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フリーランス保護新法とは?概要をわかりやすく解説

フリーランスで働く人材へ業務を発注する側の義務を明記したフリーランス保護新法が施行されます。

本記事ではフリーランス保護新法の概要、いつから施行されるか、フリーランスへ発注する際の注意点について解説します。



目次[非表示]

  1. 1.フリーランスを雇うときの新法『フリーランス・事業者間取引適正化等法』とは
    1. 1.1.フリーランス保護新法は2024年11月1日から施行
    2. 1.2.フリーランス保護新法は発注者側のルールを明示
    3. 1.3.フリーランス保護新法の適用対象
    4. 1.4.フリーランス保護新法における罰則
    5. 1.5.フリーランス保護新法とガイドライン、下請法との違い
  2. 2.フリーランス保護新法は発注者側に7つの義務
  3. 3.フリーランスの副業・兼業人材を活用するメリットと注意点
    1. 3.1.フリーランス人材を活用するメリット
    2. 3.2.フリーランス人材を活用するときの注意点
  4. 4.人材採用・労務管理のお悩み事はF&M Clubがサポート


フリーランスを雇うときの新法『フリーランス・事業者間取引適正化等法』とは

個人で働くフリーランスへ業務を発注する事業者の義務を明記した、新しい法律が施行されます。新法の正式名称は『特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律』といい、フリーランス・事業者間取引適正化等法とも呼ばれます。

このフリーランス保護新法は、フリーランスへ業務委託取引により仕事を発注する事業者に対して、取引条件の明示や原則60日以内の支払などを義務づけています。

新法の概要は以下のとおりです。

【参考】フリーランス・事業者間取引適正化等法パンフレット|厚生労働省

フリーランス保護新法は2024年11月1日から施行

フリーランス保護新法は2023年4月28日に可決成立し、2024年11月1日から施行されます。


フリーランス保護新法は発注者側のルールを明示

フリーランス保護新法は、個人で働くフリーランスへ業務を委託する発注者が守るべき義務を明記した法律です。この新法の対象となる取引は、売買取引を除き、製造・加工・成果物の作成・役務提供など幅広く適用対象となります。

【参考】フリーランス・事業者間取引適正化等法リーフレット|厚生労働省


フリーランス保護新法の適用対象

フリーランス保護新法の対象となる受注者は、従業員がいない個人事業主や従業員がいない一人会社が対象となります。

発注者は業務委託事業者特定業務委託事業者の2種類に分けられ、それぞれ義務となる内容が異なります。フリーランス保護新法は取引当事者の両者が業務としておこなう“BtoB”事業者が対象であり、個人消費者が業務以外の目的で発注する場合は対象外です。


フリーランス保護新法の対象となる発注者、受託するフリーランス

発注者
(業務委託事業者、特定業務委託事業者)

(業務委託事業者)

  • フリーランスに業務を委託する事業者(フリーランスを含む)

(特定業務委託事業者)

  •  従業員がいる個人事業主
  • 役員または従業員がいる法人

フリーランス
(特定受託事業者)

  • 従業員を使用しない個人事業主
  • 使用している従業員がすべて週20時間未満、雇用見込み30日以内の一時的雇用である個人事業主
  • 代表者以外に役員・従業員がいない法人


フリーランス保護新法の適用対象とならないケースは次のとおりです。

フリーランス保護新法の対象とならない発注者、受託するフリーランス

発注者

  • 個人消費者

フリーランス

  • 従業員を使用している事業者


フリーランス保護新法における罰則

フリーランス保護新法に違反した場合は罰則があります。
違反行為があったことの申し出を受けた場合、公正取引委員会などが調査し、発注事業者に対して指導・助言・勧告などをおこないます。

勧告に従わない場合は命令・公表があり、さらに命令に違反すると50万円以下の罰金を科せられることがあります。


フリーランス保護新法とガイドライン、下請法との違い

フリーランス保護新法と、ガイドラインや下請法などの主な違いは次のとおりです。
フリーランス保護新法は業種についての制限がないため、下請法の対象外である建築業についてもフリーランス保護新法が適用されます。


法律など
主な内容

フリーランス保護新法

主に発注者側における義務を明示

フリーランスガイドライン

事業者とフリーランスの取引に関する法令などをまとめたもの

副業・兼業ガイドライン

フリーランスを含む、副業・兼業で働く従業員がいる事業者向けの基準などをまとめたもの

下請法

発注者が資本金1,000万円超の法人である取引が対象


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フリーランス保護新法は発注者側に7つの義務

フリーランス保護新法は、発注者が守るべき7つの義務を明記しています。

発注者が業務委託事業者か特定業務委託事業者か、委託する期間などにより義務となる項目が異なります。


発注者の義務

具体的な内容

①書面などによる取引条件の明示

委託業務の内容・報酬額・⽀払期⽇などを明記した書面または電磁的方法により直ちに交付

②報酬支払期日の設定・60日以内の支払

納品など成果物の給付から60日以内での報酬支払

③禁止行為

1か月以上の業務委託である場合、次の7つを禁止

  • 受領拒否
  • 報酬減額
  • 返品
  • 買いたたき
  • 購入・利用の強制
  • 不当な利益提供の養成
  • 不当な給付内容の変更ややり直し

④募集情報の的確表示

募集時における虚偽表示や誤解を与える表示の禁止、正確かつ最新の情報の表示

⑤育児介護などと業務の両立に対する配慮

6か月以上の業務委託について、育児や介護などと両立できるための配慮

⑥ハラスメント対策にかかる体制整備

ハラスメント行為をおこなわせない方針の明確化、相談体制の整備など

⑦中途解除などの事前予告・理由開示

6か⽉以上の業務委託を中途解除または更新しない場合は原則として30⽇前までに予告が必要
解除⽇までに理由の開⽰請求があった場合は理由の開⽰が必要


発注者の義務




発注者・発注内容


業務委託
事業者
(従業員がいない個人事業主など)

特定業務委託事業者
(従業員がいる企業など)



1か月以上の業務委託

6か月以上の業務委託

①書面などによる取引条件の明示

義務
義務
義務
義務

②報酬支払期日の設定・60日以内の支払


義務
義務
義務
③禁止行為


義務
義務
④募集情報の的確表示


義務
義務
義務

⑤育児介護などと業務の両立に対する配慮




義務

⑥ハラスメント対策にかかる体制整備


義務
義務
義務

⑦中途解除などの事前予告・理由開示




義務

【参考】フリーランス・事業者間取引適正化等法 説明資料|厚生労働省


フリーランスの副業・兼業人材を活用するメリットと注意点

企業はフリーランスや副業・兼業などで働く社外の人材を活用することでさまざまなメリットがありますが、活用時における注意点もあります。


フリーランス人材を活用するメリット

フリーランスなどの人材を活用する主なメリットは次の4つです。

  • 自社のノウハウがない分野への取り組みが可能
  • 社内にない技術や高い専門性をもつ人材の活用
  • 必要な時期・量にあわせた人材確保
  • 社内の業務負担軽減
  • 自社の従業員への刺激


フリーランス人材を活用するときの注意点

フリーランスや副業で働いている人材を活用するときに注意しておきたい主な事項は次のとおりです。

  • 委託する内容を明確化

フリーランス人材の活用は特定の成果をあげることが目的です。成果物の内容や求める品質、納期などを明確化して発注します。
またフリーランス保護新法に則して、取引条件を書面などで交付することでトラブルを防止します。

  • 自社における担当者・担当業務を再確認

フリーランス保護新法の施行により、フリーランス人材への発注書面の整備、原則60日以内の支払などが義務化されています。発注や書面交付、支払などの業務を自社の誰がおこなうか事前に整理しておきましょう。

  • ハラスメント防止は社内と同じ

フリーランス保護新法により、継続的に業務委託する場合はハラスメント防止が義務とされました。自社の従業員と同じく、ハラスメントを起こさない取り組みを周知しておきます。

  • 秘密保持義務に注意

フリーランス人材の中には、自社と競業する企業から業務を受注した、あるいは受注する人材がいるかもしれません。
自社の情報やノウハウを外部に提供することがないよう、秘密保持義務を明確としておきましょう。


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人材採用・労務管理のお悩み事はF&M Clubがサポート

人手不足や働き方の多様化が今後の広がると予測されているため、企業は優秀なフリーランスの活用など雇用形態や働き方を問わずに人材が活躍できる職場づくりが求められます。

従業員の働き方が多様化すると労務管理上の問題が発生しやすくなるため、自社の労働環境や就業規則、秘密保持契約などを整備しておきましょう。
 
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