赤字の中小企業は全体の7割!?V字回復するための対策を教えます
中小企業はいくつもの理由から赤字であることが多く、全体の7割程度を占めると考えられています。実際、日本政策金融公庫が実施する調査を参照すると、赤字の割合は6割から7割程度です。ただ、一般的に赤字では企業経営に支障が出てしまうため、今回は赤字からV字回復するための秘策を解説します。
目次[非表示]
- 1.赤字の中小企業は6割から7割
- 1.1.中小企業の業績実態
- 2.なぜ中小企業の赤字率が高いのか
- 3.中小企業が赤字からV字回復するための5つの対策
- 3.1.キャッシュフローの見直し
- 3.2.コストの削減
- 3.3.生産性の向上
- 3.4.補助金・助成金の活用
- 3.5.収益性の高い事業の選択と不採算事業の見送り
- 4.赤字からの脱却を目指したいならばエフアンドエムへご依頼ください
赤字の中小企業は6割から7割
調査をおこなう団体や時期によりますが、赤字の中小企業は6割から7割程度です。まずは、業績の実態について認識を持っておきましょう。
中小企業の業績実態
国税庁が2023年に公開した「国税庁統計法人税表」によると、2021年度に決算を迎えたすべての法人で赤字法人率は65.3%です。
この調査の値からも分かるとおり、半分以上の法人は赤字です。国税庁の調査は、規模の大きな法人も含まれるため少し数字が改善しますが、それでも大差なく半分以上を占めています。意外にも高い値ではないでしょうか。
ただ、赤字の中小企業が多いにもかかわらず、中小企業は倒産することなく存続しています。このような状況になる理由は、以下3つです。業績の実態と中小企業が赤字となる理由を正しく理解しておきましょう。
なぜ中小企業の赤字率が高いのか
中小企業の赤字率が高いことには理由があります。代表的な理由を挙げると以下のとおりです。
業績の悪化
業績が悪化することで、赤字になっている中小企業が多くあります。一般的に、会社が赤字になるといえば、この理由を思い浮かべるでしょう。売上が原価を下回るなど、支出が収入を上回ることによるものです。
ただ、業績が悪化するとはいえども、厳密には種類があります。例えば、本業で赤字になる場合と複数の事業を合算して赤字になる場合は異なった状況です。とはいえ、ここでは何かしらの業績が悪化することで、赤字になると捉えておきましょう。
節税対策などの影響
節税対策の結果、赤字になってしまうことが考えられます。法人は利益を出し納税することが求められますが、同時に適切な節税対策によって納税額を抑えることが必要です。
例えば、倒産防止共済に加入すると、掛け金は損金として処理されます。つまり、経費が増えるため、掛け金と利益のバランスによっては赤字になるはずです。つまり、節税のために掛け金を多くして、中小企業は意図的に赤字を生み出せます。なお、適切な会計処理によらない節税は脱税であり、違法行為に他なりません。
赤字の繰越や相殺
青色申告などの条件を満たし、損益通算の結果として赤字が残る場合は、翌年度以降に繰り越しが可能です。繰り越した赤字額が高額である場合は、翌年度が黒字でも相殺されて赤字になる可能性があります。厳密にはプラスマイナスゼロで、利益はまったくない状態です。
中小企業が赤字からV字回復するための5つの対策
中小企業が赤字から脱却しV字回復するためにも、以下の秘策を試してみましょう。
キャッシュフローの見直し
最初にやるべきは、キャッシュフローの見直しです。中小企業で赤字に陥っているならば、キャッシュフローが悪化していると考えられます。企業活動に必要な金額を正確に把握して、余裕を持った現金を確保することが重要です。そのため、収支状況を詳細まで頭に入れ、改善すべきポイントを明確にします。
例えば、キャッシュフローが悪化する原因には本業の赤字や売掛債権の貸し倒れなどがあります。また、回収期間と支払期間に大きなズレがあることで、キャッシュフローが悪化することもあるはずです。他にも、不良在庫が増加することで、キャッシュフローへ悪影響を与えることがあります。
状況を正確に把握しなければ、赤字からV字回復することはできません。キャッシュフローの見直しを通じて、具体的に何をすべきか、数字を根拠に判断するようにします。
コストの削減
収益を改善するためには、収入を増やすか支出を減らすかしなければなりません。ただ、収入を増やすことは難易度が高いため、支出を減らすことから着手すべきです。可能な限りコストを削減して、赤字からの脱却を目指しましょう。
例えば、コスト削減のために不要な固定費の支払いを取りやめます。新聞を購読していたり無駄なレンタル品があったりするならば、これらが削減の対象です。また、空調の温度を見直すなど、地道なコスト削減も求められます。
生産性の向上
生産性を向上させることで、売上の増加につながるかもしれません。例えば、今までよりも短い時間で製品を製造できれば、人件費の削減により赤字から脱却できるでしょう。また、今までよりも多くのロットを製造できることで、売上そのものを高められるかもしれません。
ただ、生産性の向上には、新しい機器の導入や業務フローの改善など、何かしらの革新が求められます。短期間で実現できるものではないため、計画を立て、着実に進めていくことが重要です。
補助金・助成金の活用
キャッシュフローを改善するためにも、補助金や助成金の活用が重要です。国や地方自治体が、様々な制度を提供しているため、申請できるものは積極的に申請していきます。
例えば、生産性向上のために賃上げして優秀な人材を確保したいならば「ものづくり補助金」に申請が可能です。条件を満たすことで、中小企業が負担する額の一部を補助してもらえます。活用することで、赤字脱却に向けた取り組みを実施しやすくなるでしょう。
なお、助成金は要件を満たしていれば支給されやすいですが、補助金は審査で採択されるかどうか判断されます 。必ずしも得られるものではないため、そこは注意が必要です。
収益性の高い事業の選択と不採算事業の見送り
確実に利益を確保するため、収益性の高い事業に集中し、不採算事業を見送ることも求められます。特に、多角的な経営を続けている中小企業は、選択と見送りが大きな秘策になるかもしれません。
複数の事業を続けていると、どうしても「すべての事業を続けたい」と考えてしまうでしょう。経営者として事業に思い入れがあることも考えられます。ただ、取捨選択できなければ倒産しかねないため、思い切って諦めることも大切です。
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