
人手不足は深刻化している?これからの予想と対策を解説
人手不足は深刻な問題となっていて、各種メディアなどでも取り上げられる機会が多くなっています。皆さんの中にも、人手不足にお悩みの方がいるかもしれません。これから、さらなる人手不足が予想されているため、心配になっている人もいるはずです。
今回は、これから人手不足がどのように加速するかの予想や、それを踏まえてやるべき対策について解説します。
目次[非表示]
- 1.日本では人手不足が加速している
- 1.1.少子高齢化による人手不足
- 1.2.人材のミスマッチ
- 1.3.「年収の壁」
- 2.これからはさらなる人手不足が予想される
- 2.1.人手不足の予想
- 2.2.人手不足に陥る可能性がある業界
- 3.人手不足に備えて今すぐに着手したい6つの対策
- 3.1.業務のIT化など効率の向上
- 3.2.業務のアウトソーシング
- 3.3.人材育成による生産性の向上
- 3.4.労働条件の見直し
- 3.5.兼業・副業の許可
- 3.6.雇用対象の拡大
- 4.人手不足の解消に向けてF&MClubのサポートを活用ください
- 5.まとめ
日本では人手不足が加速している
ビジネスにおける人手不足とは、業務を遂行するための人材を集められず、何かしらの問題が生じている状態を指します。日本では、この状態に陥る企業が加速度的に増えているため、その背景にある理由を確認していきましょう。
少子高齢化による人手不足
日本は世界の各国と比較しても、急速に少子高齢化が進んでいます。少子高齢化が進むことで、生産年齢人口が減少してしまい、人手不足が加速している状況です。実際、総務省が発表する「令和5年版高齢社会白書(全体版)」を参考にすると、生産人口は1995年から減少に転じています。これからは、総人口も生産人口も現象すると予想されているため、経営者は対策を練らなければなりません。
また、少子高齢化は急速に加速するとも予想され、総務省の推計では2070年ごろに2020年の7割程度まで減少すると考えられています。
人材のミスマッチ
人々が求める仕事と社会が求める仕事に差が生じてしまい、ミスマッチが生まれていることで人手不足が加速しています。ただ、社会構造や産業の変化にともない、選ばれやすい仕事とそうではない仕事に分かれてしまっている状況です。
例えば、厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和5年11月分)」を参考にすると、有効求人倍率は全体で1.28倍と人手不足に陥っています。ただ、一般事務や会計事務など有効求人倍率が0.4倍程度の仕事もあり、人々が求める仕事と求人には大きな差が生じているといわざるを得ません。今後も、このような格差が生まれると予想されるため、人材のミスマッチは課題になると考えられます。
「年収の壁」
特に、パート・アルバイトとして働きたい人が、保険料の負担を避けて就業を調節してしまう「年収の壁」が人手不足に影響しています。例えば、年収106万円以上になると厚生年金や健康保険に加入して、保険料を負担しなければなりません。これにより、手取り収入が減少してしまうため、労働時間を減らすという対処を取ることで人手不足が加速します。
これからはさらなる人手不足が予想される
これからの時代は、さらなる人手不足が予想されています。いくつもの予想が公開されて居ますが、今回は一般社団法人北海道総合研究調査会の「【人口戦略会議・公表資料】『人口ビジョン2100』」を参考に解説します。
人手不足の予想
現在の日本は減少の増加傾向にあり、このままのペースで進むと総人口は年間100万人ずつ減ると予想されています。これが続くと76年後の2100年には6,300万人にまで半減してしまい、高齢化率は40%になってしまうという試算です。総人口が減るだけではなく、高齢化率が高まることで、労働人口が減少するということはいうまでもありません。
この背景にはいくつもの課題があり、資料では以下3つがピックアップされています。
- 国民の意識の共有:人口減少によりどのような事態が起きるかを国民が理解できていない
- 若者や女性の最重視:若者や女性が結婚や子どもを持ちたいと思える社会環境づくりが進められていない
- 世代間の継承・連帯:今の世代から若者へと社会や地域を引き継ぐという考えが浸透していない
もちろん、これらの課題は個人で解決できるものではなく、日本政府が国として対策しなければなりません。
人手不足に陥る可能性がある業界
人手不足に陥る可能性がある業界とそうではない業界があります。現状、人手不足が予想される業界を挙げると以下のとおりです。
- 情報サービス業(IT業)
- (自動車・機会などの)メンテナンスや整備業
- 建設業
- 製造業
- 医療業界
- 介護サービス業
- 運送業
現在でも人手不足が問題視されている業界が、これからも引き続き人材不足に陥ると予想されています。ただ、労働人口が減少すれば、これらの業界に限らず人手不足に陥ってしまうでしょう。
人手不足に備えて今すぐに着手したい6つの対策
これから人手不足が予測されているため、中小企業は早期に対策へ着手しなければなりません。具体的には以下6つの対策から着手しましょう。
業務のIT化など効率の向上
業務をIT化するなどして、効率を高めていくことを検討しましょう。人手不足になると、少ない人数で業務を遂行しなければならないため、それに対応できる環境を整えます。
例えば、紙で処理している発注処理をシステムに置き換えることで、業務に必要な時間の短縮が可能です。IT化に限らず無駄を極力減らして、短時間かつ少ない人数でも滞らないように準備しておきましょう。
業務のアウトソーシング
自社だけで業務に対応できないならば、アウトソーシングする選択肢があります。コストは発生してしまいますが、スムーズに業務を進められるようになるはずです。
例えば、伝票の入力業務など単純な作業をアウトソーシングします。これにより、社内の人材が専門性の高い業務や難易度の高い業務に注力することが可能です。
人材育成による生産性の向上
事前に人材を育成しておくことで、生産性の向上を目指すという対策も考えられます。例えば、研修を受けて新しい知識を体系的に学ぶことで、スムーズに業務をスタートできるようにするなどです。また、社内で教育を実施して、スキルを持つ人からそうではない人に継承する対策も良いでしょう。
個々の生産性が向上すれば、仮に人手不足でも業務を滞りなく遂行できます。ただ、従業員の負担が増えてしまう可能性があるため、その点は注意しなければなりません。
労働条件の見直し
人材の確保を目指すために、給与や年休の付与数、福利厚生など労働条件を見直しましょう。これから人手不足が加速すると、人材は条件の良い企業に集まると予想されます。後れを取ってしまうと、人手不足の解消が難しくなるため、先手を打つことが理想的です。
ただ、労働条件を見直すためには、さらに事前の準備が求められます。例えば、基本給を増やすためには、会社の資金繰りを確認する必要があるでしょう。無計画に労働条件を見直すと、資金繰りが悪化して倒産することになりかねません。
兼業・副業の許可
兼業や副業を許可することで、従業員が働きやすい環境を整えます。特に、兼業を許可して短時間勤務の制度を整えれば、他の企業でスキルを高めた人で、スポットで働き人材不足を解消してくれるかも知れません。また、副業を許可することで働き方の幅が広がり、円滑に人材を確保できることも考えられます。
雇用対象の拡大
現在よりも雇用対象を拡大することが、人手不足を解消するための大きな鍵を握ると考えられています。例えば、雇用対象を外国人にも拡大することで、日本の人口が減っているという問題の回避が可能です。現在、海外から日本へと働きに来る人は多くいるため、積極的に採用する体制を整えることが対策につながります。
人手不足の解消に向けてF&MClubのサポートを活用ください
日本では総人口が減少することに伴い、労働人口も減少すると予想されています。現に人口は減少の一途を辿っているため、経営者として危機感を持っている方は多いでしょう。もし、人手不足の解消に向けて手を打ちたいならば、F&MClubへご相談ください。
F&MClubは、累計38,000社の中小企業様を支援した実績を持つエフアンドエムが提供する、バックオフィス支援サービスです。月額3万円(税別)で、企業様の抱える課題や目的に応じた、採用・財務・労務・採用・IT活用などの34コンテンツがすべて使い放題です。
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まとめ
日本では人口減少が続いているため、それにより労働人口の減少、人手不足という負の連鎖が生まれています。政府は国として対策を進めていますが、短期間で状況は改善されず、それぞれの起業が対策することが重要です。
ただ、単純に人材を増やそうとしても、思うように応募がなかったり良い人材が見つからなかったりすることが多くあります。そのため、これから人手不足に備えたいならば、経験豊富なF&MClubへご相談ください。業務の改善や人材の採用、資金繰りの見直しなど多角的にサポートが可能です。