役員報酬は月額いくらにすべき?ポイントと相場を解説
会社役員に対しては給料ではなく役員報酬が支払われます。
月額で固定された金額を支給することが基本です。
今回は毎月支給する役員報酬とはなにかと決め方のポイントや相場について解説します。
目次[非表示]
- 1.役員報酬とは
- 1.1.役員報酬の支払い方法について
- 1.2.役員報酬と給与の違い
- 2.役員報酬の決め方のポイントとは
- 2.1.報酬月額を固定する
- 2.2.月額以外の賞与を踏まえる
- 2.3.役員の職務内容を考慮する
- 2.4.同業他社の月額報酬を反映する
- 3.役員報酬は月額いくらが相場なのか
- 3.1.創業間もない場合は20万円〜30万円が妥当
- 3.2.事業の安定後は会社規模に依存
- 4.役員報酬の月額は会社や個人の税金・社会保険に影響
- 5.財務状況の見直しはエフアンドエムにご相談ください
- 6.まとめ
役員報酬とは
役員報酬とは、役員としての仕事に報いるために会社から支給される報酬です。
一般的な従業員の給料とは異なり、月に支給される金額は固定されています。
役員報酬の支払い方法について
役員報酬の支払い方法は一般的に従業員と同様の現金報酬が採用されます。
また、株式報酬、ストックオプションといった形態も選択可能です。
現金報酬は、固定報酬と業績連動報酬に分けられます。
固定報酬は、役員の地位や役割に応じた月額固定の報酬です。
業績連動報酬は、会社の業績に応じて変動します。
株式報酬は、役員に対して会社の株式を発行または譲渡する形で報酬を支払う方法です。
この支払い方法により、役員が会社の株主としての立場を持ち、会社の価値向上に努めると期待されます。
役員報酬と給与の違い
役員報酬と従業員の給与にはいくつかの違いがあります。
まず、役員報酬は役員に対して支払われるものであり、企業の経営陣に対する報酬です。
一方、給与は一般的な従業員に支払われる報酬で、役員以外の社員に対して支払われます。
また、役員報酬は企業の規模や業績によって決まり、経営陣の責任や業務遂行に対する評価が大きく影響します。
一方で、給与は役職や職種、経験年数などに基づいて支払われることが一般的です。
さらに、役員報酬には業績連動型のインセンティブや株式報酬が含まれることがあります。
しかし、給与には一般的に含まれません。
役員報酬の決め方のポイントとは
役員報酬を決める際にはポイントがあります。
報酬月額を固定する
役員報酬を決める際には、まず会社法を踏まえて月額の固定報酬を設定することが重要です。
会社法では、株主総会で承認された報酬額を超えない範囲で月額固定にすることが求められます。
月額報酬を設定する際、役員の職務内容や企業規模、業界の標準報酬額などを考慮して、適切な額を決定しなければなりません。
また、毎年見直しすることで、企業の状況や市場環境の変化に柔軟に対応できます。
月額以外の賞与を踏まえる
月額報酬以外にも、賞与やインセンティブなどの変動報酬を設定できます。
これらの報酬は、企業の業績や役員個人の達成目標に応じて変化するため、役員に対する「インセンティブ」の意味合いが強くなります。
変動報酬の決定にあたっては、企業の業績評価基準や役員の評価方法を明確にしなければなりません。
これらを支給する可能性も踏まえて、月額報酬を最終決定します。
役員の職務内容を考慮する
役員報酬には役員の職務内容を十分に反映させることが求められます。
役員の職務範囲や責任の大きさ、経験やスキルなどを報酬に反映しましょう。
役員の職務内容を考慮した報酬を設定することで、働きがいやモチベーションを高める効果が期待できます。
なお、役員の職務内容を報酬に反映させるためには、定期的な評価やフィードバックが重要です。
評価基準やプロセスを明確にし、公平かつ客観的な評価が必要です。
基準が明確であれば役員のモチベーション向上につながり、結果的に全社的なパフォーマンスの向上が期待できます。
同業他社の月額報酬を反映する
同業他社の月額報酬を参考にすることも重要です。
競合他社と報酬を比較することで、自社の報酬が業界内で適切かどうかを判断できます。
過剰な報酬設定は財務状況に悪影響を与えることがあり、低すぎる報酬設定は人材確保に悪影響を及ぼしかねません。
報酬を反映する際には、企業規模や業界の傾向、役員の職務内容などを揃えて比較することが重要です。
業界動向によっても月額報酬は変化するため、単純に金額だけを反映すれば良いとは限りません。
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役員報酬は月額いくらが相場なのか
役員報酬の月額相場を解説します。
創業間もない場合は20万円〜30万円が妥当
創業間もない時期は、キャッシュフローが不安定になりやすいため、月額20万円~30万円が妥当です。
この金額は役員報酬だけで最低限、生活できるように設定されています。
これを下回る金額も設定できますが、生活を加味すると現実的ではありません。
創業後、会社に現金を残したいと考える経営者もいらっしゃいます。
もし、貯金などが生活できる状況であれば、月額1円に設定することも可能です。
本来であれば、20万円~30万円が妥当ですが、限界まで低くしても問題ありません。
事業の安定後は会社規模に依存
事業が安定した場合、報酬は会社規模に依存します。
一般的に従業員が多く売上が多い会社は月額報酬が高く、売上が少ない会社は月額報酬が低くなる傾向があります。
例えば、従業員が20人以下の小規模な会社は月額70万円程度です。
従業員が50人を超える規模になると月額110万円程度まで高まります。
従業員数に比例するわけではありませんが、会社規模に依存すると考えておきましょう。
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役員報酬の月額は会社や個人の税金・社会保険に影響
役員報酬の月額は税金や社会保険にも影響します。
しっかりと理解しておくことが重要です。
法人への影響
役員報酬は会社が負担する税金や社会保険へ影響を及ぼします。
まず、役員報酬は会社の利益に影響するため、金額によって法人税が増減します。
役員報酬が高額になれば利益が減少し法人税も減額されるため、報酬が低額になると法人税が増額されると予想できます。
また、役員報酬は労働者の給与と同様に、社会保険料の計算の基準です。
したがって、役員報酬が増えると、会社は役員の社会保険料の負担が増えてしまいます。
個人への影響
役員報酬の月額は、個人の税金や社会保険にも大きな影響を与えます。
一般的に報酬が高くなると、所得税の負担が増加します。
所得税は累進課税制度であるため、所得が増えるほど社会保険料の負担は大きくなります。
また、役員報酬は住民税の課税対象となるため、報酬が高いほど住民税の負担も増えることも押さえておきましょう。
さらに健康保険や厚生年金保険、雇用保険の負担が増えることもあります。
これらの保険料は毎月の報酬額を踏まえて決定されるため、月額報酬が高額であるほど支払額が増えます。
財務状況の見直しはエフアンドエムにご相談ください
役員報酬を支払うためには安定した財務状況を維持しなければならないため、確実に役員報酬が支払えるキャッシュフローを実現し続けなければなりません。
そのため、役員報酬の支払いに向けて財務状況を見直したい場合は、エフアンドエムへご相談ください。
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まとめ
役員報酬は月額制で固定報酬です。
事前に決められた金額を財務状況にかかわらず支給しなければなりません。
また、支給額は役員の職務内容や同業他社の相場などを踏まえて決定する必要があります。
役員報酬は毎月発生する支出となるため、財務状況の健全化を実現しなければなりません。
もし、役員報酬の支給に不安を感じ、財務状況を見直したいとお考えの方は、お気軽にエフアンドエムへご相談ください。
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