
コロナ融資の返済ができない!?返済不能になる前の事前準備
コロナ融資の元金返済が始まっている企業が増えています。
コロナ前よりも借入返済が増えてしまった、このままではコロナ融資の返済ができないかも!?と不安な経営者も多くいらっしゃいます。
本記事では、融資の返済ができないかも…というときの事前準備や、そうならないための対策をわかりやすく解説します。
まず「知ること」と「5つのアクション」から始めてみましょう。
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目次[非表示]
- 1.融資の返済ができないときは
- 1.1.借入金、返済条件を確認
- 1.2.資金繰りを予測する
- 1.3.融資は返さなくてもいい?
- 1.4.銀行から借りても返さなくてもいい方法がある?
- 1.4.1.リスケジュールは最終手段
- 1.4.2.借りても返さなくていい(状態が認められる)融資
- 1.4.3.(最終期限まで)返さなくてもいい融資
- 2.融資の返済ができないときの対処法
- 2.1.追加融資を受ける
- 2.2.借入以外の資金を調達する
- 2.3.リファイナンス(借り換え)をする
- 2.4.リスケジュール(返済猶予)する
- 2.5.事業の抜本再生をおこなう(私的再生手続、法的再生手続)
- 2.5.1.DDS(ディー・ディー・エス。デッド・デッド・スワップの略)
- 2.5.2.DES(ディー・イー・エス。または、デス。デッド・エクイティ・スワップの略)
- 2.5.3.債権カット
- 2.6.事業を売却する
- 2.7.事業を清算する、債務を整理する(私的整理、法的整理)
- 3.借入が返済不能にならないための対策
- 3.1.業績見通しを立てておく
- 3.2.資金繰り表を定期的に作成しておく
- 3.3.金融機関と相談しやすい関係になっておく
- 3.4.返済できない!?を回避するためには、専門家の活用が有効です
- 4.返済できない状態になる前に、F&M Clubにご相談ください
- 5.まとめ
融資の返済ができないときは
中小企業の中には、預金が十分ではない会社も多くあります。
このため、売掛金の回収が遅れるなどの突発的な原因や、コロナや仕入価格の上昇で赤字になっているなどの構造的な原因によって、融資の返済ができないときもあります。
融資の返済ができないときは、まずは落ち着いて、状況確認から始めましょう。
借入金、返済条件を確認
現時点での借入金の残高、返済金額などを確認します。
据置期間内で元金返済が始まっていない借入も「いつから、いくらの返済が始まるのか」を正確に把握します。
資金繰りを予測する
今後の売上入金予定、経費や借入返済の予定を確認します。
資金の過不足を客観的に把握するためには、資金繰り表の作成が必須です。
資金繰り表を作成することで、「いつ、いくら資金不足となるか」が明確となります。
資金不足が一時的であれば臨時の借入で対応可能ですが、資金が足りない期間が長くなる場合はきちんとした財務対策が必要です。
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融資は返さなくてもいい?
融資は返済を前提しているため、最終的には返済が必要です。
短期借入金やコロナ融資などの無担保融資なども返済できないとなると、経営に最も大切な信用を失い、最悪の場合、事業が継続できなくなります。
銀行から借りても返さなくてもいい方法がある?
借入は返済が必要ですが、一定の期間だけ元金返済を停止するリスケジュール(リスケ、返済猶予ともいいます)という手段があります。
リスケジュールは一定の期間、金融機関から借りても返さなくてもいい方法を作り出しますが、デメリットも存在します。
リスケジュールは最終手段
リスケジュールによって借入返済を停止あるいは大幅に減額している間は、減額した元金の返済と利息の支払のみとなり、返済負担が軽くなります。
ただし、あくまでも一定の期間だけの措置です。
リスケジュールとは、現時点では返済が難しいものの、
- 今後の経営改善で、数年以内に収益の改善が可能
- 経営改善計画書などで、今後の返済が合理的に説明できる
- 元金返済を停止した期間の返済額は、リスケジュール終了後に上乗せで返済する
ことが前提です。
また、リスケジュールには次のデメリットが考えられます。
- 基本的にリスケジュールしている間は新規の借入ができないことが殆ど
- リスケジュール後、以前の返済条件に戻しても、リスケジュールの履歴が金融機関に残る(その後の借入における審査のハードルが上がる)
新たに借入ができない状況で、資金繰りを全て自社だけで賄うことになるため、リスケジュールには慎重な検討が必要です。
借りても返さなくていい(状態が認められる)融資
借りても返さなくていい状態が認められる融資、という考え方もあります。
正確には「結果的に残高が減っていなくとも問題ない融資」という考えです。
<貸借対照表によるイメージ>
売掛金 |
買掛金 |
|
100 |
150 |
|
在庫 |
(150) |
←借入金のうち150は常に必要 |
200 |
借入金 700 |
|
…… |
(550) |
売掛金と在庫の合計額から買掛金を引いた部分は、正常運転資金と呼ばれます。
正常運転資金は、企業が継続している間、常に必要であるため、「借入が減っていなくても問題ない」として取り扱われます。
融資のうち、正常運転資金として借りている融資は「銀行から1億借りても返さなくていい」という見方を指します。
正常運転資金は多くの経営者が手形貸付という短期借入金を利用し、期限ごとに書き換えを行うため、借入残高が減っていないことがあります。
ただし、あくまでも返済義務がある借入であることは変わりません。
(最終期限まで)返さなくてもいい融資
最終的に返済が必要ですが、借入時から最終期限まで元金返済がない融資も存在します。
例えば、期間5年で最終期限の5年後に全額返済する期限一括返済型の融資または劣後ローンなどです。
最終期限までの元金返済がない前提の融資であるため、今ある借入を期限一括返済型の借入にリファイナンスすれば、自社の信用を傷付けずに最終期限までの返済負担を軽くできます。
ただし、元金返済がないため金融機関のリスクが高く、審査のハードルが高くなります。
融資の返済ができないときの対処法
「資金繰りを予想すると運転資金が足りない、融資が返済できない」ということもあり得ます。
その時に必要な対処法は、次のとおりです。
追加融資を受ける
追加で運転資金を借入することで、当面の資金不足をカバーします。
赤字による資金不足などの場合は追加融資が主流となります。
ただし、借入が増えると返済金額も増えます。
借入以外の資金を調達する
借入以外にも、運転資金の調達方法はあります。
例えば、
- 増資
- クラウドファンディング
- 売掛金の売却(ファクタリング)
- 補助金や助成金
などが挙げられます。
リファイナンス(借り換え)をする
返済金額が負担である場合は、現実的な対策です。
今返済している借入を新たな借入で返済することで、運転資金の調達と今後の返済額の減額を同時に実行できます。
リファイナンスのポイントは新規の借入の返済期間をなるべく長期にすることです。
運転資金の借入期間は3年~5年が主流ですが、伴走支援型特別保証制度を利用すれば、最長10年間での返済が可能です。
リスケジュール(返済猶予)する
リスケジュール(リスケ)とは、一定の期間内について、元金返済を大幅に減額またはストップすることで、資金繰りを維持する方法です。
金融機関側においても、銀行や信用保証協会、日本政策金融公庫などで、返済猶予の相談窓口が開設されています。
リスケジュールは、
- 経営改善計画書が求められる
- 金融機関の合意が必要
- リスケジュール期間中は借入ができないことが殆ど
などの事務負担やデメリットもあるため、信頼できる専門家と慎重に検討しなければなりません。
事業の抜本再生をおこなう(私的再生手続、法的再生手続)
収益の改善をおこなうと同時に、リスケジュールではカバーしきれない借入を処理することもあります。
裁判所が関与する民事再生などの法的再生手続と、会社と金融機関だけで行う私的再生とがあります。
私的再生は、債務者である会社と債権者である金融機関との合意だけで成立し、仕入先や従業員などへの影響もありません。
私的再生においては、抜本再生と呼ばれる、次の手法がとられます。
DDS(ディー・ディー・エス。デッド・デッド・スワップの略)
融資残高の一部を劣後債に転換します。
劣後債の返済を期間15年などの超長期一括返済にするのと同時に金利を大幅に引き下げます。
DES(ディー・イー・エス。または、デス。デッド・エクイティ・スワップの略)
融資残高の一部を、借入している会社の株式に転換します。
株式に転換した金額は融資ではなくなり、返済義務がなくなります。
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債権カット
借入残額の一部を債権放棄(債務免除)してもらう手法です。
債権放棄された部分については、連帯保証している経営者個人が返済を求められることがあります。
いずれの手法も専門家がチームを組んで、緻密な調査の上で金融機関と協議することとなります。金融機関への負担が大きいため、相当にハードルが高くなります。
事業を売却する
現状では収益の改善が見込めないときは、事業または会社そのものを売却することもあり得ます。近年は中小企業のM&Aも活発であるため、「経営を引き継ぎたい」という買い手が現れることもあります。
ただし、資金繰りが厳しくなってからの事業の売却は、予想以上に価格が低いことも多くあります。
事業を清算する、債務を整理する(私的整理、法的整理)
あらゆる手段でも銀行借入が返済不能な場合は会社を清算し、残っている借入などの債務を整理することとなります。
債務の整理には、裁判所が関与する破産などの法的整理と、関係者のみで行う私的整理とがあります。
経営者が融資にあたって個人保証している場合、会社を清算しても最終的に返済できない金額は保証人である経営者個人が返済する義務があります。
借入が返済不能にならないための対策
借入が返済不能になれば、預金口座や資産の差し押さえ、不動産の強制売却なども考えられ、事業が継続できなくなります。
借入が返済不能にならないためには、普段からの対策が必要です。
業績見通しを立てておく
まず、今後の売上と経費の見通しを立てることが必要です。
客観的にわかりやすい、事業計画書の作成が有効です。
事業計画書の作成はさまざまな補助金申請へ応用するなどの活用法もありますが、経営者への事務負担がかかり、専門的な知識が必要な部分もあります。
計画書の作成や補助金申請に積極的な専門家の活用が有効です。
資金繰り表を定期的に作成しておく
資金繰り表の作成は資金不足を事前に予測できるため、融資が返済できない状態を防ぐには大変有効です。
資金繰り表にはさまざまな様式があるため、自社にあった様式を使用します。
また、資金繰り表は定期的に見直し、専門家などの外部の意見を参考にして、キャッシュフロー改善に活かすことができます。
どんなに些細な悩みでも構いません。まずは心の負担を軽減するためにもお気軽にご相談ください。
金融機関と相談しやすい関係になっておく
融資が返済できないなどの相談ばかりではなく、常に金融機関と話をしやすい状態にしておくことはとても大切です。
金融機関と話をしやすい関係を築くためには、
- 事業計画を作成して説明する
- 定期的に業績や資金繰り見通しを対話する
- 毎期の決算内容を説明する
など普段からの接触が有効です。
金融機関側からみても「今月中に融資を」と急に言われても大変困ります。
経営者にとっても、資金管理が杜撰な経営者と判断されると、その後の融資審査に良くない影響が出ることもあります。
資金繰り表に基づいて、時間に余裕がある資金計画を説明できることが、スムーズな融資を導きます。
返済できない!?を回避するためには、専門家の活用が有効です
将来の資金不足の発生を予測するためには、業績の見通しと資金繰り表の作成が必要です。
業績や資金繰りの見通しを作成するためには専門的な知識が必要で、社員には資金繰りを相談しにくいなどの事情があります。
中小企業の経営者にとっては、資金繰りの相談相手は気軽に相談しやすい社外の専門家を選ぶことが必要です。
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まとめ
コロナ融資やその他の無担保融資に限らず、借入は返済が必要です。
借入が返済できない状況は事業の継続そのものを揺るがします。
返済できない状態になる前に普段からの資金繰り表の作成やキャッシュフローの改善、事業計画書の作成などが大切です。
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