中小企業の人材確保が困難な理由とは?解決策を紹介
人材確保の困難は、中小企業が抱える申告な問題・課題のひとつとなっています。
企業成長のためには、新たな人材の確保・既存人材の定着が重要です。
中小企業の人材確保が困難な理由と解決策について紹介します。
目次[非表示]
- 1.データからみる中小企業の深刻な人材確保問題
- 2.中小企業の人材確保が困難な理由と課題
- 3.人材確保問題が及ぼす企業への影響とは
- 3.1.人手不足による労働生産性の低下
- 3.2.企業経営の悪化・衰退
- 3.3.人件費の高騰
- 4.中小企業が優秀な人材を確保・定着させるためには
- 4.1.採用活動方法の見直し
- 4.2.若手社員教育環境の整備
- 4.3.人事考課制度の整備
- 5.F&M Clubの労務支援サービスで人材不足問題を解決
- 6.まとめ
データからみる中小企業の深刻な人材確保問題
中小企業庁の「令和元年度(2019年度)の小規模事業者」の「業種別従業員加不足DI」データによると、中小企業のすべての業界において、2009年以降、人材不足問題が深刻化しており、中でも「建設業」や「サービス業」における人材不足問題が特に目立っています。
また「従業員規模別に見た、人員の過不足状況」データをみると、社員規模が大きい企業ほど、人材不足の割合が大きくなっており、社員数が301人以上の規模の企業では約7割の企業が「人材不足」であると回答しています。
【参考】「令和元年度(2019年度)の小規模事業者」 l 中小企業庁
中小企業の人材確保が困難な理由と課題
中小企業の人材確保が困難な理由および課題として、主に以下の3点が挙げられます。
- 少子高齢化
- 働き方の多様化
- 誤った採用方法
少子高齢化
日本の人口は、2008年をピークに、2011年以降は減少が続いており、今後も少子高齢化は深刻な問題となるといわれています。
人口減少に加え、生産年齢人口も減少しているため、人材不足問題が深刻化しています。
【参考】「令和元年度(2019年度)の小規模事業者」 l 中小企業庁
働き方の多様化
近年は、働き方の多様化により、さまざまな働き方を選択できる時代となりました。
また、インターネット(スマートフォン、SNSなど)の普及により、従来よりも転職活動がしやすくなり、さまざまな方法で気軽に転職活動がおこなえる環境が整っています。
そのように働き方や転職方法の選択肢が増えたことにより、従来のような「1社に長く勤める」という考え方は、年々薄くなっている傾向があり、若手社員が早期退職する傾向が強くなっていることも現状です。
そのため、企業は若手社員の早期退職を防ぎ、定着率を上げるための「職場環境づくり」や「社員教育」に力を入れる必要があります。
誤った採用方法
企業が健全な経営活動をおこなっていく上で、採用活動は必要不可欠です。
しかし、適切な採用活動をおこなわず、採用活動の目的や機能を果たしていない企業がほとんどであり、人材確保の困難につながっています。
具体的には「経験者しか採用しない」「若手しか採用しない」「ハローワークを活用しない」「高学歴しか採用しない」などです。
企業が「優秀な人材を確保したい」と願うことは当然のことであり、企業の発展にもつながる重要な考え方ですが、人材確保(採用活動)が困難となっている昨今において「優秀な人材の確保」を目指しつつ「未経験者や中途採用者を教育できる環境を整える」ことや「採用方法の幅を広げる」ことが大切です。
人材確保問題が及ぼす企業への影響とは
人材確保問題は、企業経営においてさまざまな影響を与えるため、最悪の事態となる前に適切に対処しなければなりません。
人手不足による労働生産性の低下
人材不足により、ひとりひとりの業務負担が増え、企業(チーム)全体の労働生産性が下がります。
労働生産性の低下は、コストが多くかかるだけでなく、残業増などにより、社員のモチベーションや意欲の低下にもつながりやすくなるため、企業(チーム)全体の士気を下げ、悪循環を引き起こします。
企業経営の悪化・衰退
人材不足は、企業の成長に必要な新たな人材を確保できないことや、新たな事業展開が困難であること、社員教育に力を入れられないことなどにより、経営悪化を招き、企業が衰退してしまいます。
企業が健全な経営をおこなっていくためには、常に成長していかなければならないため、最悪の事態を招く前に、人材不足問題は早めに対処しなければなりません。
人件費の高騰
人材不足により、社員の残業が増えることや、若手社員不足により、既存の人員(管理職)への負担が増えることで、人件費の負担が大きくなります。
人件費の削減および労働生産性の向上は、企業が解決すべき課題のひとつです。
人件費をおさえ、適切なコストで企業経営をおこなっていくためには「人材の確保」や「自動化の導入」により、改善していかなければなりません。
中小企業が優秀な人材を確保・定着させるためには
中小企業が人材不足問題を対処するためには「優秀な人材の確保・定着」が重要です。
優秀な人材を確保・定着させるためには、主に以下のような解決策が挙げられます。
採用活動方法の見直し
採用活動は、人材不足問題を解決するための重要な業務のひとつです。
しかし、採用活動には、コストと時間が多くかかるため「無駄なく効率的に」おこなわなければなりません。
「優秀な人材」に捉われすぎて、学歴や経歴ばかりを注視する採用方法では、ミスマッチが起こりやすく、優秀な人材ほど、早期退職率も高くなります。
ミスマッチを防ぐために、面接では、候補者の人となりだけでなく、労働条件などをすり合わせておくことが重要です。
また、応募条件が「経験者のみ」などの条件に絞られている場合は、応募条件の範囲を広め、さらに、大手求人媒体のみ利用している場合は、ハローワークを活用するなど、より多くの候補者と出会える機会を設けましょう。
若手社員教育環境の整備
社員の定着率を高めるために、若手社員の教育は重要です。
人材不足問題の解決には、新たな人材を確保することも大切ですが、既存の社員を成長させることも大切であり、特に若手社員の成長は企業の今後を左右するため、力を入れなければなりません。
若手社員教育の環境が整っていないと、若手社員の成長意欲やモチベーションを低下させ、早期退職につながりやすくなってしまいます。
また、若手社員教育において見落とされがちな点は「管理職の教育」です。
「そもそも若手社員を教育できる管理職がいない」「管理職の独断により、間違った方法で教育をおこなっている」などの環境の場合、当然若手社員の成長につながりません。
社歴や業種などに合った内部または外部研修などを実施し、若手社員教育環境の整備および、管理職の教育をおこないましょう。
人事考課制度の整備
人事考課制度は、昇進や昇給にかかわるため、社員の意欲やモチベーションの維持・向上に影響します。
「そもそも人事効果制度がない」「人事考課制度の基準や目的が曖昧」など、人事考課制度が整備されていない場合、社員の成長・目標意識が薄れ、企業に対する期待や信頼がなくなり、離職につながりやすくなります。
社員の意欲やモチベーションを維持・向上し、離職を予防するために「具体的な考課基準」や「明確な昇進・昇給制度」を設けた人事考課を実施しましょう。
しかし、適切に機能する人事考課を、1から社内で作成、運用することは困難です。
そのような場合は、社外の専門家からアドバイスを受けながら人事考課制度を整備し、運用をおこなっていくこともひとつの手段です。
また、人事考課をおこなう際は「フィードバック」も重要です。
人事考課を実施し、結果だけ伝えられた社員は、具体的な根拠や改善点が分からず不満を募らせてしまう可能性もあります。
「社員の成長を期待している」ことを伝えるためにも、フィードバックを必ず実施しましょう。
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まとめ
中小企業における人材不足問題は、今後もますます深刻化していくといえます。
人材の確保・定着は企業が良好な経営活動を維持し、成長していくために重要です。
適切な採用活動と並行し、「社員教育」や「人事考課制度の整備」をおこない、人材不足問題の解決および企業の成長につなげましょう。