
資金繰りがうまくいかないのはなぜ?キャッシュフローを改善して今を乗り越えましょう!
資金繰りはうまくいっていますか?
資金繰り改善は会社を存続させるために不可欠な考え方です。コロナ禍が3年目に入り、現在は第3期に差し掛かっているといわれています。
コロナ第1期は「売上減に対応し、緊急借入で非常時を凌ぐ」、コロナ第2期は「緊急借入を基に業績回復を模索する」これらを経て、現在は「コロナ禍の出口」を展望する第三期といわれ、企業の真価が問われています。
「売上を増やせば、経営は何とかなる」と思われている経営者も多いのも事実です。しかし、売上が増えれば、当然仕入れの支払いも増えてしまい、手元のキャッシュがなくなって倒産するケースもあります。いわゆる「黒字倒産」です。
倒産を防ぐためにもっとも必要な経営手法が、資金の流れを適切に予測することです。資金繰りを的確につかむためには、資金繰り表を作成し、キャッシュが手元にいくら残るのかを明確にします。
目次[非表示]
- 1.資金繰りとは?
- 1.1.「貸借対照表」や「損益計算書」と目的が違う
- 1.2.資金繰りの基本的な考え方
- 1.3.資金繰り表の作成方法
- 1.4.資金繰り表の活用方法
- 2.資金繰りがうまくいかない経営者の悩み
- 2.1.営業活動に原因がある
- 2.2.投資活動に原因がある
- 2.3.財務活動に原因がある
- 3.資金繰りを改善するためには
- 4.F&M Clubを利用しての資金繰り改善事例
- 4.1.A社(製造業)の抱えていた課題
- 4.2.F&M Clubからのご提案
- 4.3.提案を受け実践した成果
- 5.F&M Clubで資金繰り改善を実現してみませんか?
- 5.1.サブスクの料金プラン
- 5.2.卓越した提案力
- 5.3.経営者に寄り添った相談受付体制
- 6.まとめ
資金繰りとは?
資金繰りとは、「資金繰り表」を基に現金の収入と支出を正確に把握することです。
企業の財務状況を知るために「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の財務3表が利用されています。
簡単に言えば、財務3表は「実績」を示すのに対して、資金繰りは「予想」を表します。
実績を根拠に半年〜1年後の資金繰りを立てることで、自信をもった経営が可能です。
「貸借対照表」や「損益計算書」と目的が違う
「貸借対照表」は、決算日時点での資産と負債で「企業の全財産=体力」を示します。仮に企業活動がストップした時、どのくらい期間持ち堪えるかを見る指標です。
「損益計算書」は、一定期間の企業の売上と経費をトータルした、利益が生まれるまでの流れを示しています。本業、本業以外の利益、変動費、固定費を仕分けて損益分岐点を確認する指標です。
資金繰りの基本的な考え方
財務3表のうち「キャッシュフロー計算書」は一定期間の営業活動、投資活動、財務活動の収支の実績を示します。
キャッシュフロー計算書を根拠に半年、一年先に現金が手元にいくら残るのかを予想を立てることが「資金繰り」の基本的な考え方です。資金繰りを単にイメージするだけでなく、しっかりと一覧表にまとめた「資金繰り表」を作成してください。融資を受けるべきタイミングがわかり、金融機関に説得力をもって交渉ができるようになります。
資金繰り表の作成方法
各項目の特長を抑えて月ベースで作成していきます。フォーマットは決まっていないため、ここでは基本的な資金繰り表をご紹介します。
- 「前月繰越金」+「経常収支」+「設備収支」+「財務収支」=「翌月繰越金/当月収支過不足金」
(作成イメージ)•••半年又は1年分を同様に作成
○○年▲月 |
○○年▲+1月 |
○○年▲+2月 |
|
前月繰越金 |
A |
E |
以下同様の計算 |
経常収支 |
B |
F |
|
設備収支 |
C |
G |
|
財務収支 |
D |
H |
|
翌月繰越金 |
E=A+B;C;D |
I=E+F+G+H |
このように計算され、毎月の「当月収支過不足金」が通期でプラスになるかがポイントです。
- 「前月繰越金」・・・前月の現金預金を記載します(すぐに使えない定期預金は除く)。
- 「経常収支」・・・本業の現金の出入りです。経常収入−経常支出で表します。経常収入と経常支出は以下のように把握します。
経常収入は「売上入金」と「その他入金」から構成されています。ここでのポイントは、来月の売上額は予想がついても実際に入金される金額はわからない点です。売上先ごとに、入金される月が異なっているため混乱してしまうためです。
そこでおすすめしたいのが、売上先ごとの売上と入金を表示した一覧表を作成することです。一覧表で売上先ごとに、売上金が実際に入金されるタイムラグを都度確認でき、月間でトータルの入金金額を把握できるようになります。
経常支出は主に仕入支払・人件費支払・他経費支払・利息支払・税金支払に区分されます。ここでも、仕入支払の時期が要注意です。仕入先ごとに支払日が異なっているため資金繰りを立てる上で混乱をきたしてしまいます。仕入額と支払い日のズレを一覧表にまとめて今月いくら支払うかを把握することがポイントです。
(経常収支算出イメージ)•••入金(支払)時期のズレを把握すること
売上(仕入) |
○○年▲月 |
○○年▲+1月 |
○○年▲+2月 |
A社売上(仕入) |
a |
||
1ヶ月後 入金(支払) |
a |
||
B社売上(仕入) |
b |
||
2ヶ月後 入金(支払) |
b |
||
C社売上(仕入) |
c |
||
即時 入金(支払) |
c |
||
合計 |
●●● |
●●● |
●●● |
- 「設備収支」・・・設備収入−設備支出で表示されます。設備を売却した場合は設備収入、設備を購入した場合には設備支出に記載します。
- 「財務収支」・・・財務収入−財務支出で表示されます。借入や増資をした場合には財務収入、返済や定期預金に振替をした場合には財務支出に記載します。
資金繰り表の活用方法
売上だけを見ずに、資金繰りをイメージできる経営者になることが大切です。当月過不足金がマイナスになれば「資金ショート」になっており、何らかの対策を講じなければなりません。
「経常収支」「設備収支」「財務収支」の各項目に異常値がないかをチェックし、特に「経常収支」がマイナスになっている場合は、売上金の決済タイミングを早急に改善する必要があります。
資金繰りがうまくいかない経営者の悩み
資金繰りがうまくいかない本当の原因は何かとお悩みの経営者も多いはず。売上が伸び悩んでいることだけが原因とは限りません。
次の3つのポイントから原因をみていきましょう。
営業活動に原因がある
「とにかく売ればいい」と思い、売上と経費の損益分岐点を把握できていないことが挙げられます。売上を増やすため、先に多くの商材を仕入れますが、仕入れ資金支払いがかさみ売上金回収より先に到来するため、利益を圧迫させかねません。また、予定通り売上が伸びず、不良在庫を抱え支払いだけが回ってきてしまうことも考えられます。
投資活動に原因がある
設備投資によって生み出す利益が想定通りのものであるかを見誤っているケースです。不動産投資や株式投資がうまく機能せず、資金繰りがマイナスを計上している場合もあります。
財務活動に原因がある
借入金の返済スケジュールが厳しくなっており資金繰りを逼迫させている可能性があります。返済資金が納税前利益と減価償却費で賄えていない過大な返済をおこなっているかもしれません。また、返済のために定期預金を解約しているケースもあります。
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資金繰りを改善するためには
資金繰り表を作成することで、課題が浮き彫りとなります。その課題を解決するための方策を以下の観点から見ていきます。
営業活動での対策
現金が移動する度に資金繰り表を確認してみましょう。収入部分での検証が必要となることがわかってきます。売上金回収までの期間が長すぎる売上先はないか、「回収条件を緩和してほしい」と申し出のある売上先はないかを点検してください。
売上を急激に伸ばしてしまわないように仕入代金の支払いのバランスを考え、売上計画を立てることも大切です。
支出部分の検証は厳しくおこなっていく必要があります。支払い条件が過度に不利なものはないか、利息支払を低く見積り過ぎてはいないか、税金支払は予定納税を含め納期限を正しく把握しているかを確認しましょう。
投資活動での対策
企業が成長するためには、投資活動は必須です。投資効果を正確に検証せずに実行していないかを確認しましょう。
投資効果を見込めない投資資産は、簿価が残存する期間に売却を検討することも必要です。
財務活動での対策
資金繰り表を作成することは、金融機関には大きなアピールポイントとなります。返済計画を明示することで、既存借入の返済額や期間を変更する「リスケジュール」や、複数の借入をまとめて借入負担を軽減する「リファイナンス」も可能でしょう。
F&M Clubを利用しての資金繰り改善事例
資金繰りがうまくいっていない企業が、実際にF&M Clubのコンサルティングによって資金繰りを改善できた企業事例をご紹介します。
A社(製造業)の抱えていた課題
決算書ベースでは利益が上がっているものの、キャッシュフローベースではなぜか手元にお金が残らない状況が続いていました。一番の問題は、その原因がよくわからないことでした。
F&M Clubからのご提案
『利益』でなく『キャッシュフロー』を分析し、A社の課題を明確にすることで、以下の提案をさせていただきました。
- 中長期的な改善策を金融機関に提示し、返済額の圧縮を図る
- 売上先の入金までのサイトと単価の見直し、コストの圧縮によってキャッシュフローの改善を図る
- 上記提案の継続的かつ定期的な確認を実行する
提案を受け実践した成果
「資金繰り表」を作成したことも効果があり、未来を見据えた経営が実現し危機を脱出することができました。
F&M Clubで資金繰り改善を実現してみませんか?
F&M Clubは、数多くの企業が資金繰りの改善をサポートしております。
F&M Clubの魅力は次の通りです。
サブスクの料金プラン
月額3万円の定額プランでさまざまなサービスが使い放題です。経費処理も固定なので安心です。
卓越した提案力
財務状況を分析・診断してくれ、最適なプランをご提案いたします。資金繰り表や収益計画表の作成サービスもご提供しております。
経営者に寄り添った相談受付体制
税理士は企業の税務処理には対応してくれますが、企業の財務状況までのアドバイスには限界があります。F&M Clubでは、税務関係はもちろん、金融機関対策などの「お客様の経営全般を俯瞰的な目線で改善」することを使命に、経営者の悩み、苦労に寄り添ったサポートいたします。
まとめ
未曾有のコロナ禍で、多くの企業は売上減を補填するために、特例借入金でキャッシュフローを一時的に改善させており、ここ数年の倒産件数は増加していない現状にあります。
しかし、特例借入金の返済が始まるこれからが経営者にとって真の実力が試される時期に差し掛かったと言えるでしょう。
資金繰りがうまくいっていないとお悩みの経営者様に、F&M Clubは真摯にご相談を承ります。是非ともF&M Clubの利用をご検討ください。