借入金の活用(2025年7月1日開始)
経審改正で新設予定「技能を大切にする企業の自主宣言」
「技能者を大切にする企業の自主宣言」をおこなった会社は、経審のW点において5点が加点される予定です。
2025年6月30日、国土交通省の中央建設業審議会において、経審の改正予定として公表されています。
発注者別評価点の評価項目、点数を上げるテクニックとは
発注者別評価は、地方公共団体が、工事成績や地域の実情を踏まえた指標で評価する仕組みです。経審との違い、点数を上げるテクニックは以下のとおりです。
経営事項審査と発注者別評価との違い
経審は、会社の財務状態などを共通の指標で点数化する仕組みです。発注者別評価点は、地域における工事成績や地域貢献、地元からの人材採用などを考慮します。
評価項目は大きく3つ|工事内容・社会性(建設業)・社会性(一般)
発注者別評価点の評価項目を大きくまとめると以下の3項目です。
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評価項目 |
評価の具体的内容 |
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工事内容 |
工事成績、優良工事表彰、ISO9001など |
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社会性(建設業に関する項目) |
防災協定、災害対応貢献など |
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社会性(一般的な事項) |
地元雇用、環境対策、ISO14001など |
発注者別評価を上げる主なテクニック
発注者別評価の項目は都道府県などにより異なります。採用されていることが多い主な項目は以下のとおりです。
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ISO9001またはISO14001認証の取得
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エコアクション21の登録
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次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の届け出
入札加点×信頼性が向上する「ISO9001・14001」とは
ISO9001や14001の認証を取得するメリットは、施工管理や記録の保存、環境配慮などがしっかりとした会社として認定されることです。発注者からの信頼が強まり、経審や発注者別評価においても評価されます。
取得するためには専門的な知識が必要であり、専門家への相談がおすすめです。
主な規格は2種類|品質規格のISO9001、環境規格のISO14001
ISO9001(品質マネジメントシステム規格)は、マニュアルの整備、施工記録の管理や保存体制などが求められます。
ISO14001(環境マネジメントシステム規格)は、環境リスク対策、環境負荷低減における取り組みなどが求められます。
ISO認証取得のメリット|経審(W点)と発注者別評価点において加点
ISO認証 の取得は、経審の W点において 加点されます。(ISO9001は5点、14001は5点、両方の場合は10点)
発注者別評価においても評価項目としている地方公共団体が多くみられます。
取り組みやすい「エコアクション21」も加点
ISO14001よりも簡素なエコアクション21の登録もおすすめです。経審においては W点 において3点が加点されます。
入札加点×女性採用に有利となる「くるみん」「えるぼし」とは
「くるみん」や「えるぼし」の認証を受けている会社は、女性や若者が働きやすい環境であると評価され、採用においても有利となります。認証の主なメリットは以下のとおりです。
「くるみん」は子育てサポート、「えるぼし」は女性活躍サポート
「くるみん」は、仕事と子育ての両立を支援する会社が認定されます。「えるぼし」は、女性の活躍を支援する会社が認定されます。
「くるみん」認証取得の効果|女性採用26.6%など
厚生労働省の調査によると、「くるみん」認証を取得した効果として、「優秀な女性社員を採用」(26.6%)などがあげられています。
「くるみん」「えるぼし」認証取得の効果|助成金・税制優遇など
「くるみん」「えるぼし」の認定を受けることで、以下の制度を活用できます。
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くるみん助成金
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公共調達における加点
若い世代向けアピールは「ユースエール」を活用
「ユースエール」とは、若者の採用と育成に積極的な会社を認定する制度です。
厚生労働省の アンケート によると、本認定を受けた会社は「求人への応募者が増えた」(38%)、「求職者の志望動機がユースエール認定となっている」(16%)などの効果があったと回答しています。
上記以外に「ユースエール」の認定を受ける主なメリットは以下のとおりです。
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ハローワークなどにおける重点PR
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公共調達における加点
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一部の地方公共団体の補助金における優遇
入札加点のための取り組みで会社が成長するポイントとは
経審や発注者別評価において加点となる項目に、財務改善や人手不足・働き方改革における対応が多く含まれています。
休日数の増加・長時間労働の削減・賃上げ・女性や若者の定着に取り組むことで、同時に経審や発注者別評価の点数を上げる対策となります。
成長と効率化のポイント|採用・育成・現場ICT・社内DX
建設会社が成長するための主な取り組みは以下の4つであるといわれています。
- 採用の強化
- 採用した従業員の定着と育成
- 生産性を高める現場ICT
- バックオフィスを含めた社内DX
採用・育成のポイント|就業規則、スキルアップなど社内体制の整備
建設会社における従業員採用と育成の主なポイントとして、主に3つがあげられます。
- 就業規則など社内ルールの整備
- 技術技能の習得を支援する社内体制の整備
- 休日数の確保、長時間労働の削減
国土交通省によると、建設会社における効率化と働き方改革における取り組みとして、現場ICTや社内DXをあげています。
また、これらの取り組みに必要な資金について、「中小企業省力化投資補助金」などの活用が紹介されています。
【参考】働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業にかかるモデル事業事例集(2025年3月)|国土交通省
建設業の入札加点に関するよくある質問(FAQ)
建設業の入札における加点について、よくある質問とその回答は次のとおりです。
Q1:経審のY点(経営状況)をあげる方法はありますか?
A.経審のY点は、財務状態を改善することで点数が上がります。資金繰りを改善し支払利息を減らす、借入金を返済する、固定資産を売却し自己資本比率を高めるなどの方法があります。
Q2:民間工事においても経審は必要ですか?
A.一部の民間工事において結果通知書を求められる可能性があります。施主や設計事務所などが希望することがあるためです。
Q3:建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用は義務ですか?
A.義務ではありませんが、CCUSを活用しない場合のデメリットがあります。経審において加点されない、技術者の実績蓄積が難しく従業員が転職する可能性があるなどです。
Q4:現場ICTや社内業務のDX化に使える補助金はありますか?
A.はい、あります。例として、測量機やロボットの導入などが対象となる「中小企業省力化投資補助金」、実行予算管理システムの導入などが対象となる「IT導入補助金」などがあげられます。
Q5:建設業の企業が人材育成に使える助成金はありますか?
A.はい、あります。例として、認定訓練が対象となる「人材開発支援助成金(建設労働者認定訓練コース)」、「人材確保等支援助成金(若年者および女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)」などがあげられます。
【参考】建設事業主等に対する助成金のご案内(2025年)|厚生労働省
Q6:2027年施行予定の「育成就労」は「特定技能」「技能実習」と何が違いますか?
A.「育成就労」が従来の「特定技能」「技能実習」と大きく異なる点は、同一企業で1年間以上在籍すると他社へ転職できることです。育成就労は、2027年4月1日から開始される予定です。
【参考】育成就労制度の概要|厚生労働省
建設会社のISO・認証取得ならF&Mにおまかせ
ISOやくるみんの認定など、社内体制の整備や従業員採用・定着における取り組みは、同時に経審や発注者別評価における点数を上げることとなり、積極的な取り組みがおすすめです。
しかし「ISOは難しそう」「くるみん認定の要件や自社への導入ポイントがわからない」という経営者も多くいます。
こうした声に対応するため、F&Mではこれまでに全国5,000社以上に対してISO・Pマーク・HACCPなどの取得支援を行っており、専属コンサルタントが期間・コスト・人的負荷を最小限に抑えた最適な取得プランをご提案します。
【F&Mの特徴】
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まとめ
建設業の入札を左右する経審や発注者別評価点は、財務状況、工事成績、地域における貢献、従業員の採用と定着における取り組みなどが考慮されます。
ISOなど社内体制の整備や従業員の採用と働き方改革における取り組みは、経審などにおいて評価され、入札が有利となると同時に、将来にわたり「地域の守り手」として自社を維持し成長させることにつながります。