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無免許運転による会社責任とは?従業員のマイカー管理について

多くの会社では、マイカー通勤の推奨や業務で車両が必要となるなど、車両に関する管理が重要な課題です。

会社における車両トラブルにはさまざまなものがありますが、「無免許運転」によるトラブルが挙げられます。

無免許運転と会社責任との関係や、トラブル回避につなげるマイカー管理のポイントなどについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.そもそも無免許運転とは?
    1. 1.1.無免許運転の種類
    2. 1.2.無免許運転と免許不携帯の違い
  2. 2.無免許運転の罰則
    1. 2.1.刑事処分
    2. 2.2.行政処分
  3. 3.無免許運転は運転者以外にも刑事処分がある
  4. 4.従業員が無免許運転で事故・逮捕された場合における会社責任とは
    1. 4.1.会社が責任を問われる場合
  5. 5.無免許運転で逮捕された従業員の処分について
    1. 5.1.懲戒規程に準じて対応する
  6. 6.会社が無免許運転トラブルを回避するためには
    1. 6.1.定期的に従業員の免許および車両情報を確認する
    2. 6.2.諸規程・懲戒規程の管理を徹底する
  7. 7.F&M Club の「まかせて規程管理」で無免許運転トラブルを回避
    1. 7.1.F&M Clubで経営力向上を!
  8. 8.まとめ

そもそも無免許運転とは?


道路交通法第64条では、無免許運転について「第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(中略)自動車又は原動機付自転車を運転してはならない」と定義されています。

無免許運転は、「免許を取得していない状況」や「免許が失効している状況」など、さまざまな状況が該当します。

【参考】道路交通法|e-gov

無免許運転の種類

無免許運転は状況により以下の4種類に分類されます。

無免許運転の種類
状況
純無免許運転
一度も免許取得所の交付を受けたことがない人が運転すること
免許停止中無免
免許停止期間中または免許の有効切れ期間中に運転すること
免許取消無免

免許が取り消され、再度免許の交付を受ける前に運転すること

免許外運転

所持する免許の対象外の車両を運転すること

無免許運転と免許不携帯の違い

道路交通法第95条の第1項と第2項では、運転免許証について「携帯する義務」と「提示する義務」が定められています。

【参考】道路交通法|e-gov

よく無免許運転と混同されやすいものに「免許不携帯」があります。

免許不携帯とは、免許の交付を受けた人が、運転免許証を携帯せずに車両を運転することです。

また、検問などで警察官から免許証の提示を求められたときに、拒否することも違反行為とみなされます。

無免許運転の罰則

無免許運転により逮捕された場合、「刑事処分」と「行政処分」の罰則を受ける可能性があります。

刑事処分

無免許運転による「刑事処分」について、道路交通法第117条2の2で「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められています。

行政処分

無免許運転による「行政処分」は「免許取り消し」です。

交通違反の場合、違反行為に応じて点数が加算されますが、無免許運転の場合の点数は「25点」であり、15点より「免許取り消し」とされているため、必ず「免許取り消し」となります。

【参考】交通違反の点数一覧表|警視庁

【参考】行政処分基準点数|警視庁

無免許運転は運転者以外にも刑事処分がある


また、無免許運転における罰則は、運転者だけでなく、無免許運転を助長した人に対する罰則も、2013年の道路交通法改正より定められています。

無免許運転であることを認識していたにもかかわらず車両に同乗した人と、無免許運転のおそれがある人に車両を提供した人は、それぞれ以下のような刑事処分を受ける可能性があります。


同乗者

2年以下の懲役または30万円以下の罰金

車両提供者

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

【参考】道路交通法|e-gov

【参考】道路交通法の一部改正|松山東警察署



従業員が無免許運転で事故・逮捕された場合における会社責任とは

通勤や業務で車両を取り扱う会社において、無免許運転に関するトラブルが発生する可能性はゼロではありません。

従業員が無免許運転で事故・逮捕された場合における会社責任について解説します。

会社が責任を問われる場合

従業員が「無免許状態である」ことを認識していながらも、運転させていた(車両を提供していた)場合、先述の法令に従い、「無免許ほう助」違反の罪が問われます。

また、「無免許状態である従業員が社有車を運転し、業務中に事故を起こした」場合など、従業員が無免許状態であることを知らなかった場合においても、使用者である会社が責任を負うとする「使用者責任」が問われるため、相当の対処が必要です。

「使用者責任」について民法第715条では「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と、定められています。

従業員に対して、適切な監督と十分な注意をおこなっていることが証明できなければ、会社責任が問われることもあるため、常日頃から、会社側でも従業員に対して、車両運転時の規定を提示し、注意喚起するなど対策を考えておきましょう。

【参考】民法|e-gov


無免許運転で逮捕された従業員の処分について

無免許運転で逮捕された従業員に対し、どのような処分を下せばよいのか、疑問を抱えている場合も多いでしょう。

無免許運転で逮捕された従業員の処分について解説します。

懲戒規程に準じて対応する

無免許運転を犯した従業員への会社内での処分は、原則、「車両の取り扱いに関する規程(懲戒規程)」に従っておこなわれます。

そのため、規程にて定められていない処分は原則不可とされます。

例えば、従業員が無免許状態で大きな事故を起こした場合において、懲戒規程の懲戒解雇事項に「酒気帯び運転または無免許運転など道路交通法違反を起こし、これに伴う重大な事故を起こしたとき」という記載がある場合は、該当従業員に対し懲戒解雇を科せられます。

会社が無免許運転トラブルを回避するためには

従業員による無免許運転トラブルは、会社側も責任を問われることもあるため、日頃から、万が一のトラブルに備えた対策を施しておく必要があります。

無免許運転トラブルを回避するための対策をとり、未然に無免許運転やトラブルを防ぎましょう。

定期的に従業員の免許および車両情報を確認する

従業員の無免許運転トラブルを予防するためには、「無免許状態となっていないかどうか」定期的に、従業員の免許および車両情報の確認をおこなうようにしましょう。

運転免許証の有効期限が切れそうな従業員に関しては、注意換気などをおこない、トラブルを未然に防げます。

諸規程・懲戒規程の管理を徹底する

万が一、従業員の無免許運転トラブルが起きた際、懲戒規程をはじめとする「規程」が重要な役割を果たします。

また、道路交通法は定期的に法改正がおこなわれているため、法令違反とならないためにも、法定に沿った規程管理が重要です。

日頃から、懲戒規程のほか、マイカー通勤規程など諸規程の管理を徹底しましょう。​​​​​​​



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まとめ

マイカー通勤の許容や、社有車を取り扱う中小企業において、車両に関するトラブル防止は企業にとって大きな課題です。

車両に関する労働トラブルの中でも「無免許運転トラブル」を防ぐため、企業側も対策を講じなければなりません。

管理をおろそかにすれば、思わぬ場面で「使用者責任」が問われるリスクもあります。

無免許運転トラブルを回避するために、定期的に諸規程を見直し、必要に応じて修正・作成をおこないましょう。


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