就業規則はポイントをおさえた作成が重要!リスク回避につながる作成方法とは
就業規則は、企業が良好な経営をおこなっていくうえで必要不可欠であり、法令の遵守や従業員とのトラブル回避にもつながる重要なものです。
就業規則を適切に作成できていない場合、思わぬことで「法令違反」や「従業員との労働トラブル」となってしまうこともあるため、就業規則の作成・整備には注意が必要です。
就業規則の適切な作成方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.就業規則とは
- 1.1.就業規則の作成が必要な企業とは
- 2.就業規則の作成を怠るとどうなる?
- 2.1.法令違反となる
- 2.2.労働トラブルのリスク
- 3.就業規則を適切に作成するには
- 3.1.絶対的必要記載事項をおさえる
- 3.1.1.絶対的必要記載事項
- 3.2.現行の法改正に則した内容にする
- 3.3.よくある労働トラブルの事項に注意する
- 4.就業規則を作成したら必ず周知を
- 4.1.就業規則の周知義務・周知方法
- 5.就業規則を適切に作成しトラブル回避につなげましょう
- 5.1.就業規則は定期的な見直しを
- 5.2.F&M Clubの就業規則支援サービス
- 5.3.就業規則支援サービスの導入事例
- 5.4.F&M Clubの労務支援サービス
- 6.まとめ
就業規則とは
企業の“ルールブック”ともいえる就業規則は、労働時間や賃金規定など、従業員の労働条件が定められており、企業が労働法に関する法令を遵守するとともに、従業員の規律を定めるうえで重要な役割を果たしています。
就業規則の作成が必要な企業とは
労働基準法第89条より、常時10人以上の従業員を雇う企業は、就業規則の作成および届け出が義務付けられています。
「常時10人以上」の対象となる従業員は、正社員だけではなく、パートタイマーやアルバイトなど、非正規雇用労働者も含まれます。
そのため、「正社員3名、パートタイマー7名」の場合においても、就業規則の作成義務が発生します。
就業規則の作成を怠るとどうなる?
就業規則の作成義務があるにもかかわらず、作成を怠った場合、法令違反となることや、就業規則の不整備により、従業員との労働トラブルを引き起こすことがあります。
法令違反となる
就業規則には、作成・届け出のほか、作成した就業規則を従業員に「周知させる」義務があります。就業規則の作成・届け出および周知義務に違反した場合、労働基準法違反として「30万円以下の罰金」(労働基準法第120条)が科せられることもあるので注意しましょう。
また、労働基準法をはじめ、労働法に関する法令は定期的に改正がなされています。
特に、近年は「働き方改革の促進」が進んでおり、「高齢者従業員に関する法令」や「育児休暇に関する法令」など、あらゆる方面において、企業のあり方が見直されています。
そのため、最新の法改正の情報を見逃したまま、就業規則の作成・整備を怠っていると、知らぬ間に、法令違反となってしまうこともあります。
日頃から法改正の情報を確認し、現行の法令に沿った就業規則が整備されているか、注意しましょう。
労働トラブルのリスク
適切な就業規則の作成・整備を怠ると、従業員との労働トラブルを引き起こしやすくなります。
就業規則には、従業員とのトラブルを引き起こしやすい「賃金・賞与に関する規定」や「入退社時に関する規定」、「昇給・昇格に関する規定」などが定められています。
そのため、就業規則は、トラブルを回避する「抑止力」として働く機能ももっており、従業員とのトラブルを引き起こさないためには、あらかじめ、必要事項を定めておくことが大切です。法令に反する規定や、明らかに企業が有利となるような規定を定めることはできませんが、就業規則の整備は、企業と従業員の双方を守るために重要です。
就業規則を適切に作成するには
就業規則は、インターネットで雛形をダウンロードして作成することも可能ですが、作成する際には、法令違反にあたる就業規則や、労働トラブルを抑止できないような就業規則とならないよう、要点をおさえて作成しなければなりません。
絶対的必要記載事項をおさえる
就業規則には、必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、各企業で定めるルールである相対的必要記載事項があります。
就業規則を作成する際には、「絶対的必要記載事項」を漏れなく記載するように注意しましょう。
絶対的必要記載事項
絶対的必要記載事項は以下の通りです。
- 労働時間関係
始業・終業時間の時刻、休憩時間、休日など
- 賃金関係
賃金の改定、賃金の計算方法および支払い方法、昇給に関する事項など
- 退職関係
解雇の事由など、退職に関する事項
【参考】モデル就業規則|厚生労働省
現行の法改正に則した内容にする
就業規則を作成する際は、現行の法令に則した内容となっているか注意しましょう。
近年、高齢化や働き方の多様化が進み、「時間外労働の上限規制」などのほか、「育児・介護休業法」、「パートタイム・有期雇用労働法」、「高年齢者雇用安定法」などの、労働関連法が定期的に見直されています。
特に、企業に対し「義務化」されている法令については、見落としていると「法令違反」となってしまうため、十分注意し、必要に応じて就業規則の作成・改正をおこないましょう。
よくある労働トラブルの事項に注意する
従業員とのトラブルは、就業規則に記載がなかったことで起こることも多いため、就業規則がいかに「抑止力」として重要なものであるのかがわかります。
よくある労働トラブルとしては、「賃金関連」のほかに「入退社時関連」が多くあり、就業規則を作成する際は、「試用期間」や「服務規定」などについて明記しておくことが大切です。
適切に整備された就業規則であれば、従業員からの信頼も得られるため、お互いに良い関係を築くためにも、就業規則の内容の整備は大切です。
就業規則を作成したら必ず周知を
就業規則の取り扱いは、作成・届け出を終えたら完了するわけではありません。
作成した就業規則は、「従業員への周知」の義務があり、従業員への周知を以て就業規則としての効力が発生します。
就業規則の周知義務・周知方法
就業規則の周知についても、「周知義務」を怠った場合、労働基準法違反として「30万円以下の罰金」(労働基準法第120条)が科せられることもあるので注意しましょう。
周知の方法としては、「掲示・備え付けによる周知」や「書面による周知」「クラウドやデータによる周知」などがあります。
企業に合った方法で周知をおこないましょう。
就業規則を適切に作成しトラブル回避につなげましょう
就業規則を適切に作成することは、法令を遵守し、企業の信頼を守るために必要であり、企業と従業員の双方が安心して、良好な関係を築くためにも欠かせない作業です。
就業規則は定期的な見直しを
就業規則は、企業の経営状況や、働き方の多様化に合わせ、現行の法制度に沿った内容となっているか、定期的に見直す必要があります。
しかし、幅広い労働関連法について、定期的におこなわれる法改正の情報を漏れなく網羅し、必要に応じて就業規則の改正をおこなう作業は、企業によっては困難となることもあるでしょう。
F&M Clubの就業規則支援サービス
自社で、就業規則の整備を適切におこなえる自信がない企業や、現行の法令に適した就業規則となっているかどうか、不安がある企業などは、F&M Clubの「就業規則支援サービス」がおすすめです。
就業規則を見直し、最新の法令を遵守しているかどうかなど、専門家がサポートします。
就業規則支援サービスの導入事例
F&M Clubの「就業規則支援サービス」を導入した企業の中には、「経営の基盤が整い、安心して経営に専念することができるようになった」という企業もいます。
F&M Clubのサービス導入前は、インターネットでダウンロードした雛形で就業規則を作成していたという某企業は、助成金を申請した際、「就業規則の不備」により、助成金を受給できませんでした。
就業規則の不足を指摘されたことをきっかけに“早急に就業規則を見直す必要がある”と感じたという同企業は、F&M Clubの支援サポートを導入することを決め、「就業規則の整備」をおこない、「安心して経営をおこなえる」基盤が整えられ、経営をおこなううえで「非常に大きなこと」を改善できたと実感しています。
F&M Clubの労務支援サービス
F&M Clubでは、「就業規則支援サポート」以外にも、さまざまな労務支援サービスを提供しており、月額3万円で人事、労務、IT活用といった幅広い支援サービスがご利用いただけます。
F&M Clubは、累計3万8,000社もの企業を支援した実績をもつため、それぞれの企業に最適な支援サービスが提供可能です。
税理士や社労士などとは違い、幅広い分野による総合的な労務支援サービスで、企業の財務改善や労働トラブルへのリスク防止、労働生産性向上に役立つ経営力向上計画などをサポートします。
労務管理で困りごとがある際は、ぜひF&M Clubをご活用ください。
まとめ
就業規則の作成は、10人以上の従業員を雇う企業の義務であり、適切に作成する必要があります。
就業規則を適切に作成できていないと、思わぬことで「法令違反」となったり、「従業員との労働トラブル」を引き起こしたりしてしまいます。
自社の就業規則が適切に作成できているかどうか、就業規則を適切に作成する方法がわかならい、などの疑問や不安を抱えている企業は、F&M Clubの専門家による「就業規則支援サービス」の活用がおすすめです。