融資の返済が免除されることは実現可能?ポストコロナを乗り切るためには?
融資の返済が免除されるようなことは今後考えられるのでしょうか。
コロナ融資が2020年3月に開始されて2年半が経過しました。
コロナ融資のおかげで、倒産件数は2009年以降の減少傾向を維持しています。
政府関係省庁によるポストコロナの再生へ向けた動きも加速してきています。
しかし、73.8%の中小企業小規模事業者経営者の感覚はいまだコロナの影響が続いているという調査結果があり、融資の返済に何らかの不安があることを示しています。
融資の返済が免除されるのか、軽減される政策は今後出されるのか、ポストコロナを生き残る戦略を解説します。
目次[非表示]
- 1.コロナ関連融資の現状
- 2.コロナ融資返済が免除される可能性はあるのか
- 2.1.免除の条件を確認
- 2.2.最近の日本政府の方針
- 3.コロナ融資返済免除ができない時は
- 4.F&M Clubを検討ください
- 4.1.F&M Clubの充実したサポート体制
- 4.2.F&M Clubの支援実例
- 5.まとめ
コロナ関連融資の現状
2020年3月に開始されたコロナ融資(無担保・無利子融資)が多く活用されました。
2020年3月対比で2022年3月は国内全金融機関で33兆5,000億円融資残高が増加しました。
この金額は2022年国家予算の所得税と法人税の収入予算とほぼ同額です。
これ程にまで日本経済に大きな影響を与えたコロナ融資において、自社の経営環境が日本経済のどの位置にあるかを確認しましょう。
融資残高の推移
中小企業白書のデータをもとにした融資残高推移は以下の通りです。(単位:兆円)
金融機関 |
2020年3月末残高 |
2022年3月末残高 |
増加額(増加率%) |
政府系金融機関 |
19.7 |
30.0 |
10.3(52.3%) |
信用金庫・信用組合 |
58.5 |
66.2 |
7.7(13.2%) |
銀行・信託銀行 |
211.9 |
227.4 |
15.5(7%) |
政府系金融機関の増加率が非常に高くなっていることが特徴です。
中小企業の経営者の多くは政府系金融機関からコロナ融資を受けていることがわかります。
返済の状況
中小企業庁の「ウィズコロナ・ポストコロナの間接金融のありかた」(2022年6月)によると、コロナ関連融資の利用者のうち、約半数が2022年2月時点で「条件通り返済を始めている」という調査結果が出ています。
まとめると以下の通りです。(全回答社数1万1,562社のうち9,650社が中小企業)
条件通り返済中 |
今後返済開始予定 |
減額・返済猶予・代位弁済ずみ |
54.2% |
32.1% |
1.5% |
しかし、以下の図表のように借入金月商倍率(*)が上昇し返済余力が低下していることは見逃せません。
*借入金月商倍率=(金融機関からの長短期借入金+そのほか長短期借入金)÷月商 |
一般的に借入金月商倍率が3倍以内であれば安全、3から6倍であれば要注意、6倍以上は危険とされています。
卸売業を除きすべての業種で3倍以上です。
最も倍率が高いサービス業の詳細内訳を見ると宿泊業が18.9倍となっておりかなり高い倍率になっています。
業種別の2022年3月期の借入金月商倍率をまとめると以下の通りになります。(単位:倍)
サービス業 |
製造業 |
小売業 |
建築業 |
卸売業 |
5.8 |
4.3 |
3.7 |
3.1 |
2.4 |
サービス業の詳細内訳(単位:倍)
宿泊業 |
娯楽業 |
飲食サービス業 |
生活関連サービス業 |
運輸、郵便業 |
18.9 |
5.2 |
4.9 |
4.2 |
3.5 |
返済は開始されつつあり、過半数は現状条件通りに返済がされている状況はうかがえます。
しかし、大半の業種は借入過多にあり、今後順調に返済が進むかは不透明といえます。
参考:令和4年4月中小企業庁 中小企業白書 小規模企業白書 概要|経済産業省
コロナ融資返済が免除される可能性はあるのか
資返済状況が上記のように厳しい中で、中小企業庁の考え方は「コロナの有事の救済」から「コロナ後の再生」へ方向転換を図ろうとしています。
果たして、コロナ融資返済を免除される可能性はあるのでしょうか。
免除の条件を確認
中小企業あてのコロナ融資返済免除への声はあるものの、まだ表面化していません。
現在、緊急小口資金などの特例貸付において返済免除手続きがあります。
コロナによる休業などにより収入が減少した方が対象で住民税非課税世帯であることが免除要件です。
最近の日本政府の方針
2022年10月3日、東京商工リサーチによる中小企業庁の担当者への調査で以下のことが発言されました。
- コロナ融資について0.9%金利を引き下げる
- 一定の要件を満たせば利子補給により無利子化する
- コロナ融資の無利子は終了するが、0.9%金利を引き下げ部分と無担保融資は継続する
- 中小企業向け低金利貸付限度額を3億円から4億円に引きあげる
- 伴走支援型特別保証の保証限度額を引きあげる
- 借換保証で中小企業の返済負担を軽減させる
返済開始のピークが、2023年春以降であるためその時期には間に合わせたいとのコメントもありました。
中小企業庁は、中小企業の経営の実情を認識したうえで方針を打ち出すものとみられます。
コロナ融資返済免除ができない時は
融資返済の免除ができないことを想定した方策を経営者はとる必要があります。
返済額をゼロにできなければ、以下の検討をおこなうべきです。
売上を増加させ、営業活動のキャッシュフローを改善 |
仕入コストを減少させ、営業活動のキャッシュフローを改善 |
低コストの資金調達で、財務活動のキャッシュフローを改善 |
金利負担を減らし、財務活動のキャッシュフローを改善 |
売上拡大と経費削減による収益力の強化をしなければなりません。
同時に既往借入金のリファイナンスによる財務体制の強化を図る必要があります。
収益力と財務体制の強化をワンストップで解決するために専門家に相談しましょう。
伴走支援型特別保証を利用しましょう
2022年9月8日に発表された「中小企業活性化パッケージNEXT」では、金融機関による伴走支援を条件に保証限度額が6,000万円から1億円に引き上げられ、保証料が0.85%から0.2%に引き下げられます。
伴走型支援保証を導入することによって、リファイナンス(借り換え)が可能です。
ただし、伴走支援型特別保証を受けるためには経営行動計画書を作成し、金融機関が継続的に伴走支援を受けなければなりません。
借換保証など中小企業返済負担軽減策を検討しましょう
複数契約がある借入金を1件の新規借入金で借り換えることにより毎月の返済額を軽減させる方式です。
借換保証を利用することで金利負担を減らし財務体質の改善が図れます。
自社の融資状況を見直しましょう
コロナ融資の社会的状況、中小企業経営の現状をみて、自社の財務状況はいかがでしょうか。
条件通り返済が可能で、借入金も月商の3倍までに抑えられ、今後の経営状況変化に対応した対策がなされ不安がないか、自社の立ち位置を確認してみましょう。
万が一、問題があれば、最悪の結果、倒産ということになりかねません。
その場合、再生、再チャレンジの局面に入ったとされ、破産を意味します。
経営者として、倒産や経営者個人の破産は絶対に避けたいところです。
F&M Clubを検討ください
融資返済において、これからが経営者にとっての正念場といえます。
自社にとって正確な現状分析と計画設計をしてくれるパートナーを見つけ出す時ともいえます
F&M Clubは、中小企業の経営者が抱える資金繰りや財務改善を、ワンストップでサポートいたします。
F&M Clubの充実したサポート体制
F&M Clubの6つの総合的サポートで経営者を支援します。
中小企業の経営者のさまざまな状況に寄り添ったサポート体制を準備。
F&M Clubに相談すれば、月額30,000円(税抜)で経営上のすべての悩みを解決できます。
累計35,000社の中小企業のサポート実績があるので、初めてご相談される経営者も安心です。
F&M Clubの支援実例
コロナ禍の財務不安を解決した事例を紹介します。
お客様名 |
株式会社 鈴生ハウジング |
業種 |
不動産業 |
従業員数 |
5名 |
自社の課題 |
バックオフィス強化、人材確保、コロナ禍の資金繰り |
F&M Clubの提案 |
助成金情報、資金繰り表作成支援、求人票作成要領 |
提案の効果 |
助成金、コロナ融資活用で資金繰り改善、人材採用成功 |
F&M Clubの確かな実績で、中小企業の経営を継続的に支援します。
まとめ
融資返済の免除は可能かについて解説しました。一度借入れた融資の返済期限は間違いなくやってきます。
借入を免除することはポストコロナであったとしても社会情勢が許さない限り難しいといえそうです。
さまざまな指標で改善の兆しはあるものの、足元の中小企業の経営状況は決して予断を許さない状況になっています。
最新の支援情報を得て、可能な限り早い経営課題の解決が望まれます。
F&M Clubはポストコロナを乗り切るために、経営でお悩みの経営者のお力となります。
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