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役員賞与の決め方で節税できる?経費計上する方法や注意点を解説

役員賞与は、原則として従業員の賞与とは異なり税務上経費としては扱われません。しかし役員賞与が税務上経費として認められる場合があります。もし経費として認められれば、利益を圧縮して節税対策として活用できるかもしれません。


本記事では、役員賞与の決め方や、経費として計上する方法、注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.役員賞与と役員報酬の違い
    1. 1.1.役員の範囲
    2. 1.2.突破的な役員賞与は経費扱いできない
  2. 2.役員賞与の決め方
    1. 2.1.株主総会決議において決定する
    2. 2.2.役員賞与の適正額を決める
  3. 3.役員賞与を経費として扱う方法
    1. 3.1.税務署に「事前確定届出給与に関する届出」を提出する
    2. 3.2.定期同額給与とする
    3. 3.3.事前確定届出給与とする
    4. 3.4.利益連動給与とする
    5. 3.5.役員を使用人兼務役員にする
  4. 4.役員賞与を経費とする場合の注意点
    1. 4.1.不相当に高額になりすぎないように注意する
    2. 4.2.税務署に提出した届出内容どおりに支給する
  5. 5.F&M Clubの「資金繰り改善」サービス
  6. 6.まとめ

役員賞与と役員報酬の違い

役員賞与も役員報酬も、役員に支払われるという点でいえば報酬と変わりません。しかし役員報酬は毎月定額で支給され、役員賞与は臨時に支払われる違いがあります。


役員の範囲

そもそも役員はどこまでの人を指すのかといえば、会社法に明記されています。


会社法第329条によると、株式会社の役員は、「取締役」「会計参与」「監査役」のことをいいます。また役員には含まれない「執行役」や「会計監査人」は、会社法において「役員等」と表記されて含まれることがあります。


突破的な役員賞与は経費扱いできない

役員賞与は、原則として経費扱いできません。経費にできない理由は、会社の業績に応じて賞与を与えることや、決算期に利益圧縮のために活用するといった、税金を逃れるための利益操作が可能となるためです。


利益操作を防ぐために、原則として役員賞与を経費扱いしないとされています。しかし「原則」であるため、一定の条件を満たすことで役員報酬も経費にできます。


役員賞与の決め方

役員賞与は決め方があり、もし決め方を誤ってしまうと経費として認められず法人税がかかってしまいます。なお役員報酬は個人所得税が課税されるため、法人税と所得税の二重に税金が発生するため注意が必要です。


株主総会決議において決定する

役員賞与を支給する場合、株主総会を開催して「役員賞与の支払い」について決議します。株主総会で決議する場合、普通決議でおこないます。


株主総会の普通決議は、議決権行使できる株主が過半数出席し、出席した株主の議決権の過半数に達することで成立します。なお定款に定めておくこともでき、その場合株主総会決議は必要ありません。


役員賞与の金額は、株主総会決議や定款に定められている金額を超えてしまうと無効とされるため、必ず超えないようにすることが大切です。


役員賞与の実務においては、株主総会で取締役や監査役に支給する総額を決議し、実際の金額を取締役会で決定する場合が多く、また取締役会の決定において、代表取締役に一任して決めてしまうことが一般的となります。


役員賞与の適正額を決める

役員賞与の適正額は、会社の利益で決めるだけではなく、同業種や同規模の会社と比べる必要があります。同業種や同規模の会社と比べて、明らかに高額な役員賞与の場合、税務署が経費として認めないことがあるため注意が必要です。



役員賞与を経費として扱う方法

役員賞与を経費とするためには、役員賞与を適正な金額にして、株主総会で決議しただけではできません。役員賞与を経費とするための方法を解説します。


税務署に「事前確定届出給与に関する届出」を提出する

役員賞与を経費として認めてもらうためには、「事前確定届出給与に関する届出」を提出しておく必要があります。届出は提出期限があり、役員賞与の支給決定について株主総会で決議した後、1カ月後までです。


例えば、3月決算の会社が定時株主総会で役員賞与の決議もおこなう場合、3カ月以内に開催しなければならないため、6月末日までに開きます。株主総会から1カ月後までとなるため7月末日までに、所轄の税務署に届出を提出する必要があります。


定期同額給与とする

定額同額給与とは、事業年度ごとに毎月同じ金額で支払う方法です。従業員の給与や役員報酬のほか、役員賞与においても活用でき、賞与分を12カ月で等分し、平均した金額を経費として計上します。


事業年度中は固定額で支給することを条件とするため、決算期の利益を圧縮するために報酬を増やすといった節税対策はできません。


事前確定届出給与とする

事前確定届出給与とは、役員賞与の支給金額と支給日を事前に確定し、税務署に届出を提出して支払う方法です。役員賞与のほか役員報酬も経費として計上できます。ただし支給金額が1円、または支給日が1日でもずれてしまうと、役員賞与全額を経費計上できなくなるため注意が必要です。


もし非常勤の社外取締役などがいる場合でも、1年に一度だけ役員賞与を支給したければ、支給金額と支給日を決めて税務署に届出すれば同様に経費計上ができます。


利益連動給与とする

利益連動給与とは、会社の利益と連動しており、利益が出た場合に役員賞与が支給される方法です。利益が出なければ役員賞与が支給されないため、経営を圧迫することも防げます。


なお利益を判断する数値は、一般的に有価証券報告書記載の数値となるため、すべての会社で利用できるわけではありません。


役員を使用人兼務役員にする

役員を使用人兼役員にすることで、役員賞与としてではなく従業員の賞与として損金算入する方法です。例えば、取締役営業部長や取締役総務部長などの肩書を持っている人で、営業部長や総務部長は会社の従業員部分になるため、部長職として支給される給与や賞与、また取締役として支給される役員報酬で分けます。


役員部分と従業員部分を分け、従業員部分に対して賞与を出せば経費として扱うことが可能です。


ただし使用人兼役員になれない人がいます。例えば、代表取締役や、副社長、専務、常務、などの一定の地位にある場合です。また監査役や委員会設置会社の取締役、同族会社の使用人のうち税務上みなし役員とされている人も使用人兼役員にはなれません。

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役員賞与を経費とする場合の注意点

役員賞与を経費として支給する場合に注意すべき点として2つあります。


不相当に高額になりすぎないように注意する

役員賞与を決める場合、基本的には会社の内部で決めることです。しかし法人税法上、不相当に高額な役員賞与は経費として認められません。いくらまでが相当で、いくらからが不相当になるのかについて明確に定められているわけではないため注意が必要です。


一般的には同業種で同規模の会社で比較することが多いため、業界の平均などに照らし合わせて役員賞与の金額を決める方法があります。また社外取締役などで月に1日程度しか出勤しない役員と毎日出勤している役員が同額の役員賞与であれば、不相当として判断される可能性があるでしょう。


不相当に高額になりすぎないように、同業種や同規模の会社を見ながら役員賞与の金額を決めることをおすすめします。


税務署に提出した届出内容どおりに支給する

税務署に「事前確定届出給与に関する届出」を提出している場合、役員賞与の金額と支給日を定めているため、金額と支給日を厳守しなければなりません。もし守れなければ、経費として認められなくなります。特に事前確定届出給付の場合、金額が少なくても多くても経費として認められず全額に対して税金がかかります。また支給日がずれても同様です。


F&M Clubの「資金繰り改善」サービス

もし役員賞与を利用して節税対策を考えている場合など、財務や資金繰りで悩みを抱えている経営者様は、F&M Clubの「資金繰り改善」サービスを利用されることをおすすめします。

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まとめ

役員賞与はやり方によっては、経費にできるため節税効果があります。また役員のモチベーション向上にも寄与できるでしょう。

しかし原則として経費として認められないため、複雑で厳しいルールがあるため、注意が必要です。役員賞与の金額についても、不相当に高額になりすぎないように、業界の相場や、自社と同規模の会社を比較して金額を設定しなければなりません。

もし役員賞与が経費として認められなければ、法人税と所得税の両方を支払わなければならないため、細心の注意を払って制度を作ることが大切です。

F&M Clubでは、資金繰り改善に向けたサービスや、財務基盤の強化といったコンサルティングを専門スタッフがおこなっています。ぜひお気軽にご相談ください。

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