信用保証制度を活用して企業の事業再建に役立てましょう
事業の再建やさらなる発展を目指すために、新規事業開拓や業務転換を検討する企業も多くいます。
しかし、新たな事業を始める際には巨額な資金が必要であり、資金不足や、資金繰りが厳しくなるために、諦めている企業も多いのではないでしょうか。
そのようなとき、国や公的機関による「融資支援」は、資金不足を抱えている企業にとって大変メリットとなる制度です。
中でも信用保証協会による保証付きの融資、「信用保証制度」の活用は、融資に対する不安がある企業も、取り組みやすい制度であるといえます。
信用保証制度の概要やメリットなどについて解説します。
目次[非表示]
- 1.信用保証制度とは?
- 1.1.信用保証制度の仕組み
- 1.2.保証限度額
- 1.3.信用保証料
- 1.3.1.信用保証料率
- 1.4.信用保証制度のメリット
- 2.保証制度の種類
- 2.1.伴走支援型特別保証制度
- 2.2.経営改善サポート保証(感染症対応型)制度
- 3.信用保証制度を利用するためには
- 4.事業計画や財務改善を怠ると資金繰りが苦しくなる
- 4.1.早急な財務改善が必要
- 5.財務改善サポートはF&M Clubにおまかせ
- 6.まとめ
信用保証制度とは?
信用保証制度とは、信用保証協会の「信用保証」を得て、金融機関から融資を受ける、保証付きの融資制度です。融資を受ける企業が、借入金を返済できなくなった場合、信用保証協会が代位弁済することとなります。
信用保証制度の仕組み
信用保証制度における、企業(中小企業)、信用保証協会、金融機関のそれぞれの役割は以下の通りです。
役割 |
|
中小企業 |
・信用保証協会に保証してもらう ・金融機関から融資を受ける ・金融機関へ融資返済する |
信用保証協会 |
・金融機関に代わり、融資先(中小企業)へ返済請求する ・融資先(中小企業)が融資を返済できない場合は、金融機関へ代位弁済する |
金融機関 |
・融資先(中小企業)へ融資する |
保証限度額
中小企業・小規模事業者にかかる保証限度額は、中小企業信用保険における普通保険と無担保保険の場合、以下の通りで、両者を合わせた2億8,000万円(組合4億8,000万円)が、限度額とされています。
また、これらの一般保証にかかる保証限度額とは別枠で、中小企業信用保険の特例措置等にもとづき、各種の政策目的により創設された別枠保証にかかる限度額が設けられています。
保証限度額 |
|
普通保険 |
2億円(※組合4億円) |
無担保保険 |
8,000万円(※組合同額) |
※「組合」とは、原則として中小企業施策における「事業共同組合」のことを指します。
信用保証料
信用保証制度を利用する際、信用保証の対価として、「信用保証料」を支払う必要があります。
ただし、「信用保証料」は、保険料ではないため、信用保証協会による代位弁済がおこなわれた後は、信用保証協会へ弁済する必要があることに注意しましょう。
信用保証料率
信用保証料の料率は、企業の経営状況に応じた9つの料率区分から適用されます。担保の提供がある場合や、会計参与設置会社である場合などには、割引が適用されることもあります。(一部、割引の対象とならない保証制度もあります)
信用保証制度のメリット
信用保証制度の利用は、以下のようなメリットがあります。
- 融資枠の拡大を図れる
- ニーズに合わせた保証制度が利用できる
- 長期の借入が可能
- 担保がなくても利用できる
保証制度の種類
2021年4月より、国による中小企業の事業再生を後押しする信用保証制度が開始されました。
伴走支援型特別保証制度
「伴走支援型特別保証制度」とは、一定の要件(売上減少▲15%以上)を満たした中小企業等が、金融機関との対話を通じて、コロナ禍を乗り越えるための「経営行動計画書」を作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げる支援制度です。
【条件】
- 「経営行動計画書」を作成する
- 原則として、四半期に一度、金融機関が継続的な伴走支援をおこなうこと
保証限度額 |
6,000万円 |
保証期間 |
10年以内 |
据置期間 |
5年以内 |
金利 |
金融機関所定 |
保証料率 |
原則0.2%(国による補助前は原則0.85%) |
売上減少要件 |
▲ 15%以上 |
経営改善サポート保証(感染症対応型)制度
経営改善サポート保証(感染症対応型)制度とは、経営サポート会議(※)や、中小企業再生支援協議会などの支援により作成した「経営改善・再生計画」にもとづき、中小企業が経営改善・事業再生を実行するために必要な資金を、信用保証協会の保証付き融資で支援する制度です。
今後、コロナ禍で債務を抱え、経営状況が苦しい企業による需要の増加が想定されるため、据置期間を最大5年に延長したうえで、信用保証料の事業者負担を大幅に引き下げる措置が講じられています。
(※)金融機関等の関係者により個別事業者の支援の方向性について意見交換する場で、信用保証協会等を事務局とした支援の枠組み
【条件】
- 「経営改善・再生計画」を作成し、金融機関に対し、計画の実行および進捗の報告をおこなう
保証限度額 |
2億8,000万円(一般の普通・無担保保証とは別枠) |
保証割合 |
責任共有保証(80%保証)
ただし100%保証およびコロナ禍のSN5号からの借換については100%保証
|
据置期間 |
5年以内 |
金利 |
金融機関所定 |
保証料率 |
原則0.2%(国による補助前は原則0.8〜1.0%) |
【参考】信用保証制度|中小企業庁
信用保証制度を利用するためには
信用保証制度の優遇措置を受ける、および信用保証制度を利用するためには、制度の内容をしっかりと理解し、要点をおさえた「事業計画書」を作成する必要があります。
信用保証制度の活用は「事業計画書」がカギ
信用保証制度は、信用保証協会と金融機関のそれぞれで審査が必要です。
そのため、両者に対し、借入金の返済ができる事業者であると認めてもらう必要があり、第三者が納得できるような「事業計画の作成」が重要となります。
事業計画や財務改善を怠ると資金繰りが苦しくなる
事業計画は、国による支援を受ける際に重要なカギとなりますが、企業の経営状態を把握するうえでも必要不可欠なものです。
融資制度を利用できたとしても、日頃から事業計画や財務改善を適切におこなっていないと、財務状況が悪化し、融資返済期間の資金繰りが苦しくなり、経営状況が悪化してしまいます。
早急な財務改善が必要
経営状況の悪化を回避するためには、自社の状況を把握し、早急に財務改善をおこなう必要があります。
事業再建を目指している企業は、融資が必要なときにすぐに行動できるように、または融資を返済するときに健全な状態で資金繰りができるようにするために、すぐに財務改善をおこないましょう。
財務改善サポートはF&M Clubにおまかせ
F&M Clubでは、企業の資金繰りに関する「財務改善サービス」を提供しています。
財務改善は、正しい知識をもって、適切に実行しないと意味がなく、時間と労力を無駄にしてしまいます。
また、F&M Clubでは、信用保証制度や補助金制度を利用する際に必要な、「事業計画書の策定サポート」サービスも提供しています。
プロによる適切な財務改善サポートで、保証制度の活用および企業の経営回復に役立てましょう。
まとめ
企業が、事業の再建やさらなる発展を目指すためには、新規事業の開拓や、事業転換などが必要です。
資金不足で諦めている企業は、「信用保証制度」をはじめとする、国や公的機関による支援制度の活用を検討しましょう。
また、融資を受ける際は、返済期間の資金繰りが苦しくならないように、先を見据えた財務改善および事業計画を立てましょう。