
ものづくり補助金と省力化補助金との違いは?比較と申請時のポイントを解説【2025版】
ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)と中小企業省力化投資補助金(一般型)は、いずれも2025年に経営者の間で注目されている補助金です。
ただし、この2つの補助金には共通点も多く、「どちらに申請すべきか迷っている」方も多いでしょう。
本記事では、ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)と中小企業省力化投資補助金(一般型)のそれぞれの特徴や違いをわかりやすく解説し、申請先の判断に役立つ情報をお届けします。
目次[非表示]
ものづくり補助金と省力化補助金の主な違い
ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)と、中小企業省力化投資補助金(一般型)は、対象となる事業計画の内容などに違いがあります。
主な違いを以下にまとめましたので、詳しくはこのあと解説していきます。
(以降、両者をそれぞれ「ものづくり補助金(高付加価値化枠)」「省力化補助金(一般型)」と表記します。)
【ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の主な違い】
- 補助対象の目的が異なる
ものづくり補助金(高付加価値化枠)は、新製品・新サービスの開発等が対象で、付加価値額の 増加が求められます。
一方、省力化補助金(一般型)は、ITや設備導入による業務の効率化・省人化が対象で、労働生産性の向上が求められます。
- 補助上限額の違い
省力化補助金(一般型)のほうが、補助上限額が高い設定です。
- 補助率の違い(補助金額による)
補助金額が1,500万円以下の場合、両補助金の補助率は同じです。
ただし、1,500万円を超える場合は、ものづくり補助金(高付加価値化枠)の補助率が高くなります。
【参考】ものづくり補助金公募要領(第20次公募)|ものづくり補助金事務局
【参考】中小企業省力化投資補助金(一般型)公募要領(第2回公募)|中小企業基盤整備機構
ものづくり補助金と省力化補助金の対象となる主な取り組み
「ものづくり補助金」(製品・サービス高付加価値化枠)は、新製品・新サービスの開発を通じて付加価値の向上を図る、“攻めの経営”を支援する補助金です。
一方、「中小企業省力化投資補助金」(一般型)は、IT活用や設備導入による業務の効率化、省人化を目的とした“守りの経営”を支援する補助金といえます
なお、「ものづくり補助金」と「省力化補助金」にはそれぞれ2つの補助枠が用意されており、主な違いを以下にまとめると次のとおりです。
対象となる主な取り組み |
|
ものづくり補助金 (高付加価値化枠) |
革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化 |
ものづくり補助金 |
海外展開を通じた国内事業の生産性向上 |
省力化補助金 |
デジタル技術などを活用し、人手不足に対応するオーダーメイド設備の導入 |
省力化補助金 |
省人化効果のある汎用機器(カタログ掲載機器)の単体導入 |
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助率・補助上限額
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)は、補助率や補助上限額に違いがあります。以下にそれぞれの違いをまとめます。
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助率の違い
ものづくり補助金(高付加価値化枠)の補助率は1/2または2/3です。また、最低賃金引き上げ特例を適用する場合は2/3となります。
省力化投資補助金(一般型)の補助率も同じく1/2または2/3ですが、補助金額1,500万円超の部分は補助率が1/3となります。
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)とも、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準とする企業について補助率を2/3とする特例措置があります。
【ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助率の違い】
ものづくり補助金 |
省力化補助金 |
|
中小企業 |
1/2 |
1/2 1/3 |
最低賃金 |
2/3 |
2/3 1/3 |
小規模・再生 |
2/3 |
2/3 1/3 |
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助上限額の違い
ものづくり補助金(高付加価値化枠)の補助上限額は750万円から3,500万円です。(従業員数および特例措置により異なります)
一方、省力化補助金(一般型)の補助上限額は750万円から1億円です。(従業員数および特例措置により異なります)
【ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助上限額の違い】(括弧内は大幅な賃上げによる特例適用時)
従業員数 |
ものづくり補助金 |
省力化補助金 |
5名以下 |
750 万円 |
750万円 |
6名から20名 |
1,000 万円 |
1,500万円 |
21名から50名 |
1,500 万円 |
3,000万円 |
51名から100名 |
2,500 万円 |
5,000万円 |
101名以上 |
2,500 万円 |
8,000万円 |
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助対象経費
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助対象経費は、ほぼ同じです。ものづくり補助金(高付加価値化枠)においては、試作のための原材料費などが補助対象経費となります。
【ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助対象経費の違い】
主な補助対象経費 |
ものづくり補助金 |
省力化補助金 |
建物費 |
× |
× |
機械装置・システム費 |
〇 |
〇 |
技術導入費 |
〇 |
〇 |
運搬費 |
〇 |
〇 |
外注費 |
〇 |
〇 |
原材料費 |
〇 |
× |
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助対象要件の違い
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)は、それぞれ基本要件として求められる指標が異なります。
ものづくり補助金(高付加価値化枠)は、「付加価値額」の年平均成長率3.0%以上増加と、賃上げ(給与支給総額など)の年平均成長率2.5%以上増加などが要件です。
一方、省力化補助金(一般型)は、「労働生産性」の年平均成長率4.0%以上増加と、賃上げ(給与支給総額など)の年平均成長率2.0%以上増加などが要件となっています。
また、最低賃金の引き上げ要件は、ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)ともに、地域別最低賃金+30円以上の水準が要件となります。
【ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の補助対象となる要件の違い】
主な要件 |
ものづくり補助金 |
省力化補助金 |
付加価値額 |
年平均成長率 |
|
労働生産性 |
年平均成長率 |
|
賃上げ |
年平均成長率 |
年平均成長率 |
最低賃金引き上げ |
地域別最低賃金 |
地域別最低賃金 |
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の審査観点の違い
ものづくり補助金(高付加価値化枠)は、新製品・新サービスの開発における技術性・市場性・成長性が重視されます。特に、企業が目指す市場の特徴と、自社の強みとの整合性が評価のポイントとなります。
一方、省力化補助金(一般型)では、省力化指数(業務改善効果の指標)の高さが重視されます。導入する設備によって得られる定量的な効果が、採択の重要な判断基準となります。
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)のその他の違い
ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)には、これまで紹介した以外にもいくつか違いがあります。
事業実施期間
ものづくり補助金(高付加価値化枠)の事業実施期間は、交付決定日から10か月(採択発表日から12か月後の日)までです。
一方、省力化補助金(一般型)の事業実施期間は、交付決定日から18か月(採択発表日から20か月後の日)までであり、省力化補助金(一般型)のほうが、より長い実施期間となっています。
【ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の事業実施期間の違い】
ものづくり補助金 |
省力化補助金 |
交付決定日から 10 か月 |
交付決定日から18か月以内 |
加点措置
ものづくり補助金(高付加価値化枠)の加点措置は全15種類となっており、幅広い取り組みが加点措置の対象となります。
一方、省力化補助金(一般型)の加点措置は全6種類です。
【ものづくり補助金(高付加価値化枠)と省力化補助金(一般型)の加点措置の違い】
加点措置 |
ものづくり補助金 |
省力化補助金 |
経営革新計画 |
〇 |
× |
パートナーシップ構築宣言 |
〇 |
× |
再生事業者 |
〇 |
× |
DX 認定 |
〇 |
× |
健康経営優良法人認定 |
〇 |
× |
技術情報管理認証 |
〇 |
× |
J-Startup(地域版を含む) |
〇 |
× |
新規輸出1万者支援プログラム |
〇 |
× |
(連携)事業継続力強化計画 |
〇 |
〇 |
賃上げ加点 |
〇 |
〇 |
被用者保険の任意適用 |
〇 |
× |
えるぼし認定 |
〇 |
〇 |
くるみん認定 |
〇 |
〇 |
事業承継/M&A |
〇 |
〇 |
成長加速マッチングサービス登録 |
〇 |
〇 |
補助金申請から事業化報告までエフアンドエムがまるごとサポート
ものづくり補助金と省力化補助金は、いずれも高額な補助上限額が魅力の制度です。
しかし、採択されるためには、各補助金の制度趣旨や審査項目などを踏まえた、納得性の高い事業計画書の作成が不可欠です。
さらに、採択後には、毎年の事業化状況報告などの対応も求められ、事務作業が経営者にとって大きな負担となることもあります。
こうした背景から、補助金の申請支援を社外の専門家に依頼する場合は、申請支援だけでなく、採択後のフォローまで一貫して支援可能な専門家を選ぶことが重要です。
ものづくり補助金、省力化補助金などの、補助金申請でお悩みの経営者様は、国内トップクラスの補助金申請支援件数・採択件数の実績をもつエフアンドエムへご相談ください。
エフアンドエムは累計4,824件(2025年3月末時点)の採択実績があり、申請から採択後の報告対応までを一括サポートする『F&M補助金申請支援サービス』を提供しています。
【エフアンドエム『F&M補助金申請支援サービス』を選ぶメリット5つ】
事業再構築補助金累計採択件数1,591件!ものづくり補助金累計採択件数3,027件!
国内トップクラスの採択件数で豊富なノウハウがあります。
- 綿密な事前ヒアリングで経営者様の想いを計画書に反映
- スタッフ4名による本番さながらの事前審査を実施
- 交付申請から事業化状況報告までをトータルでサポート
- 10万円からチャレンジできる明確で安心な価格設計
またエフアンドエムでは、「資金繰り改善」など、経営ノウハウを網羅したサブスクサービス『F&M Club』も提供しています。
中小企業の経営者様をトータルでサポートするエフアンドエムへお気軽にご相談ください。