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管理職のなり手がいない?中小企業の管理職育成と教育ポイントとは

近年、管理職を希望しない社員は約8割であるといわれています。管理職には企業の現場を管理・運営しながら部下を育成するという重要な役割をもっているため、企業と社員が成長するためには、管理職の育成が必要不可欠です。

本記事では、管理職として求められる役割やスキル、育成ポイントについて解説します。

リーダーが育たない企業は成長しない! 成長する企業がやっているリーダー育成のポイント」も、合わせてご確認ください。

目次[非表示]

  1. 1.「管理職になりたくない」が約8割
    1. 1.1.管理職になりたくない理由
    2. 1.2.管理職を希望する社員は長続き
  2. 2.中小企業こそ管理職への教育に力をいれるべき理由
  3. 3.管理職に求められる4つの役割とは
  4. 4.管理職研修の目的と種類
    1. 4.1.管理職として必要となる基本スキル
    2. 4.2.階層別研修
  5. 5.管理職の育成と研修を効果的とする6つのポイント
    1. 5.1.管理職を育成する社内風土づくり
    2. 5.2.管理職の育成は候補段階から始める
    3. 5.3.対象、階層、経営者との近さに合わせる
    4. 5.4.実務につながる内容とフィードバック
    5. 5.5.研修時間の確保
    6. 5.6.評価制度で管理職のモチベーションを維持
  6. 6.管理職の教育研修を進める7つのSTEP
  7. 7.管理職への評価制度がモチベーションを高める
    1. 7.1.管理職を適正に評価する仕組み
    2. 7.2.管理職を評価する流れ
  8. 8.人財育成、人事評価制度のお悩みはF&M Clubへご相談ください


「管理職になりたくない」が約8割

近年は管理職になりたくない一般社員が増えているといわれています。
JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)が2023年におこなったアンケートによると、一般社員の77.3%が「管理職になりたくない」と回答しています。

「今の仕事がおもしろい」と回答している一般社員49.5%においても、約3分の2となる65.1%の一般社員が「管理職になりたくない」と回答しています。


【引用】管理職の実態に関するアンケート調査|日本能率協会マネジメントセンター


管理職になりたくない理由

管理職になりたくない理由は「自分は管理職に向いていないから」(46.6%)、「管理職の負荷と報酬アップが釣り合っていないから」(32.1%)などです。


【引用】管理職の実態に関するアンケート調査|日本能率協会マネジメントセンター


管理職を希望する社員は長続き

管理職になりたいと考えていた一般社員は、管理職となった後も、仕事を続けたいと考えています。管理職を希望していなかった一般社員であっても、管理職となった場合、仕事を続けたいと考える割合が高くなる傾向があり、管理職の魅力は「昇進後」に感じやすい可能性があると推測されます。


【引用】管理職の実態に関するアンケート調査|日本能率協会マネジメントセンター


中小企業こそ管理職への教育に力をいれるべき理由

多くの中小企業の管理職は、1人で多種多様な業務をこなすことが多いため、中小企業こそ「管理職の育成」が重要です。また、中小企業の経営者は多忙であるため、経営者の考えやビジョンを現場で指示する管理職が欠かせません。
管理職は次のとおり、一般社員と異なる役割が求められるため、管理職に特化した教育が必要です。



一般社員
管理職
求められる成果

個人による成果

チームによる成果

責任

指示に従い、業務を遂行する責任

部下の業務をコントロールし、部下が成果を出すことでチームとしての成果を出す責任

視点
労働者
経営者


管理職に求められる4つの役割とは

管理職として求められる役割を大きく分けると次の4つです。

  • 管理職が部下に成果を生み出させる

管理職の役割は一般社員のパフォーマンスを向上させることです。

  • 管理職は上司と部下の橋渡しをする

管理職は経営陣の考えを現場レベルに落とし込み、実行します。
また、一般社員の考えや改善提案などを上司へ伝える橋渡し役にもなります。

  • 管理職が人材を育成する

管理職は人材育成の要です。中小企業は今後も採用や人材確保が難しいと予測されており、社内の人材育成が企業の成長を左右する可能性があります。

  • 管理職としての役割を認識させる

一般社員と管理職は、業務範囲や立ち位置が異なります。管理職は、プレイヤーとしてではなく、部下に成果を出してもらうことが役割であると認識してもらう必要があります。

上記の役割を実務面における行動に分けると次の5つとなります。


①      業務進捗の管理
②      組織(チーム)のマネジメント
③      労務管理、ハラスメント防止
④      部下の育成
⑤      経営陣と部下との橋渡し


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管理職研修の目的と種類

管理職としての知識やスキルを身に付けるとともに、管理職として求められる行動を促すためには教育訓練が必要です。また管理職の階層により求められる役割が異なるため、管理職の階層に合わせた研修が望ましいでしょう。


管理職として必要となる基本スキル

管理職として求められるスキルを身に付けてもらう必要があります。管理職の基本的なスキルは主に次の4つです。

  • マネジメント能力

管理職として管理する部署や、チームの部下の動き、業務の進捗などを管理し、遅れを修正するなど部署を最適化する能力が必要です。

  • 意思決定能力

部署の目標を達成するための課題解決方法を示すなど、権限の範囲内で意思決定できる能力が求められます。

  • コミュニケーション能力

部下や上司とのコミュニケーションをとり、部下の相談に応じ、適切なアドバイスをおこなうなどのスキルは必須です。

  • 管理能力

単なる進捗管理ではなく、過程を透明化する、部下の業務量のバランスをとるなど柔軟な運営能力が求められます。

  • 分析能力

トラブル発生時などにおいて課題を発見し、解決するための分析力が求められます。


階層別研修

管理職は階層により求められる役割が異なるため、管理職の階層に応じた研修内容が望ましいです。管理職の階層ごとに求められる教育内容をまとめると以下のとおりです。

  • 新任管理職

現場の運営責任者として、上司の補佐と部下を指導しながら業務を進めるプレイングマネージャーとしての役割を求められます。
教育内容は、プレイヤーとしての視点や働き方をしつつ、より上位の管理職の視点を持ち合わせて、部下とともに業務を遂行するための教育訓練に重点を置きます。

  • 中間管理職

マネジメントの成果を求められる割合が高まる階層となります。
教育内容としてマネジメント能力の向上、メンバーの管理やチーム内における調整、ハラスメント防止など幅広くスキルアップすることが中心となります。

  • 上級管理職

部署の責任者としての意思決定、業務量や社員の管理などをコントロールし、組織を成功へ導くことが最大の役割です。
教育内容は、管理する分野の将来を見据えた事業戦略の立案や組織を推進させる能力の育成となります。また中小企業においては経営陣に最も近くなり、経営陣としての役割を期待されることもあります。

各種研修を実施するにあたって、時間を捻出する分売上が低下したり、外部講師に依頼する分コストが発生したりなど、費用面での心配があります。今年度の主だった助成金の中には、「人材開発支援助成金」という職業訓練などの経費や、訓練期間中の一部の賃金が助成される助成金があります。

こちらも有効活用することをオススメいたします。


管理職の育成と研修を効果的とする6つのポイント

管理職を社内で育てるための主なポイントは次の6つです。

管理職を育成する社内風土づくり

中小企業における管理職への教育は、経営陣からの積極的な関与と周囲の協力が必要です。
経営陣が管理職を育てる姿勢を示し、周囲が協力することで、当事者は「社内で期待されている」と感じることができ、責任感やモチベーションが高まります。


管理職の育成は候補段階から始める

管理職となる前に、候補者にプロジェクトリーダーなど管理職に近いポジションを経験させてみましょう。
初めて「人の上に立つ」管理職として任されたとき、戸惑う人もいるでしょう。また、管理職としての成長に時間を要することもあるかもしれません。
責任が大きな管理職となる前に、権限を持って仕事を進める、周囲の社員の協力を得るなど疑似的に管理職を経験してもらうことがおすすめです。


対象、階層、経営者との近さに合わせる

管理職への教育は、階層や当人のキャリア、特性などに応じて柔軟に設計します。
経営者に近くなるほど計画立案などを重視する、現場に近いほど管理スキルを重視するなど教育内容を変えましょう。


実務につながる内容とフィードバック

管理職の教育における課題は「実務において活用できていないこと」です。
管理職としての教育研修は、アイデアを出し合うグループワーク、ロールプレイングなど、現場で実践できる内容とすることがおすすめです。


研修時間の確保

中小企業の管理職には、顧客担当など、実務を多く抱えたプレイングマネージャーという側面があります。「自分の仕事があり、部下の指導・育成時間を確保できない」と悩む管理職も少なくないでしょう。
管理職の教育時間を確保するためには、管理職の業務量を減らす、定期的に研修日を設ける、カリキュラムに合わせた研修を義務づけるなど、研修時間を確保できるようサポートしましょう。


評価制度で管理職のモチベーションを維持

管理職としての教育のみでは管理職自身のモチベーションが低下することがあります。
「管理職はがんばっても評価されない」と感じることがないよう、成果に至る過程や苦労を評価する仕組みが必要です。
「管理職は苦痛である」と感じてしまうと、同業他社への転職など、離職に結びつく可能性があります。



管理職の教育研修を進める7つのSTEP

管理職への教育研修をおこなう主な流れは次の7つのSTEPです。
 
STEP1:自社の経営方針を理解する
自社を取り巻く外部環境や経営陣の方針、経営戦略について理解を深めます。

STEP2:自社の管理職としての役割を理解する
自社の管理職として求められる役割について理解を深めます。

STEP3:管理職としてあるべき姿を決める
自社の管理職として求められている人物像をイメージしてもらいます。

STEP4:管理職として不足する課題を把握する
現在の自身のスキルを再確認し、管理職として不足しているスキルなどを課題として把握してもらいます。

STEP5:研修の目的やカリキュラムを決める
管理職として不足しているスキルを身に付ける研修を設定します。

STEP6:研修を実施する
研修を実施します。経営者は受講状況を把握するとともに、当人が研修を受講しやすいよう周囲のサポートを求めておきましょう。

STEP7:研修結果を確認する、当人へフィードバックする
研修後にはアンケートやスキルチェックをおこない、結果を当人へフィードバックします。不足する部分があれば対応策を講じましょう。


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管理職への評価制度がモチベーションを高める

一般社員と同じく管理職についても努力を評価する仕組みが必要です。管理職のモチベーションや能力が向上すると、部下に良い影響をもたらし、チーム全体のパフォーマンスも上がることが期待できます。
また、管理職への評価を通じて、各部署の組織全体に対する貢献が明確となります。
管理職を適正に評価する制度の導入、適切な運用のポイントは次のとおりです。

管理職を適正に評価する仕組み

管理職への評価は、公平な評価制度に基づくことが大切です。例えば、評価シートを活用する、定量面・定性面の2つの目標を設定しておく、部下の意見を評価に取り入れる、360度評価を導入するなどがあげられます。

管理職を評価する流れ

管理職を評価する流れは次のとおりです。評価基準の設定は企業により異なり、部署によっても変わります。自社の管理職をどのような基準で評価するか、一度社内で検討してみましょう。


①      目標設定
②      評価基準の設定
③      評価のための結果などの情報収集
④      評価の実施
⑤      当人へのフィードバック
⑥      目標の再設定
⑦      中長期的な成長プランの策定

人財育成、人事評価制度のお悩みはF&M Clubへご相談ください

中小企業においては管理職への教育方針、研修制度、教育ノウハウなどが整っていないことも多いでしょう。勤続年数や営業成績に基づいた昇格とはせず、将来の経営者の右腕を意識的に育てることが大切です。

管理職育成のノウハウに自信がない企業様は、F&M Clubをご活用ください。
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