借入時にバンカーが会社を見るポイント5選
金融機関の担当者は、貴社のどこを見て融資を決めているのかご存知ですか。
借入するときは、金融機関は貴社の決算書を中心に、さまざまなことを見ています。決算書だけで貴社を十分に説明することは難しいです。
本記事では、決算書を中心に金融機関が会社を見るポイント5つをわかりやすく解説します。
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金融機関の担当者が見るポイント
金融機関の担当者は、決算書を中心にさまざまな資料や資料以外の要素を融資の審査書類をまとめて、決裁者へ回しています。
借入時に金融機関の内部で審査するときの重要点は「業績」「見通し」「資金繰り」「返済」「会社の強み」の5つです。
決算書
「業績」を確認する基本の資料です。
各社が提出した決算書は金融機関の中でデータ処理され、貴社を点数化(スコアリング)します。点数化と同時に「格付」「債務者区分」が決まり、貴社への融資の可否や金利などの条件の基本が固まります。その後、支店や担当者などの判断で事業の見通しなどを加味したうえで、融資の詳細条件が固まります。
また決算書を提出するときは、貴社にとってより有利となる出し方があることに気を付けておくと有利です。
【決算書を出すときのポイント】
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事業計画書
今後の見通しを確認する資料です。特に赤字決算の翌年などにおける融資の申込みに対して必要といわれることもあり、作成のためには時間がかかります。普段作成していない場合は、代わりに金融機関の担当者が見通しを作成することとなり、審査にかかる時間が長くなります。
決算の申告や翌年の予算を作成したときに、同時に計画書を作成しておくことが効率的です。
【事業計画書で見られている項目】
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資金繰り
会社を維持する生命線が「資金繰り」です。金融機関も最重要視しており、説明するためには資金繰り表の作成が最適です。
作成していない場合であっても、資金収支表やキャッシュフロー計算書を作成しておくべきです。自社の事業内容に適した形式が望ましいですが、独自性が強すぎると金融機関において把握しにくくなるため、ある程度一般的な形式が望ましいです。
【資金繰りで見られているポイント】
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返済能力
今後、借入の返済を続けられるかどうかがチェックされます。短期間の返済見通しを確認する資金繰り表とは異なります。
決算書や事業計画書に基づいて、「債務償還年数」「有利子負債キャッシュフロー倍率」などについて、実績と予想期での数値が確認されています。
【返済能力で見られているポイント】
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経営者と経営資源
決算書や計画書などの書面だけでなく、経営者の姿勢や社内の体制も見られています。
経営者については、経営にかける熱意や業界での立場、地元での評判や経営者個人の資産状況などです。
社内体制では、経営者を補佐する社員や経理担当者の有無、店舗や工場などの状況なども含めて見られています。あわせて、業績を定期的に把握し、金融機関へも報告する会社であるかなども加味されます。普段から金融機関に報告・相談する会社に対しては、印象が良くなります。
中小企業の場合は、経営者や経理担当者が業績や資金繰り見通しを把握しているかどうかが特に大切なポイントです。
【経営者と経営資源で見られるポイント】
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借入を有利にする方法
決算書は過去の業績を数字で表現しているだけです。景気がいいときの決算書もあれば、苦境のときの決算書もあります。
「赤字決算の翌年は借入ができない」では困ります。
数字に表れない貴社の強みや今後の見通しを説明することで、会社の将来に対する金融機関からの評価を引き出すことができます。
事業性評価融資
事業性評価融資とは、決算書などの過去の数字以外の定性的な事柄を融資の審査に活用する方法です。
具体的にみられている点は次のとおりです。
【事業性評価融資でみられるポイント】
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上手な資金調達と資金繰りの改善で会社を伸ばしてきた経営者は、普段から金融機関へ説明しています。決算書以外の部分も説明しておくことが、自社への評価を引き上げ、資金繰りや資金調達を円滑にできることを理解しているためです。
内容はいずれも補助金申請書類と似ていますが、銀行などの金融機関が自社を見るポイントは必ずしも特殊な点ばかりではありません。
資金繰りが最重要
会社を維持するためには、信用が必要です。
信用がない会社は資金調達できないうえ、商品の仕入も全て現金払いです。支払いができない会社はいずれ行き詰まるため、資金繰りの見通しをたてて、問題なく支払いができるようにしておくことが資金繰りであり、企業を存続させる命綱です。
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金融機関がみる格付とは?
金融機関へ提出した決算書のデータ処理を格付(スコアリング)といいます。
金融機関ごとに若干の独自性はあるものの、格付に使用される指標の多くは同じです。そして、金融機関が共同で使用できる指標を集めた点数化システムが「CRDスコア」です。
CRDスコアは、国内169の金融機関や信用保証協会が提供した決算書の数値のみを、一般社団法人CRD協会がとりまとめて評点化します。保有データの量は国内最大規模であるため統計的に優れており、多くの金融機関の審査において利用されています。
同時に、多くの中小企業の借入で利用されている信用保証協会でも、保証料率の区分の決定に利用されています。
金融機関が決算書でみている項目を理解するためには、CRDスコアを知ることが近道です。
なお、格付とよく似た言葉に「債務者区分」があります。
債務者区分とは、点数に応じた格付ごとに「正常先」「要注意先」「要管理先」「破綻懸念先」「(実質)破綻先」に区分けすることです。債務者区分で破綻懸念先以下となると、一般的に借入が難しくなります。
F&M Clubの財務格付診断で資金繰りを改善
経営者自身も、自社の決算書に対する金融機関の評価を知っておくことで、金融機関の行動や条件が予測しやすくなり、リファイナンス(借り換え)などの資金調達や資金繰りの改善を事前に検討できます。
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サービスの中に、金融機関や信用保証協会が採用しているCRDスコアと同じシステムを使用することで、自社への金融機関の評価を確認できます。F&M Clubの資金繰り改善サポートは次のとおりです。
【F&M Clubの資金繰り改善サポート】
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まとめ
決算書のどこを金融機関が見ているかを理解することは、自社の資金繰りの改善につながります。
決算書などを利用した多くの指標を理解する必要はありません。CRDスコアなどの汎用的な格付システムの結果をみることで、自社の財務改善の課題が明確となります。
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