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中小企業活性化パッケージNEXTを解説!リファイナンス(借り換え)は伴走型支援制度がおすすめです
2022年9月8日、経済産業省・財務省・金融庁は、「中小企業活性化パッケージNEXT」を発表しました。
今年3月に発表された「中小企業活性化パッケージ」を発展させ、ポストコロナにおける中小企業の事業の転換や収益力改善を促す内容です。
本記事では、「中小企業活性化パッケージNEXT」の内容や活用してほしい企業やメリットを、わかりやすく説明します。
目次[非表示]
- 1.中小企業活性化パッケージNEXTの概要
- 1.1.ポストコロナへ向けた段階的移行
- 1.1.1.伴走支援型特別保証の限度額を引き上げ
- 1.1.2.コロナ融資(日本政策金融公庫)は限度額を引き上げたうえで延長
- 1.1.3.セーフティネット保証4号の取扱期限が延長
- 1.1.4.セーフティネット貸付の金利引下げが延長
- 1.2.前向きな投資支援策も継続されています
- 1.2.1.事業再構築補助金第9回公募が開始!
- 1.2.2.生産性革命推進事業
- 2.収益力改善等の総合的支援施策が強化されています
- 3.改めて資金繰りを見直したい中小企業が活用しやすくなっています
- 3.1.伴走支援型特別保証制度について
- 3.2.コロナ融資をリファイナンス(借り換え)する
- 4.ポストコロナにおける資金繰り安定化のポイント
- 4.1.コロナ融資の返済は大丈夫ですか?
- 4.2.原材料価格高騰への対策はできていますか?
- 4.3.資金調達やリファイナンス(借り換え)による資金繰り安定化は、専門家に相談を!
- 4.3.1.伴走支援型特別保証には、経営行動計画書の策定が必須です
- 4.3.2.経営行動計画書を作成して、経営に活かしましょう
- 5.伴走型支援制度のご利用は、F&M Clubにご相談ください
- 6.まとめ
中小企業活性化パッケージNEXTの概要
2022年3月に公表された「中小企業活性化パッケージ」は、コロナ融資などの借入が負担となった中小企業へ、収益力の改善などを促します。
2022年9月に発表された「中小企業活性化パッケージNEXT」は、ポストコロナ時代へ段階的に対応していくための、さまざまな支援策が拡充されています。
ポストコロナへ向けた段階的移行
コロナ融資などで借入が増加した中小企業への資金繰り支援と同時に、ポストコロナへ対応する前向きな投資に対応するため、次の資金繰り支援策が拡充されました。
伴走支援型特別保証の限度額を引き上げ
コロナ対応で多くの中小企業経営者が利用していた伴走支援型特別保証は、保証料率の引き下げを維持したまま、保証限度額が大幅に引き上げられています。
<伴走支援型特別保証制度の変更内容>
※コロナの影響の長期化を踏まえ、2022年2月に保証限度額を4,000万円から6,000万円、中小企業者の前向き投資を促すため、2022年10月に保証限度額を6,000万円から1億円に引き上げられました。また、2023年1月に要件が緩和され、売上高の減少以外にも売上高総利益率、売上高営業利益率の減少も要件に加わり、より多くの中小企業が制度を利用できるようになりました。
中小企業活性化パッケージ |
中小企業活性化パッケージNEXT |
|
保証限度額 |
6,000万円 |
1億円 |
保証料率 |
原則0.85%を原則0.2%に |
変更なし |
保証期間 |
10年以内 |
変更なし |
取扱期限 |
2023年3月31日 (協会受付分)まで |
変更なし |
担保 |
- |
原則として不要 |
連帯保証人の有無 |
- |
必要となる場合があります。ただし、原則、法人代表者以外は不要 |
要件 |
売上高15%以上減少 |
セーフティネット保証4号の認定を受けていること セーフティネット保証5号の認定を受けていること 売上高▲5%以上 売上高総利益率▲5%以上 売上高営業利益率▲5%以上 |
その他 |
その他 |
経営行動計画書を作成すること 金融機関が継続的な伴走支援をすること |
コロナ融資(日本政策金融公庫)は限度額を引き上げたうえで延長
日本政策金融公庫で取り扱っている、スーパー低利・無担保融資(コロナ融資)は、限度額が引き上げられたうえで、2023年3月末まで延長されました。
なお、利子補給制度の併用による実質無利子化は2022年9月30日(申込受理分)をもって終了しています。
<日本政策金融公庫のコロナ融資の変更内容>
中小企業活性化パッケージ |
中小企業活性化パッケージNEXT |
|
スーパー低利 |
当初3年間、利率0.90%引下げ |
変更なし |
スーパー低利の限度額(中小企業事業) |
3億円 |
4億円 |
取扱期限 |
2022年9月30日 |
2023年3月31日 |
実質無利子化 |
2022年9月30日 (申込受理分)まで |
終了 |
セーフティネット保証4号の取扱期限が延長
セーフティネット保証4号(突発的災害(自然災害等))の指定条件のうち、新型コロナウイルス感染症についての取扱期限は、2022年9月30日から、2022年12月末日まで延長されました。
<セーフティネット保証4号(突発的災害(自然災害等))のうち、新型コロナウイルス感染症についての変更内容>
中小企業活性化パッケージ |
中小企業活性化パッケージNEXT |
|
取扱期限 |
2022年9月30日 |
2022年12月末日 |
伴走支援型特別保証の要件の1つに、セーフティネット保証4号の指定があります。
セーフティネット保証4号のうち、指定条件が新型コロナウイルス感染症に関する場合の認定期限は2022年12月末までです。
伴走支援型特別保証の取扱期限よりも前に、セーフティネット保証4号の取扱期限が到来することに注意が必要です。
セーフティネット貸付の金利引下げが延長
日本政策金融公庫で取り扱っているセーフティネット貸付(物価高騰対策)は、金利0.4%引下げを維持したまま、取扱期限が2022年12月末まで延長されました
<日本政策金融公庫セーフティネット貸付(物価高騰対策)>
中小企業活性化パッケージ |
中小企業活性化パッケージNEXT |
|
利率引下げ |
所定の利率から▲0.4%の引下げ |
変更なし |
取扱期限 |
2022年9月30日 |
2022年12月末日 |
前向きな投資支援策も継続されています
「中小企業活性化支援パッケージNEXT」においても、前向きな投資への支援策として、次の補助金制度が維持されています。
事業再構築補助金第9回公募が開始!
公募回ごとに採択率が上昇している事業再構築補助金について、第9回の公募が開始されました。
申請期間は、2023年1月16日から2023年3月24日18:00までです。
今まで利用していなかったから申請する予定、あるいは、過去に不採択となったため再申請する予定の経営者の方は、期間内の申請が必要です。
申請のための事業計画の策定は認定支援機関との相談が必須のため、早めに着手しましょう。
生産性革命推進事業
生産性を向上させるための投資については、次の補助金制度があります。
補助金の種類や申請枠ごとに申請期限があるため、早めに書類の作成に着手しましょう。
- ものづくり補助金(「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)
- 持続化補助金
- IT導入補助金
【参考】中小企業活性化パッケージNEXTを策定しました|経済産業省
収益力改善等の総合的支援施策が強化されています
中小企業の収益力の改善、事業再生、再チャレンジを支援するため、認定支援機関や中小企業活性化協議会の機能強化が盛り込まれました。
認定支援機関による伴走型支援の強化
認定支援機関向けに、中小企業の収益力改善支援実務指針(仮称)の策定と、経営改善計画策定支援事業との連携が打ち出されています。
従来は認定支援機関によって得意分野が違うなど、中小企業経営者が戸惑うこともあったため、認定支援機関による支援の質をボトムアップすることが盛り込まれています。
中小企業活性化協議会による収益力改善支援の強化
今まではリスケジュールや事業の再生局面での活用が注目されていた中小企業活性化協議会について、機能強化が打ち出されています。
これにより、リスケジュールなどの事業の再生局面に直面する前の段階で、中小企業の収益力改善への支援が強化されています。
改めて資金繰りを見直したい中小企業が活用しやすくなっています
中小企業への資金繰り支援と支援機関の強化が盛り込まれた「中小企業活性化パッケージNEXT」は、改めて資金繰りを見直したい中小企業の経営者の強い味方となります。
伴走支援型特別保証制度について
伴走支援型特別保証制度は、コロナによって経営にダメージを受けた中小企業経営者にとって、資金繰り安定の強い味方になっています。
伴走支援型特別保証制度には、次の特徴があります。
- 運転資金であっても、借入期間10年までと長い
- 保証料率が原則0.2%と低く済む
- 保証限度額が(拡充後)1億円と高額まで対応
- 金融機関との経営行動計画の擦り合わせが必要
- 原則、四半期に1回のモニタリングを開催
コロナ融資をリファイナンス(借り換え)する
コロナ融資もリファイナンス(借り換え)ができます。
リファイナンスによって、新規の借入と同時に返済金額を減らすことが可能です。
<リファイナンスのイメージ> (単位:万円)
借入 元本 |
残高 |
現在の 返済条件 (月) |
新規 借入 |
借入を返済 |
リファイナンス 後の返済条件 (月) |
|
借入① |
1,000 |
500 |
16 |
- |
- |
16 |
借入② |
2,000 |
1,000 |
33 |
- |
-1,000 |
― |
コロナ融資③ |
3,000 |
2,500 |
50 |
- |
-2,500 |
― |
コロナ融資㋐ |
- |
- |
+5,000 |
- |
41 |
|
合計 |
4,000 |
99 |
+5,000 |
-3,500 |
57 |
※新たなコロナ融資㋐5,000万円(期間10年)で、返済中の借入②とコロナ融資③の合計3,500万円を途中で返済するリファイナンス(借り換え)をイメージしています。
上記の場合、新規の借入5,000万円と途中で一括返済する3,500万円との差額1,500万円を運転資金として新規に調達するのと同時に、リファイナンス後の元金返済を42万円減らすことができます。
ポストコロナにおける資金繰り安定化のポイント
世界情勢や急激な円安による原材料高騰や、経済活動の再開による部品の配達遅延など製造業を中心にポストコロナ・アフターコロナへの財務対策が急務となっています。
コロナ融資の返済は大丈夫ですか?
多くの中小企業で利用されたコロナ融資ですが、元金返済が始まっている中小企業が多数存在します。
物価高騰や人材確保難が続く中、コロナ融資の返済が始まったことで、資金繰りが厳しい経営者も増えると予想されています。
原材料価格高騰への対策はできていますか?
ここ最近の原材料や物価の高騰で急激な仕入価格の引上げが経営を逼迫している企業も多く存在します。
価格転嫁がなかなか進まない、取引先は値上げを了承してくれたが値上げ時期は先になったなど、なるべく早く値上げを実施できないと、資金繰りが急激に悪化してしまいます。
資金調達やリファイナンス(借り換え)による資金繰り安定化は、専門家に相談を!
コロナ融資の返済開始や仕入価格の上昇に対応するため、まず資金繰りを安定させることが重要です。
資金繰りの安定化には、追加融資を受ける、今ある借入金のリファイナンス(借り換え)をして返済を軽くするなどの対策が必要です。
追加融資を受ける場合、借入をリファイナンスする場合のどちらも、金融機関に対して、事業の現状と今後の見通し、今後の収益力改善のための具体的な計画を説明しなければなりません。
伴走支援型特別保証には、経営行動計画書の策定が必須です
経営者の強い味方となる伴走支援型特別保証は、経営行動計画書の策定が必須です。
経営行動計画書の策定は金融機関との連携が必要なため、金融機関に次の内容を説明する必要があります。
- 自社の経営内容
- 自社の外部環境と自社の状態(ローカルベンチマークとの比較)
- 自社の財務分析
- 収益力改善のための具体的な取組み
- 取組みの目標値
アフターコロナに向けた経営の舵取りや仕入価格上昇への対処が急務のなかで、経営者がじっくりと時間をかけることは得策ではありません。
また、伴走支援型特別保証の利用期間中は、
- 原則、四半期に1回のモニタリング報告
が必要です。
経営行動計画の策定段階から、頼れる専門家に関与してもらうことが有効です。
経営行動計画書を作成して、経営に活かしましょう
事業計画を作成して、そのまま放置していたことはありませんか?
経営行動計画書の作成は、自社の見直しと経営改善に効果的に役立てられます。
経営行動計画書の作成を通じて、
- 自社の財務分析や同業との比較
- 自社の強みの再確認
- 経営計画や資金繰り表の作成
- 各種補助金の申請書類や、金融機関の融資審査書類の作成への応用
などが可能となり、経営改善をおこなうきっかけにもなります。
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伴走型支援とは、孤独で忙しい中小企業経営者に第三者である認定支援機関などの専門家が寄り添い、サポートしていくことで、経営者が自ら会社を改革していく状態を目指します。
伴走型支援制度を活用するためには、経営者が気軽に相談でき、資金繰りなどの繊細な内容に、しっかりと対応してくれる、経営者の良きパートナーとなる専門家を選ぶことが大切です。
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まとめ
「中小企業活性化パッケージNEXT」の発表により、コロナで資金繰りが悪化した中小企業経営者への収益改善支援が拡充されています。
ポストコロナの時代に、着実に経営を改善させるためには、自社の財務と資金繰りに改善に加えて、前向きな投資も必要です。
資金繰りの安定化を経営者1人で交渉することは不安、補助金申請書類を作成する時間がとれない、誰に相談していいのかわからない、などの悩みをお持ちの中小企業の社長なさま、F&M Clubにお気軽にご相談ください。