中小企業がやりがちなダメな求人票を解説!
全国には、ハローワーク拠点が436所(本所)あり、毎日多くの求職者の方に利用されています。
ハローワークの求人は無料で掲載できることが大きな利点ですが、ほとんどの中小企業がハローワークの求人を十分に活かせていないのが現状です。
ハローワークを活用し、優秀な人材を採用するための求人票の書き方について解説します。
目次[非表示]
- 1.採用がうまくいかない企業の3大誤解
- 1.1.➀ハローワークで良い人材を採用できるはずがない
- 1.2.②同業種はどこも採用できていない
- 1.3.③賃金を上げないと採用できない
- 2.中小企業の求人票の問題点3つ
- 2.1.➀魅力が伝わらない
- 2.2.②ホームページの記載がない
- 2.3.③空白がある
- 3.優秀な人材が集まる求人票の特徴
- 4.中小企業の求人票の問題点
- 5.求人票の改善事例
- 5.1.各種機械の製作及び精密工作
- 5.2. 経理総務事務
- 5.3.求人票見直し成功事例
- 6.まとめ
採用がうまくいかない企業の3大誤解
採用活動に費用や時間を費やしているにもかかわらず、採用がうまくいかない企業は以下のような誤解を抱いています。
➀ハローワークで良い人材を採用できるはずがない
有料の人材紹介サービスが多数存在する中、ハローワークの無料サービスは、応募も少なく、優秀な人材を確保するのは難しいと思われがちです。
しかし全国各所のハローワークでは、毎日多くの求職者が訪れ、相談員による職業紹介が行われています。
また、インターネット経由でもハローワークの求人は多くの求職者に閲覧されています。
ハローワークにおける新規求職者数は462万人(令和元年)で、そのうち就職件数は134万人(常用)です。
ハローワークでも優秀な人材を採用できる可能性は十分にあります。
【参考】公共職業安定所(ハローワーク)の 主な取組と実績│厚生労働省 職業安定局
②同業種はどこも採用できていない
採用がうまくいかないのは、そもそも業界の人気がないためだと勘違いしている企業も多くいます。そのため、同業種は自社と同じくどこも採用できていないものと諦めてしまいがちです。
しかし、採用がうまくいかないのは業種のせいではありません。
ハローワークの求人は、業界業種問わずさまざまな求人に対して職業紹介、申込みがされています。
どの業種であっても、求人票で自社の魅力を十分に発揮できていれば、採用はうまくいきます。
【参考】令和元年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)│厚生労働省
③賃金を上げないと採用できない
採用がうまくいかないのは、給料条件がよくないためだと勘違いしている企業も多いです。
求人に対して応募が集まらないからといって、給料を改定するのは企業にとってハイリスクです。求職者は必ずしも給料面で求人を判断している訳ではありません。
見方によっては、給料がやたら高い場合、仕事が激務で大変そうというマイナスなイメージを与えかねません。
給料を改定しなくても、求人票で会社の魅力をアピールすることは可能です。
中小企業の求人票の問題点3つ
採用がうまくいかない中小企業の求人票には特徴があります。
求人票の改善点について解説します。
➀魅力が伝わらない
求人票はいかに自社の魅力をアピールできるかが大切です。
どの企業にも共通するようなありきたりな求人票では、差別化が図れず優秀な人材を逃してしまいます。
仕事内容の書き方を工夫したり、福利厚生をしっかりアピールしたり、自社の魅力が伝わるような求人票を心がけましょう。
②ホームページの記載がない
求職者は、興味をもった企業についてより深く情報を得ようとします。
その場合、求人票にホームページの記載があるととても有効です。
企業のホームページは、企業の歴史やより深い事業内容、社内、社員の雰囲気など、企業についてのさまざまな情報が得られるツールです。
ホームページをもっている企業は必ず求人票に記載するようにしましょう。
③空白がある
空白の多い求人票は視覚的な印象が悪くなります。
いくら条件の良い求人票でも、空白が多いと適当に書かれた求人票の印象を与え、求職者の興味を半減させてしまうリスクがあります。
一生懸命採用活動に取り組んでいる姿勢をみせるためにも、なるべく求人票の空欄はなくすようにすることです。
優秀な人材が集まる求人票の特徴
優秀な人材が集まる求人票の特徴は、求職者が求人票をみる時のポイントをおさえています。
求人票における注視時間について、長いものから順に以下のような調査結果が出ています。
1.仕事内容 2.就業時間 3.就業場所 4.休日など 5.所在地 |
この結果から、求人票は仕事内容でアピールすることが重要です。
2〜5については工夫して書くことが難しいですが、1.仕事内容については、書き方次第で魅力が伝わります。
求職者が具体的にどのような業務をするのかイメージしやすいように記載し、「自分にもできそうだな」、「経験が活きそうだな」、「面白そうだな」と思えるような書き方を心がけます。
【参考】中小企業における人材の採用と定着│独立行政法人 労働政策研究・研修機構
中小企業の求人票の問題点
中小企業の求人票には、仕事内容が簡略化されすぎていたり、避けた方が良いNGワードを使用していたりするなどの問題点がみられます。
求人票を作成するうえで、避けた方が良いとされるNGワードは、以下のようなワードです。
・誰にでも出来るお仕事です ・急募 ・働きやすい職場です ・アットホームな職場です ・あなたのスタイルで働けます |
このようなワードは一見、好印象に見られると思われがちですが、求職者からするとマイナスな印象に捉えられることもあります。
・誰にでも出来るお仕事です → 単調な仕事でやりがいを感じられない ・急募 → 人手不足で常に忙しい印象 ・働きやすい職場です → 具体性がなく信憑性がない ・あなたのスタイルで働けます → 具体性がなくイメージが湧かない |
このように、求職者によってはマイナスな印象を与えてしまうため、使用する際は注意や工夫が必要です。
具体的には、会社の雰囲気をアピールする場合であれば、写真やホームページでアピールし、急募であれば、その理由を添えるなどです。
求人票の改善事例
求人票の改善について、事例をもとに解説します。
各種機械の製作及び精密工作
仕事内容について、以下のように改善しました。
【改善前】「各種機械の製作及び精密工作」
↓
【改善後】「自動車を組み立てる際に使用する◯◯や◯◯の部品を製造しています。自動車製造に欠かせない部品を製造するやりがいのあるお仕事です。
◎昭和28年の創業◯年の実績があります。
◎兄弟会社、協力工場と連携し、より付加価値の高いものづくりを追求しています。」
改善前の仕事内容は、簡略化されすぎていて、どのような機械の製作であるのかもわからず情報量が不足しています。
改善後の仕事内容では、誰に何をどのようにしている仕事なのか、具体的に書かれており、企業の概要や業績も記載することで、信頼できる会社であることをアピールできています。
経理総務事務
仕事内容について、以下のように改善しました。
【改善前】「経理総務事務 ・情報入力・伝票整理・書類作成」
↓
【改善後】「当社を支えるバックオフィス部門のメンバーとしてサポート・事務業務をお任せします!」
【具体的には】
・「データ入力・伝票整理・書類の作成などパソコンを使った入力業務が中心のお仕事です。事務関連の経験が無くても大丈夫!現在活躍している先輩社員が仕事の流れとやり方をしっかり教えてくれます。未経験からでも十分にスキル、経験を磨くことができる職場です。家庭最優先の勤務体系で勤めることができます。」
改善前の仕事内容は、何のどのような情報を入力する作業なのか、どれくらいのレベルが求められる業務なのか、これらの情報だけでは求職者に伝わりません。
改善後の仕事内容では、仕事の内容を明確に記載しており、事務職未経験者でも応募可能なことが明記されています。フォロー体制についても、具体的であり、求職者の抱える不安について寄り添ったかたちで書かれています。
また、事務職は残業が少ないことが多く、家庭と両立できる働き方を理想とする求職者が多いこともしっかりと視野に入れ、「家庭最優先」という言葉でアピールすることができています。
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求人票見直し成功事例
求人票を改善し、成功した事例を紹介します。
▼課題 ハローワークで求人を出していたが、2年間応募がなかった。 ▼改善前求人票 ▼改善後求人票 ▼改善結果 |
このように、求人票を改善するだけで採用活動の質は上がります。
採用がうまくいかず頭を抱えている企業は、
・求人票が魅力の伝わるものになっているか ・求職者の知りたい情報が詳しく書かれているか |
見直してみてください。
まとめ
・ハローワークで優秀な人材を確保することは可能
・応募が集まらないのは求人票の魅せ方
・求人票は仕事内容を充実させる
・ターゲット求職者に合わせた内容で魅力を伝える