
ついにコロナゼロゼロ融資の返済がスタート!政府が認めた唯一の対策。『借換保証』を徹底解説。
実質無利子・無担保のコロナ融資(ゼロゼロ融資)の返済開始は、2023年6月から8月以降にピークを迎えます。返済開始でのしかかる資金繰りへの負担は『コロナ借換保証制度』で軽くすることが可能です。
本記事ではコロナ借換保証制度の概要と資金繰りを改善するポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.コロナ融資(ゼロゼロ融資)の返済開始はこれから本格化
- 1.1.コロナ融資の返済がピークへ
- 1.2.倒産も急増。コロナ融資の返済開始への対応は?
- 2.コロナ融資が返済できない時の対策
- 2.1.追加借入
- 2.2.リスケジュール(返済軽減)
- 2.3.借り換え
- 3.「借り換えで資金繰りが改善する」とは
- 4.『コロナ借換保証制度』が始まっています
- 4.1.コロナ借換保証制度の概要
- 4.2.コロナ借換保証制度の申込み条件
- 5.『コロナ借換保証制度』で資金繰りを改善するポイント
- 5.1.借り換え時のポイント
- 5.2.借り換えの審査に通るには
- 6.借り換えなど資金繰りの改善はエフアンドエムが力になります
- 7.まとめ
コロナ融資(ゼロゼロ融資)の返済開始はこれから本格化
コロナ融資を利用した企業の多くは据置期間を設けました。据置期間が終了し元金返済を開始する企業数はこれからピークを迎えます。
コロナ融資の返済がピークへ
コロナ関連融資(政府系金融機関のコロナ融資と民間金融機関のゼロゼロ融資との合計)は総額42.2兆円(2022年9月時点)が実行されました。
政府系金融機関のコロナ融資は約8割の会社で返済が始まっていますが、民間金融機関が取り扱ったゼロゼロ融資の元金返済開始はこれからです。2023年7月と2024年4月にそれぞれ約52,000件が集中しています。
【引用】中小企業政策審議会金融小委員会(第7回)事務局説明資料(2022年11月1日)|中小企業庁金融課
物価高騰、人件費の上昇などで資金繰りが厳しくなっている中小企業にとっては、今後のコロナ融資の返済開始が資金繰りへの更なる負担となります。
倒産も急増。コロナ融資の返済開始への対応は?
民間信用調査会社である帝国調査データバンクによると、2023年3月の倒産件数は800件となり、コロナ禍前の水準に戻っています。倒産件数が前年同月を上回る状況は2022年5月から11か月連続しています。特に負債総額10億円未満の中小企業の倒産が急増しています。
物価高騰、人手不足と賃金上昇などで体力を減らしている中小企業の資金繰りに、コロナ融資(ゼロゼロ融資)の元金返済がのしかかってくるため、資金繰りの改善が求められます。
コロナ融資が返済できない時の対策
コロナ融資などの借入の返済が難しい場合における対処法は主に次の3つです。それぞれメリットとデメリットがあります。
追加借入
業績などに問題がなければ最も容易な資金調達ができます。
ただし、追加で運転資金を借りた分だけ借入が増えます。また追加で借りた融資の返済が増えます。
リスケジュール(返済軽減)
リスケジュールとは、現在の借入金の元金返済を減らすまたはゼロにする手続きです。略してリスケ、または返済軽減、返済緩和、条件変更などとも呼ばれます。
現状以上に借入が増えることはありません。
一方、金融機関に対して今後の資金繰りや改善見通しの説明、返済金額の交渉が必要です。またリスケジュールをおこなうと自社の債務者区分が「要注意先」となり、リスケジュールしている期間中は新規の融資を借りることができないことが殆どです。
借り換え
借り換えとは現在返済している借入金を新しい借入で返済し、新しい借入に乗り換えて返済していくことです。
新しい融資の元金返済額をいままでの融資の返済よりも抑えることで、返済がラクになります。
借り換えも金融機関との交渉が必要ですが、リスケジュールのように自社の信用に傷がつくことはありません。
借入の返済が負担だと感じる時は、まず借り換えを検討します。
「借り換えで資金繰りが改善する」とは
資金繰りが厳しい主な理由は、返済能力よりも借入金の返済額が多いことが。借入の返済額を減らすことで資金繰りが改善します。
簡易キャッシュフローを使うと自社の資金不足額が簡単につかめます。
(決算書から) |
計算式 |
数値例 |
①経常利益 |
1,000万円 |
|
②減価償却 |
※1 |
500万円 |
③簡易キャッシュフロー |
①+② |
1,500万円 |
③簡易キャッシュフロー |
1,500万円 |
|
④年間借入返済額 |
2,400万円 |
|
⑤年間不足金額(新規借り入れ必要額) |
③-④ |
-900万円 |
※1……売上原価の減価償却費と販売費および一般管理費の減価償却費の合計
簡易キャッシュフロー < 年間返済額 となっている場合は、手元に残るお金以上に返済が必要です。
この状況が続くと資金が不足するため、借り換えで借入返済額を減らすことがおすすめです。
<借り換えのイメージ>(単位:万円)
残高 |
返済条件
(月)
|
新規借入 |
借入を返済 |
借り換え後の
返済条件(月)
|
|
借入① |
1,000 |
150 |
- |
-1,000 |
- |
借入② |
2,500 |
50 |
- |
-2,500 |
- |
借り換え |
- |
- |
+5,000 |
- |
41 |
合計 |
3,500 |
200 |
+5,000 |
-3,500 |
41 |
借り換えによる新たな融資5,000万円(期間10年)で、返済中の借入①②の合計3,500万円を返済する場合のイメージです。
上記の場合、新規の借入5,000万円と返済する3,500万円との差額1,500万円が追加融資と同じです。追加の運転資金を借りているものの、元金返済を159万円減らせます。
『コロナ借換保証制度』が始まっています
コロナ禍の影響で借入が増加した企業への支援策として『コロナ借換保証制度』が創設されています。
コロナ借換保証制度の概要
コロナ借換保証制度とは、コロナ融資(ゼロゼロ融資)を含めて借り換えができる制度です。制度の名称は信用保証協会によって異なりますが、制度の内容は同じです。
この制度のポイントは次のとおりです。
- 制度上限額はゼロゼロ融資の上限額を超える1億円(追加の運転資金が調達可能)
- 保証期間が最大10年間と長期
- 据置期間は最長5年間
- 保証料が補助され、原則0.2%からと低い
- コロナ融資(ゼロゼロ融資)を借り換えできる
- 売上の減少だけでなく、利益率が低下している場合も対象
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コロナ借換保証制度の申込み条件
売上の減少または利益率の低下に加えて、金融機関とともに「経営行動計画書」を作成し、金融機関による伴走支援がおこなわれることが条件です。
経営行動計画書はA3サイズ1枚の簡易なテンプレートです。作成にあたっては、経営指標の数値、今後の見通し、伴走支援のモニタリングを想定したアクションプランなどをわかりやすくまとめるテクニックも必要です。
『コロナ借換保証制度』で資金繰りを改善するポイント
借り換えにより資金繰りを改善する時は、新たに借入する融資の条件がポイントです。
借り換え時のポイント
借り換え時のポイントは次の2点です。
- なるべく長期間の融資とする(元金返済額をおさえる)
- 据置期間を長く設ける(改善するまでの返済を無くす)
『コロナ借換保証制度』は上記の2点に対応可能な制度設計です。
借り換えの審査に通るには
借り換えのポイントは長期の融資期間と据置期間の設定です。この2点を金融機関(信用保証協会)から見るとリスクが高い融資条件であり、審査のハードルは高くなります。
金融機関(信用保証協会)に合意してもらうためには、しっかりとした事業計画と資金繰りの見通しの説明が必要です。説明する事項は次のとおりです。
- 自社の事業内容と強み
- 経営上の課題と解決方法
- 今後の貸借と損益の予測
- 具体的な借換えの内容
- 今後の資金繰りの見通し
事業計画の策定や資金繰り表の作成に不慣れな経営者は、経営革新等認定支援機関などの専門家を活用しましょう。
借り換えなど資金繰りの改善はエフアンドエムが力になります
資金繰りの改善策や借り換えの検討は、株式会社エフアンドエムにご相談ください。
エフアンドエムは中小企業のバックオフィス業務の改善をサポートする定額サービス『F&M Club』を運営しており、累計35,000社にご利用いただいています。
F&M Clubでは資金繰り改善のサポートだけでなく、自社で受給できる補助金の検索と申請のサポート、労務管理などさまざまな経営ノウハウを提供しており、全34種類のコンテンツを月額33,000円(税込)で使い放題です。
資金繰りの相談は相談相手が限られます。まずは資金繰りを改善する公的支援策やノウハウを確認しましょう。
まとめ
コロナ借換保証制度を活用することで、コロナゼロゼロ融資の元金返済開始による資金繰りへの負担を軽くすることが可能です。
借り換え時のポイントは長期の融資期間と据置期間の設定であり、金融機関が納得できる見通しの説明が必要です。
コロナ借換保証制度の利用や資金繰りを改善したい中小企業の経営者様は、エフアンドエムにお気軽にご相談ください。
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