なぜ経営に失敗する?倒産前に理解しておきたい原因と予防策7選
経営に失敗すると多額の赤字が発生する、借入が増加するなどにより、最悪の場合は企業の倒産へ至ることとなります。経営施策の失敗は、事前準備で予防することができる可能性があります。
本記事では、経営者が知っておきたい失敗原因とその予防策を解説します。
目次[非表示]
- 1.経営の失敗原因
- 1.1.商品開発の見誤り
- 1.2.販売施策の不足
- 1.3.業績悪化の見過ごし
- 1.4.人材確保・人材育成の遅れ
- 1.5.資金繰りの軽視
- 2.経営を失敗する経営者の特徴
- 3.経営の失敗は取り返しできる?できない?
- 3.1.経営失敗のダメージは赤字・資金の減少・借入金の増加
- 3.2.取り返せないほどの失敗は倒産の危険性
- 3.3.経営に失敗しても再チャレンジできる?
- 3.4.失敗時に備える3つの策『手元資金の保有』『資金調達の余地』『資産の蓄積』
- 4.経営に失敗しないための予防策7選
- 4.1.資金繰りを改善させる
- 4.2.経営方針、事業計画を明確化する
- 4.3.販売価格の転嫁に取り組む
- 4.4.人材確保、人材育成に取り組む
- 4.5.ヒトへの投資は助成金を活用
- 4.6.モノへの投資は補助金を優先的に検討
- 4.7.信頼できる相談相手を見つけておく
- 5.会社の頼れる相談役エフアンドエムが経営者をサポート
- 6.まとめ
経営の失敗原因
経営上の施策の失敗原因はさまざまです。大きな失敗は経営にダメージを与えるため注意が必要です。経営に失敗する主な原因は次のとおりです。
商品開発の見誤り
新製品、新商品を開発したときに、顧客ニーズを見誤ることがあります。「いいものは売れる」と考える経営者は多いものの、好調な売上となるとは限りません。顧客のニーズにあわせた商品展開が大切です。
販売施策の不足
売り方、宣伝方法、集客方法が適切でない場合、失敗の原因となります。優れた製品であっても、顧客へ情報が適切に届くことが必要です。
業績悪化の見過ごし
緩やかに売上が減少している場合、まだ大丈夫、と思いがちです。
倒産原因の第2位は「既往のしわよせ」(過去からの業績不振の継続)が占めています。長期間にわたる経営不振における対策に手をこまねいていると手遅れとなり、倒産する危険性があります。
人材確保・人材育成の遅れ
例として以下の原因があげられます。
- 人手不足により営業の手が足りないため、売上が低迷する
- 従業員の離職後の採用ができず、納期が延長となる
- リーダー的存在となる従業員の育成が遅れ、新人の戦力化が進まない
人材育成の遅れも経営がつまずく原因となります。従業員の増加により社内教育が行き届かなくなると、サービスの水準や業務のスピードが落ちることがあるためです。
資金繰りの軽視
資金繰りの失敗は、取り返しがつかないこととなる危険性があります。
経営者が資金繰りの重要性や資金調達の大変さを軽視している場合、急な資金不足における対応が手遅れとなる、あるいは条件がよくない資金調達で急場をしのぐ必要が発生します。
経営を失敗する経営者の特徴
施策の失敗に加えて、経営者の行動が経営失敗の原因となることがあります。経営につまずく可能性がある経営者の行動パターンは主に次にとおりです。
- 社会の変化などの情報に疎い
- 同業者の動向に関心が薄い
- 部下とのコミュニケーションが少ない
- 事業の予測が楽観的すぎる
- ビジョン、哲学がない
- 準備不足のまま、一発逆転をねらう
従業員数が少ない中小企業の経営成績は、経営者の行動によって大きく左右されます。経営者として求められる行動について、周囲や部下のとのコミュニケーション、社外の相談相手からの客観的な意見の取り入れなどが望ましいです。
経営の失敗は取り返しできる?できない?
変革をしない企業は衰退を余儀なくされるため、大胆な挑戦が必要なことがあります。経営施策は失敗することもあるため、失敗時の自社への影響を考えておくことも大切です。
経営失敗のダメージは赤字・資金の減少・借入金の増加
大きな経営施策が失敗した場合、会社に与える悪影響は次のとおりです。
- 多額の損失を計上する
- 失敗した投資で増えた借入金を残る事業で返済するため負担が増す
- 企業イメージが低下する
- 新たな挑戦を避ける社内風土となる
- 経営者への社内外からの評価が低下する
取り返せないほどの失敗は倒産の危険性
失敗時の影響によっては、企業の屋台骨を揺るがすことがあります。例えば次のケースがあげられます。
- 設備投資の失敗により、多額の借入金の返済が困難となる
- 赤字かつ多額の債務超過となり、新規の融資を受けにくくなる
- 人材採用がすすまないため、人手不足による社員の離職が相次ぐ
- 管理職の育成が遅れ、経営者が社内を把握しにくくなる
- 後継者育成ができず、後継者不在となる
経営に失敗しても再チャレンジできる?
経営に失敗して企業が倒産しても、再度、経営者となることに問題はありません。また経営者が会社とともに自己破産しても、新たに社長や取締役となることができます。
ただし次のように、社外の見る目が厳しくなる可能性に注意します。
- 倒産歴、破産歴がある経営者の再挑戦は、金融機関の審査のハードルがあがる
- 周囲から経営に失敗した経営者とみられることがある
- 経営に失敗したときに影響があった取引先、金融機関との取引開始が難しい可能性がある
失敗時に備える3つの策『手元資金の保有』『資金調達の余地』『資産の蓄積』
経営に絶対はないため、経営施策が失敗したときの備えが大切です。経営に失敗したときに本当に頼りとなる備えは次の3つです。
- 手元の現金預金は多めに保有しておく
- 資金調達の余地を残しておく
- 内部留保を高め、資産を蓄積しておく
手元の現金預金を多めに保有しておく理由は、経営失敗時に金融機関からの新規融資がおりるまで時間がかかる可能性があるためです。
資金調達の余地とは、担保としていない不動産や経営者から会社へ投入できる緊急用の預金を用意するなどです。
資産の蓄積とは緊急時に資金化しやすい資産を持つことです。有価証券、生命保険、売却しやすい不動産などが代表例です。換金可能な資産を多く保有するためには継続的に内部留保を高める、つまり利益の一部を会社の財産として残しておくことが必要です。
経営に失敗しないための予防策7選
経営施策が失敗しないため、そして会社を倒産させないための予防策として次の取り組みがあげられます。
資金繰りを改善させる
企業が倒産する直接的な原因は資金繰りです。まず資金繰りを確認し、改善策を実行しましょう。在庫回転率をあげる、融資の借り換えなどが考えられます。
経営方針、事業計画を明確化する
自社の経営方針、今後の中期計画を明確とします。事業の方向性が不明瞭であると、行き当たりばったりの経営となる危険性があります。過剰な投資による失敗を避けるためにも事業計画を作っておきましょう。
販売価格の転嫁に取り組む
利益を確保するための重要な取り組みが販売価格の見直しです。価格の引き上げは利益の増加に直結しやすいため、取引先との交渉や売れ筋商品の価格引き上げなどを検討しましょう。
人材確保、人材育成に取り組む
経営を支え安定させるためには、従業員の確保と育成が重要です。
採用と人手確保、育成の観点からの取り組みが必要であり、主な例は次のとおりです。
- 求人票の表現内容などの見直し
- 適正診断により、自社にあった人材を確保
- パートタイマーに『年収の壁』を超えて働いてもらえる体制の整備
- 年間休日数の充実など労働環境の改善
- 省人化投資による従業員の負担軽減
- DX化による事務の削減
ヒトへの投資は助成金を活用
人材採用・育成に必要な費用は、助成金を積極的に活用しましょう。
助成金は制度の要件が細かいものの、要件に合致すれば受給できる可能性が高くなります。申請要件や申請書類の書き方などは専門家への相談が有効です。
モノへの投資は補助金を優先的に検討
今後も人手不足が続くことが予測されているため、省人化・省力化投資が求められます。投資費用が多額となることもあるため補助金を利用しましょう。
2024年に新設予定の3つの補助金(枠)など、補助金・助成金制度の改正情報をすぐに入手できるサービスがおすすめです。
例えばF&M Clubからは、毎月5分で受給可能性がある支援策のレポートを入手できる『補助金・助成金サポート』や『補助金LINE』など、忙しい経営者が使いやすいサービスが提供されています。
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『中小企業省力化投資補助事業』省力化投資補助枠(カタログ型)
カタログから選択した人手不足解消のためのロボットなど導入する費用が補助されます。
補助率は2分の1、補助上限額は最大1,500万円(従業員数などにより200万円から1,500万円)です。
事例として、宿泊・飲食サービス業における自動配膳ロボット、自動清掃機などがあげられています。 -
『大規模成長投資補助金』
労働生産性を抜本的に向上させるための工場新設や大規模な設備投資が対象です。
補助率は3分の1、補助上限額は最大50億円(投資下限額は10億円)です。例として、最新設備を導入した物流センターなどがあげられています。 -
『ものづくり補助金 省力化(オーダーメイド)枠』
補助枠が新設予定です。省力化投資が対象で、補助率は2分の1(小規模企業は3分の1)、補助上限額は1億円(大幅賃上げ特例を適用しない場合は8,000万円)とされています。
信頼できる相談相手を見つけておく
経営の失敗を避けるためには、周囲の意見をよく聴くことも大切です。
専門知識が必要な分野や社内での相談相手が限られる資金繰りについては、経営者が気軽に相談でき、信頼できる専門家が頼りとなります。
忙しい経営者がいつでも相談できるよう、電話やメール、LINEなど複数の方法で連絡できる専門家が便利です。
会社の頼れる相談役エフアンドエムが経営者をサポート
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まとめ
経営の失敗原因は、新商品開発の見誤りや販売施策の不足などさまざまです。経営の失敗により資金繰りが悪化すると倒産に至る危険性があるため、事前の対策が必要です。
経営で失敗しない予防策は、事業計画の策定、資金繰りの改善、人材採用・人材育成など、通常、経営者に求められる業務と変わりありません。
多岐にわたる内部課題の解決策の立案と同時に、補助金・助成金・優遇税制などをかしこく利用するためには、経営者が相談しやすく、信頼できる専門家の活用が効果的です。
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