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新事業進出補助金とは?補助率・補助額や手続きを解説【2025年創設】

経済産業省から2025年に創設された中小企業新事業進出補助金の概要チラシが発表されました。
新事業進出補助金は、中小企業が新規事業へ進出し成長するための設備投資を支援する補助金です。新事業進出補助金の補助率は2分の1、補助上限額は9,000万円、補助対象経費は機械装置のほか建物も補助対象です。

本記事では、4月に公募開始となる新事業進出補助金の概要をわかりやすく解説します。



目次[非表示]

  1. 1.新事業進出補助金とは
  2. 2.新事業進出補助金の補助対象事業となる基本要件は5つ
  3. 3.新事業進出補助金の補助率、補助上限額
    1. 3.1.新事業進出補助金の補助率
    2. 3.2.新事業進出補助金の補助上限額
    3. 3.3.補助上限額引き上げとなる「大幅賃上げ特例」とは
  4. 4.新事業進出補助金の補助対象経費
  5. 5.新事業進出補助金はいつから?手続きの流れは?
    1. 5.1.新事業進出補助金は2025年4月公募(公募要領公開)予定
    2. 5.2.新事業進出補助金の手続きの流れ
  6. 6.新事業進出補助金を検討するときの5つのポイント
    1. 6.1.申請から受給までのスケジュールに注意
    2. 6.2.事業計画を練っておく
    3. 6.3.事業化状況報告を毎年提出
    4. 6.4.そのほかの補助金・税制優遇制度を調べておく
    5. 6.5.外部専門家の活用・金融機関との連携
  7. 7.補助金申請の検討はF&M Clubにおまかせ


新事業進出補助金とは

新事業進出補助金とは、中小企業が新規事業へ進出するときの建物・機械装置など設備投資費用の一部が補助される制度です。2025年に創設され、4月に初めて公募(公募要領の公開)がおこなわれます。

新事業進出補助金は補助率が2分の1、補助上限額が9,000万円であり、補助対象経費は建物費や機械装置費、広告宣伝・販売促進費などです。

新事業進出補助金の主な要件は、①付加価値額について年平均成長率+4.0%以上の増加、②給与支給総額について年平均成長率+2.5%以上の引き上げなどです。
 

新事業進出補助金の補助対象事業となる基本要件は5つ

新事業進出補助金は次の5つの基本要件を満たす事業計画書を提出し、審査通過、採択される必要があります。

【新事業進出補助金の対象となる基本要件】
①  新製品または新サービスを新規顧客へ提供することを通じて企業を成長・拡大させる
②  補助事業終了後3年間から5年間で付加価値額(または従業員1名あたり付加価値額)が年平均成長率+4.0%以上増加する
③  従業員1名あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業を実施する事業所がある都道府県における地域別最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上となる
または給与支給総額が年平均成長率+2.5%以上増加する
④  補助事業終了後3年間から5年間、補助対象事業を実施する事業所の最低賃金が、地域別最低賃金より+30 円以上高い水準となる
⑤  補助事業終了時点までに次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表などをおこなう

【参考】中小企業新事業進出補助金概要チラシ|中小企業庁


新事業進出補助金の補助率、補助上限額

新事業進出補助金の補助率や補助上限額をまとめると次のとおりです。
なお下記の情報は経済産業省が発表した概要チラシに基づいており、今後、公募要領の発表までに変更される可能性があります。

新事業進出補助金の補助率

新事業進出補助金の補助率は2分の1です。

新事業進出補助金の補助上限額

新事業進出補助金の補助上限額は2,500万円から9,000万円であり、従業員数区分によって異なります。

従業員数区分

補助上限額
(大幅賃上げ特例適用時)

従業員数20名以下

2,500万円
(3,000万円)

従業員数21名から50名以下

4,000万円
(5,000万円)

従業員数51名から100名以下

5,500万円
(7,000万円)

従業員数101名以上

7,000万円
(9,000万円)

補助上限額引き上げとなる「大幅賃上げ特例」とは

大幅賃上げ特例の要件に該当する場合、上記のとおり補助上限額が500万円から2,000万円引き上げられます。
大幅賃上げ特例の要件は補助事業終了時点で次の①と②の両方を満たすことです。

①  事業場内最低賃金について年額50円以上の水準での引き上げ
②  給与支給総額の年平均+6%以上増加

この2つの条件のいずれかでも未達の場合、補助上限額引き上げ分の補助金の返還を求められる可能性があります。

【参考】中小企業新事業進出補助金概要チラシ|中小企業庁


新事業進出補助金の補助対象経費

新事業進出補助金の補助対象経費は、建物費や機械装置費などであり、新事業進出補助金は、事業再構築補助金と同じく建物費が補助対象となる点が特長です。
なお、事業再構築補助金で対象外となる構築物費は、新事業進出補助金においては補助対象経費に含まれます。
 
【新事業進出補助金の対象となる経費】
(ハード費用)
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費
(ソフト費用など)
技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費

【参考】中小企業新事業進出補助金概要チラシ|中小企業庁


新事業進出補助金はいつから?手続きの流れは?

現時点において、新事業進出補助金の公募スケジュールは未発表であり、2025年4月に公募要領が公開され、今後のスケジュールについて明らかとなる予定です。


新事業進出補助金は2025年4月公募(公募要領公開)予定

新事業進出補助金の公募要領は、2025年4月に公開予定となっています。

新事業進出補助金の手続きの流れ


新事業進出補助金の公募手続きについて、現時点で発表されている流れは次のとおりです。
 
(STEP0)GビズIDプライムアカウントの取得
(STEP1)公募開始
(STEP2)交付候補者決定(採択)
(STEP3)交付申請・交付決定
(STEP4)確定検査
(STEP5)補助金請求
(STEP6)事業化状況報告、知的財産等報告

【参考】中小企業新事業進出補助金概要チラシ|中小企業庁


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新事業進出補助金を検討するときの5つのポイント

新事業進出補助金は「補助上限額が9,000万円と高額」「建物費が対象」など、魅力の多い補助金です。自社の投資計画において、新事業進出補助金の申請を考えている企業は、事前に準備をしておきましょう。
新事業進出補助金の申請に向けて、準備しておくポイントは次の5つです。


申請から受給までのスケジュールに注意

新事業進出補助金は、ほかの補助金と同じくスケジュール管理が大切です。新事業進出補助金において特に注意するスケジュールは次の3つです。

  • 申請期限

申請期限を必ず確認し、期限内に申請しましょう。
補助金は公募開始から申請期限までの期間が1か月から2か月となることが多く、短期間に申請書類を整える必要があります。

  • 補助事業期間は交付決定から14か月(採択発表から16か月)以内

建物の建築や改修工事の完了時期、機械装置の納入時期などが事業期間内となるか事前に確認しておきましょう。

  • 補助金受給までの費用の立て替え計画

補助金は機械などの購入費用を自社が支払った後、確定検査や交付申請の完了後に支給されます。
補助金が支給されるまで長期間にわたって投資費用を自社で立て替えておく必要があり、資金繰りに注意が必要です。



事業計画を練っておく

新事業進出補助金の審査基準は現時点では発表されていませんが、投資の効果(事業の成長)・賃上げ予定を記載した事業計画書の提出が要件であると公表されています。
これらの要件を計画書としてまとめるためには時間がかかるため、早めに投資内容や効果を検討しておきましょう。

審査員が納得し、採択につながる事業計画書を作成するためには、次のようなテクニックが必要です。自社で作成することが難しい場合は、外部専門家のサポートを活用することがおすすめです。

  • 具体的かつ定量的な説明
  • 審査基準(審査員が求めるポイント)に沿った内容の記載
  • 箇条書きや表、グラフ、写真などわかりやすい表現


事業化状況報告を毎年提出

新事業進出補助金は事業実施後、事業化状況報告が必要です。事業化状況報告は業績資料や賃金台帳など添付資料が複雑であり、忙しい経営者にとっては負担となります。
外部専門家のなかには、申請サポートに加え事業化状況報告など採択後の事務についてもサポートするサービスを提供している場合もあるため、活用を検討しましょう。


そのほかの補助金・税制優遇制度を調べておく

新事業進出補助金だけでなく、そのほかの補助金についても比較検討することがおすすめです。新事業進出補助金は、付加価値の成長率や賃上げ率などがほかの補助金より高い水準を求められる可能性があるためです。
新事業補助金の主な要件をほかの補助金と比較した場合、次の違いがあります。

  • 付加価値額の成長率

新事業補助金:年平均成長率+4.0%以上
ものづくり補助金(2025年公募の基本要件):年平均成長率+3.0%以上

  • 給与支給総額の成長率

新事業補助金:年平均成長率+2.5%以上
事業再構築補助金(13回公募):年平均成長率+2.0%以上(成長分野進出枠 通常類型)

2025年は新事業進出補助金の公募以外に、新設された成長加速化補助金や事業再構築補助金の最終回となる13回公募などがおこなわれます。

しかし、多数の補助金制度から自社が活用できる可能性がある制度を調べることは、忙しい経営者にとって負担が大きくなる場合もあるでしょう。
そのような場合は、補助金に詳しい外部専門家を活用することが効率的です。



外部専門家の活用・金融機関との連携

初めて公募がおこなわれる新事業進出補助金の申請など、手続きに不慣れである補助金申請は、外部専門家の活用が効率的です。
「審査員が理解しやすい計画書の作成ノウハウがある」「多くの公的支援策のうち、自社で活用できる制度について相談できる」などのメリットがあります。

補助金申請をサポートするサービスが多くの企業から提供されています。自社のニーズに合った外部専門家を選ぶためには、下記のようなサポートがあるか、考慮することがおすすめです。
 
【補助金申請の専門家を選ぶときのポイント】

  • 各種補助金の申請書作成ノウハウ・実績があるか
  • 採択後の事務手続きについてもサポートしてもらえるか
  • ほかの補助金・助成金・税制優遇制度に該当するか相談できるか
  • 補助金受給までのつなぎ資金や自己資金負担部分の資金調達について、金融機関との連携をサポートしてもらうことができるか


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補助金申請の検討はF&M Clubにおまかせ

新事業進出補助金は、新規事業へ進出することを通じて付加価値向上と賃上げに取り組む企業が対象となる補助金制度です。補助上限額が9,000万円と高額であるため、前向きな投資計画を検討している経営者様は、積極的に申請を検討しましょう。

「新事業進出補助金を活用して自社を成長させたい」
「従業員の採用と定着率の向上を図りたい」
「金融機関から投資資金を円滑に借入したい」
このようなお悩みごとはF&M Clubがサポートします。
 
F&M Clubは、ものづくり補助金などで国内トップクラスの申請件数・採択件数があるエフアンドエムが提供する、中小企業経営者様向けのサブスクサービスです。

  • 自社で使える可能性がある補助金・助成金の検索
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前向きな投資で自社を成長させたい経営者様は、ぜひF&M Clubへお気軽にご相談ください。



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