なぜ起業に失敗する?失敗する人の特徴と成功するためのコツを解説
新しく起業する人の大半は「失敗や破産は避けたい」と考えるでしょう。ただ、思うように事業が軌道に乗らず、起業が失敗し倒産する中小企業は非常に多くあります。このような状況に陥る背景にはいくつもの特徴があるため、今回は成功するためのコツと併せて解説します。
目次[非表示]
- 1.起業に失敗する代表的な4つの理由
- 2.起業に失敗する人に共通する5つの特徴
- 2.1.資金繰りの見通しが甘い
- 2.2.起業することが目的となっている
- 2.3.経営センスに欠けている
- 2.4.仕事で他人に頼れない
- 2.5.事業計画の見直しができない
- 3.起業に成功するために意識したい5つのコツ
- 3.1.スモールスタートを心がける
- 3.2.自己資金を十分に確保する
- 3.3.営業先などの準備に時間をかける
- 3.4.儲からない市場を避ける
- 3.5.事業計画を念入りに立てる
- 4.起業してすぐにお悩みのことがあればF&Mクラブへご相談ください
- 5.まとめ
起業に失敗する代表的な4つの理由
起業に失敗する理由はいくつもあり、ひとつだけではなく複数が組み合わさることがあります。今回は考えられる理由の中でも、該当する人が多い代表的な理由を4つ紹介します。
売上の不足
売上が不足し、経営を続けられないことで起業に失敗するケースが多くあります。事業を営むためには、事務所を維持する経費、人件費、原材料の仕入れなど多くの支払いが必要です。売上が不足すると、これらの支払いに窮してしまい、最終的には倒産してしまいます。
起業してすぐは運転資金を確保しているため、売上が少なくとも耐えられるかもしれません。しかし、継続的に売上が不足すると、最初に用意した自己資金は枯渇してしまいます。
営業力の低さ
営業力が低いことによって、起業に失敗することが考えられます。倒産には至らなくとも、営業が成功せず、事業の拡大などができない状況です。いつまでも起業した当初と状況が変化せず、結果として失敗したような状況に陥ります。
もちろん、倒産しなければ起業には失敗していないという考え方もあるでしょう。しかし、営業力が低く事業を拡大できないことは、ビジネスの観点からは成功と言い切れません。
経営陣の不仲
経営陣が不仲であることでトラブルが発生し、起業が失敗に終わるかもしれません。特に、友人や同僚などと起業した場合は「報酬」「役職」など、優劣の付きやすい部分が火種になりがちです。お互いが衝突する原因となり、経営がスムーズに進まず頓挫してしまいます。
このようなトラブルは、事業が成功したり収益が安定したりした状況に発生しがちです。最初は一心不乱に働いていても、唐突に権利を主張し合うなどのトラブルが起きる可能性があります。
資金繰りの失敗
損益計算書では利益が出ているにもかかわらず、資金繰りに失敗することで倒産する「黒字倒産」は失敗の大きな理由です。売掛金の回収が支出に間に合わないことで、不渡りが出てしまうなどの状況に陥ります。事業の大半の信用取引であり、すぐに現金を調達できないことで、資金不足に陥るという仕組みです。
起業に失敗する人に共通する5つの特徴
起業に失敗する人に共通する特徴として5つを解説します。
資金繰りの見通しが甘い
起業する際、毎月の運転資金は余裕を持って確保しておかなければなりません。しかし、見通しが甘く少ない金額で見積もっていると、想定よりも早く現金が枯渇してしまい、事業運営を続けられなくなります。
一般的に、最初に用意する運転資金は、半年から1年分ほどです。この間に事業を軌道に乗せ、安定した経営を目指していきますが、それまでに資金が枯渇すると失敗に終わります。
起業することが目的となっている
起業すること自体が目的になっていて、事業運営に力が入っていない人がいます。目的を達成した結果、事業の方向性を見失ってしまい、利益を出すモチベーションもなくなり失敗に終わるという流れです。
確かに、起業には多くの労力を必要とするため、そこからさらに事業を運営することは大変かもしれません。しかし、起業はあくまでもひとつの手段であり、それにより何を達成したいか考えることが重要です。
経営センスに欠けている
経営者には、会社員など雇用されているときとは異なる感性が必要ですが、経営センスに欠けている人が見受けられます。例えば、事業を拡大する方法や収益化するためのプロセスをまったく思いつけない人です。起業しても、これらを思いつけなければ、頭打ちに成り失敗します。
また、資金繰りについてのセンスに欠ける場合も失敗しやすいため注意が必要です。短期的な売上の増減に一喜一憂することなく、計画的かつ愚直に経営できなければなりません
仕事で他人に頼れない
他人に頼れず自分自身で仕事を抱えすぎてしまうと、業務に滞りが生じて起業が失敗に終わります。自分でやるべきことと、誰かに任せることは切り分けなければなりません。
もちろん、一人で起業したならば自分自身ですべてをこなすしかないでしょう。しかし、事業を拡大するためには他人の支援が必要となるため、最終的には雇用やアウトソーシングが求められます。
事業計画の見直しができない
事業計画の見直しができず、最初に立てた計画にすがりついている人は、失敗してしまう傾向があります。情報収集や計画の立案が面倒であり、そのまま放置してしまうことが特徴です。
現代は市場の変化が激しく、短期間かつ計画的に事業計画の見直しが求められます。これをサボってしまうと、他の事業者に後れを取ってしまい、起業が失敗してしまうことはやむを得ません。
起業に成功するために意識したい5つのコツ
起業に失敗する理由や失敗する人の特徴を踏まえ、起業に成功するために意識したいコツを5つ解説します。
スモールスタートを心がける
起業しても計画どおりに進むことは少ないため、できるだけスモールスタートを心がけましょう。例えば、少ない仕入先と取引したり最小限の人数で起業したりします。スモールスタートならば、トラブルが発生した場合も軌道修正しやすいからです。
逆に、最初から最大限のスタートとすると、トラブルが発生した際に軌道修正が難しくなります。備品は一気に購入せず少しずつ揃える、事務所は見栄をはらず小さな部屋を契約するなど、支出を抑えることも重要です。
自己資金を十分に確保する
できるだけ自己資金を十分に確保してから起業することが、成功に向けたコツです。起業してから借り入れる選択肢はありますが、必ず審査に通過するとは限りません。運転資金に余裕を持たせるためにも、毎月必要な経費の半年分以上は自己資金を確保しておくべきです。
営業先などの準備に時間をかける
安定した売上を得るためには取引先の数が重要となるため、営業先の調査や事前のアポイントなど準備に時間をかけましょう。起業前から時間をかけて準備しておくことで、事業が始まってからスムーズに行動しやすくなります。営業を成功させ契約を勝ち取れれば、いち早く事業を軌道に乗せられるため、成功に大きくに近づきます。
儲からない市場を避ける
可能な限り儲からない市場での起業を避け、チャンスのある市場を選択しましょう。例えば、すでに市場が熟成し新製品が受け入れられないような市場は基本的に望ましくありません。また、市場規模が小さすぎる場合も避けたほうが良いでしょう。サービスや製品に絶対的な自信がある場合は別ですが、基本的には儲かる市場への参入が成功のコツです。
事業計画を念入りに立てる
事業計画を念入りに立てておき、まずはそれに沿って経営を進めることが成功へのコツです。途中で見直す必要はありますが、最初から事業計画がないという状況は避けるようにしましょう。事業計画とは曖昧な言葉ですが、主に以下の事項について計画することを指します。
- 事業の概要:ビジネスモデル・販売する商品やサービス
- 事業の強み:他社との違いや優位性のある部分
- 資金調達:運転資金の額とその調達方法
- 市場分析:市場を踏まえて勝ち目があるかどうか
- マーケティング:顧客の獲得方法や売上の見込み
- 仕入れ:原材料などが必要な場合の調達方法や価格
- 売上予測と損益分岐点:いくらの売上が予想され利益がでるかどうか
これらは一例ですが、起業の根底となる計画をまとめたものであると理解しましょう。これらを念入りに立てておかないと、起業してから思わぬところで詰まる可能性があります。
起業してすぐにお悩みのことがあればF&Mクラブへご相談ください
起業しても失敗してしまう理由や特徴は多岐にわたり、それらすべてを理解して対策することが求められます。ただ、自分自身で状況の把握から行動まで進めることは難しいのではないでしょうか。もし、不安な部分があるならば、F&Mクラブの活用をおすすめします。
F&Mクラブは、累計38,000社の中小企業様を支援した実績をもつエフアンドエムが提供する、バックオフィス支援サービスです。月額3万円(税別)で、企業様の抱える課題や目的に応じた、財務・労務・採用・IT活用などの34コンテンツをすべて使い放題でご利用いただけます。
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起業してすぐは事業の推進に時間を取られてしまい、資金繰りまで考える余裕がないかもしれません。外部のサービスを活用することで、状況を大きく好転させられます。
まとめ
起業するからには失敗を避けるべきであるため、失敗の理由や失敗する人に共通する特徴を理解しなければなりません。それを踏まえて、自分には何が不足しているかなどを明確にしていきましょう。
自分だけですべてを考えることも可能ですが、起業する際は事業の推進に時間を取られるため、事務的なことは後回しになりがちです。そこで、一部を専門家に依頼して効率や正確性を高めることをおすすめします。F&Mクラブでは経営全般のサポートに対応しているため、困り事が顕在化する前に相談してみましょう。