あなたの会社の借入の利息は何パーセント?融資条件をよくするためにできることとは?
借入金は企業の成長や運転資金の確保をおこなう上でも重要な経営戦略です。一方で、元本とともに返済する借入金の利息は、資金繰りの状況によっては足枷となることがあります。
そのため、多くの企業は安い利息で融資を受けようと財務改善や事業計画をしっかりとおこないます。
本記事では、会社の借入利息が適正なものかを把握した上で、融資条件を良くするためにできることを解説します。
目次[非表示]
- 1.中小企業への貸付金利について
- 2.金融機関は返済が可能な企業にしか融資しません
- 3.融資の条件を良くするための条件
- 3.1.貸借対照表の自己資本比率が高い
- 3.2.正常先として格付されている
- 3.3.営業利益と経常利益が適正である
- 4.融資条件を良くするためにできること
- 4.1.キャッシュフローを把握し、資金繰り改善
- 4.2.説得力のある事業計画書を作成
- 4.3.借り換えによる返済負担の軽減
- 5.資金繰りの改善はF&M Clubにご相談ください
- 6.まとめ
中小企業への貸付金利について
自分の会社の借入利息が高いか、安いかは、日本政策金融金庫の中小企業事業(主要利率一覧)が参考となりますになります。
日本政策金融金庫では、貸付期間を細かく分類して、基準利率を設けています。
貸付期間 |
基準利率 |
特別利率① |
特別利率② |
特別利率③ |
5年以内 |
1.20% |
0.80% |
0.60% |
0.55% |
10年超11年以内 |
1.50% |
1.10% |
0.85% |
0.60% |
15年超16年以内 |
1.80% |
1.40% |
1.15% |
0.90% |
19年超20年以内 |
2.00% |
1.60% |
1.35% |
1.10% |
※一部抜粋
日本政策金融金庫は、大手金融機関と比べて借入金利がかなり低く設定されています。
大手金融機関での借入金利は約2~3.5%が相場となります。また、いずれも借入を希望する企業の財務状況や事業計画書に基づいて、金利を決定します。
金融機関は返済が可能な企業にしか融資しません
基本的に金融機関は返済が可能な企業にしか融資をおこないません。そのため、金融機関は融資判断の前に融資候補先の財務状況や保全状況、そして他行の動向を確認して融資判断をおこないます。
財務状況は決算書や試算表、銀行借入一覧表、資金繰り表を元に判断します。通常は融資先の将来性を考慮して、融資の判断をおこないますが、現在、原油・原材料高騰とコロナ融資の元本返済が同時に起きている非常時であり、資金繰りを重点的に確認します。
そのため、現在では融資条件を有利にするためには、資金繰りの改善が最も効果的な方法といえます。
その他、銀行は融資の回収が不可能になった際の保全状況(信用保証協会や保証会社、連帯保証人、担保など)や他行の動向(融資候補先が取引しているメインバンクの存在)も考慮します。
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融資の条件を良くするための条件
金融機関からの融資条件を良くするためには、財務状況に高い評価を得なければなりません。
現在、さまざまなコストが値上がりしている状況では、会社の資産と負債は入念に確認されます。融資条件を良くするために、知っておきたい条件の一部を解説します。
貸借対照表の自己資本比率が高い
自己資本位比率に占める純資産が少ない場合、手元に資金がない、債務超過に陥りやすい企業として、判断される可能性があります。
資産のうち、売掛金や棚卸資金(在庫)は資産に計上されているだけの価値がないもの(実際に現金として存在しない)として判断されやすく、融資条件が不利になりやすいといえます。
そのため、貸借対照表の資産と負債、純資産のバランスを安定させるためには、キャッシュフローの見直しが必要です。
正常先として格付されている
金融機関の非公開情報に格付けが存在します。格付けは金融機関が融資を判断する基準であり、債務者区分を11段階で設定しています。
正常先の最も高い格付けである「リスクなし」であれば、低金利での借り入れが可能です。また、融資条件も積極的なものとなります。
主に正常先として格付けは11段階中6段階までとされており、「リスクなし」以外の格付けは金利も融資条件も段階的に厳しくなる傾向がありますが、事業計画や返済計画、資金繰りの改善計画を提示することで、交渉がしやすくなります。
営業利益と経常利益が適正である
金融機関は営業利益と経常利益が適正であるか、損益計算書で判断します。
本業で稼いだ利益である営業利益と企業活動を通して継続的に稼いだ経常利益の両方がプラスでなければ、融資返済が滞るため、金融機関は損益計算書の評価も重視します。
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融資条件を良くするためにできること
借入金利を低くし、融資条件を有利にするためには、融資をおこなう金融機関の視点に立って、自社の財務状況や経営の見通しを立てることが大切です。
キャッシュフローを把握し、資金繰り改善
「金融機関から融資の営業を受けない」「融資審査が厳しい」「融資がなかなか通らない」といった場合、決算書上は売上や利益が出ているにもかかわらず、手元に現金が残らない状態(自己資本比率が低い)に陥っている可能性があります。
多くの経営者は決算書を確認することはあってもキャッシュフロー計算書を確認していることは少ないといえます。まずは自社の財務状況を可視化する上でキャッシュフロー計算書を作成し、自社の資金繰りの状況を確認しましょう。
資金繰り表は、現金収入と現金支出を分類・集計でき、どのタイミングで現金の過不足が発生するかを確認することに長けた財務資料です。資金繰り表を作成し、どのタイミングで運転資金が不足し、対応が必要かを可視化することで、経費削減や不採算事業の整理がおこなえます。
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説得力のある事業計画書を作成
事業計画書は、金融機関に提出する決算書や損益計算書、貸借対照表の補完資料として必要です。
現在、原油・原材料費の高騰に加えて、あらゆるモノの値段が上がるインフレの状況が続いています。そのため、通常時に比べて、決算書や損益計算書の内容が悪い企業も少なくありません。
このような状況の中で、少しでも有利な融資条件を得るためには、きちんと返済ができる事業計画書の内容が重要となります。事業計画書には借入金の返済方法や返済原資について、記載することが一般的です。
少しでも融資条件を有利にするためには、事業計画と返済計画の整合性が取れているか、客観的に説得力のある事業計画書を作成しましょう。
また、資金使途も融資審査に影響が出ることがあります。融資を受ける主な目的は運転資金の確保と設備投資資金の2つに分類できます。設備投資資金として活用する場合、見積もり書とともに提出し、事業計画を実現するための必要性を説明しましょう。
借り換えによる返済負担の軽減
「融資条件を有利にしたい」と考えることは経営者として至極当然です。しかし、その理由はさまざまといえます。中には、今の経営状況から現在の借入金利が高く、将来返済できるか不安を感じている経営者も少なくありません。
返済の不安から融資条件を少しでも良くしたいと考えている場合、借り換えによる融資条件の変更も検討しましょう。
現在、コロナ融資を対象にした、コロナ借換保証制度が実施されています。コロナ借換保証制度は厳しい経済状況が続く中小企業を対象に債務の返済負担を軽減することを目的にしています。
2023年7月〜2024年4月にコロナ融資の元本返済が集中するといわれており、返済による資金繰り悪化に危機感を感じている経営者はぜひ制度の活用をご検討ください。
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資金繰りの改善はF&M Clubにご相談ください
借入金の利息は企業の財務状況や事業見通しによって、大きく変わります。また、2024年は昨年より続く世界情勢の悪化による過剰なインフレ、円安による原油・原材料費高騰など中小企業にとって、厳しい情勢が続くと見られます。
事業を継続する上では、安定した運転資金の確保が必要不可欠であり、これまで以上にキャッシュフローの把握が求められます。
金融機関の融資条件を良くするためには、決算書から見えづらい資金繰りを安定させ、事業計画書に基づいた具体的な行動が必要です。
F&M Clubでは、将来の先行きや資金繰りについて、不安を感じている企業が活用できる資金繰り改善サービスを提供しています。月額33,000円(税込)から利用でき、資金繰り表の作成、資金繰り改善面談、CRD格付分析(信用保証協会と同様のスコアリングシステムを用いた、財務状況を分析)、資金繰り改善に向けた施策提案をおこなっております。
少しでも資金繰りや融資に関するお悩みがある場合、ぜひエフアンドエムまでご相談ください。
まとめ
自社が借入をおこなっている利息は、今後の事業活動や返済計画に大きな影響を与えます。そのため、多くの経営者は少しでも有利な条件で融資を受けたいと考えています。
一方で、金融機関は返済計画通りに返済が可能な企業に融資をおこないたいと考えており、有利な融資条件を得るためには、自社の資金繰り改善が必要不可欠です。
資金繰りの改善には、まずキャッシュフローの見直しから始められます。キャッシュフロー計算書の作成は経営者でもすぐにできる財務状況改善の施策です。まずは自社のキャッシュフローが適正かどうか、確認しましょう。
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