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黒字なのに倒産する?経営者必見の原因・兆候・対策を徹底解説

皆さんは「企業が黒字であれば倒産することはない」と考えているのでもないでしょうか。一般的に、倒産する会社は赤字を抱えているため、このような認識を持つことは不思議ではありません。ただ、実際には黒字でも倒産してしまう「黒字倒産」と呼ばれる事象があります。
今回は、黒字倒産とはどのような事象であるのかを解説し、その原因や兆候、黒字倒産を防ぐためにはどのような対策が必要であるのか解説します。また、イメージしやすいような事例も紹介するため、自社に当てはめて考えるきっかけとしてください。


目次[非表示]

  1. 1.黒字倒産とはなにか
  2. 2.黒字倒産が発生する原因や兆候
    1. 2.1.売掛金の未回収や遅れ
    2. 2.2.在庫の過多
  3. 3.黒字倒産を回避するための7つの対策
    1. 3.1.資金繰り表を頻繁に確認する
    2. 3.2.利益率を高める
    3. 3.3.在庫を抱えすぎない
    4. 3.4.売掛先の与信管理に力を入れる
    5. 3.5.売掛金を減らす
    6. 3.6.買掛金を増やす
    7. 3.7.事前に資金調達しておく
  4. 4.黒字倒産の想定事例
    1. 4.1.想定外の大規模な受注
  5. 5.黒字倒産を防ぐための対策を取りたいならばF&MClubへご相談ください


黒字倒産とはなにか

黒字倒産とは、商品が売れたりサービスを提供したりして利益が出ているにもかかわらず、現金不足から支払いができず倒産することです。一般的に、企業間の取引は信用取引であり、売上が帳簿に計上されてから入金されるまでに時間差があります。そのため、計算上は黒字でも、現金が入金される前に自社の支払い期日を迎えてしまい、現金不足から倒産してしまうという仕組みです。
なお、一般的な倒産は収入が支出を下回る経常赤字であることが多いですが、黒字倒産はむしろ逆だと考えられます。経常黒字でありながら倒産してしまう状況です。


黒字倒産が発生する原因や兆候

黒字倒産に陥ってしまう理由は、大きく分けて2種類あります。


売掛金の未回収や遅れ

売掛先が支払い期日までに売掛金を支払ってくれず、想定どおりに現金を調達できないことで、黒字倒産が発生することがあります。例えば、売掛先が倒産してしまい回収できない状況や何らかの理由で遅延している状況です。
一般的に、キャッシュフローはすべての入金・出金が計画どおり進む前提で算出されています。そのため、売掛金の未回収や回収遅れが発生すると計画が崩壊し、キャッシュフローに大きな影響を与えかねません。最悪の場合、急激な現金不足に陥り、倒産してしまいます。


在庫の過多

会計上、在庫は資産に含まれるため、在庫が多ければ帳簿上は利益が増えます。つまり、在庫が多い状態は黒字になりやすいということです。在庫を抱え続ければ、理論的には黒字が続きます。
しかし、帳簿では黒字であっても、実際に利益が出ているかどうかは別です。在庫が増えているということは、仕入れしているということであるため、支払いが増えていると考えられます。つまり、実際は無駄な仕入れによって現金を減らしているだけで、経営状況が悪化していると思われる状況です。


黒字倒産を回避するための7つの対策

黒字倒産を回避するためには、経営者としてやるべきことがいくつもあります。最低限、以下の対策に取り組みましょう。


資金繰り表を頻繁に確認する

最初に、資金繰り表を確認することが大切です。資金繰り表とは、一定期間における現金の出入りをまとめた資料を指します。会社経営においては、お金が頻繁に動くため、現在のみならず将来を含めて資金繰り表を作成しなければなりません。
定期的に資金繰り表 へと目を通せば、会社に現金があるかどうか 一目瞭然です。また、この先 数ヶ月間で、現金が不足しないかどうかも 確認できます。もし、現金が不足するならば黒字倒産になりかねないため、早急な対策が必要です。

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利益率を高める

黒字倒産を避けるためには、現金を確保することが大切です。できるだけ多くの現金を確保 するために、利益率を高めることを意識しましょう。利益率を高めれば、今まで以上に手元に現金が残り、キャッシュフローに余裕が生まれます。
なお、利益率を高める方法は「販売価格を高める」「コストを減らす」の2種類です。短期的にはコストを減らし、中長期的には価値を高め販売価格も高めることで、倒産の対策となります。


在庫を抱えすぎない

在庫を抱えすぎると、黒字倒産の原因となりかねません。必要最小限の在庫に抑えるようにし、在庫過多の状況は避けることが大切です。
一般的に、多くの在庫を抱えるためには、多くの仕入れをおこなわなければなりません。しかし、仕入れにあたっては支払いが生じるため、会社から現金が出ていってしまいます。黒字倒産を回避するためには、会社に現金を残す必要があるため、必要以上の仕入れで在庫を抱える行為は避けなければなりません


売掛先の与信管理に力を入れる

売掛先の与信管理に力を入れましょう与信管理とは、取引先にどの程度の支払い能力があるか管理する業務です。基本的に、支払い能力を超える売掛金を含む取引をおこなってはなりません。与信以上の取引は、売掛金が未回収になるなどのリスクを抱えます。
例えば、与信管理の結果が200万円の場合、売掛金は200万円以下に抑えるべきです。300万円や400万円の取引はリスクを抱えます。やむを得ない事情がない限り、回避した方が良いでしょう。
なお、与信管理は専門的なスキルも求められるため、必要に応じて外部の専門家を利用すべきです。


売掛金を減らす

黒字倒産が発生する原因は、帳簿では黒字であるにもかかわらず、現金が不足するからです。この背景には、売掛金の多さがあると考えられます。
売掛金は発生したタイミングで帳簿に計上されるものです。しかし、実際には、1ヶ月から2ヶ月後に入金されます。保有する売掛金が多いほど、売上と現金の差が大きくなるため、できるだけ早く売掛金を回収することが重要です。
売掛金を減らすためには、支払いサイトを短くしてもらうなどの対策が求められます。取引先の協力が必要となるため、まずは相談してみることが大切です。


買掛金を増やす

手元に現金を残すために、買掛金を増やすようにしましょう。取引が生じてすぐに現金を支払うのではなく、買掛金として一定期間が経過後に支払うようにします。支払うまでの期間を長くすることで、支払いに必要な現金を調達しやすくなり、黒字倒産を防ぎやすくなるという仕組みです。
例えば、買掛金の支払いサイトが2ヶ月で、売掛金の支払いサイトが1ヶ月である場合を考えます。この場合、売掛金が入金されてから買掛金の支払いが発生する流れです。つまり、帳簿と現金の乖離が少なくなり、黒字倒産を回避しやすくなります


事前に資金調達しておく

もし、現金の不足が目に見えているならば、できるだけ早く現金を調達することが大切です。黒字倒産は、手元に現金がなく支払いが滞ることで発生します。言い換えると、事前に現金を調達しておけば、支払いに困ることがなくなり黒字倒産にも陥りません。
現金を調達する方法はいくつかあり、例えば金融機関からの融資や専門家からの投資、補助金・助成金の活用などが考えられます。短期的に調達しやすい方法は融資であるため、まずは金融機関へと相談することが良いでしょう。審査などに時間を要する可能性があるため、1ヶ月程度前には相談できると理想的です。

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黒字倒産の想定事例


黒字倒産が発生する例として以下が考えられます。


想定外の大規模な受注

毎月100個の製品を受注している会社が、唐突に300個の受注を受けると、黒字倒産に陥る可能性があります。
まず、このように大量の受注を受けた場合、急いで原材料の仕入れが必要です。仕入先に対して不足分を急いで発注し、製造に取り掛かるでしょう。受注額に対して仕入額は小さいため、帳簿上は黒字になります。
ただ、実際に売上が入金されるタイミングは数ヶ月先であり、その前に原材料の仕入れについて支払いが必要です。このとき、会社の資金を超えて仕入れしていると、仕入先に支払う現金がなく黒字倒産に陥ってしまいます。大幅な売上増加に喜ぶはずが、むしろ倒産することになりかねません。
これは一例ですが、後先を考えずに受注したり発注したりすると、現金が不足してしまう可能性があります


黒字倒産を防ぐための対策を取りたいならばF&MClubへご相談ください

黒字倒産の背景には、経営者が会社の現金を正確に把握できていないことがあります。ただ、経営者がやるべきことは非常に多く、現金の把握だけにリソースを割くことは難しいのではないでしょうか。現金を効率よく把握するためには、経営のプロを頼ってみましょう

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現金の動きを把握したいと考えていても、自分で状況を把握して、資金繰り表を作成することは難しいのではないでしょうか。資金繰り表を根拠に対策を進めるためにも、ぜひF&MClubへご相談ください。

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