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潰れる会社には前兆がある?倒産する会社の前兆と回避策を解説

2025年上半期(1月から6月)の企業倒産件数は5,003件(帝国データバンク調べ)となり、年間企業倒産件数が1万件を超える“大倒産時代”になると予測されています。

その背景として、人手不足、人件費の上昇、後継者不在などがあげられています。さらに20264月からコロナ借換保証の返済開始がピークを迎え、今後は”息切れ倒産“が増加する可能性があると言われています。

本記事では、潰れる会社に見られる前兆、会社が突然潰れる黒字倒産の原因、取引先が潰れそうなときの対策などを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.当てはまると要注意!?潰れる会社の11の前兆
    1. 1.1.①赤字が連続している
    2. 1.2.②経営者、管理職、経理担当者が次々と辞める
    3. 1.3.③大口取引先が倒産した
    4. 1.4.④社長の取引先訪問が急増した
    5. 1.5.⑤金融機関や税理士、弁護士などが頻繁に来社している
    6. 1.6.⑥仕事量が大きく減少した
    7. 1.7.⑦行き過ぎた経費削減をおこなっている
    8. 1.8.⑧事業に必要な資産を売却している
    9. 1.9.⑨納期遅れ、赤字販売が急増した
    10. 1.10.⑩給料が減る、遅れる
    11. 1.11.⑪取引先への支払いが遅れる
  2. 2.黒字の会社でも潰れる?会社の突然死「黒字倒産」とは
    1. 2.1.黒字倒産とは黒字の会社の資金ショート
    2. 2.2.①入出金のタイムラグ
    3. 2.3.②過剰な在庫
    4. 2.4.③過剰な投資
    5. 2.5.④過大な借入
  3. 3.経営悪化の前兆と金融機関が注視する経営悪化のサインとは
    1. 3.1.自社で早期発見!経営悪化の前兆5つ
    2. 3.2.金融機関が注視する経営悪化のサイン9つ
  4. 4.会社を潰さない対策は大きく3つ
    1. 4.1.資金繰りを把握する
    2. 4.2.資金繰り改善の主な打ち手
    3. 4.3.中長期の経営改善に取り組む
  5. 5.取引先が潰れそうな場合の対策とは
    1. 5.1.売掛金の残高、回収条件、相殺できる債務を確認する
    2. 5.2.取引保証金を求める
    3. 5.3.手形の受取をやめる
    4. 5.4.取引を減らす
    5. 5.5.経営セーフティ共済(倒産防止共済)に加入しておく
  6. 6.よくある質問(FAQ)
    1. 6.1.Q1:いずれ潰れる会社の特徴はどのようなものですか?
    2. 6.2.Q2:潰れる会社の社長にはどのような特徴がありますか?
    3. 6.3.Q3:会社が潰れると従業員はどうなりますか?
    4. 6.4.Q4:赤字でも潰れない会社があるのはなぜですか?
  7. 7.自社を潰さない対策は資金繰り改善から!エフアンドエムがサポート

当てはまると要注意!?潰れる会社の11の前兆

いずれ潰れる可能性がある会社には前兆があると言われています。

主な前兆として以下の状況があげられます。

①   赤字が連続している

②   経営者、管理職、経理担当者が次々と辞める

③   社長の取引先訪問が急増した

④   大口取引先が倒産した

⑤   金融機関や税理士、弁護士などが頻繁に来社している

⑥   仕事量が大きく減少した

⑦   行き過ぎた経費削減をおこなっている

⑧   事業に必要な資産を売却している

⑨   納期遅れ、赤字販売が急増した

⑩   給料が減る、遅れる

⑪   取引先への支払いが遅れる

①赤字が連続している

連続赤字により資金が不足し、倒産する可能性があります。
また連続赤字となっている会社は、金融機関の見る目が厳しくなり、会社が思うように資金を調達できない可能性が高まります。

②経営者、管理職、経理担当者が次々と辞める

経営陣や管理職、経理担当者は会社の経営状況を正確に知ることができます。会社が経営不振とわかると、早めに退職する可能性があります。

③大口取引先が倒産した

売掛金を回収できない、売上が大幅に減少するなど影響を受けた会社は、資金繰りが急激に悪化する可能性があります。

借入や経営セーフティ共済(倒産防止共済)などでカバーすることは可能ですが、カバーできるまでの間、厳しい資金繰りとなる可能性があります。

④社長の取引先訪問が急増した

普段は取引先を訪問することが少ない社長が、急に訪問を増やしている状況があげられます。一概には言えないものの、取引先と売掛金の早期回収を相談している可能性があります。

⑤金融機関や税理士、弁護士などが頻繁に来社している

複数の金融機関やノンバンクの来社が増える、税理士との打ち合わせが急増するなどの状況です。財務状況が悪化している可能性、会社が有事を想定している可能性があります。

⑥仕事量が大きく減少した

会社の経営がうまくいかず、取引相手が減っており、仕事を得られない可能性があります。

⑦行き過ぎた経費削減をおこなっている

極端に経費を削減し始めた場合です。例として「ボールペンは社員が自費で買うように指示」などです。資金繰りが厳しく、支出を極端に減らしている可能性があります。

⑧事業に必要な資産を売却している

事業に必要な車両などを売却している場合、資金確保を急いでいる可能性があります。

⑨納期遅れ、赤字販売が急増した

納期遅れが多発する場合、資材調達や社内のコミュニケーション上の課題が顕在化している可能性があります。また赤字販売が急増した場合、現金化を急いでいる可能性があります。

⑩給料が減る、遅れる

従業員の給料を減らした、支給が遅れている状況は、会社が潰れる直前であると言われています。経営状況が悪化して従業員の給料を支払う資金にも困窮するまで切迫した資金繰りとなっている可能性があります。

⑪取引先への支払いが遅れる

取引先への支払いが遅れている会社は、資金繰りが相当に悪化しているとみられます。

黒字の会社でも潰れる?会社の突然死「黒字倒産」とは

会社が潰れる主な原因は、赤字など業績悪化による資金不足です。

しかし会社が黒字でも、資金がプラスであると限りません。資金が不足すると、黒字でも倒産することとなります。

黒字倒産とは黒字の会社の資金ショート

黒字倒産とは、損益計算書では黒字の会社が、資金不足(資金ショート)で倒産することです。黒字倒産が発生する主な原因は、以下のとおり、入出金のタイムラグ、過剰な在庫や投資による資金不足などです。

①入出金のタイムラグ

入出金のタイムラグとは、売掛金の回収までの間に、仕入などの支払いが先行することです。

売上の入金は翌月末などにまとめて入金されることが多く、入金されるまでの間に仕入代金や経費の支払いや借入の返済などが必要です。
入金までの間の支払いや返済資金が不足している会社は、支払いや返済ができず、次月の仕入れもできない状態となり、倒産に至ることがあります。

②過剰な在庫

過剰な在庫は資金繰りを圧迫します。仕入した分の資金のマイナスが続き、さらに保管コストが発生するためです。

③過剰な投資

過剰な投資をおこなうと、運転資金や投資資金の借入返済が収益を大きく超えてしまい、資金繰りを悪化させます。

④過大な借入

赤字などにより多額の借入を抱えている場合、黒字であっても返済資金が不足し、返済を延滞する可能性があります。

経営悪化の前兆と金融機関が注視する経営悪化のサインとは

自社に会社が潰れる前兆が出ていないか点検しましょう。また経験豊富な金融機関はどのような状況を経営悪化のサインと見ているか紹介します。

自社で早期発見!経営悪化の前兆5つ

自社で把握しやすい経営悪化の前兆として、以下の5つがあげられます。

  • 売上減少が続いている

  • 原価や販管費が増加し、減益や赤字が続いている

  • 手元資金や売掛金、有価証券などが少ない状況が続いている

  • 過剰在庫が多く残ったままとなっている

  • 金融機関からの借入が難しくなっている

金融機関が注視する経営悪化のサイン9つ

金融機関の担当者が、融資先から感じとる経営悪化のサインは以下の9つです。

  • 債務償還年数が10年以上、債務超過解消年数が2年以上

  • 人手不足で従業員が疲弊している

  • キーマンとなる従業員、管理職の退社が続いている

  • 過剰な在庫が処分されず、滞留している

  • 業績不振で、ほかの金融機関からの融資残高が減り続けている

  • 社内の雰囲気や清掃状態が悪化している

  • 稼働している機械が少ない

  • 頻繁に借入の申し込みがある

  • 預金残高の減少が続いている

会社を潰さない対策は大きく3つ

会社が潰れる直接の理由は資金不足です。自社を倒産させないために最も大切なことは、入出金予定を把握し、資金不足に適切に対応する「資金繰り」です。資金繰り対策のポイントを大きくまとめると以下の3つです。

資金繰りを把握する

資金繰りを把握するとは、入金予定、経費や仕入れなどの支払いや返済予定を確認し、手元資金が不足する時期を予測することです。
資金繰りの把握に最適な方法は、資金繰り表の作成です。当月と翌月だけでなく、数か月先までの資金繰り表を作成すると、資金調達に余裕をもつことができます。

資金繰り改善の主な打ち手

早期に資金繰りを改善する主な打ち手は以下のとおりです。

資金繰りの悩みとして多いケースは、『利益が出ているのにお金が残らない』です。利益と返済のバランスを再点検し、借換を検討するなど、多面的に資金繰りを見直しましょう。資金繰りに悩むときは、詳しい税理士や専門家への相談がおすすめです。

【早期に資金繰りを改善する打ち手】

  • 販売価格の引き上げ

  • 手形サイトの短縮、振り込みへの変更

  • 在庫の削減

  • 借入金の借換

中長期の経営改善に取り組む

より中長期の目線で資金繰りを改善させる主な打ち手は以下のとおりです。

  • 新製品、新分野への進出

  • 省人化や生産性向上

  • 総務や経理などバックオフィス業務の効率化

取引先が潰れそうな場合の対策とは

取引先で会社が潰れる前兆を把握した場合、以下のように自社を守る対策が必要です。

売掛金の残高、回収条件、相殺できる債務を確認する

取引額、取引条件を確認しましょう。買掛金など売掛金と相殺できる債務についても確認し、有事の際に自社が被るダメージを予測します。

取引保証金を求める

支払い不能に備えて、保証金を差し入れてもらう方法があげられます。

手形の受取をやめる

販売先が振り出す手形の受け取りを、振り込みに変更してもらう方法があげられます。振込までの期間は、従来の手形サイトよりも短くしてもらうよう交渉しましょう。

取引を減らす

売掛金回収の懸念を払拭できない場合、取引を減らすことを検討しましょう。

経営セーフティ共済(倒産防止共済)に加入しておく

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは、取引先が倒産した際に備える共済制度のことです。掛金を損金算入できる、倒産発生時は掛金の最大10倍(上限額8,000万円)まで無担保・無保証人の借入ができる、40か月間以上の加入で掛金全額が返戻されるなどのメリットがあります。

【参考】共済制度|中小企業基盤整備機構

よくある質問(FAQ)

潰れる会社の前兆について、よくある質問は以下のとおりです。

Q1:いずれ潰れる会社の特徴はどのようなものですか?

A:いずれ潰れると言われる会社には特徴や前兆があります。赤字が続いている、経営者や管理職の退社が相次いでいる、過剰な経費削減や資産売却をおこなっているなどです。

Q2:潰れる会社の社長にはどのような特徴がありますか?

A:いずれ会社を潰すと言われている経営者の主な特徴は以下のとおりです。

  • 数字に弱い

  • 部下任せが多い

  • 過剰なワンマン経営体制となっている

  • ハラスメントを放置している

  • 納期遅れや不良品が多い

  • 経営ビジョン、経営計画がない

  • 中間管理職がいない、すぐに辞めてしまう

  • 公私混同が激しい

Q3:会社が潰れると従業員はどうなりますか?

A:会社が倒産すると、従業員全員が解雇となります。未払いの給与や賞与がある場合、従業員は「未払賃金立替制度」を利用し、一定額の立替払いを受けることができます。

【参考】未払賃金立替制度|厚生労働省

Q4:赤字でも潰れない会社があるのはなぜですか?

A:会社が倒産するのは、支払い資金を準備できない事態となったときです。会社が赤字であっても、借入や資産売却などで資金を確保できている間は倒産しません。しかし会社が黒字であっても資金が不足すると倒産することとなります。

自社を潰さない対策は資金繰り改善から!エフアンドエムがサポート

人件費やコストが高止まりし、米国関税措置による景気の悪化が懸念されるなど事業を取り巻く環境を予測することが難しくなっています。
景気が変動し始める時期は資金繰りが厳しくなることが多く、自社の資金状態について普段以上に気を配っておきましょう。
また資金繰りに失敗して会社を倒産させないためには、会社のお金の不安を解決する取り組みが必要です。

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