「自走型組織」は構築できる?労働⽣産性向上の方法とは?
企業にとって、組織開発は重要な経営課題となっています。慢性的な人手不足に加えて、一人当たりの労働生産性がOECD加盟38カ国中28位(78,655ドル)と低迷している現状は中小企業をはじめ、多くの企業が危機感をいただいております。
今後の企業を取り巻く外部環境や中小企業が直面し得る課題に対して、自走する組織の構築が急務となっています。
今回は中小企業の経営者が知っておきたい自走する組織の特徴や労働生産性の向上につながる秘密をご紹介します。
【参考】労働生産性の国際比較2021│公益財団法人 日本生産性本部
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自走型組織とは?ティール組織をご存知ですか?
自走する組織の概念のひとつにティール組織が挙げられます。
ティール組織とは、経営者や管理職がマイクロマネジメントすることなく、目的のために進化し続ける組織です。
メンバーひとり一人が自分たちで決めたルールや仕組みを理解・工夫し、意思決定をおこない、成長・発展できます。
組織内の上下関係やルール、定例ミーティングなどの組織構造・慣例だけでなく、組織(または上層部)が策定する売上目標・予算でさえも見直します。
その上で、従来の経営層が担っていた意思決定の権限や責任を管理職や従業員に譲渡していくことで、組織の活性化や人材の成長につながる革新的変化が起きるといわれています。
自走型組織を構築するためには
「自走型組織」の代表例としてティール組織をご紹介しましたが、ティール組織を目指せば、「自走型組織」を構築できるわけではありません。
管理職や従業員への権限委譲は、現場社員が主体的に企業理念に基づいた営業活動や商品・サービスの開発に寄与します。
一方で、現実問題として管理職をはじめ、日々の業務や人材育成業務、そのほか雑務も含めると多くの企業が実現不可能と考えます。
そのため、自走型組織を構築するためには、仕組み化や効率化を通じて、従業員の業務を削減する必要があります。
「現場力」を再構築する「経営力」の重要性
経済産業省では、製造基盤白書(ものづくり白書)の第2節で『人手不足が進む中での生産性向上の実現に向け、「現場力」を再構築する「経営力」の重要性』の中で、日本の製造業を取り巻く2つの大きな環境変化を紹介しています。
- 人材不足の深刻化
- デジタル技術の進展に伴う「第四次産業革命」(ロボット、IoT、AIなどの先進ツールの広範な利活用)
こうした環境変化の中で、日本の製造業の強みである「現場」の生産性をどのように高めていくかは経営の中心課題であり、いかに経営陣が主導して解決に導けるかの経営力が問われています。
人手不足の中でも生産性の高い現場を構築するためには、デジタルツールの利活用が鍵となると提唱しています。
デジタルツールは大企業が利用できる高度・高価なツールだけではなく、中小企業が使いやすい廉価なツールも含まれており、資本力の小さな中小企業も積極的に活用することが期待されています。
【参考】第2節人手不足が進む中での生産性向上の実現に向け、「現場力」を再構築する「経営力」の重要性│経済産業省
「自走できない組織」の末路
自走型組織の特徴に加え、現場力を再構築する経営力の重要性を解説しましたが、組織開発ができないまま「自走できない組織」に留まることにはさまざまなデメリットが存在します。
自走できない組織の代表例は「指示待ち組織」が挙げられます。
指示待ち組織では以下のデメリットが発生します。
- 指示待ち従業員がそのまま管理職になり、組織全体が不活性化
- 優秀な社員の定着率の低下
- 不公平な人事評価による従業員の不満
- 自浄作用が生まれず、労働生産性の低下
自走できない従業員の増加は財務を圧迫し、労働生産性の低下につながります。労働生産性の低下は売上•利益の低下につながり、人材の採用・育成にも十分な投資ができなくなります。
結果的に事業継続が困難となり、債務不履行や倒産などのリスクが発生しやすくなります。
デジタルツールの利活用で経営力・労働生産性の向上を
中小企業でも積極的にデジタルツールを利活用することは、属人的な業務やノウハウを可視化・仕組み化できます。
デジタルツールの導入は設備投資に該当するため、経営力向上計画の策定がおすすめです。
経営力向上計画とは、中小企業・小規模事業者や中堅企業が経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取組を記載した計画書です。
「経営力向上計画」を事業所管大臣に申請・認定されることで、優遇税制や各種金融支援を受けられます。
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