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 小規模事業者持続化補助金は経営計画の策定が鍵?承認されるためのポイントとは

小規模事業者が事業を継続していくための補助金は、経営者にとって仕事への活力をもらえるものです。

小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた計画を作成し、地道な販路拡大方針が認可されれば、経費の一部を公費で補助してくれる制度でもあります。

最近、人気が高く事業の内容によっては審査の追い風になる加点もあり、初めての方にも活用しやすい制度となっているため、この機会に是非とも検討しましょう。



目次[非表示]

  1. 1.小規模事業者持続化補助金とは
    1. 1.1.補助率・補助上限額
      1. 1.1.1.通常枠
      2. 1.1.2.特別枠(新設)
    2. 1.2.補助対象事業者
    3. 1.3.補助対象経費
  2. 2.申請から事業報告までの流れ
  3. 3.小規模事業者持続化補助金を活用するためには
    1. 3.1. 経営計画の策定が重要
  4. 4.補助金を有効活用しましょう
  5. 5.小規模事業者持続化補助金:まとめ

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者が自らの経営を見直し、持続的な経営に向けた経営計画を作成したうえで地道な販路開拓等の取り組みや業務効率化の取組を支援するために要する経費の一部を支援する制度です。

現行の上限50万円の通常枠に加えて、上限200万円の特別枠が新設されました。

通常枠、特別枠のいずれか1つの枠のみ申請できます。

申請プロセスや採択率など、総合的にみても今回の特別枠は非常に利用しやすいといわれています。


補助率・補助上限額

通常枠

2022年3月時点で、従来より設けられている、現行枠のことを指します。経費の補助率の2/3で上限額は50万円です。


特別枠(新設)

特別枠(新設)は5種類あります。書類審査のみとなっており採用率も高い傾向です。

インボイス枠以外は上限200万円で経費の2/3の補助率があります。

  • 賃金引上げ枠
    販路開拓の取り組みに加え、その事業所の最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い小規模事業者に対する枠のことをいいます。

  • 卒業枠
    販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて(すなわち小規模事業者を卒業して)事業規模を拡大しようとする事業者に対する枠のことをいいます。

  • 後継者支援枠
    販路開拓の取り組みに加えアトツギ甲子園というイベントで、ファイナリストに選ばれた小規模事業者に対する枠のことを指します。

  • 創業枠
    産業競争力強化法に基づく特定創業支援等事業の支援*を受けており、販路開拓に取り組むために創業した小規模事業者に対する利用枠のことをいいます。

    ※特定創業支援事業の支援とは、これから事業を始めようとする事業者に対して、近くの商工会議所などでおこなう創業塾などの研修制度のことです。これを受講することで創業枠の小規模事業者として補助金の申請が可能となります。一粒で何度も美味しいといわれる利用枠です。

  • インボイス枠
    消費税の免税事業者であった事業者が新たにインボイス発行事業者として登録し販路開拓に取り組む小規模事業者の利用枠のことをいいます。

    インボイス枠のみが上限100万円とされています。

    しかしながらこのインボイス枠というのはあまり認知されておらず、存続も含めて認可することは厳しいというのが現状であるため、今後の動向に注視する必要があります。

補助対象事業者

以下に該当する法人•個人事業•特定非営利活動法人が、対象となる事業者の定義と要件となります。


  • 商業・サービス業 (宿泊業娯楽業を除く)で常時使用する従業員数が5人以下
  • 宿泊業・娯楽業で常時使用する従業員数が20人以下
  • 製造業その他で常時使用する従業員数が20人以下

【参考】持続化補助金令和3年度補正予算の概要|中小企業庁


補助対象経費

補助対象経費科目は、以下の11種目です。あくまでも販路開拓を目的にする経費であることが大切です。この種目を確認せずに申請すると、後々補助金対象外となることも多いため注意しましょう。


①機械装置器等費・・・製造装置の購入費用

②広報費・・・ 新サービスを紹介するチラシ作成•配布、看板などの設置費用

③ウェブサイト関連費・・・ウェブサイトを構築•更新•改修するために要する費用

④展示会等出展費・・・展示会•商談会の出展料などにかかる費用

⑤ 旅費・・・旅費展示会場までの往復の交通費などの販路開拓をおこなうための費用

⑥開発費・・・原材料費を除く新商品システム試作開発費用

⑦資料購入費・・・補助事業に関連する資料•図書の購入費用

⑧雑役務費・・・補助事業のために雇用したアルバイトなどの人件費

⑨借料・・・・所有権移転を伴わない機器設備のリースレンタル料

⑩ 設備処分費・・・新サービスをおこなうためスペースを確保を目的とした設備処分費用

⑪委託外注費・・・店舗改装など 自社では実施困難な業務を第三者に依頼する費用


▼注意事項

  • ③ウェブサイト関連費の補助率上限は販路拡大目的の特定が難しいため、1/4になっています。尚、ウェブサイト関連費のみの申請はできません。
  •  自動車、オートバイ、自転車、文房具、パソコンなどは、販路拡大事業後も使えるため汎用性が高く目的以外使用になり得るため、補助金対象外です。
  • ・経費の支払いについては、原則銀行振込にておこなったものが対象となります。10万円以上でかつ現金で経費を支払った場合は確証が得られないため補助金対象外となります。
  • クレジットカード決済で経費を支払った場合にも対象となりますが、口座引落日が補助事業実施期限を超えないようにする必要があります。
  •  100万円を超える支払いに関しては費用の妥当性や客観性を確認するため2社以上の見積もりが必要です。
  • オークションによる購入は補助金対象外です。

【参考】小規模事業持続化補助金ガイドブック|全国商工会連合会


申請から事業報告までの流れ

申請書類に不備があった場合は不採用となるため、慎重に書類を準備しましょう。

必要書類はガイドブックに記載されている「応募時提出資料様式集」を必ず確認し書類を作成してください。

ここでは申請から事業報告までの概要を解説します。


・「経営計画書」および「補助事業計画書」 と希望する枠や加点等に関する書類を地域の商工会議所に提出し、「事業支援計画書」の交付を受けてください。

・申請は郵送または電子申請にておこななってください。(窓口での申込みはできません)

 また電子申請にあたっては、あらかじめ専用サイトのIDを取得が必要なため、早めの利用登録が必要です。

・ 地域の商工会、商工会議所ごとに申請先が異なるため、注意が必要です。

・提出された申請書類について外部有識者が、審査をおこないます。

・審査終了後採択された案件は補助金事務局ホームページで公表され、採択の結果を通知します。

・採用決定者については補助金交付申請書を事務局で確認し、交付決定通知書が申請者宛に通知されます。

・交付決定通知書受領後、補助事業実施期限までに、補助事業実施計画に沿って事業を実施してください 。(補助事業実施期間内に発注•支払いを完了させたもののみが補助対象となります)

・補助事業を実施した後、最終締め切りまでに実施内容と経費内容を取りまとめた報告書を提出してください。

・実施報告書に基づき、事務局が審査確認をおこない、補助金額が確定します。

・補助金確定通知書が発行され、申請者が事務局あて補助金の申請をおこないます。

・申請者に補助金が入金されます。

・補助事業の完了から1年後に「事業効果および賃金引上げ等状況報告」の報告をいます。





小規模事業者持続化補助金を活用するためには


小規模事業者持続化補助金を活用するために、重要なポイントについて解説します。

 経営計画の策定が重要

本制度は、小規模事業者が商工会・商工会議所の認定支援機関の支援を直接受けなければ、計画策定もできず、補助金自体を受け取ることが難しくなります。

本制度に申請するためには、必ずしも商工会や商工会議所の会員である必要はありませんが、日頃からこのような認定地域支援機関とのリレーションを意識した経営が、スムーズな経営計画の策定にもつながり有効と思われます。

また、本制度申請においては審査段階で「加点制度」があります。

最低賃金に30円上乗せする努力をしている赤字企業や、事業承継を予定している企業が対象となっており、採用の追い風になること間違いなしです。


補助金を有効活用しましょう


本制度補助金の申請から補助金受取までのフローを見ると、かなり複雑に見えますが、

地域支援機関のサポートがあれば決して難しい手続きではありません。

2023年2月の第11回の受付をもって、この補助金制度は終了するため、今から申請準備をしても決して早いということはありません。早めの検討が大切です。

本制度の大命題である「販路拡大による企業体力増強」を達成した時には、その企業には新しい得意先が生まれ売上向上につながっているはずです。

見方を変えれば、「ほぼ経費なしで販路拡大計画が実行できる」ひいては「予想以上の成果を生み出し販路拡大経費も吸収できる」という経営手腕を発揮できるメリットがあるでしょう。

F&MClubでは、中小企業の経営サポートに役立つコンテンツを多数提供しています。ぜひご活用ください。




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小規模事業者持続化補助金:まとめ

今回は、小規模事業者持続化補助金制度について概要と一連の流れを解説しました。

経営を維持し、かつ成長させていくためには、現状維持では衰退してしまいます。

少しでも売上増を目指すためには、新規取引先を増やすこと、すなわち「販路拡大」に他なりません。

各事業者は何かしらの新設枠に名乗り出ることができるはずです。

最大300万円の補助事業を企画し、200万円の補助金を受け取って経営向上実績を納めましょう。

本制度利用によって最終的には従業員の賃金がアップし、従業員の生活向上につながるきっかけとなります。

賃金アップなど労働環境の向上は中小企業が生き抜くためにの必要な施策のひとつです。ぜひ積極的に推進しましょう。






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