借入金の利息の計算方法とは?シミュレーションでの利息や返済金額の注意点を解説
金融機関から借り入れる場合、金利に対してどのくらいの利息がかかるのか、計算のやり方がわからない方が多いのではないでしょうか?
借り入れる際には、実際にシミュレーションをおこなってから相談することをおすすめします。
本記事では、借入金の金利と利息について知り、計算方法や、返済方法の種類などを解説します。
まず「知ること」と「5つのアクション」から始めてみましょう。
●無料でダウンロードできるお役立ち資料はこちら↓↓↓
目次[非表示]
- 1.借入金の金利と利息とは
- 1.1.借入金の上限金利
- 1.2. 金利は金融機関によって異なる
- 2.借入金の利息の計算方法
- 3.借入金の返済方法
- 4.金利や利息の注意点
- 4.1.適用金利がいくらか
- 4.2.返済計画は考えているか
- 4.3.借り過ぎに注意
- 5.利息計算にシミュレーションツールを活用する
- 6.根本的に資金繰りを解決したいなら、F&M Clubの財務改善ノウハウを提供します
借入金の金利と利息とは
借入金の返済額は、金利と利息から計算できます。金利とは、借り入れした金額に上乗せされている金額の割合です。金利3%と表示されていれば、1年あたり3%の利率となります。
利息は、借り入れした金額に上乗せされた金額です。借りた1万円を1万1,000円で返済する場合、1,000円が利息となり、1,000円は1万円に対して10%となります。つまり、金利は10%です。
借入金の上限金利
金利は、借入金額によって上限金利が決まっています。上限金利は以下のとおりで、利息制限法に基づくものです。
10万円未満 |
20% |
10万円以上100万円未満 |
18% |
100万以上 |
15% |
金利は金融機関によって異なる
金利は借入金の上限金利の範囲内であれば、自由に設定できます。金利は、借入金額や借り入れの条件によって異なります。一般的に借入金額が少なければ金利が高く、借入金額が大きくなれば金利は低くなるでしょう。
借入金の利息の計算方法
利息=元金×利率÷365日×借入日数 |
金利は年〇%となっていることが多いものの、実際の利息は日割り計算です。ちなみにうるう年では366日となります。
元金に利率をかけることで1年分の利息が算出されます。そこから365日で割ることで1日分の利息を計算でき、借入日数をかけることで利息額が算出できます。
利息の計算例は以下のとおりです。
3年後に返済したときの利息 |
5年後に返済したときの利息 |
|
年2.5%で2,000万円借り入れした場合 |
2,000万円×0.025÷365日×1,095日=150万円 |
2,000万円×0.025÷365日×1,825日=250万円 |
年3%で1,200万円借り入れした場合 |
1,200万円×0.03÷365日×1,095日=108万円 |
1,200万円×0.03÷365日×1,825日=180万円 |
年3.5%で800万円借り入れした場合 |
800万円×0.035÷365日×1,095日=84万円 |
800万円×0.035÷365日×1,825日=140万円 |
年6.3%で300万円借り入れした場合 |
300万円×0.063÷365日×1,095日=56万7,000円 |
300万円×0.063÷365日×1,825日=94万5,000円 |
借入金の返済方法
借入金の返済方法は、一括返済と分割返済の2種類です。分割返済は、主に「元金均等返済」と「元利均等返済」に分けられます。
▶︎【無料会員サイト】資金繰り表テンプレートをDL
▶︎F&M Clubがわかる3点セットをダウンロードする
一括返済の方法
一括返済は、借り入れした金額を一度にすべて返済することです。支払総額が安くなるメリットがあるものの、資金調達のために借り入れした場合、一括返済はデメリットとなるでしょう。
キャッシュが不足していることで資金調達をおこなうため、もし一括返済してキャッシュがなくなれば借金は減るものの、経営が立ち行かなくなり、黒字倒産となるかもしれません。
分割返済の方法
分割返済は、借り入れした金額を分割して返済することで、元金均等返済と元利均等返済の2つの方法があります。
元金均等返済
元金均等返済とは、毎月の返済額のうち、元金を一定にして返済する方法です。元金を一定にしているため、始めの返済額は高くなり、返済が進むにつれて少なくなる流れとなります。元利均等返済よりも利息が少なく、総返済額も少なくなるでしょう。
毎月の返済額は、元金返済額と利息返済額の合計です。
以下の計算式で、返済額を算出します。
元金返済額=借入金額÷返済回数 利息返済額=直前の借入残高×月利 毎月返済額=元金返済額+利息返済額 |
計算例
- 借入金額:1,200万円
- 借入期間:5年(返済回数60回)
- 金利:3%
元金返済額
1,200万円÷60=20万円
利息返済額
1ヶ月目:1,200万円×(3%÷12)=3万円
2ヶ月目:1,180万円×(3%÷12)=2万9,500円
以降60ヶ月まで繰り返して利息の返済が完了します。
毎月返済額
20万円+3万円=23万円(1ヶ月目)
20万円+2万9,500円=22万9,500円(2ヶ月目)
以降60ヶ月まで元金返済額に利息を上乗せし、返済が完了します。
返済額 |
元金分 |
利息分 |
借入残高 |
|
1ヶ月目 |
23万円 |
20万円 |
3万円 |
1,180万円 |
2ヶ月目 |
22万9.500円 |
20万円 |
2万9.500円 |
1,160万円 |
3ヶ月目 |
22万9,000円 |
20万円 |
2万9,000円 |
1,140万円 |
4ヶ月目 |
22万8,500円 |
20万円 |
2万8,500円 |
1,120万円 |
5ヶ月目 |
22万8,000円 |
20万円 |
2万8,000円 |
1,100万円 |
6ヶ月目 |
22万7,500円 |
20万円 |
2万7,500円 |
1,080万円 |
7ヶ月目 |
22万7,000円 |
20万円 |
2万7,000円 |
1,060万円 |
8ヶ月目 |
22万6,500円 |
20万円 |
2万6,500円 |
1,040万円 |
9ヶ月目 |
22万6,000円 |
20万円 |
2万6,000円 |
1,020万円 |
10ヶ月目 |
22万5,500円 |
20万円 |
2万5,500円 |
1,000万円 |
11ヶ月目 |
22万5,000円 |
20万円 |
2万5,000円 |
980万円 |
12ヶ月目 |
22万4,500円 |
20万円 |
2万4,500円 |
960万円 |
元利均等返済
元利均等返済とは、毎月の返済額を一定として返済する方法です。元金と利息を一定とするため、返済始めの返済額は少なくできます。しかし、元金均等返済と比べると総返済額が多くなります。
元利均等返済の計算は、始めに毎月の返済額を計算します。以下の計算式で、返済額を算出してください。
毎月返済額=(借入金額×月利×(1+月利)返済回数)÷(1+月利)返済回数-1 利息返済額=直前の借入残高×月利 元金返済額=毎月の返済額-利息返済額 |
計算例
- 借入金額:1,200万円
- 借入期間:5年(返済回数60回)
- 金利:3%
毎月返済額=
(1,200万円×(3%÷60)×(1+(3%÷60))60)÷(1+(3%÷60))60-1
=21万5,624円
利息返済額
1,200万円×(3%÷12)=3万円(1ヶ月目)
1,181万4,376円×(3%÷12)=2万9,535円(2ヶ月目)
以降60ヶ月まで繰り返して利息の返済が完了します。
元金返済額
21万5,624円-3万円=18万5,624円(1ヶ月目)
21万5,624円-2万9,535円=18万6,089円(2ヶ月目)
以降60ヶ月まで元金返済額に利息を差し引いて返済が完了します。
返済額 |
元金分 |
利息分 |
借入残高 |
|
1ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万5,624円 |
3万円 |
1,181万4,376円 |
2ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万6,089円 |
2万9,535円 |
1,162万8,287円 |
3ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万6,554円 |
2万9,070円 |
1,144万1,733円 |
4ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万7,020円 |
2万8,604円 |
1,125万4,713円 |
5ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万7,488円 |
2万8,136円 |
1,106万7,225円 |
6ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万7,956円 |
2万7,668円 |
1,087万9,269円 |
7ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万8,426円 |
2万7,198円 |
1,069万843円 |
8ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万8,897円 |
2万6,727円 |
1,050万1,946円 |
9ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万9,370円 |
2万6,254円 |
1,031万2,576円 |
10ヶ月目 |
21万5,624円 |
18万9,843円 |
2万5,781円 |
1,012万2,733円 |
11ヶ月目 |
21万5,624円 |
19万318円 |
2万5,306円 |
993万2,415円 |
12ヶ月目 |
21万5,624円 |
19万793円 |
2万4,831円 |
974万1,622円 |
借入を検討している中小企業にとって、物価高や円安が回復する兆しが見えない昨今は心細いでしょう。
大企業がこの厳しい状況でこそ強いと言われる理由から紐解く、中小企業が生き抜くコツを解説します。
金利や利息の注意点
金融機関からの借り入れについて、金利や利息の注意点があります。
適用金利がいくらか
金利は幅を持たせて表記されており、条件によって一番低い金利となったり、一番高い金利となったりすることもあります。例えば2%から3%であれば、2.5%や2.8%といった金利になるかもしれません。借り入れにあたって一番低い金利のみでシミュレーションせず、高めの金利を含めて試算しましょう。
中には、違法に貸し付けている金融機関も存在します。利息制限法で定められている上限金利を超える、違法な貸し付けをおこなっている金融機関の利用は避けてください。
返済計画は考えているか
借り入れにあたって、返済計画を考える必要があります。借入期間が長くなれば、返済総額は大きくなるものの、毎月の返済額は少なくなります。
無理に返済することでキャッシュフローが悪化するならば、返済期間は長いほうが良く、キャッシュフローが安定していたり、急な収益があったりする場合には、繰り上げ返済をおこなうといいでしょう。
また、すでに借り入れている状態で、現在の条件よりも良い条件で借り入れできる場合、借り換えを検討してもいいでしょう。ただし、借り換えに際して他の金融機関に変更する場合、現在の金融機関から見れば裏切られたと思われてしまい、今後の取引で支障が出ることがあるため注意してください。
借り過ぎに注意
借り入れにより、手元のキャッシュは増えます。しかし同時に毎月の返済額も増えるため注意しましょう。収益に対して借り過ぎかどうかを常に確認して、借入金の返済でキャッシュがなくなることは避けなければなりません。
無料会員限定!本当に怖い現実が中小企業経営者に襲いかかる!?
利息計算にシミュレーションツールを活用する
インターネット上には、利息計算のシミュレーションツールがあります。シミュレーションでは、借入金額や金利、借入期間を入力することで、毎月の返済額や利息、借入残高が計算されるため便利です。有効に活用できるでしょう。
ただし、利息計算のシミュレーションツールでは、手数料や諸費用などが含まれているわけではありません。細かく算出する場合には、直接、金融機関などに相談してください
根本的に資金繰りを解決したいなら、F&M Clubの財務改善ノウハウを提供します
金融機関から借り入れるためには、借入金額の金利や利息を実際にシミュレーションして、返済計画を立てる必要があります。
手元のキャッシュを補充するために、借り入れは重要ですが根本的な解決にはつながりません。
大元の苦しい資金繰りを改善するためには、自社の財務状況を細かく分析し、今後の経営に対する判断をすることが重要です。
しかし、経営者が正確な財務分析をおこなうことは非常に難しいでしょう。
累計38,000社の支援をおこなってきたF&M Clubにおまかせいただければ、たった月額3万円(税別)で自社の財務状況の分析から今後の事業計画に対するアドバイスまで手厚いフォローを受けることが可能です。
実際の財務改善事例をもとに、中小企業における財務分析と事業成長のポイントをお教えします
人材の採用や研修が気になる方におすすめの記事はこちら
大企業レベルの優秀な人材を採用して、会社とともに成長してもらう4ステップはこれだ
従業員の定着率や評価制度が気になる方におすすめ記事はこちら
人が育つ!離職しない!! 大企業顔負けの人事評価制度を作成する4つのポイント。