人が定着しない会社の特徴は?デメリット・対策を解説
採用した人材がすぐに退職してしまい、優秀な人材が育たず悩んでいる企業も多いのではないでしょうか?人が定着しないと繰り返し採用活動を実施しなければならず、莫大なコストがかかります。人を定着させるためには、労働環境の改善など対策が必要です。
今回は人が定着しない会社の特徴について、デメリット・対策などを解説します。人が定着せず悩んでいる企業は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.人が定着しない会社では莫大な採用費が無駄となっている
- 1.1.採用費の算出方法
- 1.2.新卒・中途にかかる平均採用費
- 2.人が定着しない場合の会社におけるデメリット
- 2.1. 教育・採用にかかる費用が莫大となる
- 2.2.企業の社会的イメージが悪化
- 3.人が定着しない会社の特徴・原因
- 3.1.職場の人間関係が悪化している
- 3.2.採用のミスマッチが多い
- 3.3.労働環境が劣悪
- 3.4.評価基準が曖昧
- 4.人材の定着率を向上させるための対策
- 4.1.風通しの良い職場環境の構築
- 4.2.採用段階で応募者と認識を綿密に擦り合わせる
- 4.3.福利厚生の充実など労働環境の整備
- 4.4.公正な評価制度へと見直す
- 5.まとめ
人が定着しない会社では莫大な採用費が無駄となっている
人が定着しない会社では莫大な採用費が無駄となっています。企業の成長・発展には、優秀な人材の採用・定着が不可欠です。しかし、人材が定着しない場合は採用機会を繰り返し創出しなければならず多大なコストが発生します。
人材の定着率が低い企業は、従業員の満足度を向上させる施策を考える必要があります。以下の見出しでは、具体的な採用にかかる費用について見ていきましょう。
採用費の算出方法
採用費の算出は、以下の数式で算出できます。
- 1名あたりの採用費=採用にかかった費用の総額÷採用人数
採用費を見ていく場合、基本的には1名あたりにかかったコストを算出します。なお、採用にかかる費用として代表的なものは以下のとおりです。
- 求人広告の費用
- 採用イベントの開催費用
- 面接にかかる人件費
人件費などの社内でかかるコストに加えて、イベント開催費用など社外で発生する支出を合わせてトータルの採用コストを算出します。
新卒・中途にかかる平均採用費
新卒・中途採用では、かかる費用は大きく異なります。就職みらい研究所の調査によれば、2019年における新卒・中卒の1名あたり平均採用コストは以下のとおりです。
● 新卒採用(2020年卒):93.6万円
● 中途採用103.3万円:103.3万円
出典:就職白書2020|就職みらい研究所
新卒採用の場合、採用活動は一斉におこなわれて一度に多くの人材を採用します。よって、1名あたりの採用費は比較的低く抑えられます。しかし、新卒者は業務経験がないため教育・研修費用が高くなる傾向です。
中途採用の場合は必要なスキル・経験をもつ人材を見つけるための活動費用など、採用コストは1人あたりで見ると高くなります。しかし、中途採用者は即戦力となるため教育・研修費用は新卒採用に比べて抑えられる傾向です。
いずれにせよ、人材採用には1名あたり100万円程と高額な費用がかかります。人材が定着しなければ上記のコストが無駄になってしまうため、経営にも悪影響を与えます。人材定着率を上げて、採用した人材が長期に活躍できる会社を目指しましょう。
人が定着しない場合の会社におけるデメリット
人が定着しない場合の会社におけるデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 教育・採用にかかる費用が莫大となる
- 企業の社会的イメージが悪化
教育・採用にかかる費用が莫大となる
人材が定着しないと、教育・採用にかかる費用が膨れ上がります。新たな人材を採用して育成するためには、多くの時間・費用が必要です。しかし、人材が定着しないと再度新たな人材を探して採用・育成するための余計な費用が発生します。
人材が退職するたびに採用コストがかかっていれば、経営の圧迫にもつながりかねません。人材の定着率を高めることは、経済的な観点からも非常に重要です。
企業の社会的イメージが悪化
人材が定着しない会社は、社会的イメージが悪化します。優秀な人材を引き寄せて定着させるためには、企業のブランドイメージ・評判が重要です。定着率の低い会社は「労働環境が良くない」または「従業員を大切にしていない」印象を与えかねません。
企業の社会的イメージは、新たな人材の採用だけでなく従業員のモチベーションにも影響を及ぼす可能性があります。一度悪化したイメージを回復させるためには、時間がかかります。企業の社会的イメージをよくするためにも、人材の定着率を向上させる工夫が重要です。
人が定着しない会社の特徴・原因
人が定着しない会社の特徴・原因として、以下の4つが挙げられます。
- 職場の人間関係が悪化している
- 採用のミスマッチが多い
- 労働環境が劣悪
- 評価基準が曖昧
上記の特徴・原因に当てはまらないよう、社内体制を整備しましょう。
職場の人間関係が悪化している
人が定着しない会社の特徴として、職場の人間関係が悪化している点が挙げられます。職場の人間関係が悪化していると、コミュニケーションが少なく殺伐とした雰囲気が漂います。従業員のストレスが増大し、退職を考える人が増えてしまうため人材が定着しません。
具体的には、以下の現象が見られると職場の人間関係が悪化しやすくなります。
- 人が出社しても誰も挨拶しない
- 告げ口・ハラスメントが横行している
- 部下が上司に意見できる機会が少ない
企業は従業員がコミュニケーションを取りやすい環境を用意し、従業員の定着率を向上させることが重要です。
採用のミスマッチが多い
採用のミスマッチが多い場合、企業に人材が定着しづらい傾向があります。求職者のスキル・経験・価値観が企業の求めるもの・文化と合わない場合、不満・不信感が募りやすくなって早期離職を招きます。採用のミスマッチが起きる要因として考えられるものは、以下のとおりです。
- 求人票に企業理念・社風などを記載していない
- 従業員の働く姿などをWebサイトに掲載していない
- 適性検査を実施していない
企業は採用プロセスを見直し、求職者・企業の適合性を確認できる採用方式を取り入れる必要があります。
労働環境が劣悪
労働環境が劣悪な場合、従業員の健康・幸福感が損なわれて人材の定着率が低下します。劣悪な労働環境の例として、以下の項目が挙げられます。
- 過度な長時間労働
- 有給休暇が取得できない
- 福利厚生がない
- 従業員によって業務の偏りがある
- 教育・研修機会がない
長時間労働などの就労状況だけでなく、業務のフォロー・教育体制が整っていない場合も従業員が働きにくさを感じやすくなります。企業は労働環境を改善し、従業員の健康・幸福を維持できる環境を用意して定着率を向上させる必要があります。
評価基準が曖昧
人が定着しない会社の特徴は、評価基準が曖昧であることです。評価基準が曖昧な場合、公平性が欠けていると感じて従業員のモチベーションが低下し、早期離職につながります。
また、従業員はパフォーマンスを適切に評価できず自己成長の機会を見失うでしょう。企業は明確で公平な評価基準を設定し、人材の定着を図ることが重要です。
人材の定着率を向上させるための対策
人材の定着率を向上させるための対策として、以下の4つが挙げられます。
- 風通しの良い職場環境の構築
- 採用段階で応募者と認識を綿密に擦り合わせる
- 福利厚生の充実など労働環境の整備
- 公正な評価制度へと見直す
離職率の高い企業は、上記の対策を実行してみましょう。
風通しの良い職場環境の構築
風通しの良い職場環境を構築することは、従業員の満足度・定着率を向上させるための重要な要素です。コミュニケーションの取りやすい職場環境にすることで、人間関係のストレスを感じにくくなり人材定着率が高まります。具体的には、以下の方法が有効です。
- 1on1の継続的な実施
- メンター制度の導入
- 仕事上の悩みを相談できる社内窓口の設置
特にコミュニケーションの機会を多くする観点では、1on1の実施・メンター制度の導入は効果的です。上司・部下・同僚のコミュニケーションを増やす機会を設けることで風通しの良い職場を実現し、人材の定着化を図ります。
採用段階で応募者と認識を綿密に擦り合わせる
採用段階で応募者と企業の間で認識を綿密に擦り合わせることは、採用のミスマッチを防いで人材の定着率を向上させるために重要です。事前に採用像を明確に伝えることはもちろん、選考過程でのすり合わせもおこないましょう。ほかにも、以下の方法でミスマッチを防げます。
- 自社Webサイト・求人広告に業務内容などを詳細に記載する
- 自社の課題なども隠さず伝える
企業はより多くの応募者を集めたいため、自社に入社するメリットだけをアピールしがちです。就労環境などでの課題も隠さず伝えることで、求職者のイメージとのズレをより埋められます。
福利厚生の充実など労働環境の整備
福利厚生の充実など労働環境の整備は、従業員の定着率を向上させるために重要です。労働環境がよくなれば従業員が働きやすさを感じて、人材の定着につながります。働きやすい会社のイメージが定着すれば、優秀な人材が自ら応募してくれる流れを構築できる点も魅力です。
労働環境の整備には、以下の方法が有効です。
- 有給休暇以外に特別休暇の設置
- 従業員の業務負担を均一化する
- 社内食堂など福利厚生の充実
特に休暇制度などワークライフバランスに関わる制度は、プライベートの充実・心身のリフレッシュにつながり人材定着を促しやすくなります。
公正な評価制度へと見直す
公正な評価制度の構築も、人材の定着に有効です。公正な評価制度を確立すれば従業員のパフォーマンスを適切に評価して報酬を与えられるため、モチベーションの向上につながります。具体的には、業務の成果を客観的に評価できる仕組みに作り変えることが有効です。
数値ベースの指標で客観的な評価ができれば、評価者・対象者で認識のズレをなくしやすくなります。従業員の評価に対する納得度が高くなる点が大きなメリットです。また、評価をもとにしたフィードバックもおこないましょう。自身の改善点・アクションプランが分かれば、前向きに業務へ取り組めます。
まとめ
人材が定着しない会社では莫大な採用コストが無駄となり、経営に大きなダメージを与えてしまいます。人材の定着率を向上させるためには、職場環境の改善・採用プロセスの見直しなどが重要です。今回の内容を参考に、人材を定着させて企業の生産性向上を。
しかし、人材採用・育成には専門的なノウハウが必要で、自社だけで対処することが難しいケースも多いでしょう。エフアンドエムは人事などバックオフィスの支援に特化した「F&M Club」サービスを提供しています。累計3万8,000社の中小企業様に対して支援実績があり、人材の定着率向上に関して的確なアドバイスを提供できます。
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