保存版:中小企業の経費削減20項目チェックリスト【経営者必見】
インフレによる物価高騰が会社の経費にも大きな影響を与えています。
原油・原材料の高騰も事業活動に必要不可欠な光熱費も高騰しており、経費削減の必要性が増しています。
また、賃上げ圧力や増税議論が加熱する中、中小企業の経営者は社員のモチベーションや商品・サービスの品質を下げずに経費を削減しなければなりません。
本記事では、中小企業がすぐにおこないたい経費削減20項目を選定しました。
具体的な経費削減品目も一覧にしているため、明日から経費削減に努めましょう。
目次[非表示]
- 1.なぜ今、経費削減なのか?
- 2.中小企業が確認したい経費削減20項目
- 2.1.法人カード・インターネットバンクを使っていますか?
- 2.2.請求書や見積書のペーパーレス化は済んでいますか?
- 2.3.事務・経理業務をアウトソーシングできているか?
- 2.4.従業員の交通経路は適正ですか?
- 2.5.無駄な交際費(接待)はありませんか?
- 2.6.社用車は新車?中古車?
- 2.7.高速道路はETCを利用していますか?
- 2.8.マイルを活用していますか?
- 2.9.緊急時以外でタクシーを使っていませんか?
- 2.10.電話料金は適切ですか?
- 2.11.不要な印刷を許容していませんか?
- 2.12.サブスクサービスの検討はお済みですか?
- 2.13.インターネット通信で不要なオプションはありませんか?
- 2.14.インターネット契約を見直しましたか?(乗り換え割引を利用)
- 2.15.経費精算・会計システムの導入は済んでいますか?
- 2.16.事務機器は全て新品を利用していませんか?
- 2.17.電気代の節約はできていますか?
- 2.18.不正防止対策は万全ですか?
- 2.19.オフィスの福利厚生は定期的に見直していますか?
- 2.20.オフィス内の清掃を怠っていませんか?
- 3.経費削減対象品目一覧を確認しましょう
- 4.経費削減で注意したいポイント
- 5.まとめ
なぜ今、経費削減なのか?
経費削減の目的は企業の利益を増加させるためです。
売上の増加によっても利益を増加させることができますが、商品価格に上乗せする、限られた人員の稼動を増やすといった方法も取れますが、顧客や従業員の理解を得ることが難しい可能性があります。
また、会社の資金繰りを安定させるためには、キャッシュフロー(現金の流れ)を把握し、会社に現金を残しておかなければなりません。
経費は見過ごされやすい支出である一方、改善できれば、手元に現金が残りやすくなります。
従業員の雇用を守る上でも経費削減は資金繰り改善にもつながるため、積極的に取り組む必要があります。
経費削減は従業員の意識改革をおこなうことでも可能ですが、仕組みや利用するサービスを変えるだけでも実現可能です。
そのため「経費削減のため、何を変えれば良いか」を知っているか、知らないかだけで手元に残るお金が大きく変わります。
本記事で紹介する「中小企業が取り組むべき経費削減20項目」を確認し、すぐにでも取り掛かってみてください。
中小企業が確認したい経費削減20項目
中小企業が経費削減できる項目は決して難しいものではありません。
仕組みやサービスを変更するだけでも劇的に改善できます。
法人カード・インターネットバンクを使っていますか?
法人カードと経営者個人カードの違いは、振込手数料が異なります。
作成には審査があり、年会費がかかりますが、従業員数が多いとそれだけ経費精算のための手数料が必要です。
そのため、経費精算では必ず法人カードを使用しましょう。
また、最近ではインターネットバンクで支払いを管理する企業も増えています。
都市銀行や地方銀行と比べても振込手数料が安く、経費精算用にインターネットバンクを開設することもおすすめです。
請求書や見積書のペーパーレス化は済んでいますか?
紙による請求書や見積書は倉庫代やオフィススペースなど保管費用に加え、印刷費や処理する人件費が必要です。
ペーパーレスにすることで、利益を生み出さない業務の経費を削減でき、保管スペースを有効活用できます。
事務・経理業務をアウトソーシングできているか?
事務や経理業務の内容は入力業務や書類整理などの定常業務が多く、他の会社と異なる作業も少ないため、アウトソーシングしやすい業務といえます。
アウトソーシングは経理担当者の人件費のほか、教育コストの削減にもつながります。
アウトソーシングの「社内にノウハウが蓄積されない」というデメリットも受けにくいため、経費削減と相性が良いといえます。
従業員の交通経路は適正ですか?
従業員から申請された交通経路が最短かつ最安となっているか確認しましょう。
同じ目的地でも使用している路線によって、交通費に差があることがあります。
従業員ひとりの交通費の差額は小さくても、従業員が多い場合、不必要な経費額が増えてしまいます。
また、交通費申請の不正をなくす上でも効果的です。
無駄な交際費(接待)はありませんか?
営業において、案件を獲得するために接待は欠かせません。
しかし、営業が主体の企業では、例え交際費が少額でも営業担当者が多いとその経費も見過ごせません。
無駄な交際費を抑えるためにも、申請時に目的や成約に至る精度を確認する承認フローを確立しましょう。
また、交際費を管理することで、営業担当者の経費に対する意識改革も可能です。
従来、接待に費やしていた時間を新規開拓の時間に回すなど、労働生産性向上にもつながります。
社用車は新車?中古車?
減価償却費で考えると、新車よりも中古車の資産が低いため、節税につながります。
但し、新車と比べて中高車は維持費(故障の修理など)がかかりやすいため、中古車選びは慎重におこないましょう。
そのほか、節税につながるハイブリット車や電気自動車への乗り換えもおすすめです。
高速道路はETCを利用していますか?
地方でマイカー通勤を推奨している企業や、営業所を行き来する機会が多い企業は、従業員の経費精算を削減するためにもETCの利用を促しましょう。
従業員数が多い企業ほどETC割引や通勤割引を利用することで、経費削減の効果が表れます。
マイルを活用していますか?
飛行機による出張はマイレージで貯めたマイルを活用しましょう。
マイレージを利用するためには、従業員個人の名義での契約が必要となるため、管理体制を構築してから導入しましょう。
マイルによる航空券の交換で燃料サーチャージが免除される航空会社もあるため、原油高の時期の飛行機出張には高い経費削減効果が期待できます。
緊急時以外でタクシーを使っていませんか?
タクシーは公共交通機関と比べて高額です。
緊急時以外はタクシーの使用は控える、上長の承認を必須とするなど管理体制を強化して、経費削減に取り組みましょう。
電話料金は適切ですか?
固定電話はIP電話(インターネットを利用した電話)と比べて電話料金が割高です。
※固定電話はIP電話よりも月額料金が安いが、距離に応じて電話料金が高くなります
IP電話は、電話とインターネットのネットワークをひとつにできるため、固定費を削減できます。
また、営業担当者が多い企業では、固定電話・IP電話ではなく、社用携帯電話に切り替えることで社外でも使用できるため、費用対効果が高いといえます。
不要な印刷を許容していませんか?
会議資料はPDFで共有する、社内文書はモノクロ印刷を徹底する、両面印刷・1ページ印刷(1ページに資料2枚をまとめる)などで印刷の削減が可能です。
一般的に印刷には1枚10円の経費(カウンター料金や用紙・インク代など)がかかります。
従業員が多い企業では、本当に必要な資料を印刷するようにするだけで、紙や用紙代などの削減につながります。
また、初期費用を高くし、カウンター料金(印刷枚数毎に支払う料金)を安くする方法も効果的です。
購入時にコピー機の利用期間を想定し、年間印刷枚数を算出することで、年間数十万円の経費削減につながることもあります。
無駄な会議を減らすことも間接的に不要な印刷を減らすことにつながるため、オンライン会議の推進も効果的です。
サブスクサービスの検討はお済みですか?
現在、さまざまなサブスクサービスが提供されています。
SaaSをはじめとしたソフトウェア利用や印刷も定額制を導入するサービスが増えています。
事業で必要なソフトウェアや福利厚生など従量課金ではなく、定額のサブスクサービスに乗り換えることも検討しましょう。
※SaaSは従業員規模や利用アカウント数によって、費用が異なることがあります。
インターネット通信で不要なオプションはありませんか?
インターネット契約にはVPNや独自ドメインを利用したメールアドレスがオプションとして契約内容に追加されていることがあります。
VPNはリモートワークが広がる中、セキュリティの観点から必要不可欠となっており、独自ドメインも信頼につながります。
最近では、VPNやメールアドレスを独自サービスとして提供しているため、インターネットのオプションではなく、専門サービスを利用する方が経費削減になりやすいといえます。
インターネット契約を見直しましたか?(乗り換え割引を利用)
契約更新時にインターネット契約を見直してみましょう。
電話と同時に加入する、乗り換え割引を活用すると固定費の削減につながります。
経費精算・会計システムの導入は済んでいますか?
経費精算システムは領収書の受け取りからシステム入力までワンストップで提供しているサービスも多く、経理担当者の入力業務や営業担当者の申請作業、承認フローの簡略化ができ、人件費の削減につながります。
また、導入する経費精算システムと連携が可能な会計システムを導入することで、さらなる業務削減が可能です。
事務機器は全て新品を利用していませんか?
コピー機をはじめ、事務機器の購入は初期費用が高くつきます。
また、リースも長期視点で見ると経費が膨らみことがあります。
新品を購入する際は、ランニングコスト(故障や運用上必要なメンテナンス)、中古品の購入も検討しましょう。
電気代の節約はできていますか?
近年、原油高の影響で電気代が高騰しています。
トイレや会議室など誰も使用していない部屋の節電を徹底する、蛍光灯からLEDライトに変更するなども検討しましょう。
不正防止対策は万全ですか?
従業員が不正な経費精算でお金を受け取っていることも珍しくありません。
定期区間の二重申請や未申請での自転車通勤への切り替えで不正に経費を受け取っていないか定期的に確認しましょう。
オフィスの福利厚生は定期的に見直していますか?
営業所が多い会社では、自動販売機の手数料も高額になっている可能性があります。
従業員数が少ない営業所は廃止する、サブスクサービスを利用するなど見直しましょう。
オフィス内の清掃を怠っていませんか?
空調清掃はエアコンの効力を高めて、電気代の削減につながります。
そのほか、清掃の回数を見直すなども効果的です。
経費削減対象品目一覧を確認しましょう
以下に経費が削減できる対象品目を一覧にしました。
すぐに取り掛かれる品目もあるため、無駄な経費がかかっていないか確認しましょう。
■経費削減対象品目一覧
オフィス・事務 |
複合機 トナーインク コピー用紙 事務用品 オフィス飲料 ラミネート 自動販売機手数料 屋外広告 |
日常店舗 |
一般廃棄物 クレジットカード手数料 産業廃棄物 現金輸送 古紙買取 有線放送 廃油買取 レンタルマット チラシ 証明写真 |
保守・メンテナンス |
機械警備 消防点検 昇降機保守 電気保安 清掃(定期・日常) 駐車場警備 空調清掃 保安警備 害虫駆除 |
工場・生産 |
包装資材 マスク 手袋 ユニフォーム ラベルシール ポリ袋 ずきん 洗剤 エプロン 電力 |
経費削減で注意したいポイント
経費削減は利益に直結する重要な施策といえます。
一方で、経費削減を優先することで思わぬ弊害が出ることもあります。
従業員のモチベーションや作業効率を下げる
従業員への理解なくして、経費削減を進めることは従業員のモチベーション低下につながります。
福利厚生のカットや行き過ぎた事務用品の調達先指定は従業員の負担を増やし、返って生産性が低下する可能性があります。
資金繰りの悪化といった特段の理由がない限り、従業員の理解を得ないままの経費削減は避けましょう。
商品やサービスに影響がある経費削減
原油・原材料の高騰により多くの中小企業が企業努力による経費削減を実施しています。
一方で、過度な経費削減は商品やサービスの品質を低下する恐れがあります。
商品・サービスの品質低下は企業価値の毀損につながります。
また、経費削減のため、従業員の安全が維持できない状況は労務トラブルに発展する可能性があるため、注意しましょう。
まとめ
経費削減は会社の利益改善に大きく寄与します。
普段、何気なく使用している経費も定期的に見直すことで改善できます。
資金繰りが悪化している企業にとって、事業の収益改善と同じくらい経費削減も重要です。
一方で、行き過ぎた経費削減は従業員のモチベーション低下や商品・サービスの品質低下につながります。
「何が必要で何が必要ないか」「経費削減によって得られる効果と影響は何か」をしっかりと見極めた上で経費削減に努めましょう。
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