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人材採用・育成の助成金が充実!中小企業向け助成金を解説【令和8年度厚生労働省予算案】

令和8年度厚生労働省予算案が発表され、一般会計の当初予算規模は前年を上回る約35兆円となりました。厚生労働省の予算は、中小企業の賃上げなどを支援する助成金が多く、申請を考えている経営者は早めの情報収集がおすすめです。

本記事では、中小企業向けの主な助成金制度と申請のポイントについて解説します。

令和8年度厚生労働省予算案における中小企業向け5つの重点

令和8年度厚生労働省予算案における中小企業向け5つの重点令和8年度厚生労働省予算案は、一般会計で35兆433億円です。令和7年度より7,369億円(2.1%)増額されました。中小企業支援については、賃上げなど5つの項目に重点が置かれています。

注目しておきたい点は、人材開発支援助成金に「職業訓練を活かした生産性向上投資への助成」が新設されることです。従来の職業訓練費用への助成に加えて、訓練後のDX化や省力化投資などが対象となる予定です。

  • 賃上げ支援、非正規従業員への支援

  • リスキリング、ジョブ型人事、労働移動の円滑化

  • 人材確保の支援

  • 多様な人材の活躍促進と職場環境改善

  • 女性の活躍推進

【参考】令和8年度予算案のポイント|厚生労働省

中小企業向けの主な助成金9つ【令和8年度厚生労働省予算案】

令和8年度厚生労働省予算案の中から、中小企業向けの主な雇用関係助成金を紹介します。

業務改善助成金【拡充】

生産性向上設備の導入とともに賃上げをおこなう企業が対象です。助成率は3/4または4/5、助成上限額は最大600万円です。(賃上げ幅や対象となる従業員数などにより異なります)

業務改善助成金【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P121

令和8年度業務改善助成金の改正点

以下の4つの改正がなされる予定です。

改正点①:賃上げコースは、3コース(50円、70円、90円)へ変更される予定です。

改正点②:対象事業場が「事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満の事業場」となる予定です。

改正点③:助成率を判定する事業場内最低賃金額が1,050円となる予定です。

改正点④:募集時期が変更されます。令和8年度の募集時期は、令和8年9月1日から地域別最低賃金発効日の前日まで(または11月末日)のいずれか早い日となる予定です。

キャリアアップ助成金【拡充】

非正規雇用従業員の正社員化や賃上げをおこなう企業が対象です。正社員化コースの場合、有期雇用従業員の正社員化1名につき最大80万円が助成されます。(助成額は対象コースなどにより異なります)

令和8年度より、正社員化コースに「非正規雇用従業員の情報開示加算」(20万円)が新設される予定です。

キャリアアップ助成金【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P123

人材開発支援助成金【拡充】

従業員の職業訓練が対象となります。(助成率、助成上限額は対象コースなどにより異なります)

人材開発支援助成金【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P127

令和8年度人材開発支援助成金の改正点

以下の2つの改正がなされる予定です。

改正点①:「設備投資助成」が新設されます。賃上げと職業能力訓練を活かした生産性向上投資が対象です。助成率は1/2、助成上限額は150万円です。

改正点②:「中高年齢者実習型訓練」が新設されます。45歳以上の従業員のOJTとOFF-JTの組み合わせ訓練が対象です。賃金助成額は1名1時間あたり800円、経費助成率は60%、OJT実施助成額は1名あたり10万円です。

早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース)

中途採用計画を策定し、中途採用した従業員の賃金が採用前より5%以上増える企業が対象です。助成上限額は1名あたり20万円(企業全体で賃上げをおこなうなどの場合は10万円を加算)です。

早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース)【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P141

人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備コース)【拡充】

賃金規定の見直しなど雇用管理制度の導入、雇用環境整備機器の購入などが対象です。
制度導入の助成上限額は80万円、雇用環境整備機器購入の助成率は1/2、助成上限額は150万円です。(賃上げなどの要件により上乗せ措置があります)

令和8年度より、助成額の上乗せ要件について、賃上げ幅「5%以上」に加えて、「3%以上」「7%以上」の区分が新設される予定です。

人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備コース)【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P144

65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)【拡充】

定年年齢を65歳以上へ引き上げる企業などが対象です。

令和8年度より、66歳以上への引き上げや継続雇用制度の導入などにおける助成額が大幅に引き上げられる予定です。

65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P147

特定求職者雇用開発助成金

中高年齢層や障がい者などをハローワーク経由で採用した企業が対象です。

特定求職者雇用開発助成金【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P153

両立支援等助成金【拡充】

従業員の仕事と子育て・介護の両立を支援する企業が対象です。

令和8年度より、「育休中等業務代替支援コース」について、育児休業中の新規雇用に対する助成が、最長1年以上・助成上限額99万円へ引き上げられる予定です。

両立支援等助成金【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P166

働き方改革推進支援助成金【拡充】

従業員の労働時間短縮などに取り組む企業が対象です。

令和8年度より、賃上げと割増賃金率の引き上げをおこなう企業への助成額の加算措置が拡充される予定です。

働き方改革推進支援助成金

【引用】物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進|厚生労働省P171

【参考】業務改善助成金|厚生労働省

【参考】キャリアアップ助成金|厚生労働省

【参考】人材開発支援助成金|厚生労働省

【参考】早期再就職支援等助成金|厚生労働省

【参考】人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備コース)|厚生労働省

【参考】65歳超雇用推進助成金(雇用管理制度・雇用環境整備コース)|厚生労働省

【参考】特定求職者雇用開発助成金のご案内|厚生労働省

【参考】両立支援等助成金のご案内|厚生労働省

【参考】労働時間等の設定の改善|厚生労働省

建設業向け人材確保支援のポイント4つ【厚生労働省・国土交通省の連携】

建設業については、厚生労働省と国土交通省が連携する予算案が発表されています。令和8年度厚生労働省・国土交通省の連携分野に関する予算案の内容は、主に以下のとおりです。

働き方改革推進支援助成金【引用】建設業の人材確保・育成に向けて(令和8年度予算案の概要)|国土交通省

CCUS(建設キャリアアップシステム)がポイント

国土交通省はCCUS(建設キャリアアップシステム)の活用を推進し、厚生労働省はCCUSを活用している建設業者を支援する方針です。

ICTなど生産性向上支援の継続

国土交通省は、建設業者における生産性向上を促進するICT設備の活用を推進しています。
ICT設備を導入する資金は、ものづくり補助金などの活用がおすすめです。

人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)における優遇措置の延長

本助成金(建設労働者技能実習コース)において、CCUS技能者情報登録者の賃金助成額を10%上乗せする措置は、令和8年度末まで延長予定です。

働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)の継続

生産性を向上と労働時間の削減などに取り組む建設業者が対象となる助成金です。自社の取り組みに応じた助成金が支給される可能性があります。

人材確保等支援助成金(若年者および女性に魅力ある職場づくり事業コース)の拡充

本助成金(若年者および女性に魅力ある職場づくり事業コース)について、建設業者が「建設業の魅力の発信から入職・定着」までを一体的におこなう取り組みが、新たに助成対象となる予定です。また、従業員が定着した場合には上乗せ支援を実施する予定です。

【参考】建設業の人材確保・育成に向けて(令和8年度予算案の概要)|国土交通省

【参考】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト|ものづくり補助金事務局

【参考】建設事業主等に対する助成金のご案内(令和7年度)|厚生労働省

【参考】令和7年度働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース・建設業)のご案内|厚生労働省

【参考】若年者および女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)リーフレット|厚生労働省

早めの情報収集・準備がカギ!雇用関係助成金を申請するときのポイント

早めの情報収集・準備がカギ!雇用関係助成金を申請するときのポイントキャリアアップ助成金など雇用関係助成金を申請するときは、早めの情報収集と事前の準備が重要です。主なポイントは以下のとおりです。

就業規則を見直す

自社の就業規則を見直すことがあげられます。
キャリアアップ助成金など多くの雇用関係助成金は、申請時に、就業規則の作成・変更・提出が必要となります。就業規則が近年の労働関係法改正に対応していない場合、再申請または支給不可となる可能性があります。

また「賃金」や「休日」などに関する規定は、慎重に定めることが重要です。従業員との労働トラブルの原因となる可能性があるためです。

自社の就業規則を見直すときは、プロによる支援サービスの活用がおすすめです。

共通要件・各制度独自の要件を確認する

助成金ごとの要件とともに、複数の助成金に共通する要件を確認することがあげられます。
雇用関係助成金は複数の制度に共通の要件が定められており、厚生労働省が公開しています。

計画作成~支給までのスケジュールを把握する

受給までの手続き、手続きごとの期限を把握することがあげられます。
雇用関係助成金は、計画策定・提出・支給申請など複数の手続きがあり、手続きごとに期限が定められていることが一般的です。

賃上げ原資の確保策(値上げ、生産性向上投資など)を検討する

賃上げが可能となる利益を確保できるよう、自社の経営改善策を検討することがあげられます。賃上げ後に賃金を引き下げることは難しく、長期間にわたり人件費が高い水準となるためです。
主な取り組みとして、値上げや設備投資による生産性向上などあげられます。

賃上げと生産性向上投資で活用可能な補助金を確認する

生産性向上投資に必要な資金は、補助金の活用が有効です。補助金や助成金は種類が多く、検索ツールの活用がおすすめです。

【参考】雇用関係助成金に共通の支給要領(共通要領)(2025年7月1日)|厚生労働省

令和8年度厚生労働省予算に関するよくある質問(FAQ)

令和8年度厚生労働省予算について、よくある質問とその回答は以下のとおりです。

Q1:雇用関係助成金(厚生労働省関連)が難しいといわれる理由は何ですか?

A.主な理由として、「書類の種類が多い、高い整合性が求められる」「提出までの期間が短い」などがあげられます。自社での作成が難しい場合は、専門家の活用がおすすめです。

Q2:キャリアアップ助成金は事前の準備が大切といわれる理由は何ですか?

A:主な理由として、「キャリアアップ計画の作成や就業規則の見直しに時間が必要」「賃金支払日から支給申請までの期間が短い」などがあげられます。

Q3:助成金の申請時に就業規則が重要といわれる理由は何ですか?

A.主な理由として、助成金の申請時に就業規則の提出が必要となり、労働関係法に則していない場合は再申請や不支給となる可能性があるためです。

Q4:はじめて外国人を採用するときは就業規則の見直しが必要ですか?

A.はい、見直しがおすすめです。外国人が理解しやすい言葉遣いとすることで、トラブル防止に役立ちます。
厚生労働省が外国人向けの就業規則例や多言語用語集を公開しており、参考となります。

Q5:自社に合う補助金や助成金を探すコツは何ですか?

A.補助金や助成金を探すコツは、検索ツールの活用です。中小企業基盤整備機構などの公的なサイト、F&M Clubの『公的支援無料診断サービス』などの検索ツールがおすすめです。

【参考】外国人の方に人事・労務を説明する際にお困りではないですか?|厚生労働省

【参考】補助金活用ナビ|中小企業基盤整備機構

【参考】補助金を活用したい|エフアンドエム

情報収集・補助金助成金の検索・資金繰り相談までF&M Clubがサポート

令和8年度の厚生労働省予算案が公開され、対応する助成金の改正が予定されています。

助成金を円滑に受給するポイントは、計画の策定や書類の作成など事前準備と事務手続きの期日管理です。
「何を、いつまでに、どうすれば」と悩みごとがある経営者様は、F&M Clubへご相談ください。

F&M Clubは、累計約48,000社を支援してきた実績をもとに、人材採用と定着・労務管理・資金繰り改善などの豊富なノウハウを月額3万円(税抜)でご利用いただけます。(エフアンドエム社会保険労務士法人が提供する就業規則などの作成から変更管理まですべておまかせの『まかせて規程管理』サービス利用料金2,000円(税抜)が含まれています。)

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