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中小企業が投資に使える省エネ補助金の概要【2025年度予算概算要求】

2025年度(令和7年度)予算の概算要求が発表されました。経済産業省からの概算要求の中では省エネ投資促進事業が大幅に増額されており、GXや省エネ分野の補助金・助成金に注目が集まっています。

本記事では、経営者に人気がある省エネ補助金の2025年度版について解説します。



目次[非表示]

  1. 1.省エネ補助金とは
  2. 2.省エネ補助金の概要【2025年度経済産業省概算要求】
    1. 2.1.省エネ補助金の概要
    2. 2.2.省エネ補助金の対象となる設備投資とは
    3. 2.3.省エネ補助金の過去の採択率
  3. 3.省エネ補助金の採択率を上げるポイントは加点措置と早めの準備
    1. 3.1.省エネ補助金の加点措置
    2. 3.2.省エネ補助金は公募期間が短め
  4. 4.設備投資に使える補助金・助成金・公的支援策についてはF&M Clubへご相談ください


省エネ補助金とは

省エネ補助金とは、省エネルギー性能が高い空調機器や生産設備への更新が対象となる補助金であり、経営者に人気があります。

2025年度(令和7年度)予算の概算要求に計上されており、2025年も継続される予定です。省エネ補助金が人気の理由は次の3つです。

  • 補助金額が最大15億円(非化石転換は20億円)と高額
  • 複数年度にわたる投資に対応
  • 空調機器や照明機器、工作機械など補助対象が幅広い


省エネ補助金の概要【2025年度経済産業省概算要求】

経済産業省が2024年8月30日に発表した2025年度予算の概算要求に関するPR資料において、2025年度の省エネ補助金の概要が示されています。


省エネ補助金の概要

省エネ補助金は次の4つの事業区分があり、それぞれ補助対象や補助率が異なります。

  • 事業区分(Ⅰ)工場・事業場型:工場など事業場全体の省エネ化投資が対象
  • 事業区分(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型:エネルギー源を転換する更新投資が対象
  • 事業区分(Ⅲ)設備単位型:省エネ設備機器への更新投資が対象
  • 事業区分(Ⅳ)エネルギー需要最適化型:省エネのためのシステム等が対象


経済産業省のPR資料によると、2025年度の省エネ補助金の補助対象経費・補助率(中小企業の場合)・補助上限額は次のとおりです。


事業区分

補助対象経費

補助率
補助上限額

(Ⅰ)工場・事業場型


先進設備・システム導入

設計費
設備費
工事費

2/3以内

15億円(※)


オーダーメイド型設備導入

設計費
設備費
工事費

1/2以内

(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型

設備費

1/2以内

3億円

(Ⅲ)設備単位型

設備費

1/3以内

1億円

(Ⅳ)エネルギー需要最適化型

設計費
設備費
工事費

1/2以内

※非化石転換は20億円


【引用】経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:GX推進対策費)|経済産業省


【引用】経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:エネルギー対策特別会計)|経済産業省


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省エネ補助金の対象となる設備投資とは

「自社で更新しようと考えている設備が省エネ補助金の対象となるのか」気になる経営者も多いでしょう。2024年度の省エネ補助金で対象となっている設備は次のとおりです。


【事業区分(Ⅰ)工場・事業場型】

(a)先端設備・システムの導入

補助対象

●あらかじめ認定を受けた設備への更新

●原油換算量ベースで次のいずれかを満たす省エネ効果

・省エネ率+非化石割合増加率が30%以上
・省エネ量+非化石使用量が1,000kl以上
・エネルギー消費原単位改善率が15%以上
●投資回収年数が5年以上

(b)オーダーメイド型の設備導入
補助対象

●設計が必要な設備または用途に合わせて設計・製造するオーダーメイド型設備への更新
●設計図書などの納品物がある
原油換算量ベースで次のいずれかを満たす省エネ効果
・省エネ率+非化石割合増加率が10%以上
・省エネ量+非化石使用量が700kl以上
・エネルギー消費原単位改善率が7%以上
●投資回収年数が5年以上


【事業区分(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型】

補助対象

●あらかじめ認定された、脱炭素を目的とした電化または燃料転換を図るための設備への更新
●下記のいずれかの指定設備
①産業用ヒートポンプ
②業務用ヒートポンプ給湯器
③低炭素工業炉
④高効率コージェネレーション
⑤高性能ボイラ
上記に該当しない「そのほかSIIが認めた高性能な設備」のうち電化・脱炭素燃転に資するとして指定した設備


【事業区分(Ⅲ)設備単位型】

補助対象

●あらかじめ補助対象設備として公表された指定設備への更新(設備区分は下記の15種類)

①高効率空調(業務・産業用エアコン)
②産業ヒートポンプ
③業務用給湯器
④高性能ボイラ
⑤高効率コージェネレーション
⑥低炭素工業炉
⑦変圧器
⑧冷凍冷蔵設備
⑨産業用モータ
⑩制御機能付きLED照明器具
⑪工作機械
⑫プラスチック加工機械
⑬プレス機械
⑭印刷機械
⑮ダイカストマシン

上記に該当しない「そのほかSIIが認めた高性能な設備」として指定した設備も対象


【事業区分(Ⅳ)エネルギー需要最適化型】

補助対象

●SIIが定めるEMSのシステム要件を満たし、エネルギーマネジメント事業者が提供するシステム・機器
●原油換算量ベースで省エネルギー率が2%以上


事業区分(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)について
【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金公募要領4次公募用|環境共創イニシアチブ
事業区分(Ⅲ)について
【引用】省エネルギー投資促進支援事業費補助金公募要領2次公募用|環境共創イニシアチブ



省エネ補助金の過去の採択率

省エネ補助金は人気がある補助金ですが、過去の採択率は約6割にとどまっており、2件のうち1件が不採択となっています。省エネ補助金の過去の採択率は次のとおりです。



事業区分
申請件数
採択件数
採択率

2023度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金

1次公募採択結果

Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ

87件

70件

80.5%

2次公募採択結果

Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ

111件

81件

73.0%

3次公募採択結果

Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ

46件

31件

67.4%

2023年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金

1次公募採択結果

1,999件

1,195件

59.8%

1次公募採択結果

Ⅲ+Ⅳ

4件

4件

100.0%

2次公募採択結果

2,345件

1,316件

56.1%

2次公募採択結果

Ⅲ+Ⅳ

5件

5件

100.0%


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省エネ補助金の採択率を上げるポイントは加点措置と早めの準備

上記のとおり省エネ補助金は簡単に採択される補助金ではありませんが、難易度が高いわけでもありません事前に適切な準備をしておくことで、採択の可能性が高まります

省エネ補助金に採択されるための主なポイントは「加点措置の活用」「早めの準備」の2つです。


省エネ補助金の加点措置

ものづくり補助金などと同じく、省エネ補助金についても加点措置があります。加点措置を利用することで採択となる可能性が高くなります。

申請・採択件数が多かった2次公募時の主な加点措置は次の3つです。

これらの加点措置には、経費助成や税制優遇措置などが講じられています。加点措置を上手に活用することで、採択率の上昇と金銭的なメリットを同時に享受できることとなります。自社に適切な加点措置について、疑問点などが生じる際は、税理士など専門家への相談がおすすめです。


【省エネ診断(2024年度)の加点措置とそのメリット】

主な加点措置

加点措置のメリット

省エネ最適化診断

投資費用がかからない省エネ方法などを専門家からアドバイスしてもらえます。
診断費用は内容により10,670円からと比較的安価です。
地方公共団体によっては、企業が負担する経費を対象とする独自の助成金制度があります。
例:千葉市省エネ最適化診断支援事業補助金のご案内(2024年度)|千葉市

経営力向上計画の認定

認定計画対象の投資について、即時償却(30%)または取得価額の10%(または7%)の税額控除が可能です。

経営革新計画の認定

日本政策金融公庫の融資利率の低減措置、ものづくり補助金における加点措置などがあります。

【参考】省エネルギー投資促進支援事業費補助金公募要領2次公募用|環境共創イニシアチブ
【参考】省エネ最適化診断サービス内容|省エネルギーセンター
【参考】中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(2024年度税制改正対応版)|中小企業庁
【参考】経営革新支援|中小企業庁


省エネ補助金は公募期間が短め

省エネ補助金は公募期間が約1か月と短いため、準備不足であると不採択となってしまう可能性があります。

省エネ補助金の2025年度公募開始予定は未定ですが、補助金・助成金の公募情報を早めにキャッチできるようにしておきましょう。

(参考)省エネ補助金の過去の公募期間は次のとおりです。
1次公募:2024年3月27日から2024年4月22日
2次公募:2024年5月27日から2024年7月1日


設備投資に使える補助金・助成金・公的支援策についてはF&M Clubへご相談ください

省エネ補助金は中小企業・個人事業主(青色申告者に限る)がおこなう省エネ投資に使える補助金です。設備の更新を検討している経営者様は事前に準備しておき、採択を目指しましょう。
 
「省エネ補助金の情報をいち早く欲しい」「自社に適切な加点措置を知りたい」「省エネ補助金以外に自社で使える補助金・助成金は何か」など、補助金・助成金についてお考えの経営者様はF&M Clubをご利用ください。
 
F&M Clubは補助金の申請・採択件数で全国トップクラスの実績があるエフアンドエムが提供するサブスクサービスです。

月額30,000円(税別)で、補助金・助成金の申請、資金繰り改善のアドバイス、人材採用・労務管理のサポートなど、忙しい経営者様をトータルでバックアップするサービスが使い放題です。

設備更新やエネルギーコストの削減など、経営改善のお悩みは、F&M Clubへお気軽にご相談ください。


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