企業に必要な経営理念とは?中小企業だからこそ重要である理由
経営理念は、企業の成長に必要不可欠な指針のひとつですが「経営理念なんて無駄である」と、経営理念を重要視していない企業も多いかもしれません。
しかし、経営理念は「中小企業だからこそ必要」なものであり、経営理念が組織全体に与える影響は大きなものとなります。
本記事では、経営理念の概要や、中小企業における経営理念の重要性、経営理念を策定する際のポイントなどについて解説します。
目次[非表示]
- 1.経営理念とは
- 2.経営理念と企業理念の違いは?
- 2.1.経営理念と企業理念の定義
- 2.2.経営理念と企業理念の役割・目的
- 3.経営理念の重要性・メリット
- 3.1.組織の方向性の明確化
- 3.2.社員のモチベーション向上
- 3.3.企業の信頼性構築
- 4.中小企業だからこそ経営理念は必要!
- 4.1.中小企業における経営理念
- 4.2.中小企業に必要な競争力を高める
- 4.3.中小企業における経営理念の成功事例
- 5.経営理念を正しく策定しよう
- 5.1.現状を把握する
- 5.2.社員と共有する
- 5.3.シンプルで具体的な内容にする
- 6.経営理念策定サポートはF&M Clubにおまかせ
経営理念とは
経営理念とは、企業の経営における「目標・方法・手段」などを明文化したもので、企業経営における基本的な方針や理念を示したものです。
経営理念の定義
経営理念に明確な定義はありませんが、一般的な経営理念の定義とは、企業の信念や価値観に基づき「どのように経営を進めていくのか」について明文化したものとされています。
基本的に経営理念は「経営者の考えや信念を反映させたもの」であるため、経営者が変わった場合、経営理念も変更される場合があります。
経営理念の役割
経営理念は、企業活動にさまざまな影響を与えます。
特に中小企業においては、経営理念が企業運営に与える影響が非常に大きく「意思決定の指針」や「組織文化の形成」などの役割を果たしています。
意思決定の指針
経営理念は、企業経営にかかわる意思決定に大きな影響を与えます。たとえば、企業が「顧客第一主義」を経営理念に掲げた場合、あらゆる意思決定は「顧客満足度向上」を最優先に考えるようになり、経営理念が判断基準の大きな要素となります。
組織文化の形成
経営理念は、社員同士のコミュニケーションや協力関係の基盤を作り、組織文化の形成に影響を与えます。たとえば「個性を尊重する」という経営理念を掲げた場合、社員それぞれの強みや特徴を尊重し、さまざまな意見やアイデアを積極的に取り入れる文化が根付きやすくなるでしょう。
経営理念が組織文化を強化することにより、社員のモチベーションや意欲が高まり、企業の成長につながります。
経営理念と企業理念の違いは?
経営理念と企業理念は、似ているようで少し異なります。両者の違いを理解することは、経営理念を適切に機能させるうえで非常に重要です。
経営理念と企業理念の定義
先述したように、経営理念や企業理念には、明確な定義はありません。経営理念と企業理念の一般的な定義として紹介します。
経営理念
経営理念は、経営の「目標・方法・手段」などを明文化したものであり、企業経営における基本的な方針や理念を示したものです。
企業経営をおこなううえで「どのような目標を定め、どのような方法や手段で達成するのか」について示した指針であると捉えられます。
企業理念
企業理念は、企業の「存在意義・あり方・目的」などを明文化したものであり、企業の目的や使命など、社会的役割や存在意義を示したものです。
経営理念に近い要素もありますが、経営理念よりも包括的で抽象的な概念であり、企業が「どのような存在でありたいのか、何を目的として存在するのか」について示したものであると捉えられます。
経営理念と企業理念の役割・目的
一般的な経営理念と企業理念の役割・目的は以下のとおりです。
経営理念
経営理念は、基本的に社内に向けて経営方針や行動指針を示すものであり、社員の行動に影響を与える役割をもっています。
企業理念
企業理念は、基本的に社外に対し、その企業が「何を目的として存在しているのか」を伝える役割をもっています。
経営理念の重要性・メリット
中小企業にとって経営理念は重要なものであり、経営理念の策定には多くのメリットがあります。
組織の方向性の明確化
経営理念を策定することで、企業が目指すべき方向性が明確化され、社員それぞれが共通のゴールに向かって業務を遂行しやすくなります。
社員が明確な方針や使命を意識することで、目標設定や戦略に一貫性を保ちやすくなり、組織の円滑な運営に大きな影響をもたらします。
社員のモチベーション向上
経営理念が社内で適切に共有されている企業では、社員は自身の役割を明確に理解しやすくなるため、やりがいや誇りを感じながら働きやすくなります。
また、企業の経営理念に共感することで、社員のエンゲージメントが高まり、業務効率性の向上にもつながるでしょう。
企業の信頼性構築
経営理念が適切に策定されている企業は、顧客や取引先から信頼を得やすくなります。特に中小企業では、経営理念に基づいた行動が、企業の評判や価値に直結しやすいため、信頼関係を築くうえでも、経営理念は重要な役割をもっています。
中小企業だからこそ経営理念は必要!
大企業に比べて資源が限られている中小企業は、激しい競争市場の中で成長を実現していかなければならず、企業の強固な方向性と個性が求められます。
そのような指針を明確化し、組織を正しく機能させるためには経営理念が非常に重要です。
中小企業における経営理念
中小企業は規模が小さいため、組織として成長していくためには、企業全体で同じ価値観を共有することが重要です。
経営理念が組織全体に浸透している企業では、社員同士のコミュニケーションや協力関係が強化されやすくなります。
中小企業に必要な競争力を高める
中小企業が、激しい競争市場の中で勝ち残っていくためには、他社との差別化を図れる明確な強みが必要です。経営理念はその強みを形成する要素となり、経営理念に他社にはない独自のビジョンを取り入れることで、差別化を図りやすくなります。
中小企業における経営理念の成功事例
成長している中小企業の多くは、経営理念がしっかりと策定されており、日々の経営活動に反映されています。
【経営理念の成功事例】
- 「地域のお客様に愛される店舗づくり」を経営理念に掲げた中小企業が、地域イベントの開催など、積極的に活動をおこなった結果、多くの地域住民からの支持を得られ、結果的に顧客増加につながった。
「環境に配慮した製品を提供し、持続可能な社会を実現する」という経営理念を掲げた中小企業が、製品の素材選びから製造過程まで、環境に配慮した取り組みをおこなった結果、経営理念に基づいたエコ製品が支持されるようになり、業績が伸びた。
- 「顧客の課題解決を最優先に考える」という経営理念を掲げた中小企業が、経営理念に基づき、顧客ニーズに合わせた柔軟なサービス提供をおこなった結果、顧客満足度を高め、長期的な取引先との信頼関係を構築し、事業の拡大につながった。
経営理念を正しく策定しよう
企業成長のために、経営理念を正しく機能させるためには、経営理念を「なんとなく策定する」のではなく、正しい方法で策定しなければなりません。
経営理念を効果的に策定するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
現状を把握する
経営理念を策定する際はまず、自社の現状把握からスタートです。自社の強み・弱みや、競合他社との関係などを分析することで、課題が明らかになります。
自社の現状を把握し、市場での価値やポジションを深く理解することで、経営理念を策定する際の基盤をつくりやすくなります。
社員と共有する
経営理念の効果を適切に機能させるためには、社員一人ひとりが共感し、意識して業務に取り組む必要があります。
そのため「経営理念は策定したら終わり」ではなく、策定した経営理念を社員に適切に周知・共有し、具体的な行動に落とし込むための研修・教育など、環境整備が必要です。
シンプルで具体的な内容にする
経営理念は、できるだけシンプルかつ具体的な内容にします。経営理念について熟考すればするほど「複雑で抽象的」なものとなりがちですが、そのような経営理念の場合、社員へ浸透しづらく、意識しにくい内容となるため、なかなか実行につながりません。
そのため経営理念は、社員が日々の業務に反映しやすいように、シンプルかつ具体的で、実行可能なものであることが求められます。
経営理念策定サポートはF&M Clubにおまかせ
経営理念は、中小企業が他社との差別化を図りつつ、成長していくために重要な指針です。
経営理念は「ただ策定すればいい」のではなく、適切に機能させるために正しい方法で策定しなければなりません。
経営理念を正しく策定するためには、F&M Clubの利用がおすすめです。
累計約38,000社以上の中小企業を支援してきたエフアンドエムが提供するF&M Clubは、企業のバックオフィス業務を幅広くサポートしており、経営理念の策定サポート以外にも、主に以下のようなサービスが受けられます。
- 労務管理支援
- 人材採用・育成支援
- 資金繰り対策支援
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