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2025年度(令和7年度)概算要求・税制改正要望のポイントをまとめて解説

2024年8月から9月にかけて、各省庁から2025年度予算の概算要求と税制改正要望が発表されました。中小企業支援は予算の増額が盛り込まれており、中でも注目したい項目はGX投資・省エネ投資・中堅企業支援の3つです。

本記事では、2025年度概算要求・税制改正要望の中から、中小企業支援策の注目項目をまとめて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.中小企業対策費は+20%の1,300億円
  2. 2.2025年度の注目項目はGX投資・省エネ投資・中堅企業支援の3つ
    1. 2.1.GX予算
    2. 2.2.省エネ対策予算
    3. 2.3.中堅企業向け支援
  3. 3.2025年度税制改正要望は中小企業優遇税制の延長
    1. 3.1.中小企業経営強化税制の延長
    2. 3.2.事業承継税制の役員就任要件の延長
    3. 3.3.中小企業の法人税率の特例は延長
  4. 4.GX投資、省エネ投資で注目したい補助金
    1. 4.1.GX投資に使えるものづくり補助金
    2. 4.2.省エネ補助金は幅広い投資が対象
  5. 5.2025年度、その他の補助金はどうなる?
    1. 5.1.大規模成長投資補助金は継続予定
    2. 5.2.事業再構築補助金は基金の範囲内の予測
    3. 5.3.詳細は2024年度補正予算で固まる予定
  6. 6.総合経済対策2024が発表!中小企業向け支援策はF&M Clubへご相談ください


中小企業対策費は+20%の1,300億円

経済産業省からの2025年度概算要求額は総額で2兆3,596億円です。2024年度(令和6年度)当初予算からは約20%増、金額では約4,500億円の増額要求となりました。

このうち中小企業対策費は1,300億円であり、2024年度の1,082億円から約20%の増額要求となっています。


【引用】令和7年度 経済産業省関係 概算要求等概要|経済産業省


中小企業支援の方向性として次の5項目があげられています。

① 物価高、人手不足等の厳しい経営環境への対応
② 環境変化に挑戦する中小企業・小規模事業者等の成長支援
③ 小規模事業者支援、社会課題解決をはじめとした地域における取組への支援等
④ 事業承継、再編等を通じた変革の推進
⑤ 経営支援、伴走支援の推進

【参考】令和7年度中小企業・小規模事業者・地域経済関係概算要求等ポイント|ミラサポplus


2025年度の注目項目はGX投資・省エネ投資・中堅企業支援の3つ

経済産業省からの概算要求のうち最も注目したい項目はGX投資・省エネ投資・中堅企業支援の3つです。


GX予算

経済産業省要求分においてはGX推進対策費として9,818億円が計上されています。2024年度の6,429億円から大幅な増額です。

GX推進対策費の中で注目したい施策は「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費」、いわゆる『省エネ補助金』(工場・事業場型、電化・脱炭素燃転型、エネルギー需要最適化型)です。

省エネ補助金は、エネルギー効率が高い生産ラインや空調機器への更新が対象となる補助金です。補助上限額が最大15億円と高額であることや、複数年度にわたる投資に対応しているなどの特長があり、人気のある補助金のひとつです。


【引用】令和7年度経済産業省概算要求のPR資料一覧:GX支援対策費|経済産業省


省エネ対策予算

経済産業省のエネルギー対策特別会計は2024年度を上回る7,818億円が要求されています。この中には上記のGX予算で紹介した『省エネ補助金』の設備単位型などが含まれます。

環境省からは『脱炭素』関連の予算が要求されています。中小企業が使いやすい主な施策としては、次の2つがあります。

  • 脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速化事業(SHIFT事業)
  • 商用車の電動化促進事業


【引用】令和7年度経済産業省概算要求のPR資料一覧:エネルギー対策特別会計|経済産業省


【引用】脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業)|環境省


【引用】商用車の電動化促進事業(経済産業省、国土交通省連携事業)|環境省


中堅企業向け支援

2024年度に続き、2025年度も売上高100億円以上の中堅企業を創出する支援策が講じられる予定です。


【引用】令和7年度中小企業・小規模事業者・地域経済関係概算要求等ポイント|ミラサポplus


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2025年度税制改正要望は中小企業優遇税制の延長

2025年度税制改正要望の注目点は、中小企業向け優遇税制の延長です。中小企業経営者が注目しておきたい要望事項は次の3つです。


中小企業経営強化税制の延長

中小企業経営強化税制とは、経営力向上計画の認定対象となる設備投資について、即時償却または取得価額の税額控除(最大10%)が認められる制度です。

中小企業経営強化税制の適用期限を2025年3月31日から2027年3月31日まで2年間延長される見込みです。



【引用】2025年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】|経済産業省


事業承継税制の役員就任要件の延長

事業承継税制においては、贈与による自社株式承継の場合、後継者が自社株を承継するまでに役員就任3年間以上が条件です。

事業承継適用期限は2027年12月31日であるため、後継者の取締役就任は2024年12月31日までとなっていました。2025年度税制改正要望においては、この取締役就任期間3年間の要件を短縮するよう要望しています。


【引用】2025年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】|経済産業省


中小企業の法人税率の特例は延長

中小企業の法人税率について、年800万円以下の部分の税率を15%とする軽減措置2029年3月31日まで延長する内容が盛り込まれています。


【引用】2025年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】|経済産業省


GX投資、省エネ投資で注目したい補助金

2025年度の予算概算要求において重視されているGX・省エネ分野は、補助金や助成金が充実しやすい分野であるといえます。GX投資・省エネ投資に使える代表的な補助金は次の2つです。


GX投資に使えるものづくり補助金

ものづくり補助金には次の3枠があり、GX投資が対象の補助枠は「製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型)」です。

成長分野進出類型の補助上限額は2,500万円と、それほど高額ではないものの、補助率は2/3と高くなっています。


【引用】ものづくり補助金 18次公募要領 概要版|ものづくり補助金事務局


省エネ補助金は幅広い投資が対象

省エネ補助金は、エネルギー効率が高い設備や生産ラインへの更新などが対象となる補助金です。補助上限額は最大15億円(非化石転換は20億円)と高額であり、複数年にわたる投資も対象となる点が特長です。


【引用】省エネルギー投資促進に向けた支援補助金|資源エネルギー庁


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2025年度、その他の補助金はどうなる?

その他の主な補助金については、次のように予測されています。


大規模成長投資補助金は継続予定

補助上限額が最大50億円である大規模成長投資補助金は、2025年も存続する見込みです。2025年度概算要求から当初予算として要求されており、要求額は20億円となっています。


【引用】令和7年度経済産業省概算要求のPR資料一覧:一般会計|経済産業省


事業再構築補助金は基金の範囲内の予測

事業再構築補助金は2025年度概算要求に計上されていないため、現状基金の範囲内で継続されると予測されています。


詳細は2024年度補正予算で固まる予定

経営者が最も注目する補助金の詳細は、11月から12月にかけて発表される補正予算において固まります。2024年11月22日に石破内閣が総合経済対策を発表しており、間もなく2024年度補正予算が発表されると予測されています。
 
補助金・助成金の中には省エネ補助金のように公募期間が短い補助金・助成金があるため、制度改正情報が発表され次第、情報を入手できるように準備しておくことがおすすめです。


総合経済対策2024が発表!中小企業向け支援策はF&M Clubへご相談ください

2024年11月22日、石破内閣が2024年の総合経済対策を発表しました。2024年度補正予算規模は13.9兆円、民間支出を含む事業規模は39兆円となり、前年の2023年度を上回っています。

総合経済対策を受けて、これから2025年度における補助金・助成金の詳細が発表されるため、投資を検討している経営者様は、制度改正や公募時期に関する情報にアンテナを高くしておきましょう。
 
「自社で使える補助金にはどんなものがあるのか」「採択されやすい申請ポイントは何か」など、公的支援策の利用を検討している中小企業経営者様はF&M Clubへご相談ください。
 
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