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事業性貸出の返済方法の基本、新規借入で事業拡大をご検討の経営者必見!

企業が事業を拡大させるためには、効率よく資金調達をおこない、設備投資によって営業利益をあげていかなければなりません。

資金調達と一口でいっても、さまざまな種類があります。代表的なものは金融機関の貸出、政府などの公的機関からの制度的な補助金、一般投資家からの出資などがあり、企業体力によって選択肢が異なります。

補助金や出資に返済義務は発生しませんが、借入は当然のことながら返済しなければなりません。

金融機関にとっても、借入を起こしてくれる企業は大きな収益源であり、最良のビジネスパートナーです。逆にいえば、最良のパートナーになり得る企業にならなければ、借入もできないということとなります。

本記事では、金融機関からの借入と返済方法の基本を確認し、いわゆる「正しい借入」「無理のない返済」によって、健全な経営体質の確立を目指しましょう。


目次[非表示]

  1. 1.事業性借入の種類
    1. 1.1.短期借入金とは
      1. 1.1.1.短期借入金のメリット
      2. 1.1.2.短期借入金のデメリット
    2. 1.2.長期借入金とは
      1. 1.2.1.長期借入金のメリット
  2. 2.返済方法の種類
    1. 2.1.元金均等返済 
    2. 2.2.元利均等返済
    3. 2.3.期限一括返済・随時返済・元金据置返済
      1. 2.3.1.期限一括返済とは
      2. 2.3.2.随時返済とは
      3. 2.3.3.元金据置返済とは
  3. 3.返済計画の策定
    1. 3.1.返済計画作成の重要性
    2. 3.2.返済シミュレーションの活用
  4. 4.まとめ

事業性借入の種類

借入金の資金使途によって、「短期借入金」と「長期借入金」に区分されます。

短期借入金は決算資金などの短期運転資金銀行からの借入金、取引先からの借入金などです。

一方、長期借入金は企業を拡大するための大規模な設備投資に関わる返済期日が1年以上先の借入金のことを指します。


短期借入金とは

決算日の翌日から起算して1年以内に返済予定の借入金のことをいいます(長期借入金の1年以内返済部分も含みます)。主に決算資金、賞与資金、季節資金、つなぎ資金などです。

これらは企業の営業活動による売上回収金で返済できる見込みを立てているため、比較的資金繰りが容易な借入金といえます。手形借入という、金融機関に約束手形を差し入れる形式をとるケースが通常です。

短期借入金のために担保や保証人を金融機関に差し入れるケースはほとんどなく、日常の取引状況を総合的に判断される「信用取引」とされています。


短期借入金のメリット

借入から1年後に全額返済する契約であるため、業容が安定していれば1年ごとに借入を継続することが可能です。いわゆる「手形の書換」といわれるものです。

【例】1,000万円の手形借入で年利率1%の場合、年間利息は10万円

→ 利息10万円を支払えば、1,000万の手形借入は継続可能


短期借入金のデメリット

手形借入はあくまでも1年後の返済期日に全額返済する契約です。業容に変化があり、金融機関が継続不可と判断した場合、一気に全額返済を迫られることがあります。

その際には、一度に多額の返済資金を準備しなければならず、経営に大きな影響が出ることは必至です。

業況に変化が発生した時には、随時、金融機関に報告・相談するなどして、漫然と借入を継続することは避けましょう。


長期借入金とは

返済期限が決算日翌日から起算して1年以上のものを指します。資金使途の多くが設備資金です。 設備投資となると、金額もかなり大きくなり、当然、総返済額も多くなります。借入型式は証書借入で毎月の約定返済をおこなう形です。


長期借入金のメリット

長期間の借入となるため、月々の返済額を抑えられます。 すなわち、長期間の借入金額で毎月の返済額が少なく、高額な借入が可能となります。


長期借入金のデメリット

長期間の借入となるため、企業の営業活動の安定化が求められます。 今までの業績、今後の展望、投資した設備の効果による売上増などの試算が必要です。また、想定外の事態のために金融機関から担保や保証人を入れるようにと依頼されることもあります。

短期借入金が、キャッシュフローによって返済できるために審査も通りやすい一方で、長期借入金に関しては企業の実態把握を、時間をかけて審査されます。

結果として、資金を準備できない可能性もあり、 余裕を持った資金計画が必要です。借入の審査結果が出る前に、「きっと借りられるだろう」と見込んで設備投資契約を結ぶことは厳禁です。

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返済方法の種類

短期借入金は一般的に手形期日に一括返済する方法です。一方、長期借入金に関しては、返済計画によって、返済額を一定にするか、返済する元金を一定にして毎月の利息を徐々に減らすか、というニーズによって異なります。


元金均等返済 

元金を返済期間で均等割した返済方法です。ほとんどの事業性借入に適用されています。1億円を10年で返済する場合、1億円÷(10年)120月=83万3千円が元金の返済部分です。

元金が減れば比例して利息額も減っていき、かつ元金も確実に減らせるメリットがあります。 尚、適用される金利は金融機関によって異なり、無担保の場合は金利が高く、担保を差し入れた場合は金利が低く設定されることが一般的です。


元利均等返済

借入開始日から返済完了日まで返済額が一定になる返済方法です。当初借入金額と返済期間、利率を基本データとして総返済額を決定し、毎月返済額を割り出します。

返済初期は返済額の内利息部分が大半を占め、元金は減りにくい設定になっているため、元金を確実に減らしたいニーズには適していません。

一般的に個人ローンの返済方法に適用されます。個人の収入は、企業の営業活動に比べ、収入増は簡単に見込めないことが多く、一定額が望ましいと考えられているためです。

利率は金融機関によって異なりますが、個人向けの返済方法であるため、取引内容によって優遇措置をとる金融機関もあります。


期限一括返済・随時返済・元金据置返済

元金均等返済や元利均等返済以外にも以下の3つの返済があります。


期限一括返済とは

主に手形借入などの短期借入金に適用される返済方法で、借入期間内に元金の返済はなく、借入時に利息分が差し引かれ返済期限に借入金全額を一括返済する方式です。返済時に利息を支払う方法もありますが、利息を先払いするケースがほとんどです。

金融機関との折衝で返済期限の延長も可能です。


随時返済とは

当座貸越契約がこの返済方法をとっています。毎月決まった日に返済する契約の「約定返済」に対する返済方法で、資金の余裕がある時に貸付口座に紐付けされている預金口座に随時入金することによって返済できるものです。

借入の枠を設定し、枠内であれば自由に借入返済できるという利便性も兼ね備えています。


元金据置返済とは

文字通り、元金の返済を据え置いて返済せず、利息のみを返済する方法です。コロナ禍での特別貸付で注目を浴びています。あくまでも、元金の返済を猶予してもらうことで、客観的かつ合理的な理由が必要です。異例な返済方法と捉え、次にお伝えする返済計画と併せて慎重に検討しなければなりません。


返済計画の策定

無理のない合理的な返済計画を策定することで、自信をもって経営できます。企業を持続的に成長させていくためには、売上を上げて利益を出し、その利益で更に販路拡大を図っていくことが理想です。一方で、利益を返済原資と考えて思いきった額の資金調達により、飛躍的な成長を図っていくことも可能です。

「5W1H」を常に念頭に、借入を検討する際の妥当性をさまざまな角度から検討することが重要でしょう。


返済計画作成の重要性

返済計画を作成するにあたって、最も重要なことはどのように返済するか(HOW)です。自社の営業活動によるキャッシュフローを見直し、本業でいくら稼ぎ、手元にいくら現金が残って返済に回せるかを決めることが重要。毎月の返済額が決定すると借入期間に応じて借入可能額が決まります。明確な返済計画書を作成すれば、金融機関の信頼を得られるでしょう。

返済額を決める主な手法をご紹介します。

  1. 返済原資を明確にする

    本業の営業利益を返済原資とするのか、自社の保有する資産を売却するのかを慎重に検討し、無理のない返済計画を立てます。注意点として、本業以外の資金を返済原資とすることを優先しないでください。

  2. 直近のキャッシュフロー計算書を作成する


    年間ベースで手元に残るキャッシュを試算し、年間返済可能上限金額を決めます。

    金融機関は未来予測よりも過去の実績を重んじる傾向にあります。過去の実績に基づいて今後の業績予想を立てることが重要です。

  3. 損益計算書に基づき、返済能力を確認する

    一般的に返済能力とは、「税引き後利益+減価償却費」で表わされます。 この返済能力が借入負担を上回っていることが必須です。 しかし、損益計算書は特別利益などの一過性のものを含んでいるため、持続可能な収益体制があるかどうかを確認することが大切です。

  4. 借入の妙味(みょうみ)を具体化する

    借入することで自分の会社がどのように変化をしていくか、をイメージすることが重要です。運転資金を借入して営業利益を安定させ、最終的に業績向上を目指すのか、設備資金を借入して生産能力を向上させ業績向上に資するのかを、しっかり金融機関に説明できなければなりません。

金融機関もこの融資により企業にどのような好影響をもたらすかが、審査の基準でもあります。返済計画書に合わせて事業計画書も作成することが望ましいでしょう。

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返済シミュレーションの活用

借入希望額、返済方法、返済期間、返済回数が決まりましたら実際に毎月の返済額を計算してみましょう。

事業資金用の返済シミュレーションは様々なツールがリリースされていますので、容易に入手できます。

以下に、F&M Clubの「返済予定表管理サービス」を掲載しますので、ご参考にしてください。

【参考】FMC返済予定表管理サービス

数値の入力は極めて簡単ですが、数値を導き出した妥当性がとても大事です。  

シミュレーションによってはじき出された返済額が本当に返済できるものなのかどうかを慎重に検討してください 。



まとめ

今回、企業が新たに借入する際に押さえておかなければならない、借入の種類、返済方法を解説しました。誤った返済方法は、会社の資金繰りに悪影響を与え、倒産リスクも増えるため、注意が必要です。

また、返済計画書や、事業計画書の作成については企業ごとによって状況が異なり、さまざまな手法があるため、経営・財務・税務すべての観点から判断できる専門機関に相談しましょう。

専門機関のアドバイスを基に、金融機関の信頼を勝ち取って、今後の不測の事態にも支援を得られるようにすることが中小企業経営者の手腕ではないでしょうか。   

F&M Clubでは、このような財務基盤の強化や経営力向上計画サポートも積極的におこなっております。今回ご紹介したように、これから借入を検討されている企業経営者の方に、有益な情報をご提供できます。

ぜひお気軽にご相談下さい。

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