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経営不振に陥ると倒産まで秒読み!?原因と立て直し策8選を解説

企業が経営不振に陥った状態が続くと資金繰りがつかず、倒産することとなります。経営不振は倒産の前兆ということができ、少しでも早く抜け出す必要があります
本記事では経営不振となる原因と、経営不振の企業が早期に取り組むべき立て直し策について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.経営不振とは
    1. 1.1.経営不振と経営難は倒産へと至ります
    2. 1.2.倒産原因の約7割は『販売の不振』
  2. 2.経営不振の主な原因
    1. 2.1.売上の不振
    2. 2.2.コスト高による利益の減少
    3. 2.3.過剰な投資
    4. 2.4.資金繰りの悪化
    5. 2.5.取引先の倒産
    6. 2.6.人手不足
    7. 2.7.放漫経営
  3. 3.経営不振企業の典型例?整理解雇は慎重におこなう
    1. 3.1.経営上の理由(経営悪化)による整理解雇が認められる条件
    2. 3.2.業績悪化時の整理解雇をおこなうときの流れ
    3. 3.3.整理解雇で法律違反!?助成金の返還!?整理解雇のデメリット
    4. 3.4.経営不振時の整理解雇を円滑とするための事前準備
  4. 4.経営不振から抜け出す!会社を立て直す8つの行動
    1. 4.1.まずは資金繰りを確認
    2. 4.2.売上の改善策は価格の見直しから
    3. 4.3.値下げではないコストダウン策とは
    4. 4.4.事業計画を立てる
    5. 4.5.人手不足対策は採用方法と労働環境を見直す
    6. 4.6.資金繰りの改善は補助金・助成金の活用と借り換えが有効
    7. 4.7.資金繰りの余裕で人材育成に投資
    8. 4.8.前向きな設備投資は補助金・助成金を活用
  5. 5.資金繰り、人材採用、補助金・助成金などは専門家を活用
    1. 5.1.経営者に必須!資金繰り表
    2. 5.2.人手不足をあきらめない。人材採用がすすむコツ
    3. 5.3.補助金・助成金の『知っていれば使っていたのに!』を防ぐ
    4. 5.4.補助金申請が採択されるノウハウとは
  6. 6.まとめ


経営不振とは

経営不振とは、企業の売上や利益が減少している経営状態を指します
よく似た言葉である『経営難』の場合は経営不振がより深刻で、企業の存続が難しくなっている状態を意味することが多くなります


経営不振と経営難は倒産へと至ります

赤字の連続や利益の減少が続く経営不振企業は、経営に必要な資金を維持するために借入金や資産売却で資金を確保します。経営不振が続くと資金調達が難しくなり、やがて資金繰りの限界で倒産することとなります。


倒産原因の約7割は『販売の不振』

中小企業庁が公表している『倒産の状況』によると、倒産原因の73%が『販売不振』です。売上の減少から倒産へと至る企業が多いことを示しています。

【参照】倒産の状況|中小企業庁


経営不振の主な原因

経営不振となる主な原因は次のとおりです。


売上の不振

主な原因は売上の不振です。販売不振は企業に入ってくるお金の減少に直結するためです。


コスト高による利益の減少

原材料や燃料費、人件費などのコスト高を販売価格に転嫁できないと利益が減少します。利益の減少は企業に残るお金の減少につながり、資金繰りが悪化します。


過剰な投資

事業規模よりも大きすぎる設備や採算がとれない投資に伴う借入は資金繰りを圧迫します


資金繰りの悪化

借入金返済の増加などによる資金繰りの悪化も経営不振の原因の1つです。資金繰りが悪化すると設備投資や新製品開発などにかける資金が不足し、企業の成長が鈍るためです。


取引先の倒産

大口の販売先が倒産した場合、資金繰りが急速に悪化する可能性があります。倒産原因の第3位として『連鎖倒産』があがっています。売上が少数の取引先に集中している場合は倒産防止共済などで備えておきましょう。


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人手不足

倒産が急増している中で注目されている原因が『人手不足』です。人手不足倒産件数は144件(2023年1月から11月)となっており、過去最多を更新するペースです。
【引用】11月の「人手不足」関連倒産16件発生|東京商工リサーチ
 
また今後も人手不足倒産が増加する可能性があります。ある調査では、人手不足と回答した企業のうち64%が、今後の事業継続や事業運営に支障があると回答しています。

【引用】人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査(2023年9月)|東京商工会議所


放漫経営

放漫経営とは、不十分な社内管理や経営者の慢心などによって、利益の悪化や資金の流出などが起きている状態であり、資金繰りの悪化や資金調達が難しくなるなどの影響があります。


経営不振企業の典型例?整理解雇は慎重におこなう


経営不振に陥った企業が人員整理(経営悪化を理由とする整理解雇)することがあります。安易な整理解雇は、労務トラブルの発生、解雇が無効とされる、企業の信用不安を引き起こす、人材採用が難しくなるなどの危険性があるため、慎重に検討します。


経営上の理由(経営悪化)による整理解雇が認められる条件

経営悪化時の整理解雇は適法ですが、企業の自由ではありません。妥当とされる条件として『整理解雇の4要件』があります。

  • 経営難など人員削減の必要性
  • 希望退職者の募集など解雇までに相当な努力をしたうえで、整理解雇が必要
  • 解雇される従業員の選定基準、具体的な適用などが合理的で公平
  • 整理解雇の必要性や内容について十分に説明し、誠意をもって協議している

【引用】整理解雇(経営悪化を理由とする解雇)の要件について|埼玉県


業績悪化時の整理解雇をおこなうときの流れ

経営不振、経営難で従業員を解雇する場合の流れは次のとおりです。

  • 希望退職者の募集や出向、退職勧奨などをおこなう
  • 退職金のうわ乗せなどの条件、スケジュールなどを決める
  • 対象となる従業員を選定する
  • 労働組合や従業員と協議する
  • 解雇予告(解雇予定日の30日以上前)をおこなう
    または解雇予告手当(平均賃金30日分以上)を支給する
  • 退職金を支給する


整理解雇で法律違反!?助成金の返還!?整理解雇のデメリット

上記の整理解雇の4要件を充たしていない場合、次のトラブルが発生する可能性があります。

  • 解雇された従業員から解雇無効の訴えをおこされる
  • 業績が悪化しているとの風評が広がる
  • 業績回復後も人員整理をした会社として、新規採用に支障がでる
  • 助成金の返還を求められる可能性がある

 
整理解雇をおこなった企業は助成金を申請できない、受給した場合の返還を求められるなどのリスクがあります。対象となる助成金は、キャリアアップ助成金(正社員化コース)や人材開発支援助成金などです。
雇用関係助成金の対象要件や生産性要件の中において、『雇用保険被保険者(短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除く)を事業主都合によって解雇等(退職勧奨を含む)していないこと。』などとされていることに注意が必要です。
【引用】各雇用関係助成金に共通の要件等|厚生労働省


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経営不振時の整理解雇を円滑とするための事前準備

整理解雇が適切であると判断されるためには、事前に就業規程の整備や勤務成績を評価する仕組みを導入しておくことが必要です。


経営不振から抜け出す!会社を立て直す8つの行動

経営不振が続くと資金繰りができなくなり、会社が倒産する可能性があります。
経営不振からいち早く脱却するため、経営者がとるべき主な行動は次のとおりです。


まずは資金繰りを確認

倒産する直接の原因は支払資金の不足です。まず自社の資金繰りを確認します。
資金繰りを予測するためには資金繰り表の作成が有効です
資金繰り表はさまざまな形式がありますが、日次と月次数か月分の2つを併用することが望ましいです。経営不振時における借入の審査には時間がかかることがあるためです。


売上の改善策は価格の見直しから

売上を回復させる方法は、量の増加、販売相手の拡大、価格の引き上げの3つの観点です。中でも効果が高い方法は販売価格の引き上げです。
コストアップを販売価格へ転嫁するムードが浸透しているため、取引先や販売状況に応じて価格の見直しをおこないます。


値下げではないコストダウン策とは

仕入価格の引き下げ交渉は、原材料価格などが高騰している景気状況においては難航する可能性が高くなります。仕入価格を引き下げる以外の主なコストダウンは次のとおりです。

  • 在庫の回転率を上げる(売れ残りの早期販売、返本や廃棄原因の除去、平均在庫量の引き下げなど)
  • 梱包、出荷、点検などの業務を省力化できる投資をおこなう
  • 接待費の見直し、水道光熱費の節約、店舗の移転など


事業計画を立てる

経営不振の状況における楽観的な業績予測は、急な資金不足を招く危険性があります。まず自社の業績を点検し、売上の改善策や経費の見直し策を立案します。
見直し策の内容と効果は事業計画書としてまとめることが有効です。改善効果の測定や補助金申請の資料、金融機関への融資申込みの資料として応用することができるためです。


人手不足対策は採用方法と労働環境を見直す

人手不足で販売が低迷している場合は、人材採用と職場環境を見直します。

  • 就業規則を整備する
  • 求人票の見直し(年間休日、残業時間、業務内容などをわかりやすく、明確に説明するなど)
  • SNSや自社のホームページなどで会社や業務内容をアピールする
  • 省力化投資をおこない、必要な作業時間、従業員数を減らす


資金繰りの改善は補助金・助成金の活用と借り換えが有効

資金繰りを改善させる方法としては新たな借入だけでなく、現在返済している融資を新しい融資へ切り替える『借り換え』も有効です。


資金繰りの余裕で人材育成に投資

資金繰りに余裕が出てきたら、従業員の確保や育成に資金をかけましょう。人材育成には時間と費用がかかるため、助成金を積極的に活用します。


前向きな設備投資は補助金・助成金を活用

人手不足に伴う売上の低下、残業の増加については、省力化・省人化投資が効果的です。
例えば自動包装機械を導入する、勤怠管理や給与計算をクラウド型のシステムに刷新するなどです。必要資金は補助金や助成金など国の力を借りましょう。


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資金繰り、人材採用、補助金・助成金などは専門家を活用

経営不振から早期に抜け出すポイントは専門家の活用です。
特に資金繰りの改善、人材募集のコツ、自社で受給できる補助金・助成金の申請のサポートは、ノウハウが豊富な専門家が忙しい経営者をサポートします。


経営者に必須!資金繰り表

資金繰り表の作成に不慣れな場合や作成経験がない場合は、自社や金融機関が見やすい資金繰り表の作成をサポートしてもらいましょう。


人手不足をあきらめない。人材採用がすすむコツ

『求人票を出しても応募がない』とあきらめていませんか?
求職者は職種と業務内容、そして休日数を重視していることが知られています。
自社の求人票を見直しして、求職者が話を聞いてみたくなる求人票とすることで採用が進む可能性があります。例えばF&M Clubがおこなっている『求人票添削サービス』などで自社の求人票をチェックしてもらう方法があります



補助金・助成金の『知っていれば使っていたのに!』を防ぐ

自社で受給できる補助金や助成金を調べ、申請することは経営者にとって負担が重い作業です。
補助金は審査で採択されるためのポイントがあり、助成金は細かな要件を確認することが求められるため、実績が豊富な専門家の活用が早道です。


補助金申請が採択されるノウハウとは

例えば有名な補助金である事業再構築補助金やものづくり補助金などの平均採択率は40%から50%です。
採択される申請書類を作成するためには、ポイントや表現のコツがあります。F&M Clubは全国トップクラスの申請件数と採択件数で培った豊富なノウハウで経営者の申請をサポートしています。


まとめ

経営不振とは企業の利益が悪化し資金繰りが圧迫されている状態のことです。経営不振が続くと資金繰りを維持できず、倒産へとつながります
 
経営不振から抜け出すためには、販売価格の引き上げや資金繰りの見直し、経費削減策の立案など多くの事項を検討することが必要です。
 
エフアンドエムは累計38,000社が利用する豊富なノウハウを提供するサブスクサービス『F&M Club』で経営者をサポートしています
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