社内訓示とは?メリット・作成のポイント・例文を紹介
社内訓示は、入社式や社長就任時などに経営陣のメッセージを伝える機会として活用されています。しかし、社内訓示で具体的にどのような内容を伝えるべきか悩む経営者も多いでしょう。
社内訓示では、企業のビジョンやミッションと一致したメッセージにすることがポイントです。社内訓示を効果的に実施すれば、「企業文化が浸透する」「生産性の向上が期待できる」など、多くのメリットがあります。
今回は社内訓示について、メリット・作成のポイント・例文などを紹介します。
本記事を読めば、社内訓示のポイントを理解してスムーズに作成・実施が可能です。社内訓示を活用して、従業員が前向きに業務へ取り組める職場環境を実現しましょう。
目次[非表示]
- 1.社内訓示とは
- 2.社内訓示が従業員にもたらす効果
- 2.1.新入社員の社会人意識が高まる
- 2.2.モチベーションの向上につながる
- 2.3.従業員との信頼関係が高まる
- 2.4.企業文化が浸透する
- 3.社内訓示が会社にもたらすメリット
- 3.1.生産性が向上する
- 3.2.人材の定着率があがる
- 3.3.利益率が高くなる
- 4.効果的な社内訓示を作るポイント
- 4.1.目的を明確にする
- 4.2.企業のビジョンやミッションと一致したメッセージにする
- 4.3.具体的なエピソードを入れ込む
- 4.4.肯定的な表現を使う
- 4.5.簡潔で覚えやすい言葉を選ぶ
- 5.【シーン別】社内訓示の例文
- 5.1.社長就任時の社内訓示例文
- 5.2.入社式での社内訓示例文
- 6.オンラインで社内訓示を実施する場合のポイント
- 6.1.従来の対面形式と異なる工夫が必要
- 6.2.自分の顔をはっきり映して話す
- 6.3.社内訓示を録画しておく
- 7.まとめ
社内訓示とは
社内訓示とは、企業や組織のリーダーが従業員に向けておこなうメッセージや指示を指します。社長や経営幹部が重要な会議・節目となるイベント・新年の開始時などにおこなうケースが多く、組織全体の方向性や目標を共有する場となります。
社内訓示の目的は従業員一人ひとりに組織のビジョンやミッションを再認識させ、意識を統一する点です。また、具体的な業務方針や期待される行動基準が明確に示されるため、従業員のモチベーション向上や目標達成への意識を高める効果があります。
社内訓示の内容は組織の現状や未来像を反映したうえで、簡潔で分かりやすく心に響くものである点が重要です。結果として組織全体が一丸となり、より良い成果を目指して進むきっかけを作る役割を果たします。
社内訓示が従業員にもたらす効果
社内訓示は単なるメッセージの発信にとどまらず、組織全体にポジティブな影響を与える重要な役割を果たします。以下にあげる4つの効果は、社内訓示が従業員にもたらすメリットの代表例です。
- 新入社員の社会人意識が高まる
- モチベーションの向上につながる
- 従業員との信頼関係が高まる
- 企業文化が浸透する
社内訓示をきっかけに、従業員が働きやすい環境を整備しましょう。
新入社員の社会人意識が高まる
社内訓示は、新入社員にとって社会人としてのスタートを切る重要な機会です。特に、入社式での訓示は新入社員が企業の理念や方針を直接受け取る場であり、社会人としての自覚を促します。組織全体の期待や目標を具体的に伝えれば、自分の役割や責任感を再認識しやすくなります。
また、経営層からのメッセージは、新入社員に対して「自分はこの組織の一員である」という帰属意識を醸成できる点もメリットです。
上記のように、社内訓示は新入社員の社会人としての基盤を作り、企業の一員として成長するための第一歩を後押しします。
モチベーションの向上につながる
経営層が直接語りかける社内訓示は、従業員のモチベーション向上につながる点がメリットです。訓示のなかで企業の目標や今後の展望が共有されると、従業員は「自分の仕事がどのように全体に貢献しているのか」を理解できます。
経営層が労いや感謝の言葉を伝えれば、従業員は「自分の努力が認められている」と感じ、さらなる意欲をもつきっかけにもなります。さらに、訓示が具体的な行動指針を示している場合は目標達成への道筋が明確になるため、従業員が主体的に動きやすくなる点もメリットです。
従業員との信頼関係が高まる
社内訓示を通じて経営層が考えや思いを直接共有すると、従業員との信頼関係が強化される点がメリットです。リーダーが組織の現状や課題について率直に語って将来の方向性を示せば、従業員はリーダーに対する信頼感を深めます。
また、従業員一人ひとりを大切にしている姿勢が伝わると、「この組織で頑張りたい」という気持ちが生まれる点もメリットです。訓示の内容が共感を呼ぶものであれば、リーダーと従業員の心が通じ合って組織全体の結束力も高まります。
企業文化が浸透する
社内訓示は、企業文化を従業員に浸透させるための有効な手段です。訓示を通じて、経営層が企業の理念や価値観を繰り返し強調すれば、従業員が日常業務のなかで意識しやすくなります。
特に、企業文化が新入社員や中途採用社員にも浸透すると、全従業員が同じ方向を目指して行動する土壌が整います。また、企業文化が従業員の行動基準となれば、組織内のコミュニケーションがスムーズとなり、効率的なチームワークが実現する点も魅力です。
社内訓示が会社にもたらすメリット
社内訓示は従業員個人への影響だけでなく、会社全体にも多くのメリットをもたらします。以下に、社内訓示が会社にもたらす主な利点を3つ挙げて説明します。
生産性が向上する
- 人材の定着率があがる
- 利益率が高くなる
社内訓示を活用して、生産性の高い企業経営を推し進めましょう。
生産性が向上する
社内訓示を上手に活用すれば、従業員の生産性向上が期待できる点がメリットです。社内訓示を通じて経営層が会社の目標や方針を明確に示せば、従業員が自分の業務の意義を理解しやすくなります。目標が共有されると個々の業務が全体の成果につながる点が明確になり、効率的に仕事を進めるモチベーションが生まれます。
また、訓示で具体的な行動指針や優先事項が提示されれば、従業員は迷いなく業務に取り組めるため、無駄な作業を減らせる点もメリットです。訓示を通じて経営層が従業員に信頼と期待を示すと、従業員は自発的に努力して組織全体の生産性が向上します。
人材の定着率があがる
人材の定着率向上が期待できる点も、社内訓示を活用するメリットです。定期的な社内訓示は、従業員にとって「自分が会社にとって重要な存在である」という認識を高める場です。経営層が直接感謝の意を示して従業員の努力を評価する訓示は、従業員の満足感を高めて会社への帰属意識を強化できます。
また、訓示を通じて明確なキャリアビジョンや企業の将来像が共有されると、従業員は「この会社で働き続けたい」と思う気持ちが強くなります。従業員との信頼関係が深まり、風通しの良い企業文化が育まれれば、離職率の低下にもつながるでしょう。
利益率が高くなる
社内訓示が従業員の士気を高めて生産性を向上させれば、最終的には会社の利益率向上にも寄与します。統一された目標意識のもとで各部門が連携しやすくなり、無駄なコストを削減できるため、効率的な運営が可能です。
また、従業員の満足度が高まれば、顧客対応やサービスの質が向上して顧客満足度の向上とリピーター獲得につながります。経営層が市場の変化や新たな挑戦を共有すると、従業員全員が前向きに取り組み、競争力のある商品やサービスを生み出しやすくなる点もメリットです。結果として、持続的な利益率の向上が実現します。
効果的な社内訓示を作るポイント
効果的な社内訓示を作るためには明確な目的をもち、従業員に響くメッセージ構成が重要です。以下に、効果的な社内訓示を作る5つのポイントを解説します。
- 目的を明確にする
- 企業のビジョンやミッションと一致したメッセージにする
- 具体的なエピソードを入れ込む
- 肯定的な表現を使う
- 簡潔で覚えやすい言葉を選ぶ
上記のポイントを参考に、従業員が共感できる社内訓示を作成しましょう。
目的を明確にする
訓示をおこなう際は、「なにを伝えたいのか」「従業員にどのような影響を与えたいのか」など目的を明確にしましょう。目的が曖昧だと伝えたいメッセージがぼやけてしまい、従業員に響きません。たとえば、新年の訓示であれば、組織の目標や方針を共有してモチベーションを高める点が目的となります。
一方、特定の課題について言及する場合は、どのように解決するかを具体的に示すべきです。目的を明確にすれば、訓示の内容に一貫性が生まれて従業員の理解と共感を得やすくなります。
企業のビジョンやミッションと一致したメッセージにする
効果的な社内訓示は、企業のビジョンやミッションと一致した内容であることが重要です。企業のビジョンやミッションと一致していれば、従業員は自分たちの仕事が企業全体の方向性とつながっている点を実感できます。
たとえば、「お客様第一主義」というミッションを掲げている企業であれば、顧客満足を高めるための具体的な行動を訓示に含めると効果的です。一貫性のあるメッセージは、組織全体の方向性を明確にして従業員に目標達成のための指針を提供します。
具体的なエピソードを入れ込む
抽象的な話だけでは従業員に印象を与えることは難しいため、具体的なエピソードを盛り込みましょう。たとえば、過去の成功事例や困難を乗り越えた経験を共有すれば、従業員は共感しやすくなります。
また、実際の業務に即した具体例をあげると「自分の行動にどう反映すればよいか」をイメージしやすいです。具体的なエピソードを交えれば、訓示に説得力が加わってメッセージがより心に残るものとなります。
肯定的な表現を使う
社内訓示のなかで使用する言葉は、可能な限り肯定的なものにすべきです。「しなければならない」といった義務感を強調するよりも、「目標を達成すれば新たな成長が期待できる」など前向きな表現を用いる方が効果的です。
肯定的な表現は従業員のモチベーションを高め、ポジティブな行動を促します。また、未来に対する希望や期待を含んだメッセージは従業員に安心感とやる気を与える力があります。
簡潔で覚えやすい言葉を選ぶ
社内訓示では、簡潔で覚えやすい言葉を選ぶのがポイントです。訓示のメッセージが長い・複雑だと、従業員に伝わりにくくなります。簡潔で覚えやすい言葉を選んでポイントを絞った内容にすれば、訓示の意図がクリアに伝わる点がメリットです。
たとえば、スローガンやキャッチフレーズのような短いフレーズを訓示に盛り込むと、従業員が日々の業務のなかで思い出しやすくなります。また、専門用語や難しい表現を避けて誰にでも理解できる平易な言葉を使いましょう。
【シーン別】社内訓示の例文
社内訓示はシーンに応じて内容やトーンを変えましょう。以下に、代表的な2つの場面での社内訓示例文を紹介します。
- 社長就任時の社内訓示例文
- 入社式での社内訓示例文
社内訓示を作成する際は、下記の例文を参考にしてください。
社長就任時の社内訓示例文
皆さん、本日より〇〇株式会社の社長を務めることになりました〇〇です。まずは、これまで会社を支えてくださったすべての従業員の皆さんに心より感謝申し上げます。私はこの会社が築いてきた歴史や信頼を大切にしながら、新たな成長を目指して進んでいく所存です。 |
上記の例文では感謝の言葉から始まり、会社の方向性や自身のビジョンを共有して信頼感の構築を図ろうとしています。
入社式での社内訓示例文
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。そして、この記念すべき日に、皆さんをお迎えできることを心から嬉しく思います。今日から皆さんは、弊社の仲間であり、この会社を共に創っていく重要なメンバーです。 |
上記の例文では新入社員への期待を明確に伝えるとともに、安心感を与えて挑戦を促すメッセージを意識しています。
オンラインで社内訓示を実施する場合のポイント
オンライン環境での社内訓示は、対面形式とは異なる課題とコツがあります。以下のポイントを押さえれば、効果的な訓示をおこなえます。
- 従来の対面形式と異なる工夫が必要
- 自分の顔をはっきり映して話す
- 社内訓示を録画しておく
オンラインで社内訓示を実施する際は、上記のポイントを参考にしてください。
従来の対面形式と異なる工夫が必要
オンラインでの社内訓示は、従来の対面形式とは異なる点を意識した準備が重要です。画面越しでは参加者の集中力が続きにくいため、内容を簡潔にまとめて訴求力のあるメッセージを心がける必要があります。
また、デジタルデバイスの画面上で社内訓示を見るため、視覚的な工夫も有効です。スライドや動画を使って視覚情報を補強すれば、参加者の興味を引きやすくなります。
参加者の反応を確認するのが難しいため、チャット機能を活用するなど双方向のやり取りを意識した設計も求められます。オンライン環境の特性を活かし、効率的かつ魅力的な社内訓示を目指しましょう。
自分の顔をはっきり映して話す
オンラインでの社内訓示では、話している人物の顔がはっきり映るように設定しましょう。リーダーの表情や目線は、メッセージの説得力を大きく左右します。カメラの位置は目線と同じ高さに調整し、顔が自然な明るさで映るようにライティングにも配慮してください。
暗い部屋や背景の乱雑さは視聴者の集中を妨げる原因になるため、背景も整えておくことが大切です。また、話すスピードやトーンにも注意し、画面越しでも参加者にしっかりと伝わる話し方を心がけましょう。映像を通じてリーダーの真剣さや思いを直接伝えれば、オンラインでの社内訓示の成功につながります。
社内訓示を録画しておく
オンラインでの社内訓示では、内容を録画して後から見返せる状態にしておくと効果的です。特に、勤務時間が異なる従業員や一度で内容を把握しきれなかった参加者にとって、録画の提供は重要なサポートとなります。
また、録画データは後から改善点を把握するための材料としても活用できます。社内訓示でのメッセージが定期的に見直されれば、方針や目標の浸透度を高められます。
まとめ
社内訓示は組織のビジョンや目標を共有し、従業員のモチベーションを高めるコミュニケーション手段です。新入社員には社会人としての意識を促し、全従業員に信頼感や企業文化を浸透させる役割を果たします。
また、明確な目的や企業のミッションと一致したメッセージ・具体的なエピソード・肯定的な表現を盛り込むと効果的です。オンラインで実施する場合は、画面越しでも集中しやすい工夫やリーダーの顔がはっきり見える設定が必要です。社内訓示を効果的に活用し、従業員が前向きに働ける労働環境を目指しましょう。
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