中小企業の74%が新卒採用できない!?採用を成功させるポイントはこれだ
日本商工会議所は、2024年4月の新卒採用を予定していた中小企業の74%が計画通りには確保できなかったと発表しました。中小企業における深刻な人手不足が長期化する中、初任給の引き上げなどによっても思うように採用できない企業が多くなっています。
本記事では、中小企業における新卒採用の現状と採用を成功させるポイントについて解説します。
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中小企業の74.0%が『計画通り採用できず』
日本商工会議所は2024年1月の早期景気観測調査において新卒採用(2024年4月入社)の動向を発表しました。
この調査結果をみると、新卒採用に取り組んだ企業は35.8%、うち『募集したが採用できなかった』『採用できたが人数が満たなかった』と回答した企業は74.0%、前年同月調査時点の67.6%から増加しています。
【引用】商工会議所LOBO(早期景気観測)(2024年1月)|日本商工会議所
あきらめムードも?中小企業の約半数が『新卒採用していない』
日商の調査では中小企業の約半数である46.8%が『そもそも新卒採用をしていない』と回答しています。また『新卒採用を実施しなかった』企業が17.4%となっています。人手不足が深刻化する中、新卒採用をおこなっても採用できないとあきらめている企業も多いと推測されています。
新卒採用の取り組むは『出展』『説明会』『初任給引き上げ』
2024年4月入社の新卒採用に取り組んだ中小企業における主な取り組みは、次のとおりです。
- 説明会への出展(55.8%)
- インターンシップや職場体験会など(52.6%)
- 初任給の引き上げ(50.2%)
【引用】商工会議所LOBO(早期景気観測)(2024年1月)|日本商工会議所
建設業、小売業、製造業で目立つ採用難
計画通りの新卒採用ができなかったと回答した企業を業種別にみると、建設業、製造業、小売業での採用不足が多くなっています。
同時におこなわれた調査における従業員D.I.をみると、製造業で人手不足が拡大、建設業は深刻な人手不足が継続、サービス業における従業員不足の深刻化が予測されています。
【引用】商工会議所LOBO(早期景気観測)(2024年1月)|日本商工会議所
新卒学生の約半数は中堅・中小企業を志向
中小企業は新卒採用が難しいといわれていますが、求職者である学生側からみると違う観点が出てきます。
減る大企業志向、回復する中堅・中小企業志向
学生の大手企業志向は48.9%となり、2年連続で半数を下回りました。
- 大手企業にこだわらない中堅・中小企業志向は47.1%、2021年新卒の41.1%とくらべると回復してやりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい(40.0%)
- 中堅・中小企業がよい(7.1%)
職場選択理由の上位は『福利厚生』『安心して働ける環境』
Z世代と呼ばれる若い世代の就職観で特徴的な点は福利厚生の重視です。
勤務地や仕事内容と同じくらい福利厚生を重視しています。
【引用】2024年卒大学生活動実態調査(4月)|マイナビ
逆に『行きたくない会社』の上位は次のとおりです。
- ノルマがきつい(38.2%)
- 転勤の多い会社(29.6%)
- 暗い雰囲気の会社(24.1%)
- 休日・休暇がとれない(少ない)会社(21.7%)
中小企業における新卒採用の成功ポイント
中小企業が新卒採用を成功されるためには、仕事のやりがいと学生への安心感などをアピールすることが必要です。新卒採用の主なポイントをまとめると次のとおりです。
就業規則の整備
就業規則の整備、休暇取得制度の確立などがスタートです。学生が安心して働くことができると感じられる職場環境となることは、従業員の離職防止にも効果があります。
ハローワーク、求人票を活用する
求人募集の定番であるハローワークによる求人で最も重要なツールが求人票です。
求人票で自社の魅力ややりがいを上手に伝えるためには、平易な言葉でわかりやすく伝えるテクニックが必要となるため、専門家のアドバイスの活用がおすすめです。
求人方法の見直し
学生が中堅・中小企業の募集を探す方法はご存じですか?
自社を希望する学生を漏らさないためには、学生が就職先を探す情報源へ募集を出す方法があります。
新卒学生が中堅・中小企業を探す主な方法は次のとおりです。
- 合同説明会への参加
- 逆求人サービスの利用
- 経済団体や技術開発などの受賞歴
- 中小企業に特化した求人サイト
- 先輩学生の就活ブログ、SNS
人手不足への取り組みが採用の成功へつながります
職場環境の改善は従業員の会社への満足度の向上に加えて、中途採用や新卒採用での人気につながります。また人手不足は当面続くと予測されているため、さまざまな会社で職場の魅力を向上させる取り組みをおこなっています。
人手不足解消における取り組み事例
人手不足解消の着眼点の1つは従業員の負荷軽減、作業の合理化です。主な事例は次のとおりです。
- 事務作業と現場作業のなかで一部の作業を機械化し、AIやIoTを導入
- 業務のうち簡単な作業を切り出して短時間勤務の従業員に任せることで、正社員の負担を軽減
- 発注業務をシステム化しWEBでの発注へ変更
- 製造現場の多能工化により休暇を取得しやすくする
- 残業代削減分を全従業員へ一律で還元
- 残業時間が少ない人に高ポイントを付与する方法を導入し、賞与に反映
- 年次有給休暇の時間単位取得制度の導入
- 有給休暇残日数を見える化した出勤簿の利用
【参考】中小企業・小規模事業者の人手不足への対応事例|中小企業庁
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